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オズのエリカ

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第二幕その七

「だからね」
「それでよ」
 エリカも言います。
「私は山葵はいいわ」
「山葵はね」
 どうしてもとです、アンも言います。
「沢山使ったら死にそうになるから」
「そうでしょ、あんたも」
「ええ、沢山使うことはね」
 どうしてもというのです。
「無理があるわ」
「そうでしょ、胡椒や生姜や唐辛子なら多少はだけれど」
 大丈夫だというのです。
「山葵は無理よ」
「あんたにも苦手なものがあるのね」
「意外?」
「いや、あんたは好き嫌いが激しいから」
 だからだというのです。
「そうしたこともあるかってね」
「思ったのね」
「そうよ」
「何か私って色々思われてるのね」
「ええ、好き嫌いが激しいともね」
「やっぱりそうなのね」
「ええ、けれどね」
 それでもというのです。
「あんた柑橘類も食べるわよね」
「蜜柑とかオレンジも」
「そうよね」
「まだあれはいいのよ、それに食べたら美味しいから」 
 だからだと答えたエリカでした。
「大丈夫よ」
「そうなのね」
「けれど山葵は刺激が強過ぎるから」
 だからだというのです。
「無理なのよ」
「そうなのね」
「確かに私にも苦手なものはあるわ」
 エリカもこのことを認めました。
「山葵にしても長い時間起きていることもね」
「そうしたこともなのね」
「苦手よ」
「あっ、そういえばエリカ達ってね」
 ここでジョージはあることに気付きました、その気付いたことはといいますと。
「猫にしても犬にしてもね」
「オズの国の生きものはだね」
「皆だね」
「うん、寝る時間短いよね」
 臆病ライオンと腹ペコタイガーに言いました。
「外の世界の生きものに比べたら」
「犬も猫も一日十六時間は寝るね」
 神宝がこう言いました。
「けれどエリカも他の皆もそこまでは寝ないね」
「八時間は普通に寝ていても」
 カルロスも皆をずっと見てきたので言えます。
「十六時間まではね」
「そこまでは寝ていないわね」
 ナターシャは見てもそうです。
「皆は」
「臆病ライオンさんも腹ペコタイガーさんもね」
 恵梨香も言います。
「そこまでは寝ていないわね」
「うん、流石にね」
「そこまではね」
「そうだね。オズの国の生きものはそこも違うんだね」
「私外の世界ではもっと寝てたわ」
 エリカが言ってきました。
「一日の三分の二位はね」
「そのまま十六時間だね」
 一日の三分の二と聞いて言ったジョージでした。
「それだと」
「そこまで寝ていたけれど」
「オズの国に来てからは」
「それ位よ。多くて十時間位かしら」
「随分寝る時間が減ったね」
「そうね、喋られる様になったし」
 このことについても言うエリカでした。
「色々変わったわ」
「そうだね」
「そのせいかね」
 さらに言うエリカでした。 
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