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DQ5~友と絆と男と女  (リュカ伝その1)

作者:あちゃ
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68.親孝行ってどうやるの?

<エビルマウンテン>

邪悪な気配を漂わせるダンジョン!
襲い来るモンスターも凶暴凶悪。
されど、どんな強敵が現れようと凄まじい勢いで撃破して行く我がパーティー。

………俺一人テンションが低いとです。
何故か皆さんテンション高いとです。
「お父さん!良い調子だよ、僕達!このまま魔王も倒しちゃおうね!!」
わ~い…伝説の勇者様がやる気マンマンだぁ~…
………自分の息子じゃ無かったら丸投げするのに…

「ふっ…ムリはするなよ…お父さんを頼ってくれよ」
精一杯恰好付けてみる…
「うん!お父さんが居れば怖い物無しだよ!!」
……憧れてたんだ!
息子に頼られる父親って!
パパスのような父親になるのって…
でも、この難易度はないわぁ~…
俺、父親歴2年以下ですよ!
ビギナークラスからお願いしたいですげど。
伝説の勇者って赤の他人だと思ったから探したのに…


エビルマウンテン中腹の広大な台地を突き進む。
「お父さん…遠くで何か聞こえるよ!?」
「……うん…歌…だね!?」
そう、歌が聞こえる!
歌と言っても教会とかで歌われる様な、聖歌みたいな歌だ。

何処の馬鹿だ!?
こんなモンスター蔓延る危険地帯で歌うなど!
モンスターが寄って来るではないか!
「お父さん…何故だか懐かしい感じがするわ…行ってみましょ」
モンスターが沢山居そうな場所へワザワザ行こうという娘…………実の娘じゃなかったら『ふざけんなバカ!』って言ってました。
「うん。行ってみようか、ポピー」
娘が可愛いって拷問ですね。


歌が聞こえる方へ歩き進める。
暫くすると大きな祭壇が見えてきた。
そこでは黒髪の美しい声の女性が祈りの歌を捧げている…
この声…あの容姿…覚えがある…
そう…幼い頃の記憶…優しく俺を抱き上げる女性の記憶…
授乳直前で奪い攫われた女性…あの人は俺の母さんだ!

「母さん!!」
俺は叫び、走り出していた!
「その声はリュカですか!?本当に私の息子のリュカですか?」
母さんは歌を止め振り返り俺を見据える。
俺は祭壇の手前で足を止め、片膝を付き頭を垂れる。
母に…やっと会えた母に、立派に成長した息子の姿を見せたくて…

「大変お待たせして申し訳ありませんでした、母上。父デュムパポスに代わり私リュケイロム、お迎えに参上致しました」
「リュカ…立派になって…後ろの女性がビアンカさんね」
「お義母様…」
涙ぐむビアンカ…
「そしてティミーとポピーね…私ももうお祖母ちゃんですか…」
「初めまして。僕ティミーです!」
「私ポピーです。お祖母様ごめんなさい…言い付けを破って魔界に来てしまいました…」
よし。目的は達したし、変なのが出てくる前に撤収しよう!

「私は幸せ者です。こうして息子夫婦と、孫にまで会う事が出来たのですから…」
母さんの目から涙がこぼれる…と同時に、嫌な感じが俺の肌に突き刺さる!
言い様のない嫌な感じ…そう…まるで父さんが殺された時の様な…!?
「もう、思い残す事はありませ。私が全ての力を投じて、魔王ミルドラースを次元の狭間に封印します!」
言い終わると同時に母さんは両手を高らかに掲げ、祈りの言葉を唱えだした!

しかし、何も起きない…
「!?何故!?」
驚く母さん!
俺の嫌悪感が頂点に達したその時!
「お~っほっほっほ」
俺は笑い声と同時にドラゴンの杖を母さんの頭上に投げ付けた!
(ズガ~ン!!)
母さんの頭上で弾け散る巨大な火球!

「おや?阻まれてしまいましたか…さすがはリュカ…やりますねぇ~、お~っほっほっほ」
俺のドラゴンの杖とゲマのメラゾーマが接触し弾けた衝撃で、祭壇から吹き飛ばされる母さん!
俺は慌てて母さんを抱き抱えると、第2第3のメラゾーマをバギクロスで牽制する。

「お前は相変わらず親子の感動的シーンをぶち壊すのが好きだな!」
俺は放心状態の母さんにベホマをかけ治療すると、声のする方を睨み悪態をつく。
「お~っほっほっほ。子を思う親の気持ち。いつ見てもいい物ですからねぇ~…つい壊したくなるのですよ」
周囲の影が一カ所に集まり一体の魔族を形成する。

「な、何故…私の力が及ばないのですか…!」
母さんは絶望を携えた表情でゲマの事を睨み続ける。
「お~っほっほっほ。偉大なるミルドラース様が、何時までも貴女の手に負えると思ったのですか?」
「リュ、リュカ…お逃げなさ…この者を押さえ込むくらいの力は残ってます。私が…母が押さえ「イヤです!」
母さんは俺を見つめ言葉を無くす。
「(クス)言いませんでしたか。貴女の息子は反抗期なんです。帰れと言われたら帰りません。逃げろと言われれば戦います」
俺、カッコイイー!

「お~っほっほっほ。勇ましいですねぇ、リュカ…しかし貴方の武器は私の足下にありますよ。どう、戦うのですか?」
………………………………………。
母さんに会えて…しかも、美しく若々しい母さんに会えて、はしゃいでました。
俺、武器ねぇーじゃん!!
どうやって戦えばいいの!?
魔法の虫けらピンチちゃんが、俺の周囲を飛び回るのが見える…

こう言う時はアレです…口八丁です。
「お前の様な汚物相手に、武器なんぞいらん!覚悟しろ、ゲロ!」
「!!私の名前はゲマです!物覚えが悪いですね!」
「わざとだよ、バ~カ!そのぐらい分かれよ!」
俺は母さんをサンチョに託し、ゲマ相手に挑発を続ける。
怒り狂って襲いかかってくる様に挑発する…
が、ゲマはドラゴンの杖を左足で踏んだまま、メラゾーマを連発してくる。
ピンチちゃんが見える!

俺にメラゾーマが当たりそうになった瞬間、「マヒャド」
ポピーの魔法がメラゾーマをかき消してくれた。
ここから、みんなの怒濤の様な攻撃が始まった。
ティミー、ピピン、ドリス、ピエール、ゴレムスらが直接攻撃を仕掛ける。
ビアンカ、ポピー、マーリン、サーラらが魔法で応酬する。
だが、決定打を与えられない。
ゲマは輝く息や激しい炎で、確実にダメージを与え続ける。

業を煮やしたティミーが、ゴレムスを踏み台にしてゲマに飛びかかった!
あ、バカ!
焦るんじゃない!!

案の定ゲマには読まれていた!
ゲマのメラゾーマが空中でティミーに直撃!
ティミーは吹き飛ばされ、天空の剣は虚しく中を舞う。

これはチャンスだ!
俺は咄嗟にバギクロスを連発する!
砂埃を舞い上げゲマの視界を奪う!
俺もゴレムスを踏み台にし、空中で天空の剣をキャッチする。
そのまま天空の剣の軌道を変えゲマに向けて剣ごと落下。
ゲマの胸へ上方から突き刺す!

例え装備出来なくとも触る事は出来る。一緒に落下する事は出来る。
「ぎゃはぁぁぁぁぁ!馬鹿な!!この私が!この、ゲマ様がぁぁぁぁ………」
ゲマは断末魔と共に消滅した…
やっと父さんの敵を討ち取ったのだ!

感傷に浸るのも束の間…
俺は息子を犠牲にした事を思いだし、慌ててティミーの元へ駆け寄った。
やっべー!父親として最低な事をしてしまった!
普通、逆だよね!
幸いな事に天空の武具のおかげで大事には至らなかった。
母さんが素早く治療してくれた為、大した怪我もなく無事だった。
ま、結果オーライという事で許してはもらったが…
理想の父親像から懸け離れて行く自分がいる…
何とか挽回せねば…



 
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