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ソードアート・オンライン~遊戯黙示録~

作者:マローン
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FILE111 最後の公開処刑!・・・そして帰還

ソードアート・オンラインの最後の戦いは決した……キリトはヒースクリフと相打ちと言う形で倒し、そして――オズマはエルダを殺す事こそしなかったものの、不殺蓮千撃で麻痺させ、エルダは半ば憑き物が落ちたかの様子で自らの敗北を認めたのであった。
これでデスゲーム、ソードアート・オンラインはクリアされて、数分後には全プレイヤーがログアウトされるであろうとエルダが口にした矢先に――ガチャモンとモック登場! by立木ナレ


もう直にソードアート・オンラインから全プレイヤーのログアウトが始まるであろうと言う時に、最後の最後まで鬱陶しくガチャモンとモックが現れるのだった。

ガチャモン「今日は西暦2024年の11月7日、正式サービス開始が2022年の11月6日だったから、ほぼ丁度二年間だったんだね~」

モック「いやはや、なんだか寂しい気がするですな~。皆さんとはこれでお別れになってしまうなんて……本当なら皆さんが第百層でヒースクリフさんを倒すのを楽しみにしていたんですけどな~」

まるでガチャモンとモックは俺達の別れを惜しむような――感極まっているかのような振る舞いを見せるが、プレイヤー達はようやく二年間にも及んだデスゲームが終わろうかと言う時にまで現れて、ベラベラと喋り続けるガチャモンとモックに対して苛立ちや憎しみを募らせた表情を向けるのだった。

エギル「オメェらの顔なんざウンザリするくらい見てきたんだよ……!用もねーくせに何度も最後までしつけ―んだよ……」

俺「何を期待してやがるのか知らねーが、お前らの相手なんてもう誰も死てられねーって見て分かるだろ?」

エギルが珍しく恫喝するような表情と声色でガチャモンとモックにそう言い放ち、俺も冷たく吐き捨てるように言い放つ。

エルダ「皆待って」

そこに、俺の不殺蓮千撃で麻痺状態になったエルダが、麻痺から自然回復し立ち上がると、俺達に対してそう制止する言葉を投げかける。
そして、物静かで落ち着いた面持ちでレイナの方を振り向く。

レイナ「……エルダ?」

エルダ「やっぱり貴方は……覚えてないみたいだけど。それでも私にとって貴方は間違いなく私の妹の玲奈よ……だから私は――――」

そこまでエルダは口にして、その先の言葉を閉ざしていた。おそらく妹を思っているからこそ、他のプレイヤー達を――俺に剣を向けてでもレイナを安全にログアウトさせ、ベータ版のソードアート・オンラインにフルダイブさせようとしたのだろうが、ヒースクリフはキリトと相打ちし、自身も俺に破れた事でそれは敵わなくなってしまった。

レイナ「……エルダ、私はこの結果に悔いは無いから。……例えこのゲームから解放された後の私が、寝たきりの昏睡状態でも、私は必ず信じてるから―――」

レイナは言葉を区切り、俺の方を一度振り向いて、強い意志と決意を感じさせる表情を浮かべて宣言する。

レイナ「――絶対に私は現実世界でもオズマにも、エルダにも会う!オズマともエルダとも……まだ話したい事が沢山あるから、会わなくちゃいけない理由がきっとあるはずだから――――」

ガチャモン「もー!何時までもキャラに合わないお喋りはいい加減にしてよね―――!!」

水を差すようにガチャモンが口を挟む、その瞬間に俺はエルダの表情が険しくなり、ガチャモンとモックに対してそれは直に向けられる事になるが、尚も奴らは止まらなかった。

モック「全くホントですぞ!何時までも何時までも聞いてられませんですな~!アンタ一体何時からそんな口が達者になって―――あぶしっ!」

誰も止める事など出来なかった。エルダの混沌剣(カオスソード)による一振りは長大なリーチを誇り、大きく離れた位置に立っていたモックの顔を薙ぎ払ってしまったのだった。

レイナ「―――ッ、エルダ!?」

俺「お前……何っつぅことを……!」

ガチャモンとモックに対して攻撃を加える事―――それは、奴らが俺達の前に姿を現したその日に早々に知らしめられたことであった。
今まで奴らに一度でも攻撃を加えたものは例外なく公開処刑を課せられてきたにもかかわらず、エルダはモックを斬ってしまった。

エルダ「レイナの話に水を差すんじゃないわよ……忌々しいわね!」

エルダ自身も自分が恐ろしい事をしてしまった事は重々に承知のはずで、この直後に自身の身に待ち受ける顛末も分かり切っているはずなのだが、その表情と目付きは全くそんな事をに対する怯えを感じていなかった。

ガチャモン「あ~あ、やっちゃったねぇエルダさん―――自分が何したのか分かってるのかなぁ~?」

そして、そんなエルダの顛末を暗示するようにガチャモンが嬉々とした様子で、エルダに対してそう語りかけたのだった。

エルダ「そうね―――最後にあんた達の悪趣味に付き合って上げようじゃないの、何を始めるのかしらね?」

俺やレイナ、そして複数人のプレイヤー達がこれから起きる事を想像し血の気が引いたような表情を浮かべる者達が多い中、エルダは全く動じる様子を見せなかった。

モック「ちっくしょうっ!やってくれましたなアンタッ――――こんな事をしてどうなるか分かってるんでしょうね!?」

ガチャモン「くすす、そうだねぇ~……君の罪は重い……とてつもなく重いよぉ~、何せ僕たちに攻撃したら公開処刑なんだからね」

喚き散らすように怒鳴り散らすモックに対してガチャモンは実に愉快そうにエルだの公開処刑を宣言するのだった。
そして、ガチャモンが指をパチンと音を鳴らすと、俺達の目の前に巨大な鉄板が出現していた。

エギル「―――っ!な、なんだこの熱は!?」

そのあまりにもすさまじい高熱を放つ鉄板を前にエギルが思わず眉をひそめて声をあげていた。実際に触るまでも無く高温の蒸気を発しているその鉄板の熱さは見ているだけでも感じられる程だった。

エルダ「随分と大袈裟な鉄板を容易したのね、これで焼肉でもやれって言うのかしら?」

ガチャモン「まっさかぁ~、そんな事で君の罪が赦されるわけないじゃないかぁ~」

ガチャモン達を挑発するようにエルダが余裕の態度で冗談を口にし、ガチャモンが楽しげな様子でそれを否定する。
そして、エルダに対する公開処刑の内容は、未だに怒り収まらぬ様子のモックの口から言い放たれる。

モック「土下座ですよ土下座っ!!アンタはこの焼けた鉄板の上で土下座をするんですよ――――ペインアブソーバー0の痛覚遮断が全く為されてない状態でね!」

レイナ「……そんな、無茶だわっ!」

珍しくレイナが悲痛な声を荒げていた。モックの告げたエルダに対する公開処刑の内容―――特に痛覚遮断が機能していない状態で焼けた鉄板の上での土下座など、文字通り、現実世界と同じように己の身を焼く行為であった。

ガチャモン「君には見せてもらうよ……心の底からの謝罪を……本当の誠意をね!君にはこの焼けた鉄板の上で10秒間連続で土下座―――すなわち、焼き土下座をしてもらう事に決定しましたぁぁぁぁぁ!!」

モック「ぐほほほほっ!!今更謝ったところで遅いですからな!当然土下座が10秒に満たなかった場合は最初からやり直ししてもらいますぞ!」

ガチャモン「あ、ちなみにね……この鉄板の上で足以外を付けた状態になるとね、1秒間に付き最大HP数値の5%のダメージを受ける仕様になってるんだ―――つまり、より10秒に近い状態で土下座を途中で放棄すると、10秒に近ければ近い程大きなダメージを受けるってわけだね~」

つまりだ、残りのHPが最大値の50%以下の状態で一から始める場合は、その時点ですでに完全な詰み!10秒の土下座をやり切る頃には既に残りのHPが0になっている事になる。

ガチャモン「そんじゃ、取りあえずエルダさんのHPを全回復させるね、これは僕からのせめてもの粋な計らいって奴さぁ~」

レイナ「……こんな事、認めない!ペインアブソーバーを切った状態でこんな拷問なんて……!」

レイナは姉のエルダの残忍極まりない公開処刑を止めようと両手剣を構えようとしたがそれはエルダ自身が左手を伸ばして制したのだった。

エルダ「レイナ、じっとしてて」

レイナ「……けど」

エルダは自らの足で焼けた鉄板の上に上がり、その場で直立した状態になる。この時点で既に足にかなりの高温が伝わっていると思われる。

俺「こんなの――10秒もやるのかよ!?」

エルダ「オズマ君、千代田区の三井記念病院に行きなさい―――そこでレイナに会えるから……」

俺「――――ッ!?」

微かな声で耳打ちするようにエルダは俺にそう言った。今の言葉はつまり、その場所に昏睡状態のレイナがナーヴギアを被せられた状態のレイナが入院していると言う事だ。
そして、エルダは俺にそこに行けと言う意味でその事を教えてくれたと言うわけだろうか?

だが、すぐにエルダは強気な表情を俺に見せつけていた。その足は僅かに震えてるように見えたのだったが、そんな震えもすぐに強引に抑えてエルダはこう続ける。

エルダ「レイナの傍で――この子を守り続けるのなら―――これくらい耐えきれて当然よ!」


そして、エルダついに焼き土下座開始!あっという間であった!両手両ひざ額を瞬時に高温の熱を発する鉄板の上に密着させ、凄まじいまでの熱を身に焼き付けながら耐える!
その最中オズマはモックが計測しているストップウォッチを一目確認―――by立木ナレ


俺「まだ……たったの4秒だと?」


異臭と阿鼻叫喚の中…続く…10秒…! 醒めない悪夢っ…!悪魔の愉悦…!地獄…!焼き土下座っ……!!
結局エルダは…この生き地獄を12秒耐え抜き…果てるっ……!やり抜いた後は、精根尽き果て……その場に倒れるっ!そして、ガチャモンとモックにより強制ログアウト……!だが、エルダはやり遂げた……10秒以上もの時間を焼けた鉄板の上で土下座をやり遂げたのであった!! by立木ナレ


※ ※ ※


気が付けば、ガチャモンとモックどころか他のプレイヤー達も続々とログアウトしてその場から姿を消しており、残っていたのは俺とレイナの二人だけだが、俺とレイナがこのソードアート・オンラインからログアウトされるのもあと数分も掛からないのだろう。

俺「もうすぐ……この世界から俺達もおさらばなんだろうな……」

レイナ「……そうね、そうすればオズマは……現実世界に戻れるわ」

レイナのその言葉は、自らに対する皮肉にも感じた。俺はログアウト後は恐らくどこかの病院のベットで目を覚ます事だろう。だがレイナは―――現実世界で昏睡状態のレイナは目を覚ます事は無く、そしてエルダが俺に負け、ヒースクリフがキリトと刺し違えた以上、ベータ版のソードアート・オンラインにログインさせられる事も無いだろう。

そんな事を考えている俺の心中を察するように、レイナは俺に歩み寄り、普段は滅多に見せることの無い穏やかな表情で俺の手を優しく握りしめてきた。

レイナ「……大丈夫よ、オズマはこのまま現実世界に帰還すれば――命懸けのマネーゲームで得たお金が、あの人の分を含めて2000万円を得る事が出来るのよ」

そうだ、俺はディンゴから託された1000万円のあるので合計2000万円を得られる事になっている。半分は約束通りディンゴの親に渡すとして残り1000万円が俺の手元に入るんだったっけな……

俺「それが俺にとって一番重要な事のはずなのに―――完全に失念してたわ」

我ながららしくないもんだ、あのロッククライミングをクリアして1000万円の権利を得た後は、それをSAOクリアへの最大のモチベーション、目標としていたはずなのに…いざ、クリアする直前の状態でレイナに言われるまで失念するなんてな。
そんな俺の言葉を聞いてレイナもくすくすと可愛らしい微笑を見せていた。

レイナ「……私は病院のベットで寝たきりのままのようだけど、私はそれでもきっとオズマが会いに来るのを信じてるわ」

俺「ああ、しばらくは色々とあるかもしれないが、必ずお前に会いに行く……現実世界のレイナに―――お前の姉貴には良い顔されないだろうがな……」

レイナ「……そうね、だから今のうちに」

レイナの唇が俺の唇と重なった―――俺はこんな事もレイナに何度も要求し、実行に移したことは会ったのだが、レイナの方から率先してこんな事をされるのは初めてだった。


そして、オズマの意識は……このソードアート・オンラインの世界からゆっくりと離れ―――目の前のレイナから引き離されるのであった!
オズマを待ち受けるのは現実世界―――ある意味では、デスゲームよりも過酷な荒波が渦巻く現実世界へとオズマは帰っていくのであった…… by立木ナレ


 
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