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魔法科高校の劣等生の魔法でISキャラ+etcをおちょくる話

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第百四十二話

みゃー…

「ん…?」

学期初めの大掃除。

校門の掃き掃除が終わったので校舎周辺をほっつき歩いていると、校舎裏で仔猫の群れを見つけた。

『んー?どうしたお前ら?はぐれたのか?』

すると四匹の内一匹が答えた。

『おかーさんがどっか行ったの』

『ありゃ、そりゃ災難だね』

イデアへ直結。

コアエイドスプログラム閲覧。

DNA閲覧。

血統を辿って…あぁ、居た。

『お前らのお母さんは今此方に来てるよ。
橙。お願い』

『わかったよ。ますたー』

『今呼びに行かせたから、直ぐに来ると思うよ』

『ねーねー、あそぼー?』

『おお、いいぞ』


side out





弾は一夏を探していた。

一緒に掃除をした後、一夏がどこかへ消えたのだ。

「あーもう…。どこ行きやがったあのバカ」

親衛隊隊長である弾の下には一夏を狙うバカ共の情報が集められている。

男女学年問わずだ。

「ベタだが…あとは校舎裏か…」

弾は校舎裏を後回しにしていた。

校舎裏は目立つからだ。

一夏が何かしらで隠れる場所は他にあり、弾はそれらをしらみ潰しに探したが見つけることは出来なかった。

「まー…。一夏と箒ちゃんがどっかで宜しくヤってる可能性もなきにしもあらずなんだが…」

一夏が校舎裏に居ない場合、弾は大人しく教師に帰ろうと思っていた。

一夏と箒が情を交わしているならば、何かしらの結界を張っているとわかっているからだ。

そして、その結果を自分は突破できない事も。

弾が校舎裏に行くための道を歩いていると、鳴き声が聞こえた。

みゃー。にゃー。みぃー。「にゃー?」

「ん"ん"!?」

弾は壁に体を張り付けて、そっと声のした方を覗き込んだ。

「みゃー」

にゃぅ……。にゃーにゃー。

「にゃー」

そこでは一夏が子猫と戯れていた。

ちょうど木陰に廃棄されたベンチが置いてある。

一夏は膝の上に二匹の子猫を乗せ、一匹を抱き上げ、一匹を頭の上に乗せていた。

「にゃー。みゃぅー?」

にゃー。みゃー。みゅー。にゃぉー。

弾はそっとスマホを取りだし、一夏と猫の戯れを録画し始めた。

因みに束から預けられた物である。

「束博士……感謝しますよ…」

にゃーにゃー鳴きながら笑顔を浮かべる一夏がはっきりと取れていた。

「えーと、オート機能オン」

弾がアイコンを押した瞬間にそのスマホがカンファレンスと直結した。

無論一夏には無断である。

一夏が抱いていた子猫が、一夏の首筋を舐めた。

「あっ…ゃん…にゃ……にゃぁー…」

「っ…!?」

その艶かしい声に、弾はドキリとした。

「エロッ…!?」

ッタッタッタという足音がして、弾はあわてて振り返った。

一際大きな猫が一夏の下へ駆けて行った。

「親猫か…?」

その猫はベンチに座る一夏の隣にピョンと飛び乗った。

に"ゃー!

と親猫が鳴くと子猫が首をすくめた。

「にゃー。にゃー」

一夏が子猫を庇うように何かを言う。

み"ゅー…。

親猫が一鳴きすると、子猫達が一夏から降りる。

み"ゅぁー。にゃー。みゃぅ。みゃぉ。にー。

別れの挨拶らしき物をした猫の親子は、何処かへ消えて行った。

「ふー。みゃおぉぉぉぉぉん……」

一夏が大きく伸びをして立ち上がる。

「やべっ…!」

弾は撮影をやめ、動画を親衛隊のグループに投稿した。

箒に送るのも忘れなかった。

これで近衛隊のグループにも投稿される事となる。

「いっ、一夏探したぞ」

とさも今来ました感を出しながら弾が出ていく。

「おー。悪いな弾」

一夏は無言で魔法を発動し…。

「へごぉっ!?」

弾がずっこけた。

「おい盗撮犯。弁明を聞こうか」

ぐりぃっ! と一夏が靴のまま弾の背中を踏みつける。

「イダイイダイイダイ!」

「おーら。吐け! このままリリムキッスでイケナイ扉こじ開けんぞ」

「あ、それも悪くな…あだだだだだ!? やっぱ無理!吐く! 吐くから!」

弾は束からスマホを渡された事を白状した。

ドカッと一夏が弾の背中に座り込む。

「おっふ……」

満更でもない弾である。

「まぁ、束さんの気持ちもわからなくはねーし? 今回は目を瞑るか」

一夏が立ち上がり、弾が立ち上がる。

一夏がパチンと指を鳴らすと、弾の制服の汚れがすっと消えた。

「もどるぞ」








「どうして遅れたのかにゃー?」

「聞かせて欲しいにゃー?」

「ヲイ! 弾テメェ!」

一夏は箒の膝の上に拘束されて女子から弄られていた。

「ん? どうした一夏」

「さっきの上げやがったな!?」

「え? 俺は箒ちゃんに送っただけだよ?」

「箒!?」

「にゃんだ一夏?」

「うみゃぁぁぁぁぁぁぁっ!」

「お、一夏が発狂した。面白そうだから放っておこう」

一夏は消しゴムを握ると弾に投げつけた。

「へごっ!?」

「ああ!五反田!」

「くっ…お前の事は忘れねぇ…!」

ノリのいい男子共である。

結局、その後一週間ほど弄られて続けた一夏だった。



なお束はサイオンアイアンクローの刑に処された。
 
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