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うみねこのなく頃にお茶会を

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Episode 1 Legend of the golden witch

 
前書き
この物語を最愛の魔女ベアトリーチェに捧ぐ……




 

 
戦人「よーし、みんなお疲れ~」

譲治「いやぁ~何とか無事終わったね」

朱志香「アタシ上手く出来てたかなあ……ちょっと不安だぜ」

真里亞「うー!真里亞はちゃんと出来た!
バッチリ!
うー!」

戦人「ああ。
真里亞は確かに凄かったからな。
あんな小難しい台詞をよくもまあ、スラスラ言えるもんだぜ」

譲治「あはは。確かにそうだね。
今回は何と言っても真里亞ちゃんの活躍なしには語れないね」

朱志香「アタシはスッゲー緊張してたんだけどなあ。
真里亞はホント、タフっていうかさ。
なんかこう女優としてのオーラみたいなもんが出てんだよな。
やっぱ主演女優は違うよなあ」

真里亞「うー。真里亞、主役じゃないよ」

戦人「おっ、さっすが真里亞は分かってんな。
いっひひひひひ。
まあ、なんつってもこの話の主役は…」

真里亞「ベアトリーチェ!」

戦人「がくっ!
べ、ベアトリーチェええ~~」

朱志香「あっははははは。
確かに真里亞が正解だぜ。
戦人。
お前もアタシらとおんなじ只の脇役、盛り上げ役だよ」

戦人「そ、そりゃねえだろ。
俺が主役じゃねえのかよ。
大体ベアトリーチェなんていやしな・・・」

譲治「戦人くん。
魔女は"い"るんだよ。
第一君だって会っただろ、ベアトリーチェに」

戦人「でもあれは本編での事じゃねえだろ。
どうせまた真里亞に怒られるんだろうけどさ。
やっぱり俺には信じられねえよ。
魔女が魔法で俺達の家族を殺してまわったなんて。
作者はあくまでプレイヤーのみんなに信じてもらいたいんだろうけどな。
どうせ最後には犯人は人間でした~ってオチが待ってるさ。
実際前のやつだって……」

譲治「戦人くん。
ネタバレは極力避けようね。
別作品の話ならよけいにだよ」

朱志香「戦人はそういうとこ無神経なんだよな。
もうちょっと考えてから喋れよ」

真里亞「戦人、無神経!無神経!
うー!うー!うー!」

戦人「ちぇっ。
三人で責めてくんなよ。
あ~あ、俺ここでも孤立してんのか…」

譲治「孤立、か。
確かにお茶会の様子から見る限り、次の話からはあくまでも戦人くんだけが立ち向かっていくみたいだね。
どういう形でかは分からないけれど」

朱志香「しっかし戦人も強情だよなあ~
お前昔からそんな奴だったけ?
なんか魔女相手にも本気で怒ってたし。
まあ、家族をあんな風にぶち殺されりゃあ当然なのかも知れねえけどよ」

真里亞「きひひひひひひ。
無駄なことだよ。
ベアトリーチェはね。
何でも魔法で叶える事の出来る大魔女なんだよ。
戦人なんかじゃ役者不足も甚だしい。
それにね。
みんなが死んだってそれは大したことじゃない。
どうせ黄金郷に行けばみんな復活できるんだ。
だから戦人も……あ、痛!」

戦人「それ以上言うと殴るぞ。
な~にが黄金郷だよ。
そんなの爺様が考え出した妄想の一つだろ。
真里亞。
いいか、よーく聞けよ。
人間てななあ死んだらそれまでなんだよ。
命ってのは一人に一つしかねえものなんだ。
だから大事にしなきゃあいけねえ。
それが自分のものであれ、他人のものであれだ。
俺は犯人の野郎を絶対許さねえ!
何が魔法だ!
何が魔女だ!
何がベアトリーチェだ!!
俺は必ず暴いてやるぜ。
魔女なんてふざけた仮面を被ったくそ野郎の素顔をきっちり拝んだ後に、一発ぶち込んでやる。
絶対だ!
これは絶対だ!」

真里亞「………」

譲治「ま、まあ戦人くん落ち着いて」

朱志香「そ、そうだぜ。
熱くなるのはいいけどよ。
冷静になんなきゃ見えるものも見えねえぜ。そ、そうだ。
黄金郷と言やあよ、あの爺様の碑文てありゃあ何なんだろうなあ。
本当にあれ解きゃあ黄金が見つかんのかな?
いや?
魔女が復活すんだっけ」

譲治「本編じゃあそれも謎の一つだったね。
お爺様が何を考えてあんな碑文を作らせたのか。
魔女復活の儀式の為か。
黄金の在処を指し示す為か。
右代宮家次期当主を選ぶ為か。
碑文そのものの謎解きと合わせて、これも大きな謎だね」

戦人「ふう…
わりい、ちょっと熱くなりすぎた。
碑文、か。
そういやあ犯人の野郎もわざわざ碑文を解いてみろ、とかって挑発してきやがってたよなあ。
まあ本編の方のお茶会でも言ってたけど、みんな無視してたけどな」

朱志香「碑文の謎を解け。
それが出来たらこの殺人を止める、か。
あれって何の意味があったんだろうな。
こういう言い方もなんだけどよ。
人を殺すってことはそれ相応の理由があるからやるんだろ?
それなのにあんな爺様の気紛れで作らせた碑文の謎なんか解いたら止めてやるって、何だよそれ。
わけ分っかんねえぜ」

譲治「理由、理由か。
まだ一話目だから仕方ないとはいえ、分からない事だらけだね。
魔女が誰なのか。
どうやってあれだけの殺人を行ったのか。
そもそも何故殺すのか。
本当に魔法なんてあるのか。
お爺様との関係。
碑文との関係。
右代宮の隠し黄金の実在。
これから話が進めばまだまだ謎が増えるんだろうしね」

戦人「フーダニット。
ハウダニット。
ホワイダニット。
誰が、どうやって、何故行った、だな。
へっ!
任せときな!
次の話が始まりゃあ俺が一気に解決してやるぜ!」

朱志香「戦人に任せてちゃあ、解決出来る事件も迷宮入りしそうだけどな。
それに蒸し返すようだけどよ、この話って本当にまともに推理出来んのかあ?
作者だって推理可能とは保証しないって謳ってんだろ」

譲治「う~ん、でもまあプレイヤーのみんなにも挑戦して欲しいって言ってるわけだしねえ。
あんまり無茶苦茶な答えは用意してないと思うけど……」

真里亞「きひひひひひひ。
全くニンゲンってやつは無駄な努力が好きな生き物だね。
まあ、精々頑張るといいよ。
このゲームを多くのニンゲン達がプレイしてそしてベアトリーチェの前にひれ伏せば、それだけベアトリーチェの魔力が増す事になる。
魔女は自身を信じるものが多くなればなるほど、より力を蓄えていく。
きひひひひひひ。
楽しみだよ。
ベアトリーチェがその本当の姿を私達の前に顕してくれるその時がね。
きひひひひひひひひ……あっ痛!」

戦人「全く何度言っても懲りねえな、お前は。
………そういや兄貴。
真里亞の事で気になってる事があんだけどよ」

譲治「本編の最後に出てきたメッセージボトルだね。
あれは署名こそ"右代宮真里亞"だったけれども本当に真里亞ちゃんが書いたものかどうは極めて疑わしいね。
本編エピローグによれば真里亞ちゃんは顎の一部、僕らは身体の一部だけしか見つからなかったそうだ。
六軒島で結局のところ何があったのかは分からないけれど、真里亞ちゃん含め僕らが生き残ったわけではどうやらないらしい。
あの文章からは誰かに六軒島で起きた事件の真相を解き明かして欲しい。
そう望んでいるように読めるけど」

朱志香「真里亞は魔女の実在を信じてる。
事件の真相なんざ望んじゃいないわな。
それともあれか。
土壇場でベアトリーチェに裏切られたとか、そういうことか」

戦人「だったら何故こんな中途半端なとこで物語が終わってるのかって事にもなるわな。
まあ作者の都合といっちまえばそれまでだけどよ」

譲治「作者、か。
この場合その"作者"という言葉には二通りの意味があるね」

朱志香「二通り?」

戦人「"右代宮真里亞"を名乗る誰か、そして竜騎士07の二人、だな」

譲治「その通り。
プレイヤーのみんなはその双方の意図を探りながら挑まないと、今度のゲームはクリア出来ないんじゃないかな。
僕はあくまで一キャラクターだけれどね。
何となくそう考えているよ」

朱志香「作者の意図かあ。
もしかしてそれもさっき戦人が言ってたなんとかニットに含まれんのか」

戦人「ホワイダニット。
何故そんな事をしたのかだ。
さすがに竜騎士07の事は俺達にゃあお手上げだな。
そっちはプレイヤーのみんなに任すぜ。
メッセージボトルの方は……どうなんだろうな。
次からの俺と魔女との戦いに関わってくるのか………」

譲治「何とも言えないね。
まず戦人くんとベアトリーチェの戦いがどういう形で行われるかも、まだ分からないしね。
でも戦人くんにもそして勿論プレイヤーのみんなにも頑張ってもらいたいね。
どうやら僕や朱志香ちゃんは何も出来ることはなさそうだし」

朱志香「譲治の兄貴は特に頑張って欲しいよなあ~
なんせ紗音との未来が懸かってるわけだし~」

戦人「い~ひっひひひひひ。
そっか、そりゃそうだよなあ~
紗音ちゃんのあのデカパイを堪能せずには死ねねえよなあ。
こりゃ俺も気合い入れなきゃいけねえな。
譲治の兄貴と紗音ちゃんのデカパイの為になあ」

真里亞「デカパイ♪デカパイ♪
うー♪うー♪うー♪」

譲治「ま、真里亞ちゃん。
そういう事言っちゃだめだよ。
戦人くんも朱志香ちゃんも止めてくれよ。
ご、ゴホン。
そ、そろそろこのお茶会もお開きにしない?
続きはまた次の話の後でいいじゃない」

朱志香「次の話って何ヵ月後だよ?
まあこれも言っても仕方ないけどさ。
そんじゃまあ、アタシもプレイヤーのみんなにメッセージ送っとくか。
ええと、みんな今回の話は楽しんでくれたかな?
なんか矢鱈と血生臭い話だし、おまけに魔女がいるかもしんないっていうわけ分かんない話だけどさ。
それでもみんなには頑張ってこの物語の謎を解いて欲しい。
別にアタシが助かりたいから言ってるわけじゃないんだ。
やっぱゲームって楽しんでなんぼだろ?
どうやらこのゲームはただ漫然と読むだけじゃなくて、謎に挑んだ方が楽しめるみたいなんだ。
だからみんなには次のゲームにも期待して欲しいし、その次のゲームも楽しんでもらいたい。
頑張れよ、応援してるぜ」

真里亞「きひひひひひひ。
まあ、君らがどう挑もうと無駄だと思うけどね。
ベアトリーチェは"い"るんだから。
ニンゲンどもがどれだけ疑おうともこれは揺るぎのない真実なんだよ。
一体何人のニンゲンがベアトリーチェの前に屈するか。
黄金郷からその様を楽しんで見させてもらうよ。
きひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ」

譲治「まずプレイヤーのみんなにはお礼を言うよ。
『うみねこのなく頃に』をプレイしてくれてどうもありがとう。
君たちと出会えて本当に嬉しいよ。
朱志香ちゃんも言っていたけど、今度のゲームも挑戦してこそ楽しめるもののようだ。
と言っても勿論楽しみ方は人それぞれ。
どんな形でもいいから君達が楽しんでくれる事を願っているよ。
じゃあまた会おう。必ずだよ」

戦人「プレイヤーのみんなにメッセージか。
へへ、なんか照れるぜ。
ええと、俺は右代宮戦人。
名前の通り戦う男だ。
俺は最後の最後まで諦めやしないぜ。
プレイヤーのみんなだってそうだろ?
魔女なんてふざけた存在がこの世にいるわきゃねえ。
俺と一緒にベアトリーチェなんてふざけた犯罪者の首に縄かけて引き摺り回してやろうぜ。
推理不可能?
魔女幻想?
ああ、駄目だな。
全然駄目だぜ。
俺を屈服させるにゃ全然足りねえぜ。
見ててくれよ、プレイヤーのみんな。
今度の物語は前みてえに八話も続かせねえぜ。
次の話であっさり俺が終わらせてやる。
待ってろよ!
ベアトリーチェええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!」 
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