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破滅に導くキルドレイ

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卒業。奪還。

 
前書き
え?
もう卒業すんのかって?
当たり前だのクラッカー。
今考えてる展開の数が多すぎて、パッパッとやんないと終わらんのですよ。 

 
模擬操縦の訓練が全て終了して、いよいよ俺たちも卒業となる。
卒業式のあとに、すぐさま相手が侵略している地に乗り込まなければならない。
すなわち、あと数時間後には敵の陣地にいるわけだ。
うぅっ。怖。

因みに、キルドレイは一台につき二人乗る。
つまり、五台で戦うのだ。
本物のロボットを操縦できるか不安だが、もっと不安なのが、相手がヒナと言う事。
どんなことしでかすか知れたもんじゃない。
あっそうそう。ヒナの模擬操縦の成績は最下位。主席がコウタロウだった。
コウタロウ・・・なんかすげぇな・・・。

「これより、卒業式を始める。とはいっても、一刻を争う事態だ。
こんなことで時間を使うわけにもいかない。とっとと卒業証書を取って、
各自戦闘態勢を取れ。分かったな。卒業式は以上だ、解散!」
はい、卒業式終了。
おのあと俺たちは机に並べられている卒業証書を雑にとり、
キルドレイが待機している倉庫に向かう。
ゴゴゴゴゴゴッと音を鳴らして途轍もなく大きな鉄の扉が開く。
すると中には、俺たの身長の十倍二十倍はあるだろう巨大なロボットが跪いた
状態でそこにあった。

ふっとキルドレイから視線を外し野次馬の方へ目を移す。
するとそこには、母の姿があった。
目には涙を浮かべて、俺の事を見つめている。
それを見た瞬間、俺は母から目を逸らしてしまった。
これが、俺が最期に見た母の姿であり、同時に母が見た俺の最期の姿だった。

俺とヒナが乗るキルドレイは赤と黒で塗色してあるもの。
色は濃すぎず、逆綺麗と感じる程だ。
キルドレイに乗ると、総司令官から指示が入る。
「やぁ初めまして。私は総司令官のゼル。本来ならそこには屈強な男共が
入る予定だったんだけれども、『ソウル』が反応してくれなくてね。
君たちに人類の希望が託された。私は遠くから指示しかできないけれど、
せめて、私から一つ言わせてくれ。
絶対に誰も死なすな。全員、生きて帰ってこい。以上だ。皆、任務開始だ。」

たかが町一個の制圧でなに大袈裟なことをと思う人がいるかもしれないが、
俺たちは、もう、帰れない。『デストラクション』を完全に殲滅するまで。
下手したら母さんに会えないかもしれない。そんな不安を抱えつつ、俺は
キルドレイのエンジンをかける。
「いくよヒナ!」
「オーケー!行くよ!」
「「発進!キルドレイッ!!」

俺たちが操縦するキルドレイたちは、わずか三秒程で野次馬の目からは
見えなくなっていた。



ここから奪還する町『ダイス』までは五分もかからない。
そしてその町がいま・・・
「アルナ!見えてきたよ『ダイス』の町!」
「ああ!分かってる!」
俺たちが『ダイス』に向かって飛んでいると、初号機。すなわちリーダーチームから
通話が入る。
「あ、アルナか!俺だジンだ!」
「おお、ジンか。」
相手はジン。そうか、ジンはコウタロウと一緒だったのか。そうだよな、あいつ模擬操縦の
成績二位だったしな。
「コウタロウの指示だ。『ダイス』の町の奪還はお前とヒナのペアに任せるとよ!」
「なっ!?」
「お前たちが『ダイス』の町を奪還している間、俺たち他の四機は、隣の
都市を奪還するとよ。だから、なんだ、その、お前らは・・・」
「見捨てられたってことよね?」
ヒナが冷酷に言う。

「すまない。普段無口なやつだったから抑え込めばいけるだろうと思ったが、
未知の武術の『カラテ』とか『ジュウドウ』とかいうやつで手も足もでなかった。
本当にすまない」
「ジン。お前が謝るな。大丈夫。俺たちに実力がなかっただけ。そうだろ?ヒナ」
「ええ、そうね」
「本当にすまなかった。あと――――――――――――――ブツッ」
ジンが何か言おうとしたとき通話が途切れた。
恐らくコウタロウに切られたのであろう。
「なんなの!あのコウタロウとかいうやつ!ムカつくわぁっ!」
「まぁまぁ落ち着いてヒナ、とりあえず俺たちは『ダイス』の町を奪還しなきゃ」
「分かってるわよ!」

そんな会話をしているといつの間にか皆は都市がある方に向かっていた。
 
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