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魔法科高校の劣等生の魔法でISキャラ+etcをおちょくる話

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第百四十六話

手を握る。

音はしない。

手足が無くなって2日。

学校をどうしようかと悩んだが結局行く事にした。

「一夏っ!」

通学路を歩いていると、後ろから鈴に声をかけられた。

「おはよー」

「おはよう。一夏。あんた足でも怪我してるの?」

は?

「歩き方変よ?」

え…。ちゃんと歩いてるつもりなんだが…

「あー。まぁ、そんな所だ」

「んー…? 変ね…一夏は吸血鬼だから怪我なんて…」

「あんまり触れないでくれると助かる」

「一夏がそう言うなら」

うーん…鈴にバレるって事は他の人にもバレるかもしれない…。

でもなぁ…歩いてる振りしかできないしなぁ…。

「所で箒はどうしたのよ?」

「先に行くってメール来たよ」

なんか用事があるらしい。

「そ。ふふん、二人っきりね」

「はいはい二人っきり二人っきり」

「ちょっとー。こんな美少女といるのにその態度はどーなのよ」

「美少女ねぇ…」

『美』って感じじゃねぇじゃんお前。

言動とか容姿とか性格とか。

「なによー。なんか言いたいわけー?」

「うーん…鈴は美って感じじゃねぇなぁ…
なんつーか…華やかでこう…単純に可愛いとも違うような…うーん…元気っ娘?」

「……………………」

どうやらお気に召さなかったらしい。

照れているという可能性も無いことは無いかもしれない。

「吸血鬼にも固め技って効くのかしら」

そう言って鈴が俺の腕を捻り上げた。

どうやら子供っぽいと言われてご立腹らしい。

「…え?なにこれ…?」

「あー…。触れないでって言ったのにー」

人工皮膜を被せはしたものの、まだプラスチック製の義肢だ。

質感は硬い。

鈴が腕の先から触っていき、肩で止まった。

ちょうど球体関節と生身の間だ。

「ねぇ…どういうこと?」

「いやぁ、ISの実験してたら手足がぐちゃぐちゃになってさぁ。
で、理由があって再生しないから奏に根元からぶったぎってもらった訳。
でその傷だけは再生できたからプラスチック製の義肢を魔法で動かしてる。
だから今の俺って実は歩いてる振りなんだよ」

爪先立ちになって、スケートリンクを滑るように動く。

「あんたなんでそんなので学校来てるのよ!
休みなさいよ!」

「えー…運動会の練習…」

「そんな体でできるわけないでしょ!?」

「大丈夫大丈夫。ちゃんとうごけるから」

今日の明け方まで束さんと大人の運動会をした事だし。

まぁ、そのせいでヤリまくったあげく一睡もしてないんだが。

「……………」

鈴が捻り上げた腕を放してからしゃがみ、太腿に手を伸ばす。

「ソコも義足だよ」

「…………………」

「数日中には束さんが義手と義足用意してくれるって」

鈴が俺のシャツを捲った。

「ちょぉっ!? 鈴!?」

んでもってキュッて尻尾を捕まれた。

「鈴、何してんの?」

「なんで猫化してるの?」

「猫化したら耳と尻尾みたいに手足がはえるかも、って橙が言って無理やり憑依された」

「……猫耳達磨黒髪長髪男の娘」

「おいその不穏なワードやめろ。何の属性だ」

「………神様の性癖?」

「メタ禁止!」

「それはともかくとして、大丈夫なの?」

「何が? 痛くないの?」

「いや全く。何も感じないけど」

「……………」

「おい待て何処をさわろうとしたお兄ちゃん怒らないから言ってごらん?」

「………………一夏のえっち」

「おいテメェふざけんななんで俺が変態みたいになってんだよ」

「え? だって…ねぇ?」

「Fa○king f○ck」

「こーら。そんな汚い言葉使っちゃダメよ」

なんか鈴がお姉さんぶってるの見るのは面白い。

「なによニヤニヤして」

「んー? 背伸びしてる鈴は可愛いなぁってさ」

「………わるかったわね。子供っぽくて」

「子供なんだから子供っぽくていいんじゃね?」

「あんたはどうなのよ?」

「あ、おれ中身大人なんで」

「大人ねぇ…」

「なんだよその何か言いたげな目は」

「……なんか、あんた人形っぽいわよね」

人形ねぇ……?

「まぁ、たしかにこの人工皮膜はがしたら手足は完全に球体関節人形だけど…」

「後で見せてもらっていい?」

「別に今でもいいけどな」

認識阻害をかけてから人工皮膜を量子格納庫に入れる。

「ほら、こんな感じだ」

拳を握るとカシャと音が鳴る。

「……魔法?」

「ああ。セルフマリオネットっていう魔法があってな。その応用だ」

体はセルフマリオネットで動かし、移動は飛行術式で浮遊してから足で地を蹴る。

ちょうどプールで移動するように。

「ほらほら、早く行かねぇと遅刻すんぞ」

「そうね。急ぎましょうか」













教室に着くと、既に箒と弾が居た。

「はよー。早いなお前ら」

「一度五反田の家に行ってお前の四肢について話していた」

「ヲイ」

「仕方あるまい。男子でお前を介護できるのは五反田しか居ないのだからな」

「介護言うな。要らんわ」

「だ、そうだが五反田。体育祭の練習中に何かあれば頼むぞ」

「言われなくてもやるさ。一夏は無茶しかしないからな」

失礼な。

突然、弾が俺の脇を持って持ち上げた。

「軽っ!?」

「浮かしてるし」

「ちょっと切ってみろ」

飛行術式 ディキャスト。

「だいたいいつもの半分か…?」

「単純比率でそうなるね」

四肢が超軽量プラスチックなのでほぼ変わらないだろう。

「ほら、そろそろ下ろせ」

「お、おう」

「じゃ、俺寝るから。ショート始まったら起こして」

side out










一夏が箒の膝の上でくぅくぅ寝ていると、その周囲に女子が集まり始めた。

「わー…かわいい…」

「な、撫でていいかな…?」

「やめておけ。流石に起きてしまう」

「おー。さすが近衛隊隊長だね、篠ノ之さん」


一方男子はといえば。

「くそっ…篠ノ之のおっぱい枕…! 羨ましいぜ織斑の奴…!」

「はは。確かに羨ましくはあるが織斑になりたいかって聞かれればNOだな」

「同感。刀で銃弾打ち払うとか俺らにゃ無理無理」

「単発のエアガンですら無理だったぜ」

「お? 経験者か?」

「織斑の動画あっただろ? 姉貴にエアガン渡して真似したけど無理だった」

「www」

「しかも姉貴のやつパンパン射ちやがってよー。みろよこの首のアザ。まだ消えてねぇんだぜ」

「織斑だったらBB弾の跡じゃなくてキスマークだな」

「ぎゃはははは! 確かにこの前首にキスマーク着けて来てたよな!」

「結局あれ誰がやったんだろうな。
篠ノ之は違うっていってたし」

「さぁ? ブリュンヒルデだったりして」

「え? まっさかぁ!」

「いや、この前織斑がちっさいブリュンヒルデと歩いてるの見たんだって!」

「バカ。ブリュンヒルデって言ったら身長175はあるだろうが」

「でも織斑が拉致られておかしな薬撃たれて目の色変わったって言ってただろ?
もしかしたら小さくなる薬でもあるかもしれないぜ」

「APTX4869?」

「シェリングフォード?」

「でもよ。ブリュンヒルデがちっさくなってもっかい成長するとなると、もう人類最強じゃなくて地球最強だよな」

「はははは!言えてる!」

それを見た箒は…。

「おい貴様ら。本人に伝えてみようか?」

「「「「「「勘弁してください!」」」」」」

とそこで担任が入ってきた。

体育の担当教官だ。

「おーい。ショート始めるぞー。席につけ」

「おい一夏。起きろ」

「みゃぅみゃぅ……みゃぅ…」

ぽてぽてと自分の席まで歩いた一夏がストンとすわる。

「よーしお前ら。今日も丸1日体育祭の練習だから水分をちゃんと取ること。いいな?」

全員がはいと返事をした。

「ではショートを終わる。おい、竹田」

「きりーつ!」

学級委員長の竹田が号令をかけた。

「気を付けっ! 礼!」

担当が出ていき、各々体操服の入ったバッグを持って更衣室へ。

「おい一夏。お前本当に大丈夫か?」

「みゃふぅぅぅ……大丈夫だ。問題ない」

「そうか…」






なんだかんだ言いつつ体育祭の練習を最後までやりとげ、放課後となった。

「なんかSHRおわってからの事をにぎょうくらいでまとめられた気分…」

「記憶飛んでねぇか?」

「うん…今日のきゅうしょくのメニューおぼえてない…。でもソーラン節のコツはおぼえてる…」

「箒ちゃん、こいつ大丈夫なのか?」

「まぁ…昨日姉さんと色々あったらしいからな…」

「色々?」

「大人の情……事情だ」

「箒アンタいま情事って言ったわよね?」

「ああ…昨日は束さんにびやくを飲まされたんだ…。おかげでいっすいもしてない…帰ったらねる。なにがあってもねる」

「束博士が誘惑してきたらどうするの?」

「IS纏ってでも寝る」

「ん? カンヘルは大破しただろう?」

「いや、一応いえのちかにコアの入ってないのがあるからそれつかう」

「FAか?」

「うん。アーキテクトアーマーつかう」

そういいながら歩く一夏の足取りは若干あやしい。

「箒。おぶってやんなさい」

「そうだな…」

箒は一夏の腰と足に手を入れて横抱きにした。

「一夏。寝てていいぞ」

「うん……ありがとほーき…おや…すみ」

かくん、と一夏から力が抜け、パレードも解除された。

「む…」

箒が一夏を抱え直すと同時に、四本の義肢が落ちた。

「うぉっ!? 本当に義手義足なんだな…」

その義肢はサァッと光となって消えた。

「稲荷」

箒の目の前に一枚の札が現れる。

一夏を片手で抱えた箒のもう片方の手に筆が握られる。

スッと筆で紋様を書くと、箒が呪文を口にした。

「地にまします八百万の神々よ。我らを神秘の裾に匿いたまえ」

ヴン…、と四人が世界から切り離された。

「おお…なんだこれ…魔法か…?」

「五反田は見るのは初めてか。これは認識阻害結界と言って結界内の景色を見ても何の疑問も抱かせなく魔法だ」

「へー」

そして弾が別れ、鈴が別れ、箒が一夏を抱えて織斑家に向かう。

玄関にたつとドアが開いた。

箒は玄関に入ると靴が多い事に気づいた。

ちょうど一夏と同じサイズが二つ。

一回り大きいものが一つ。

「まぁ…。とりあえず寝かせるか…」

箒は音をたてぬよう二階へ上り、一夏をベッドに横たえた。

そして窓をガラッと開けて、箒は一夏の部屋を後にした。
 
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