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ソードアート・オンライン~遊戯黙示録~

作者:マローン
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FILE65 ラフコフ制圧作戦

アインクラッドの現在の最前線に近い第54層のフィールド地帯の亡者の密林!ここは、アンデット系、スピリット系のモンスターが出没する、ホラーモンスター達の巣窟として名高かった。
そして情報屋のアルゴは、この辺り一帯で殺人ギルドラフィン・コフィンのメンバーの一部が活動しているとの情報を掴んでいたのだった。

少数精鋭での行動の為、アルゴはオズマ、レイナ、キリトの三人のみを協力者として同行……偵察と隠密行動に特化した自らが先行し、ラフコフのメンバー達を捜索を開始……! by立木ナレ



アルゴ「んじゃ、行ってくるナ~」

キリト「ああ、気を付けろよアルゴ」

まるでどっかに遊びに行くようなつもりの声で密林の中に入って行った。隠匿スキルで身を隠しつつ、忍び足スキルで足音や物音も抑えているアルゴを未然に発見するのは相当難しい事だろう。

俺「後は、俺達がこっちで派手な事仕出かして、奴らに気取られないようにしねーとな」

キリト「まあ、ここら一体はモンスターが湧出(リポップ)しない、安全地帯だから、ここで戦闘になって、奴らに気付かれる事はないとは思うけど――万が一、モンスターと遭遇する事があったとしても、迂闊に戦うのは止めておこう」

レイナ「……今、一番難しい任務をこなしてるのはアルゴ」

俺達はひたすら待ち続けた、アルゴが奴らに捕まって、その場で始末されてるなんて事には――流石に早々にはないだろうが、万が一アルゴが人質にでも取られるような事があったとしたら、攻略組にとって今後、奴らを積極的に捜索、討伐するにあたって大きな障害になってしまう。



待機……!圧倒的待機!今頃アルゴはどうしているのだろうか……?すでに敵に捕まってしまい、連絡すら取れない状況下にあるのだろうか……?オズマもキリトも、時間が経つにつれ、その心中の、不安は膨れ上がり続ける……まさに大膨張! by立木ナレ



レイナ「……30分が経ったわ」

アルゴが亡者の密林に入ってから、経過した時間を淡々と、焦りや、苛立ちなどを感じさせない声でレイナはそう告げた。

キリト「流石に、これ以上待ち続けるのは限界かもな」

俺「どーするかねー、もし連中がアルゴを捕まえちまって、人質にでもしてやがるんなら、何れは無効から攻略組に向けて何かしらの知らせがあるとは思うが――」

既にこれ以上待ち続けるのは現実的ではないと、俺達が共通の認識を抱き、どうすべきかを模索しようとしていた矢先だった。
それは唐突に、起こった。

キリト「ア、アルゴからのメッセージだ!」

俺「どーやら、まだ死んだわけじゃねーみたいだな……」

だが、アルゴからメッセージが届いたから、奴が安全な状況にあるとは言い切れない。既に奴らの手の中にあり、自らが生きている事だけを証明させるために、ラフコフの連中がメッセージを送らせているのかもしれない。

レイナ「……アルゴはなんて?」

キリト「メッセージには、マッピングデータの位置情報が付いてる。その位置情報に表示された場所に来てくれ~―――だとさ」

だとしたら、アルゴはラフコフの連中を発見して、奴らを制圧する為に俺達をそこに呼び出そうとしているって事だろうか?
だとしたら、俺達はすぐにでもそこに急がねばならない。

レイナ「……ラフコフに脅迫されていて、私達を逆に誘き寄せる事に協力させられてる可能性は?」

キリト「いや、このメッセージの送信主がアルゴである以上、それは無いはずだ」

レイナが罠の可能性を疑い、そう口を挟むが、キリトはその可能性を真っ向から無いと言い切り、更に言葉を続ける。

キリト「アルゴが敵に捕まってる事自体、考えにくい事だが。万が一奴らの手の内に落ちたとしても、アイツはあれでプロ意識って奴かな?――とにかく、そう言うのは人一倍強い奴だから、自分の失態で敵に捕まったんだから、それで脅されたからと言って、奴らの言われるがままにそんな事をするとは、少なくとも俺は思えないんだ」

俺「どっちにしろ、決断するならすぐだ。アルゴがラフコフの連中を発見したのにしても、ラフコフの連中に捕まってるにしても、だ。」

ひとまず、行ってみない事には結局、何も分からないので、俺達はアルゴがキリトに送ったメッセージのマッピングデータの位置情報に記された場所に向かって走った。

途中で数体のアンデットモンスターに遭遇したが、そいつらを片っ端からスルーして、キリトを戦闘に走った、そして―――

キリト「あ、アルゴだ!」

そこで俺達が発見したのは、こちらを向きながら、体勢を低くしているアルゴだった。あっさりと見つけられたと言う事は、今は俺達に自分の存在を知らせる為に敢えて隠蔽スキルを解除していたんだろう。

キリト「マッピングデータの位置情報に記されたマークは――丁度アルゴのいるところだ」

俺「つまり、すぐにここまで来いって事だったんだな」

俺達はアルゴと同じように体勢を屈めて、そのまま物音に気を付けてアルゴに接近した、アルゴがここで一人で待機し続けていたと言う事は―――恐らくラフコフの連中も比較的近場にいるんだろう。

アルゴ「おお、待ち侘びたぞ皆~、おねーさん一人で待ち惚けで怖かったんだナ~」

かなり精密な作業をこなしているとは思えないほどに、アルゴは普段と何ら変わらぬ振る舞いを見せる余裕ぶりだった。

俺「お前にしちゃ、随分と長かったみたいだが、何かあったのか?」

30分以上も連絡が無かった事で、俺が事の経緯を尋ねると、アルゴはバツの悪そうな表情を浮かべて、小さな声で呟くように――

アルゴ「いやそのサ……アンデット犬がおっかない――そ、そんな事よりもあれをみるんダ!」

俺の質問に答えかけたアルゴだったが、無理矢理話を切り替えて、アルゴは北西の方角を指差した。

アルゴ「結構遠いから、索敵スキルを使わないと見難いかもナ」

レイナ「……いたわ」

キリト「ああ、全部で4人いるのか」

俺「え、そうなの……か?あ、ああ!み、見えた見えた!」

俺も一応、索敵スキルは習得している事には違いないが、この場にいる面々の中では熟練度が最も劣るようで、キリトやレイナに比べて一歩遅れてラフコフの連中の姿を発見するに至った。

顔はハッキリと見えず、持っている武器も解り難く、キリトが言う様に、人数が4人である事は分かる程度だ。

俺「間違いなく、ラフィン・コフィンの奴らなんだよな?」

アルゴ「その辺は確認済みサ。オレッちはもっと近くまで忍び寄って、そこで確認したんだ――4人の中の一人が、グロくてキモイ、オレッちよりも小さい身体のウサギマスクを被ってる奴だったってナ」

俺「そ、そいつがいるって事は間違いない……!」

そのグロテスクなウサギマスクは俺も以前に一度対峙した事がある相手だ、今ではそれなりに名前は知られる存在となっている。

奴は執拗にプレイヤーの首を切り落とす事に固執し、切り落とした首は、四散して消滅する前に、特殊なアイテムである『カダヴァ・ストレージ・スプレー』を使う事でオブジェクト化し、自らのコレクションを加える言う、常人には到底理解し難い趣向故に、こう呼ばれていた。

レイナ「……首狩りのミリー」

アルゴ「そうサ、オレッちが確認したメンバーの中にそいつがいたって事はラフコフのメンバー、そうでなくっても参加のギルドの一員だと考えて良いと思ったんダ」

それだけ説明されれば、誰もがあの遠くにいる4人がラフコフの関係者出る事は既に疑いの余地などは無かった。
そして、これからどのように奇襲を仕掛けて、制圧するかを考える事になる。

だが、これについては誰が適任なのかは俺自身が自覚しているのですぐに名乗り出る。

俺「奇襲は、俺がやる」

キリト「補足転移を使って、奴らの目の前に瞬間移動するんだな?」

俺「ああ、補足転移専用のソードスキルの『ラウンジ』を使えば、攻撃後にまた元の場所まで瞬間移動で戻れるからな――だが、それをやるには相手にタゲを取らなくちゃならないから、もっと近づかないといけないな」

レイナ「……私は、オズマがラウンジを発動したら、すぐに奴らに向かって攻撃する」

キリト「怯んだところへの追撃ってところか、確かに悪くなさそうだな」

こうして、一通りの手筈についての話し合いを俺達は手短に済ませたのだった。まずは俺がゆっくりと隠蔽(ハイド)を使いながら奴らに近づき、タゲを取れる距離まで気が付かれないように接近する。俺は忍び足(スニーキング)スキルは習得していない為、足音までは抑える事は出来ず、動きは特に慎重に気を使わなくてはならない。

そして、一秒一秒がやたら長く感じるのを煩わしく思いつつも、一歩一歩、奴らとの距離を詰めて、そして――俺の経験と勘でタゲを取れる位置にまで接近した。

俺「準備完了だ……」

俺は、5メートルほど後方から付いてきているキリト達にサインを送り、その直後に発動する……補足転移ソードスキルのラウンジを!
俺はその場から一瞬で姿を消し、視界は次の瞬間に奴らの――正確にはタゲを取っていたラフコフの一人の目の前に変化していた。

ラフコフ「な―――――!?」

俺「お邪魔するぜっ!」

タゲを取っていた相手は、全く予期もしない俺の唐突な出現に完全に呆気にとられて、まるで戦闘の態勢を取れておらず、それは他の者達も同じだった。

隙だらけのラフコフの槍使いに俺は下突き、切り、突き、切り上げの4連撃の攻撃を次々とお見舞いする。
呆気なく、その全てが完全にヒットし、槍使いのHPバーはMaxの状態から一気に残り3割を下回るレッドゾーンにまで減少したのだった。

槍使い「ひ、ひぃぃぃぃっ!!な、なんでぇぇぇぇ!?」

ミリー「あの時のイケメンの優しいお兄さぁん!会いに来てくれたんだぁぁぁっ!!」

会いたくて会いに来たんじゃねぇ!っと言い返す間もなく、攻撃が終了と同時に俺はその場から瞬間移動して、ソードスキル発動前の場所に戻っていた。

アルゴ「いーぞオズ坊!あの槍使いのHPはもー、風前の灯火ダ!アイツはこれで積極的に戦えないはずダ!」

俺「そんな正常な判断が出来る奴なら良いんだがな……」

既にキリトとレイナは軽いパニック状態に陥っている奴らに向かって全力疾走で突撃し、本格的な戦闘に発展したところだった。

俺は、またレイナが返り討ちでPKにしてしまわないかと言う懸念を感じながら、硬直が解けると同時に急いで加勢しに走った。
案の定、キリトとレイナの二人だけで、ラフコフの連中4人を相手に互角以上に立ち回っている状態だった。
ここに俺が加われば、奴らを制圧するには十分すぎる戦力になるはずだ!

ミリー「待ってたよオズマぁ!その首をアタシにくれる気になったんだねぇ!!」

俺「っつ!そういうお前こそ、そろそろ素直に御縄に付くこったな!」

大型のダガーナイフを俊敏な動きで振り回しながら、ミリーが俺の首を狙って攻撃してくるのを察知した俺は、鞘に収まった状態の剣でガードを決めた。
更に至近距離から左手のソードブレイカーをミリーの脇腹に差し込む。

ミリー「いったっ……!」

年頃の幼い少女らしい悲鳴交じりの声を上げたかと思いきや、ウサギマスクで覆われた顔をこちらに向けると、口元がに破れたような穴が開いたウサギマスクで覆われた顔を俺の右腕に近づけて―――

俺「っぐっ!―――お前……」

俺の右腕に噛みつき、俺は一瞬、右腕で掴んでいる剣を落としそうになったのだった。

ミリー「油断する方が悪いんだよーだ!」

左手の方も力が一瞬抜けていたので、ミリーは強引に脇腹に刺さったソードブレイカーを引き抜いて、バックステップで俺から数メートルほどの距離を置いていた。

レイナ「……確保完了」

ミリー「ほえ?」

俺「よし、上手くやったみてーだな」

レイナの冷静な声が作戦が上手くいっていた事を物語っていた。ラフコフの他の3人を戦っていたキリトとレイナだったが、充分な余力を残したまま制圧し、筋力ステータスの高いレイナが俺があらかじめ弱らせておいた槍使いを抑えつけており、それを守るようにキリトがレイナの前に立っていた。
キリトと対峙する二人のラフコフのメンバー達も既にHPはイエローの領域にまで減少しており、このままキリトと戦っても勝ち目は薄い事は理解しているようで、後ろず去りしていた。

ミリー「そっかぁ~、アタシ達の内の誰か一人を捕まえて、それで内部情報を聞き出そうって作戦だったんだねぇ~」

俺「お前らがここで何をしてたのかは知らねーが、おかげでこうやって確保のチャンスが訪れたってわけさ」

アルゴ「にゃはは、お仲間の一人が捕まっちまったナ。ここからは微力ながらオレッちも加勢させてもらうからな。こいつを助けられる可能性があると思うなら、戦ってみれば良いサ」

アルゴの駆け引きに対して、ミリーを含めたラフコフの面々はお互いに顔を合わせるが、言葉を発する事はない。
だが、妙な首の動きでお互いに何かを確認し合っているように見える。

キリト「おい、それはなんだ!?投降するか、お前たちだけで逃げるのか、どっちなんだ!?」

キリトも奴らが何かの合図を送り合っているのだと判断し、大きな声を上げて問い詰めていた。

レイナ「……戦闘を続行するなら、彼の命はないわ」

レイナは、冷淡な口調で、仲間を人質に取っている事を強調するような言葉を口にする。レイナの事だから、口だけではなく、いざとなれば奴に止めを刺してから、再び戦闘を続行し、残りの連中も殺してしまいかねないだろう。

ミリー「成程ね……確かに~、優しいオズマは絶対にアタシ達を殺したりなんてしないけど~、そっちのお姉さんなら簡単に……殺れるよね?」

首を真横に傾げて、レイナがまるで自分達と同類であると言わんばかりの様にミリーはそう告げた直後だった―――

アルゴ「あ、アイツら!!」

仲間の二人が一目散に、その場から駆け足で逃げ去っていくのだった。正直、追いかければ追い付けそうなもんだったが、ここは無理に深追いをする必要はない、むしろ一人になったミリーの選択肢が狭まっただけと言える。それは、ミリー自身も自覚している事だった。

ミリー「ちぇ~、冷たいんだから……仕方ないよね。アタシもね本当は仲間を見捨てて逃げるなんて薄情な真似はしたくないし、だからね―――」

キリト「―――!!」

ミリーが懐から小さなナイフを取り出した瞬間に、キリトの表情が一瞬にして強張ったかのように見えたと感じた矢先だった。

槍使い「ぐっ!!」

レイナ「……仲間を?」

ミリーが恐らく、投擲スキルで投げ飛ばしたのだろう、ナイフが槍使いの頭を貫き、残り僅かしか残っていなかったHPバーが完全に全損し、レイナに抑えられたままの状態で四散、消滅したのだった。

ミリー「あははははっ!!これで情報を引き出す作戦は失敗しちゃったねーッ!!」

俺「だったら、お前をっ!」

ミリーは軽業スキルでひょいひょいと木の上を軽快に登って、枝から枝へと飛び移って逃走を図るが、俺の補足転移での瞬間移動ならすぐに追いつける。

俺は即座に奴にタゲを取り、補足転移で瞬間移動しようと思ったのだが―――その直前に俺の視界からミリーは消える事になる。

キリト「煙幕かッ!」

俺「やってくれたな……」

俺の補足転移は、タゲを取った相手が視界内に目視できる状態でなければ発動が出来ない。それ故に俺の視界が暗闇状態のデバフなどで見えなくなったり、タゲを取っている相手が死角に隠れるなどして見えなくなれば、発動不可能になってしまう欠点を抱えていた。

レイナ「……オズマの補足転移の特性を理解していたって事?」

アルゴ「ラフコフの奴ら……攻略組の主力プレイヤーの事も念入りに調べてるのかもナ……」



結局、ラフコフのメンバーを確保する事は敵わなかった!ミリーの捕まった仲間を自ら止めを刺すと言う行動により、作戦は破綻!ミリーを含む3人のラフコフメンバー達は煙の様に姿を晦ましたのであった! by立木ナレ 
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