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こんなチートでもありですかい?そうですかい。

作者:わいわい
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第24話。変人の年末。

 
前書き
前話のイデオン設定の話の続きですが、スーパー裏設定でイデエンドならぬシンゴエンドは存在します。
ほら、ステータスで書いた宝具ですよ。

晋吾、人類の可能性に絶望→ビックバン・ミゼン!!→終焉の宇宙→宇宙再生。

みたいな~。 

 
side シオン・エルトナム・アトラシア


頗る体調の良さに有頂天になりそうな意志を抑えつけながら、教会への報告が終わり一息をつく。

足がつかぬように書いた手紙であるが、アトラスの錬金術師である私が書いた手紙を教会は否定できないだろう。



12、13歳程の東洋人の少年が死徒二十七祖の一角を滅ぼす。



言葉に、文にするのは簡単であるが、それはひどく異常なことであった。実際目にした私でさえも、書きながら違和感を感じるほどに・・・

教会のひざ元のローマに居を構えいたスフィア・ヘリオポーズはその力が強大であったため放置されていた状態であった。

それが教会の物以外に滅ぼされたとあったら対外的には権威の問題でマズイ。

しかし、アトラス院のものが『事実である』としたものは限りなく事実であり、覆したくも覆せるものではない。

ゆえに恐らく教会は内々にこの事実を処理し(手紙を燃やすだけで終わりだが)、教会の手柄にするだろう。

これにより、教会はこれまでの成果も含め、12、19、22、23、25、26位の死徒を殲滅したことになる。

数十年ぶりの死徒二十七祖の殲滅であるので、本来なら大いに沸かせる事実なのだが、教会は今や大忙しでそんな暇はない。

なぜなら手紙の最後に爆弾を乗せておいた。



その少年は使徒アポストロスである。



それこそ『神の子』の復活どころではない。『神の化身』がやって来たのだから。

曰く、人類の守護者。

曰く、人類の審判。

曰く、人類の終焉と始まりをもたらすもの。

文献等で様々なことを語られているが、実際にこの星に誕生したのは初めてである。

使徒の存在にある者は歓喜し、ある者は不安を覚える。

人類が対面したことのない使徒の存在を知るのは、星、地球の端末である真祖の存在があるからである。

多くの文献は真祖が謳った使徒を募ったもの。真祖は言う、使徒は『敵』ではないと。

躍起になって教会は使徒となった少年を探すだろが・・・・絶対にばれないだろう。正直、冷静に見ればただの変な子である。

本当におかしな子供であった。初対面から抵抗感なく話せる雰囲気を持ち、安心させてくれる力強い少年。

また会えるような気がしてならない。分かれたばかりなのに既に心待ちしている自分がいる。

損得抜きに力を貸してくれると言ってくれた少年を思いながら、絶好調の体で地面を蹴り、シオンは歩き始める。





しかし後日、何故か『吸血衝動』が消えていること、何故か分割思考の5つが

『あぁ晋吾。あなたのためなら私は・・・・』

と言うファイル名の元、厳重な封印がされているのに気づき、最大7つであった分割思考が

35と単純に5倍になっていて大いに慌てるのであった。



SIDE OUT









シオンが慌て始める三十と数時間前、晋吾達ご一行は旅行の最終日を過ごしていた。

最終日はバチカン観光。親父はまさかバチカンに行くことになるとは・・・・と感慨げな表情で言っていた。

大みそかも近いためか、ミサの準備がされている所もあり、一年の終わりを感じられる。

そう言えばうちも帰ったら準備しないとなー。まぁ、シロちゃんが粗方用意しているだろうが。

俺たちの内に宗教家のものは一人もいないが、学術的に興味や、芸術的な興味を刺激するこの国はこの世に生を受けたならば一度は行ってみた方がいいと

実際に目のあたりにして感じた。んー。流石バチカンと言ったところか。やはりシロちゃんも来ればよかったのに。

バチカン宮殿は流石の一言だった。前世でフランスの美術館に行った時は小難しい言葉を並べたくなったが、逆にバチカンは一言で纏めたくなると言うのだから面白い。

ちなみにだが宮殿に入る前に1時間ほど並んだのだが、その列の並びに沿うようにアコーディオン弾きの男の子がちらほら。

つい『俺の歌を聞け―ーー!!』っと乱入したくなったが(というか目の前まで行った)、姉ちゃんに首根っこ掴まれて止められた

ぬぅ、最近姉ちゃんが俺に対して全くの遠慮がなくなったのは、喜ぶべきなのか悲しむべきなのか?

またステンドグラスは、爺ちゃんの家にもあったがまた違った凄味を抱かせる。

でもサンタンジェロ城が爺ちゃん家より小さかったのにはなんとも言えなかった。

サンピエトロ寺院はでかくて綺麗だった。親父曰く、露出が多いカッコだと中に入れないらしい。短パンでもアウトのコト。

幸い全員普通の服装だったので問題ない。というか、姉ちゃんは兎も角、たいがーの露出過多の服とか見たことないんだけど。

冬はたいがーカラーのしましまTシャツに緑のワンピースみたいの上に着て、夏はTシャツにサブリナパンツ(多分あってる)を着る。

今?いつもの服装冬バージョンだ。・・・・あとでいってやろう。あのオシャレ?ナニソレ?な舞弥姉ちゃんの方が服装しっかりしてるぞ?って。

上に登れるらしいので行ってみることに。しかし、狭い・長い・壁が斜め・傾斜が急という訳の分からん階段を上るはめに。

すれ違う人達もひいこらと息切れしながら登っている。親父?階段を見た瞬間に「下で待ってる。」と宣言しました。

へたれの極みだがいい判断だ。姉ちゃんは俺が抱っこし、たいがーと一緒に登って行く。

「着いた―!」
「お疲れさん。」

疲れた―と言いながら元気に騒いでいるたいがーに苦笑しながら景色に目を向ける。

「いい景色やー。見えるか姉ちゃん?」
「よく見えるわ。一面赤土色の屋根が連なってるのがいいわね。」
「おっ、中々ええコメントやないの。」

フフンッと胸を張る姉ちゃん。どれどれーっとへばっていたたいがーもやってくる。

途中に通り過ぎたサンタンジェロ城もよく見える。素晴しい天気に感謝だな。

「ん?」

眼を凝らしてみると、なんといつぞかの青い髪のシスターが見える。マジか。城に住んでるんか?

「なあなあ姉ちゃん。」
「なに?」
「シスターってあの城に住んでいるん?」
「シスター?」

そう言って目の前の城を指差す晋吾。

「・・晋吾。多分それはシスターじゃないわ。」
「マジで?」

小声で話すイリヤの言葉に驚愕する晋吾。マジか、コスプレだったのか。

「サンタンジェロ城は観光地としても有名だけど、実は・・・・死徒の保管所でもあるのよ。」

なにそれガチで怖い。

「そんなところを我がもの顔でウロつけるのは・・十中八九埋葬機関の人間ね。・・・・人間じゃないのもいるけど。」

そうなのか・・・・キチガイエリート集団の埋葬機関で殺さんでいい判定の死徒でシスターのコスプレをする。うん。素晴しき変人ですね。

「ちょっと速めだけど帰った方がええかのぉ?」
「何で?」
「いや昨晩二十七祖狩りましてね。」
「は?」

帰り道、姉ちゃんが寝るとき以外ずっと怒られた。要約すると、

「もうッ!心配したんだから!!バカバカバカぁああ~~!」

って所だろう。自分の姉が最強の萌えキャラであると誇っていいだろうか?









日本に帰ってきて家についたらもう大みそかの準備、正月の準備が万全な状態であった。

おぅ・・もうやることねぇ。流石シロちゃんと言っておこう。今日で部活の冬練習が終わったと言うのにこの子は・・・・

久しぶりの士郎料理長の食事を頂いたら涙が出そうになった。おふくろの味ならぬ弟の味である。

ちなみに、流石のたいがーも年末ぐらい実家で過ごす。

藤村組組長の一人娘として、新年のご挨拶を務めるらしく、毎年親父とシロちゃんと一緒に組長さんに挨拶に行ったときに見るが、孫にも衣装っていうか虎にも衣装だった。

が、一年で一回の女を見せた反動か、二日から四日まで俺ん家でひたすらミカンを食べる寝正月。

ミカンが切れるとガ―ガ―うっさいので大量のミカンを購入しているのである。・・・・俺もミカン好きだし。

大みそかは例年の如くガキつかか紅白かでシロちゃんとじゃんけん大会。

今年も俺が勝った。フッ、じゃんけんなんぞ高速後出しで必勝よ。

よって今年も「笑っては行けない衛宮家5時間」を行う。何故5時間か?

簡単な話で姉ちゃんがもたんのよ。

無敵の覇王・舞弥姉ちゃんは今年も笑わなかった。ガンバレ日テレ!

途中まで見て、今年は一成の家(寺?)でお蕎麦をご馳走になることになったので、寝ちまった姉ちゃんをおんぶしてみんなで出かける

除夜の鐘を聞きながらそばを啜る。うん、乙なものですな。

「シロちゃん。今年もよろしゅうな。」
「ああ。宜しく、ニイさん。」

波乱万丈の人生であるが、今日も衛宮家は平和であった。 
 

 
後書き
シオンさん死徒化停止、うんでもって微使徒化。ご都合主義ワロス。封印された分割思考は真っ黒く晋吾に傾倒しています。色々と素晴らしい使徒の血は、のませるだけで強制的に血の契約をさせますが、そこはシオンさん、人間PCとしての力を遺憾なく発揮させて(気絶中なのに)掌握される前に排除までは至りませんでしたが、封印に成功しました。流石シオンさん、ウイルスバスターなんか目じゃないぜ!  
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