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ソードアート・オンライン~遊戯黙示録~

作者:マローン
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FILE100 大騒動!ユニークスキルを持つ者たちの戦い!

第74層フロアボス戦から一日が経過した。既にアインクラッド中が前日の一件で持ち切りとなっていた。フロア攻略、新たなる街へのゲート開通だけでもそれなりの話題となるが、それに加えて《第75層フロアボスである悪魔、グリームアイズによって軍のパーティーが壊滅し3名の死者が出た》更には、《それをほぼ単独で撃破したのは新たなるユニークスキルの使い手――二刀流の登場》などと話題に事欠く事は無かった!by立木ナレ



モック「いやはや、全く持って驚きましたですなぁ~。まさかキリトさんがヒースクリフさんやオズマさんと同じユニークスキルの所有者であったとはね~」

ガチャモン「くすす、モックってば驚いてるふりなんて良いんだってばよ!僕たちはそんなこととっくに知ってたじゃな~い」

モック「ぐほほっ!それもそうでしたな、第50層が開通した頃でしたかな?キリトさんが二刀流を獲得したのは?」

ガチャモン「そそ、結構前の事なんだけど、キリト君は昨日のフロアボス戦までそれをひた隠し手にしてたわけだね~」

モック「ま~、無理もありませんですな~。ユニークスキルは習得条件が一切不明、恐らく今頃はアルゲードにあるキリトさんのホームは情報屋さんやなんやらが押しかけて大変ですしな~」


※ ※ ※


朝からガチャモンとモックがガチャパットを通じて、キリトがユニークスキルの所有者であった事や、第74層のフロアボス戦の事を大々的に発表していた。
俺もその一件では当事者の一人ではあるのだが、もっぱら注目の的はキリトなので俺のホームは比較的平和そのものだった―――いや、アルゲードはそもそもが雑多でガラの悪いNPCなどが闊歩してる所なのだが。

ユッチ「オズマさーん!大変っす!大変っすよオズマさーん!!」

本日、初めて俺のホームに駆け込んでいたのはギルドメンバーのユッチとなった。実に騒々しく、手足をばたばたとさせながら叫び喚きながらユッチは『大変』を連呼しているが、それでは何が大変かまるで分らない。

俺「大変なのは今のお前だよ、取りあえず座って何が大変なのか言ってみろよ」

おそらく、大したことではないだろうが俺はユッチを辺りの椅子に座らせて、一から話を聞く事にした。

レイナ「……それで、何がどうしたの?」

レイナが微妙に冷たい視線をユッチに向けながら、問いかけていた。ユッチは取りあえずさっきほど騒ぐことはなく、『実はですね』と前置きをしてから話を始める。

ユッチ「血盟騎士団の団長のヒースクリフとキリトの野郎がデュエルをする事になったんすよ!」

俺「そりゃ、確かに妙な事になってるな」

ソロプレイヤーのキリトが血盟騎士団の団長であるヒースクリフと――ユニークスキルの使い手同士のデュエルとはただ事ではないだろう。
特にキリトは昨日の今日で猶更注目の的になる、こんな事はキリトが望んでいる事だとは到底思えなかった。

レイナ「……もしかして、アスナが関係しているのかしら?」

ユッチ「おお、レイナさんビンゴっす!女の勘って奴っすかぁ~?」

レイナが視線を床に向けながら、静かに自分の推測を口にすると、ユッチが歯を二ッとさせて、ニヤニヤと笑みを浮かべながらレイナの推測を肯定した。
そして、その後のユッチの説明によると、アスナはギルドを一時的に休む事を申し出たらしいが、血盟騎士団の団長であるヒースクリフはそれを了承する為に一つの条件を提示した。

それは――――

レイナ「……それで、ヒースクリフはアスナの一時脱退の条件として、キリトがデュエルで自分に勝つ事を提示したのね」

俺「んで、キリトはそれを飲んだわけか―――随分と厳しい条件に応じたもんだな」

血盟騎士団の団長にして一人目のユニークスキル《神聖剣》の所有者であるヒースクリフの強さはまさに生ける伝説だった。
最強の男、生きる伝説、聖騎士等々、様々な異名を持っている。そしてその二つ名に恥じぬその強さは非の付け所など無く、特に防御力は圧倒的の一環で、奴のHPバーがイエローゾーンに陥ったところを見た者は誰もいないと言われるほどで、多大な被害を出す事になった50層のボス戦においても、崩壊寸前であった戦線を10分間単独で支えた逸話は語り草となっていた。

ユッチ「んで、二人のデュエルは開通したばかりの第75層の主街区のコリニアにある闘技場でやるみたいっすよ!ユニークスキルの使い手同士のデュエルとだけあって観戦希望者が早くも続出するっすよ!オズマさんも見るっすよね?」

ユッチ自身が最も興味津々の様子だが、俺自身も二人のデュエルに興味が無いわけではなかった。何分このアインクラッドは娯楽がとにかく限られているので、たまにこんな一大イベントが行われるとほぼ例外なく注目の的となる。

俺「そうだな、俺以外のユニークスキルの所有者たちがどんな戦いをするか―――全力でぶつかり合う様を見るのもありだよな……」

ユッチ「ですよね~!そう言うと思ってましたよオズマさん!何せキリトの野郎がヒースクリフにぶちのめされる光景を間近で見れちゃうかもしれないって思うと、楽しみで楽しみで見逃しちゃいられないっすよね~」

どうやら、俺とユッチではその辺りの動機は大幅に異なるようだが――まあ、それは別に気にしなくても良いだろう。
ユッチは上機嫌な表情を浮かべると、左手でサムズアップを作って見せて、調子に乗った勢いでこう続ける。

ユッチ「早速入場チケットをゲットしてくるっすね。モタモタしてると完売しちゃうっすよ!」

俺「入場チケットって―――早速商売沙汰になってんのかよ……」

流石にヒースクリフがこれを狙ってキリトにデュエルを挑んだとは考えにくいが、チケットの売り上げがそのまま血盟騎士団の利益で儲けを出す事には変わりはない。

ユッチ「三人分キッチリゲットしてくるっすから楽しみにしててくださいっすよ!それじゃ、コロシアムで待ってるっす!チケットゲット出来たら連絡するっよ!」

レイナ「……なんで3人分?」

レイナの疑問にユッチが答える事は無かった。ユッチは既に一目散で俺達のホームを飛び出て、そのまま転移門に向かって駆け出したのだろう。

俺「ユッチがチケットを取れたら、俺もお前も今日はキリトとヒースクリフのアスナを掛けたデュエルを観戦だな」

レイナ「……別に私は、興味ないんだけど」


※ ※ ※



第75層の主街区のコリニアは古代ローマ風の造りだった。開通したばかりである事に加えて、キリトとヒースクリフのデュエルの一件もあり、転移門は朝からひっきりなしの訪問者で溢れかえっていた。

「火噴きコーン10コル!10コル!」

「黒エール冷えてるよー!」

コロシアム入り口には商人のプレイヤー達がこぞって露店を出して、長蛇の列を作っている見物人たち相手に怪しげな商売をしていた。

俺「これでこそ、お祭りって感じだよな。デカいイベントに乗じて露店を出す商売人がいるのは現実でも仮想でも変わらないって事か」

レイナ「……最前線の狩りに比べれば、圧倒的に非効率な利益しか出ないと思うけど」

俺「そこは個人の好みのやり方ってのもあるんだろうな」

見渡してみれば、俺達のギルドであるMBTの商人プレイヤーのミリオンもシートを広げて、そこで様々な雑貨品や素材アイテムを売買していた。
そして、そんな圧倒的な数のプレイヤー達が集まるこの場で、俺達の声を叫びながら駆け寄って来るのはユッチだった。

ユッチ「オズマさーん!見つけたっすよ~、ちゃんとやりましたっすよぉ~」

ユッチは俺達の姿を見つけて、声を必死にあげながら、手をばたばたと降って自分の存在を示していた。
ユッチが言っていたやりました――と言うのは言うまでも無く俺とレイナの分を含めた3人分のチケットを入手したことであり、その事は事前にユッチ自身からメッセージで通達されたのだった。

だが、そんなユッチの隣には、意外な人物……と言っても、よく知っているし、そもそも俺達と同じギルドの女が立っていた。

レイナ「……エルダがなんで?」

俺「お、ホントだな……てっきりこんなのに興味は無いとか言ってるかと思ったんだけどな」

ともかく俺とレイナは、前方数十メートル先にいるユッチとエルダと合流し、早速ユッチからチケットを受け取る事になった。
ユッチは美味くやり遂げたと言った清々しい得意気な表情を浮かべていたが、俺達が声を掛けるのは隣のエルダだった。

俺「少し意外だな、お前までこんなお祭り騒ぎに顔出しに来るなんてな」

エルダ「別に良いじゃない、私だって君達と同年代の女の子よ。定期的に息抜きして遊ばなくちゃ攻略なんてやってられないんだから」

エルダは眉をひそめながら、俺から視線をそらしつつそう答えた。楽しみもあるだろうが、エルダもユニークスキル持ちのプレイヤー同士の戦いに何かしら惹かれるものを感じたのかもしれない。


こうして、MBTの初期メンバーの4人は揃ってヒースクリフとキリトのデュエルを観戦する事となった!そこでオズマ達が見るのは……?そして、それがとあるターニングポイントとなるとはまだ誰も予想する事など無かったのであった! 
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