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DQ5~友と絆と男と女  (リュカ伝その1)

作者:あちゃ
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64.今が幸せなら過去も未来も気にしない。

<大神殿-最深部>
ビアンカSIDE

私の目の前に優しい微笑みを浮かべた男性がいる。
私の大好きなリュカが…
「リュ…カ…」
上手く声を出せない…

するとリュカが突然キスをしてきた!
リュカの口から水が移り入る。
リュカは予め水を口に含み、私の喉を潤してくれている。

…が、突然リュカの頭が横にズレる!
「何時まで子供の前でイチャイチャするつもりだ!馬鹿者!!」
この声はピエールだ。
「ち、違うよ!石からの復帰後は喉が渇いてて上手く声が出ないんだ。だから、口移しで水を…」
「本当よ!ピエール!今、水を飲ませてもらってたの!」
あれ?
ピエールってこんなに大人っぽかったかしら?
「そ、そうだったのか…す、すまん」

「ったく…ほら、ティミー、ポピー!自己紹介しなさい」
ティミー?ポピー?
…もしかして!?
「お、お母さん!!ずっと、ずっと会いたかった!」
双子の男の子が、興奮しながら私の事を母と呼ぶ。
「お母さん!やっと会えた!私、お母さんにお話ししたい事がいっぱいあるの!」
女の子の方は、落ち着いた様子で語りかけてくる。
「ポピーさん…それって、お父さんの悪口じゃ無いよね!?」
「ちょっと…悪口を言われる様な事してきたの?」
「ソンナコトナイヨ。ソンナコト何ヒトツナイヨ」
みんなに笑いが巻き起こる。

そんな中一人だけ笑わずリュカのマントの端を掴んでいる女性が居た。
白いドレスにそぐわない青紫のスカーフを巻いた女性…
あのスカーフはきっと…そう言う事…まったく、リュカは…
「リュカ…」
私はリュカの首に腕を回し、徐にキスをする。
私が妻である事を、全員に分からせる為に…

ビアンカSIDE END



<大神殿-最深部>

「さぁさぁ!何時までもここにいてもしょうがありません。一旦グランバニアに…我が家に帰りましょう」
サンチョがみんなをまとめ出す。
うん。俺も早く帰ってビアンカとベットインしたい!
そうと決まれば、さっさと帰ろう!

と、思った時…突然目の前に指輪が現れ、そこから声が聞こえ出した!
『リュカ…聞こえますか?私の可愛いリュカ…』
誰?
「はいは~い。聞こえますよー。どなたで~すか?」
『………随分とノリの軽い子に育ちましたね…』
何!?
馬鹿にされてるの、俺…?

『私はマーサ…貴方の母です』
本物かよ?
「お義母さま!?本当にお義母さまなんですか!?」
『その声はビアンカさんね…さぞかし美しいのでしょう…一目で良いから顔を見たいものです…』
息子の俺には?
『しかし、それを望んではいけません…魔界の王ミルドラースは強敵です。伝説の勇者と言えど敵わないでしょう…』
え~…そんなに強いの!?
「そんな!?勇者が敵わない訳ない!僕がミルドラースを倒してみせる!」
おー、勇ましいなぁ…さすがは勇者。
俺、勇者じゃ無くて本当に良かった…今更ながらそう思う。

『幼き勇者よ。貴方は家族と共に幸せに暮らしなさい。私がミルドラースを食い止めます!けして人界に影響を及ぼさぬ様に!』
うん。やっと家族全員が揃ったんだし、幸せに暮らすのが一番だよね!
「そんな…お婆さま!」
ポピーが泣きそうに叫ぶ。

むっ!
格好いいところ見せないとイカンかな?
「お母さん!残念ですが貴女の息子は只今反抗期です!親の言う事など聞きやしない…だから貴女はそこで大人しく待っていて下さい。不出来な息子が迎えに行くまで」
そこまで言い終わると、俺は指輪を掴み強制的に通信を終わらせた。
ちょー格好いいじゃん。俺!!
ラマダの時も、さっきのイブールの時も、俺何もしてないからね。
みんな冷たい目で睨んでたのよ!
でも今の台詞で尊敬の眼差しに変わったね!
女性陣なんかベタ惚れっぽいもん!
よし!
後はさっさと帰ってシッポリと楽しもうとしよう!





<グランバニア城>

俺はテラスから星空を見上げ黄昏れている…
ビアンカを押し倒そうとしたら、双子ちゃんが乱入!
ぶっちゃけ、教育の一環として見学させても良かったんだけど、『よしポピー!僕等もヤってみようよ!』とか言われちゃったら大変じゃん!
だから我慢しましたよ…

そしたらビアンカと共に眠りについてしまったので、沸き起こるリビドーを落ち着かせる為、一人テラスで黄昏れる。
スノウの元に行こうかと、ちょっとだけ思ったけども、さすがに気が引けるので又の機会に取っておく。
もう1時間以上こうしてる…一向に収まらん!
かなり期待して帰って来たからなぁ…

「リュカ」
するとビアンカが部屋から出てきた…艶めかしく瞳を光らせ、俺に抱き付きキスをする。
どうやら俺達は似た者夫婦だった様だ…



よく考えたら、ビアンカって産後だったね…
母乳が凄い…



 
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