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ソードアート・オンライン~遊戯黙示録~

作者:マローン
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FILE94 戦いの後の静けさ

第67層フロアボス戦は終わった……俺達はタダツシを倒し、全てのゾンビモンスターを倒し切り、第67層を突破し、新たなる最前線の第68層へ赴くく事になった。

だが―――――

クライン「なぁ、キリの字よぉ……何時までそうしてるんだよオメェ?」

キリト「悪い、もう少ししたら俺も行くから―――みんな先行っててくれ」

キリトはマオが自らを庇う形で命を散らした第67層のボス部屋から離れる事無く、その場で立ち尽くし続けていた。
この場に残っているのは俺達のパーティーメンバーとクライン率いる風林火山のメンバーの計12人―――ではなく、俺達のパーティーメンバーであったマオがこの第67層フロアボス戦の唯一の犠牲者になってしまったので11人だった。

レイナ「……オズマ、どうする?」

俺「フロアボス戦が終わったら、レイドパーティーは解散で良いからな。キリトがここで俺等と別れるって言うなら仕方ないさ」

クライン「やれやれ、オメェさんは冷めてぇよなぁ……」

俺「今までもそうだったろ?ソロプレイヤーのキリトを俺らのパーティーに入れる事は何度もあったけど、それはあくまでフロアボス戦の為だ」

流石にこんなところで自殺するような真似を仕出かすほど、キリトがまた去年のクリスマスイブの時のような自殺願望にかられるような事はないとは思うが、普段のずば抜けた実力と食えない態度に反してメンタル的には結構脆い所がある奴だからな。

エルダ「オズマ君、取りあえず今回の事、アスナさんに報告したらどうかしら?」

俺「それならヒースクリフの騎士団長さんがやってくれるってよ。ついでに『キリト君の事を、攻略外を含めて同志だと思うのなら、最後まで付き合うと言い』だとさ――生憎、そこまでの仲だとは思ってないんだよな……」

ガチャモン「おろろ~ん、お化けだぞぉ~」

モック「どっへぇぇぇ!や、止めて下さいよガチャモン!あんまりにもリアルなお化けっぷりに心臓が止まっちゃうかと思ったじゃないですか!」

俺達の話に割り込むように現れたのは、白い布を被り、クオリティ0のお化けの振りをして現れたガチャモンと、それに露骨に無駄に驚くモックだった。
今回のフロアボス戦でゾンビモンスター達を死んだプレイヤー達そっくりの姿に模すと言う悪質な仕掛けをしてきた張本人たちに対してクラインが真っ先に怒りを帯びた声を荒げた。

クライン「テンメェ……!テ、テメーラ……!ふっざけんなよ……!!毎度毎度テメェらのふざけた演出にはムカつきまくってたがなぁ!今度ばかりは許さねぇぞ!」

「よ、止せクライン!こいつらを斬ったらお前がやられちまうよ!!」

クラインは刀を抜いて今にもガチャモンとモックに斬りかかりかねない程に怒りを露わにしていたが、流石に風林火山のメンバー数人がクラインを必死に止めて、クラインもそんな事をしても何の意味も無い事を改めて自覚し、悔しみが籠った表情で声を荒げる。

クライン「クソったれがぁ!覚えてやがれよ!テメェら……絶対にこのままじゃ済まさねーからぁ!!」

ガチャモン「まあまあ、そんな僕らの顔見るたびに怒りなさるなって、よかったらカルシウムに関するお話でもしてあげよっか?」

怒りに奮い立つクラインとは対照的にガチャモンは更に煽る様におちょくる態度を取り、その姿には墓の風林火山のメンバー達の表情も険しく、強い敵意を感じさせる目付きになっていた。

エルダ「用が無いなら、私達と話す必要なんて無いでしょ?言っておくけど――私だって貴方達をこのままで許すつもりなんてないから、覚えておきなさい」

俺「エルダ……?」

今度は、意外な事にエルダが本気でガチャモンとモックに対して強い敵意を向けるような目付きで睨みつけながらそう言ったのだった。
口調こそ冷静なままだったが、その目付きは明らかにガチャモンとモックを相手にも全く臆することなく、戦う事を宣言するかのような意思を感じられた。

モック「ぐほほっ!無茶な事はお止めになった方がよろしいと思いますがな~。お分かりの通り、我々はゲームシステムに対して一定の権限を有した存在でありますからな~」

ガチャモン「そーそ、君達がプレイヤーであり続ける限り。システムへの干渉権を持ってる僕たちに勝てるわけないじゃないか!スポーツ選手がスポンサーやオーナーに逆らえないのと一緒一緒!」

そして、ガチャモンとモックは共に鬱陶しい高笑いをあげながら去って行ったのだった。取りあえず俺達は第68層を目指し迷宮区の階段を上がり続けて、クライン達はもうしばらくキリトの側に残る事になったのであった。


※ ※ ※


モック「しかしガチャモ~ン。今回のデータ改竄は流石に結構危なかったんじゃないですかな?危うく何度かカーディナルに探知されるかと冷や冷やでしたですぞ~」

ガチャモン「僕も今回の事は流石にやり過ぎだと思うよ。なんだかんだで二年近くこの世界でプレイヤーの皆と一緒に過ごしてきたからさ、僕なりに無力な彼らに対して多少の愛着が湧いちゃったのかもだね」

モック「ボスの命令ですからやらないわけにはいかないとはいえ、あの人にはもう少し我々の苦労とかも考えてもらいたいもんですな~。あの人は一体人工知能(AI)をなんだと思ってるんですかね~?」

ガチャモン「くすす、仕方ないよね。僕たちのボスはある意味コンプレックスの塊さ。この世界を作り出した茅場晶彦の存在によって尽くナンバー2に甘んじ続けて、愛しの女性も失ってさ――あ、後者に関しては、ボスが根本的にキモイ限りはどうにもなりそうにないよね?」

モック「あわわわ……こ、この会話、ボスに聞かれてたりしないですよね?あのヒステリックなボスにこの会話を聞かれた日にゃ~、我々なんて一瞬にして消されちゃいますですぞ~」

ガチャモン「大丈夫だって、ボスがそもそもアミュスフィアでこの世界にログインしたのなんて、この前の第二回リアルマネーゲーム終了直後のあれっきりじゃんか~。ボスのホームはあくまでALOだからね」

モック「今だから言える事なんですけどね、私内心ではあの時のボスの黄金のローブ姿には余りのキモさに吐きそうになっちゃいましたですな……」

ガチャモン「くすす、センスの無さは生粋だから言っちゃ悪いじゃないかモックってばぁ~」

モック「いはやは、アンタの方がよっぽど酷い陰口言っちゃってると思いますですがな~」



 
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