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ソードアート・オンライン~遊戯黙示録~

作者:マローン
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FILE104 デスゲーム本格化!空気を読まぬ者達

第75層フロアボス戦の偵察戦に向かったオズマ達であったが。前衛の10人のメンバーがボス部屋の中央に入った途端にボス部屋が完全封鎖!そして、扉開くときには既にその中には10人の前衛メンバーはおろか、剃ボスモンスターの姿も見当たらず、転移脱出した形跡もなく、メッセージでの連絡も出来ず、オズマ達後衛の10名は最後の希望……いや、希望と呼ぶにはあまりにもか細い、いわば足掻き!最後の足掻きとして基部フロアの黒鉄宮のモニュメントの名簿を確認しに言ったオズマ達であったが―――by立木ナレ


レイナ「……やっぱり前衛のメンバー10人の名前が書かれているわね」

クライン「マジかよぉ……クソったれ!あんなのキタねぇじゃねぇかぁ!!74層の時と言い、また結晶無効化エリアでしかも……一度入ったら出られねぇなんてふざけんなぁ!!」

レイナが冷静に10人の前衛メンバーの名前が刻まれている事を確認したことを告げると、クラインは理不尽なまでの初見殺しの第75層のボス部屋の仕組みに対して、名簿を殴りつけながら怒りを吐露していた。

前衛の10人は一体どんな気分だったんだろうな……ボス部屋の中央に到達した途端にボス部屋が閉鎖されただけでもただ事の事態ではなく、ある程度の混乱は生じるだろう。
転移結晶での脱出も出来ぬ状態のままフロアボスが出現し、たった10人程度ではおそらく勝ち目など無いにもかかわらず脱出が不可能な以上戦闘を強いられて、そしてそのまま全滅―――

俺「ホントに、冗談じゃねぇだろうな……」

ここにいる俺達だってもし後衛ではなく前衛だったらと考えると、代わりに俺達がそっくりそのまま入れ替わる様に未だに姿を見ていないボスモンスターに全滅させられていたんじゃないかと考えるとゾッとするな。

ユッチ「ああ~、よかったぁ~。僕たち後衛で本当に良かったっすねぇ~、僕たちが前衛だったら今頃僕らが死んじゃってたじゃないっすか~」

偵察隊の10人の前衛メンバーの死にその場でモニュメントの名簿を確認した者たちが意気消沈、中には悔し涙を浮かべる者すらいる中で、ユッチはそれらを全く気にする事も無く、安堵したような声で自らの不幸中の幸いを喜んでいた。

ユッチ「こんな九死に一生の体験なんてもう金輪際ゴメンって感じっすよねぇ~、まだまだ僕らにはツキがあったんですかねオズマさ―――ぐほぉっ!」

ヘラヘラと喋り続けるユッチの胸倉を、大柄な聖竜連合の男がガッシリと掴み、そのまま限界まで戦く持ち上げていた。
そして、今にもその場でユッチを殺してしまわんばかりの形相で、喉から怒りを帯びた言葉を吐き散らすのだった。

「なんだとテメェェェ!良かった?良かっただぁ!?10人だぞ!10人も死んで何が良かっただ!何がツキがあっただ!ついほんの少し前まで一緒にいた奴らがこうして死んでるってのに何言ってやがるんだこのクソガキャ!!」

シュミット「止さないかワイルダー!こんなところで争ってどうする!?とにかく落ち着け!」

怒り狂いユッチの胸倉を掴んで持ち上げているワイルダーと呼ばれた聖竜連合のメンバーを、同じく聖竜連合の幹部格で攻略組最高峰の壁役(タンク)プレイヤーでもあるシュミットが慌てて宥め止めようとしていた。
前衛のメンバーの内、聖竜連合のメンバーは4人だ。たった一度の偵察戦で4人の仲間を失った悲しみに暮れていた中でユッチの軽はずみな言動は言うまでも無く、怒りに火を付けたのは言うまでもないだろう。
必死に宥めているシュミットも同じ聖竜連合のメンバーとして内心ではユッチに対してかなりの不快感を抱いているのかもしれない。
俺はワイルダーの側に近づき、ゆっくりとした言葉でワイルダーに声を掛ける。

俺「俺のギルドの奴が悪かったよ……余計な事はこれ以上言わせねぇからさ、取りあえず離してやってくれねーかな?」

ワイルダー「…………」

ワイルダーは無言のままだが、声を掛けてきた俺に対しても敵意の籠った目付きで睨み付けて来る。そんな目を背けたくなるような形相を俺は敢えて視線を逸らすことなく目を合わせ続ける事にした。

ユッチ「た、助けて……助けてっす……」

ユッチはと言うと、殺意すら感じられる剣幕で睨みつけられたのが余程恐ろしかったのは目から涙を浮かべながら、全身をガタガタと震えさせて怯えていた。哀れにも思えるその姿だったが、ユッチにとってはそれなりに良い薬になっただろう。

やがてワイルダーは視線を下に逸らすと、目から涙を一滴零しながら、ゆっくりとユッチを床に降ろしたのだった。

ユッチ「ひぃ……ひぃぃ!!」

そして、ユッチは解放されると同時に床に腰を付けたままの状態で、地を這うように後ろず去りワイルダーから距離を取ったのだった。
すっかりと悪い空気が流れてしまった中で、クラインが頭をポリポリと掻きながら『あ~』と唸ってから、口を開いた。

クライン「と、取りあえずよ、この事を報告しに行かなくちゃならねーな……血盟騎士団のトップにも聖竜連合のトップにも……攻略組全体にな」

俺「そうだよな、全面的に策を練り直す事になりそうだが、今までのフロアボス戦と勝手が違う過ぎるな」

レイナ「……今回の出来事が知れ渡ればきっと、75層のボス戦の参戦を忌避する人が増えるわね」

ガチャモン「はぁ……本当に欝だよねぇ~、74層、75層とボス部屋が結晶無効化エリアなんてさ、この調子で行くと76層以降も同じ仕様なんじゃないかって思えてきちゃうよねぇ~」

モック「そんな後ろ向きな事ばっかり考えててどうするんですかガチャモ~ン!気を取り直して頭を切り替えて前に突き進むしかありませんじゃないですか!そーですよね、皆さん?」

勝手に当たり前のように話に割り込んでくるのはガチャモンとモックだった。悪質な仕様のボス部屋によって偵察隊半壊を確認した直後に奴らが現れた事により、ガチャモンとモックに対して怒りと疑いを向ける者が現れるのは言うまでも無かった。

クライン「オ、オメーらぁ!よくもキタねー真似してくれやがったな!マジで許さねぇぞぉ!!」

ガチャモン「ほえほえ、汚い真似?それってもしかしてジモンさんの芸風とか?」

モック「ガチャモ~ン。失礼な事を言っちゃいけませんですぞ、ジモンさんは確かに芸風は汚いのかもしれませんけど、プライベートは清潔じゃありませんですか~」

白々しく口を挟んでくるガチャモンとモックに対してクラインが怒りを露わにし、今回の偵察戦の一件で詰め寄るが、ガチャモンとモックは完全にすっとぼけて、最近はあまり見ない芸人の話題を口にし始めていた。
そして、クラインよりも遥かに怒りをぶちまけるのは聖竜連合のワイルダーだった。ワイルダーは獲物である両手斧を構えると、ガチャモンとモックに斬りかからんばかりの形相で睨みつける。

シュミット「や、やめろワイルダー!!こいつらに手を出したらどうなるか分かってるんだろ!?」

ワイルダー「だからって……だからってこんな事されて許されるかよぉ!こいつらが……こいつらがふざけた仕掛けをしやがるから10人も死んじまったんだぁぁぁ!!」

シュミットに宥められるワイルダーだったが、ギルドの仲間4人を含む10人の犠牲者を出した75層の仕掛けの張本人をガチャモンとモックの仕業と見なして殺意を堪えられず声を荒げていた。
だが、ガチャモンとモックはお互いに顔を持合わせると、今度は俺達の方を向いてから両手を広げるポーズをとって見せていた。

レイナ「……何の真似なの?」

ガチャモン「いやさ、そうやってなんでもかんでも僕らのせいにしてくれちゃってさ。身に覚えのない事で一々文句言われてたんじゃ僕らだって流石に堪忍袋の緒が切れそうなんだよね~」

モック「ホント、勘弁してもらいたいもんですな~。冤罪が何で無くならないのか、あんた達にはその辺りの事を真剣に考えてもらいたいですな~」

自分達の仕業ではないと言った様子でガチャモンとモックはクラインやワイルダーの問い詰めに対して、両手を広げたポーズのまま首を横に振っていた。

クライン「テメーらの仕業じゃねーってか!?だったらなんだってんだ前回の74層の結晶無効化エリア――――そして今回の75層じゃ、それに加えてボス部屋に入ったら出られねーなんてどー言う事だぁ!?」

ガチャモン「どー言う事だって聞かれましてもね~。第74層と第75層のフロアボスの部屋をプログラムしたのは僕たちじゃないから知り様が無いに決まってるじゃないか!」

モック「そうですなぁ~、このゲームを制作した運営――と言いますか茅場晶彦が最初から74層と75層は結晶無効化エリアとか、一度は行ったら出られない仕様に設定したと考えてよろしいのではないんですかね~?」

俺「オメーらの仕業だろうと、茅場が最初からそう言う風に設定したにしろ、第75層のボス部屋は結局のところ、結晶無効化エリアで途中離脱不可能って事には変わりねーって事かよ」

中々明確な答えを濁し続けるガチャモンとモックに対して俺が履き捨てるようにそう言い放つと、ガチャモンとモックは気味悪くニヤニヤと笑いながら答える。

ガチャモン「まーね、君達のやる事はただ一つ。第75層を結晶アイテム無し、途中離脱不可能の状態でクリアする事さ」

モック「いきなりフロアボス戦の難易度がグレートアップして困惑してしまうのは理解できますがね~。これぞ、いよいよ本格的なデスゲームって感じがしてわっく枠ですなぁ~」

そして、ガチャモンとモックは俺達の鋭い視線を意に介する事無く、その場でゲラゲラと下品に馬鹿笑いを始めたのだった。これ以上奴らに構っていても仕方ない判断し、俺達は結局その場で解散し、今回の出来事を報告する事になった。
今現在、血盟騎士団から一時的に脱退し、どこかで休暇を謳歌してるだろうキリトとアスナも呼び戻す事になるだろうな。


 
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