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ソードアート・オンライン~遊戯黙示録~

作者:マローン
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FILE110 決着・・・最後の決闘!

エルダにタゲを取った俺は補足転移の力により、瞬時に光と闇の波動に包まれた細剣を構えるエルダの眼前に瞬間移動した。
俺の片手剣がギリギリで届く位置からの縦斬りを繰り出した。エルダは左手の縦でそれを受け止める。更にそこからエルダの光と闇に包まれた細剣が横薙ぎ払いを放ってきた。

俺はこれは今から他のプレイヤーにタゲを取って補足転移で逃げている余裕は無いと咄嗟に判断すると同時に、左手のソードブレイカー程度で防げるような攻撃でもないと言う事も理解し、右手の剣でその攻撃を受け止めたのだった。

エルダの細剣は光と闇の波動を放ち続け、その波動故か攻撃のリーチも範囲も細剣の見た目よりも格段に広くなっている。
俺は競り合いが続く事は自分にとって優位に働かないだろうと考え、床を蹴りつけるように後方にバックしエルダから距離を取った。

するとエルダは細剣を肩の上に乗せるような構えを取る。あの構えがソードスキルの構えである事は直感でそうだと告げた。
そしてすぐにそれは現実となる――エルダの細剣から闇の波動が消えて、強力な光一色の波動に包まれると、5メートル以上のリーチの光の波動剣が俺に襲い掛かってきた。

俺「―――っ!」

間に合うかどうかわからなかったが、俺はエルダの後ろで麻痺状態でへたり込んでいた聖竜連合のプレイヤーにタゲを取り、補足転移で瞬間移動したのだった。
おそらく、光の波動の長距離波動剣が振り下ろされたのはその直後だったのだろう―――ともかく俺は、エルダのソードスキルの一撃を食らうのを免れたが、エルダとダイブ距離が開いたので流石にエルダのソードスキル発動後の硬直の隙を付く事は敵わなかった。

俺はそれでも今度はエルダにタゲを取って補足転移ソードスキルの『ラウンジ』を発動した。タゲを取っていたエルダの頭上に瞬間移動し、下突き、切り、突き、切り上げと連続攻撃を繰り出す技だ。
だが、下突きも、切りも、突きもエルダの盾でガードされる。そして最後の切り上げはエルダの光と闇の波動に包まれた混沌の細剣の斬り払いによって防がれてしまった。
そして攻撃を出し終えた後、俺は元居た位置に瞬間移動で元の位置に瞬間移動する。

そして今度はソードスキル発動後の硬直を課せられた俺にエルダが全速力で斬りかかって来る番だった。俺はエルダの攻撃が届く前に何とか硬直が解除されて、再び補足転移で攻撃を回避してやろうと考えたがそれは甘かった――エルダは俺よりも遥かに距離が離れた場所から闇に覆われた剣を連続で振り払う。最初はいったい何をしているのか理解しかねていた俺だったが、エルダの闇に包まれた細剣からは闇の紫色の衝撃波が連続で放たれて……それは猛スピードで俺の方に直進しそして―――

俺「ぐあっ……!」

エルダ「さよなら……オズマ君」

俺の身体を次々と貫き、瞬く間にレッドゾーンに設定されていた俺のHPバーを呆気なく削り切ってしまったのだった。
すなわち俺は負けた……遠くから微笑を浮かべるエルダの表情が奴の勝利と俺の敗北を確信させていた。
こうなってしまえば俺はこのゲームからも、そして現実世界からも永久退場になる――自らの死をもって、せめてキリトがヒースクリフに勝てばこのゲームはここでクリアされるからせめて―――

エルダ「何故……何故、死なないの!?」

俺「―――?」

俺の思考を打ち切ったのはエルダの驚嘆の表情と言葉だった。なぜ、死なない……それは俺の事か?ふと俺は自分のHPバーを見てみると、先程のエルダのソードスキルによって全損したはずのHPバーがMaxの大体20%程の数値にまで回復していた。

俺「どういう事だ……?」

俺自身何がどうなっているのかまるで分らないのだったが、その答えをすぐに俺に示すように、目の前に虹色の結晶アイテムが浮かび上がったかと思うと、その場で虹色の塵となって四散して消えたのだった。

エルダ「それは……緊急回復結晶!?」

俺以上に驚きを露わにしたのは、今さっき、俺を倒したと確信していたエルダの方だった。そして、エルダが口にしたアイテム名『緊急回復結晶』は俺も覚えていた、あれは確か第24層のフロアボスの雪ダルマモンスターをレイナが倒してドロップしたユニークアイテムだ。
あれは所有者のHPが0になった場合に初めて自動で発動し、HPを20%回復させる事で死を無効化させるアイテムだった。
だがあれは、レイナがドロップして自分のアイテムストレージに入れていたはずだったのだが―――

俺「お前まさか……共有アイテムストレージに?」

俺はそう口にしながら、後ろで麻痺状態で動けないままのレイナの方を振り向いた。気のせいか、その表情は微かに笑みを零しているように見えた。
そして、俺はその笑みを見ただけでレイナが密かにこの緊急回復結晶を俺とレイナの共有のアイテムストレージに入れたのだと言う事を確信した。

無論、第24層のフロアボス戦に参加していたエルダもその事を既に察していたようで、怒りと苦労に満ち歪んだ表情を浮かべて俺とレイナを交互に見渡していた。
そして、ガタガタと震える口から大声を発生する。

エルダ「玲奈ぁ……何で……それは、それは貴方の命を一度だけ繋ぐ生命線……それなのになんで?なんでその男の為に!?」

俺「俺も今初めて知って驚いてる所だがな……これで俺とおまえの戦いはまた一から仕切り直しって事だな」

エルダ「相応しくない……貴方は元から玲奈に――私の妹に相応しくはないっ!!」


エルダの細剣に纏う光と闇の波動が一層強まり、まるでエルダの強い感情に反応するかのような凄まじさ!妹を汚した憎き男を葬る為の力!そう……エルダは身内動画part2で知っていた――――迷宮区第31層にて、レイナがオズマによってその白く華奢な身体を思うがままに貪り食われている光景を――――一枚の写真によって確信していたのであった……そして、それ故に―――エルダはその時からオズマに対して腹の奥底で、殺意を孕んだ憎しみの感情を宿していたのであった! by立木ナレ


俺はここで敢えて剣を鞘に納めて納刀術で戦う事にしていた、こうすれば補足転移での瞬間移動そのものは使えるが、補足転移用のソードスキルは一切発動出来なくなる。

エルダ「消えなさいっ!!」

光の波動に覆われた細剣が振り払われると、光の波動はまるで(ムチ)の様にグネグネと湾曲し、俺に向かって襲い掛かって来ていた。

俺「―――ッ!!」

相変わらずリーチ・攻撃範囲共に桁外れのユニークスキルだ。俺は鞘に収まった状態の剣を振り払い、鞭の様に湾曲し迫ってきた光の波動をどうにか打ち払った。
だが、エルダの今のソードスキルの硬直はさほど長くなく、再び再建に光と闇の波動を纏い、切りかかって来る。
俺の鞘に入った剣がそれを受け止める。

エルダ「私は今までずっと―――ずっと玲奈を守ってきた!あの子に必要なのは私よぉ!」

先程よりも大振りなその剣技はエルダのレイナに対する愛情と、俺に対する敵意が入り混じったが故の激情から成っているのだろう。
俺はエルダの剣を鞘で一撃、また一撃と防ぎ続ける。

エルダ「私がぁ―――――!」

俺「ようやく隙を見せたなっ!」

エルダの右手の細剣は尚も光と闇の波動を纏った状態で縦方向に大きく振り上げられていた、そして左手の盾の方はというと、剣を振るのに夢中で腰よりも低い位置で構えられていた。
そして俺は細剣と盾の隙を付く様に、左手のソードブレイカーをエルダの胸を突きさしたのだった。

エルダ「あっ―――!」

俺「じゃあな……エルダ」

さっき俺に止めを刺したエルダが俺にさよならと言ったように、今度は俺がそのお返しと言うわけじゃないが別れの言葉を告げてとどめのソードスキルを放ったのだった。
元からHPバーがレッドゾーンで設定されていた為に、俺の連続攻撃技の納刀術ソードスキルを食らえば一溜りも無いのは言うまでもないだろう。

レイナ「……さよなら、姉さん」

俺の後ろで麻痺した状態で倒れているレイナが初めて囁くような声でエルダを姉と呼んだ気がした。そして俺はエルダを――レイナの姉を納刀術ソードスキルの連続攻撃によって完全に斬り倒したのだった。


決着!オズマとエルダの戦いはオズマの死をもって終わるかと思いきや、レイナがオズマに託した緊急回復結晶での続行――そして形勢逆転!オズマの勝利となったのであった!by立木ナレ



※ ※ ※



エルダ「どういう……つもりなのかしら?」

細剣を杖の様にして自らの身体を支えているエルダは、顔をあげて俺の方を向きながらそう尋ねてきた。
既にその表情には怒りも憎悪も、悲痛さも感じられない。ただ単に、訝し気な様子で俺を見ているエルダだった。
エルダのHPバーには緑色の枠が点滅している――麻痺状態を示す状態になっていた。

エルダ「あの状況で……HPバーがレッドゾーンのプレイヤーやモンスターにはダメージを与えられない不殺蓮千撃(ふさつれっせんげき)で私に止めを刺さずに……麻痺状態にさせるだけだなんてね……やっぱり貴方には人を殺す覚悟は無かった……みたいね?」

俺「そう言われちゃ否定できねぇけどさ―――やっぱりレイナの姉のお前を殺したくねぇとも思っちまったんだよ」

我ながら尽く甘い考えだと自分に呆れざるを得ないな。そんな複雑な心中の状態で、麻痺で身体が動かないエルダを見下ろしている時だった。

レイナ「オズマ!」

俺「なっ……レイナ?」

何時に間にか麻痺状態から解放されていたレイナが俺の後ろから抱き着いていた。気が付くとさっきまで麻痺していたクラインやエギル、他のプレイヤー達も麻痺状態から立ち上がりゆっくりと立ち上がっていた。
そして、そのボス部屋にはいつの間にかもう一組の決闘者達が――キリトとヒースクリフの姿が無かった。

俺「ヒースクリフとキリトはどうした?」

レイナ「……オズマ、見ていなかったの?」

俺「ああ、エルダとの戦いで夢中でキリトとヒースクリフの方がどうなってたかとか全然だ―――」

だが、キリトとヒースクリフの両方がこの場に居ない上に麻痺状態が解除されたと言う事は考えられる可能性としては一つだ。何より、床に手を尽きて欝むせたまま、涙を流し続けているクラインの姿がその結果を物語っていた。

エギル「キリトとヒースクリフは―――相打ちしたよ」

そう答えたのは巨漢の斧使いのエギルだったが、その声は今にも泣き出しそうな程に霞んでおり、大きな左手で顔を覆い隠していたのだった。
そして、エギルのその言葉は――俺の予想を的中させたのだった。

レイナ「……あの二人だけじゃないわ、麻痺状態で動けなくなっていたはずのアスナが、キリトを庇おうとしてそれで――――」

俺「アスナまでかよ……」

そう言われて俺はボス部屋にアスナの姿も無くなっていた事に気が付いたのだった。そして、麻痺状態で身動きが取れないエルダが何もかも悟ったような表情と声で――

エルダ「負けたのね……茅場先生も私も―――もう遠くない内に全プレイヤーのログアウトが始まるから―――」

ガチャモン「おやまぁ~、血盟騎士団の三大強プレイヤーがポッカリといなくなってるみたいだねぇ~」

モック「ぐほほっ!これでこのソードアート・オンラインも恐らくあと数分でお終いですかな?」


二組の戦いが終了して間もなく、傍観者ガチャモンとモックがさっそうと登場!時期に終わるソードアート・オンラインに最後の旋風が巻き起こる! by立木ナレ 
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