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ソードアート・オンライン~遊戯黙示録~

作者:マローン
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FILE61 ゲーム開始・・・チャンスからピンチへ!

開始まで60秒前となったリアルマネーゲーム、パックハント・ドライブ!オズマはサンバーストイエローのユーノス・ロードスターJリミテッドを選択し、車の中でカウントダウンが0になるのを待つ。
カウントダウンが刻一刻と進む中、全ての参加者たちは大金への魅惑、そして―――ゲームの経過次第では死の危険性すら有り得ると言う恐怖感が精神を圧迫!
このゲームはただ運転技術だけで決するゲームではない、死への恐怖との戦い、途方もない大金への執着、これらを踏まえ、勝者と敗者の命運は決する! by立木ナレ



車のナビマップに表記されたカウントダウンの数字が刻一刻と減り続けて、ついにその数字が0となった。

ガチャモン「ゲームスタート!一体目のパックちゃんがステージ上に出現しましたぁ――!!」

俺はガチャモンのゲーム開始宣言を聞くと同時に、アクセルを踏み込み、スピードがあげて、すぐに変速ギアを1から2に、そして更に2から3に変更する。
今の所、俺のナビマップには黄色マークが表示されない、つまり半径10メートル以内にパックちゃんはいない事だが、既に数台の他の車とすれ違っていた。

キバオウ「どこやっ!あんのぉ、きーろいアホ面はどこなんやぁ!?」

そんなキバオウの濁声が俺の後方から響き渡っていた。バックミラーで背後を確認すると、サイドガラスを開けた状態でプレートナンバー2のキバオウが、赤いエスティマの中から喚き散らしているようだった。

俺「けど、本と何処にいやがるんだ……?」

かなり広大で障害物が多く曲がり道も多い、この車道のステージでナビマップに表示されるのは自車から半径10メートル以内の情報のみだ、そこに一瞬でもパックちゃんが表示されれば、それを見失わないように追跡し続ければ良いのだが、パックちゃんがナビマップに移らない内は本当に手探り、あちこち車で色んな所を探し回る羽目になる、更に厄介な事にこのナビマップには他の車が表示されないので、迂闊にナビマップばかり見ていると、正面から来た他の車と衝突なんて事もあり得る。

俺は正面衝突、そして障害物による死角からの車の衝突に気を付けて、一度停止させる。MT車ゆえに一度止まると変速ギアは1に手動で変更し、そして走り出し、再び速度を出したところだった。

19番「わぁぁぁ―――――!く、来るなぁ――――!」

その絶叫は、ゲームの中止を訴えていた19番の叫び声だった。その声からして、俺はその声の方にパックちゃんが出現し、19番は運転を誤ったりして、窮地に陥ったのだと判断、つまりそこにパックちゃんがいるのだと睨んで、アクセルを踏み込んだ。
曲がり角を何度も曲がり、直線コースで俺はそれを見た、恐らくパックちゃんの正面の口に噛まれたのだろう、車体の後部が無くなった白いセダンタイプの車、やはりナンバープレートは19番だった―――だが、俺はその車の運転手である、19番のプレイヤーが破損した車の後ろで座り込みながら、頭を抱えている姿を発見、車こそ失い、賞金獲得の可能性は失ったようだが、命拾いした当たり不幸中の幸いのようだった。

俺は元々オープンになっているJリミテッドから身体を少し乗り出し、可能な限りの発声量で問い詰めた。

俺「どこだ!あの黄色のボール野郎はどこ行ったんだ―――!?」

19番「あ、えっと―――あ、あっちだ!あっち!」

俺が大声で問いかけると、19番の男は、一瞬ビクッと身体を震わせながらも、すぐにパックちゃんが言った方角を指差す、どうやら直進コースをそのまま真っ直ぐと向かったようだが、その先左右のどちらに曲がったかまではこいつも見ていなかったようだ。

俺「分かった、助かった!」

俺は再びアクセルを踏み込んで、走り出しと同時にギアを変速させる。直進コースを70キロほどのスピードで走り抜けて、左右に分かれた壁の付近までに接近し、一体どちらの方向に奴は逃げたかと迷っていた矢先だった。

「くっそぉっ!こっちを向くんじゃねぇ―――――!!」

俺「こっちか!」

左側からプレイヤーの叫び声が響き渡ってきた。こういう時、オープンカーは周囲の音を聞き取り易いので好都合だ。
俺は再度アクセルを踏みこんで、叫び声のした方にJリミテッドを走らせる。そして、その声のした方に走っていると、俺が見たのは僅かにタイヤやサイドミラーなどの車の残骸が残された車の成れの果てだった、運転手の姿は近くには見当たらなかったが、俺はそこで止まるわけにはいかず、周囲を見渡しながら車を走らせている矢先だった。

ガチャモン「決まりましたぁ―――!!パックちゃん一体目が№15のストール君によって倒されました―――!!」

俺「――――なんだって……!?」



オズマ……急ブレーキ!これからパックちゃんを自らのJリミテッドで倒し、まずは100万円の権利を得ようとして意気込んでいた矢先に、突如としてガチャモンから発表されたのは最初の一体目が他のプレイヤーによって倒されたと言う知らせにオズマは、自らの耳を疑わずにはいられなかった! by立木ナレ


「いおっしゃ――――!!やった、やったぞぉ――ッ!!」

俺「本当に――一最初の一体目を倒されちまったってのかよ?姿も見る事無く倒されちまったのか……」

呆気なく、俺の目論見は外れてしまった。単独で300万円を獲得し、現実世界に帰還後に実物のJリミテッドのレプリカを買おうと考えていたのに――――1体目のパックちゃんを俺は発見する事も出来ないまま逃してしまった!

だが、それを嘆いている余裕などない。すぐに二体目のパックちゃんが出現するはずだ。それを逃せがまたしても俺が得る賞金の額は減ってしまう。

ガチャモン「はーい、ステージ内に二体目のパックちゃんを出現させました~!さぁ、探せ探せ―――!!百万円が欲しければ探して倒せぇ―――!!」

俺「言われるまでも無く、当然だっ!」

俺はアクセルを踏み込み加速を付けて、変速ギアを1から2へ、2から3へと次々と上げていく。ナビマックの確認をさっき以上に怠らず、そして他の車との衝突にも注意しながら俺はJリミテッドで走り続けていた矢先だった。
俺に向けて、何度も聞き慣れた関西弁の濁声が響き渡ったのは。

キバオウ「退かんかアホんだらぁ―――!!」

俺「アホはどっちだ!?」

その声の主、キバオウは赤いエスティマを80キロスピードで爆走させながら、真横から俺に向かって突撃してきたのだった。
このままだと衝突されるのと俺は判断し、衝突を回避する為に俺は、その場でドリフトを決める。Jリミテッドは円を描く様にその場で回るが、何とか障害物の建物や、キバオウのエスティマへの衝突は避けられたようだった。

キバオウ「逃がさへんでぇ―――!!」

キバオウは大声で喚きながら、エスティマで速度を保ちながら、爆走し続けていた。

俺「アイツ、なにを叫んで爆走しやがって―――そうか!」

俺は急いで車体の向きを変更してキバオウのエスティマが向かった方角にJリミテッドを走らせる。すると、徐々に他の車も同じ方向に向かって走っている事に気が付いた。
更に走り続けて、俺のナビマップについに、黄色い点滅したマークが表示された。それは、俺のJリミテッドの周囲10メートル以内の範囲にターゲットであるパックちゃんがいると言う証拠だ!

俺「って、流石に他の車が!」

俺以外にもこの場所を嗅ぎつけて、集まってきた参加者たちが運転する車がゾロゾロと走り続けているので、お互いにパックちゃんを狙いつつも衝突には最善の注意を払いながら運転を強いられる事になる。
車同士で衝突し、乗っている車が大破して走れなくなってしまえば、どちらもその時点で賞金を得られる可能性は皆無となり、車道ステージを動き回るパックちゃんに怯えるばかりになる。

俺「見えたぞ、丁度ケツについてやったぜ!」

他にもパックちゃんを狙う参加者たちの車がパックちゃんを背後から狙って走ってくる。こいつらに抜かれる事無く、真っ先にパックちゃんに正面ライトから口以外にぶつかってやれば100万円が俺の手に!

俺「――な、なんだあのマークは?」

そのマークは、8ビット絵なので分かり難いが、まるでクッキーの様に見えた。そして、パックちゃんはそのクッキーに向かって一直線に走り続けている。

そう、まるで俺達をわざと引き寄せるかのようにだ……


オズマの中に、悪質な罠の可能性が芽生える!それは、あともう一歩で大金を得られると言う、希望を得たかに思えたプレイヤー達を、チャンスから一転、一気に命の危機へと追いやる為の罠の可能性を――! by立木ナレ


そして、パックちゃんがそのクッキーの様なマークと接触した途端、黄色いマークで表示されているパックちゃんが赤く点滅し、俺の視界に移る巨大なパックちゃんも赤く光りを放ち始めていた。

俺「まさか――――!?」

俺は異変を感じて急ブレーキで止まった。

キバオウ「あ、危ないやないか自分!」

俺の丁度後ろのキバオウは俺が急ブレーキで止まったのに瞬時に気が付き、同じように止まったので衝突はしなかった。
だが、俺の隣の車線で先頭を走っていたハスラーは、パックちゃんの様子がおかしい事に気が付かず、そのまま猛スピードで向かっていた。

「貰ったぁ―――――!!」

既にほかの参加者たちもそのパックちゃんの異変に気が付き、その場にいた車が全て止まっている中で、そのたった一台だけが赤色になったパックちゃんに向かって、パックちゃんの背後に衝突し―――呆気なくハスラーは大破し、中にいた参加者のプレイヤーごと木っ端みじんに砕けていた。

キバオウ「な、なんでや!?なんで……なんでなんや!?ちゃんと、正面ライトで口以外の場所にぶつかったんやで!」

ガチャモン「おっとぉ!こりゃ大変だ!パワーエサをゲットして無敵状態になったパックちゃんに自ら衝突して返り討ちだぁ――――!!」

俺「そう言う事を今になってから――!!」

つまり、さっきまでナビマックに表示されていたマークはパックちゃんが手に入れた場合、一定時間パックちゃんが無敵になり、その時間中はどう接触しても車側が返り討ちにされてしまうわけだった。

そして、赤く光を放ち続けているパックちゃんがこちらを振り向き、奴は今こそ逆襲の時と言わんばかりにこちらに向かってくるのだった。

俺「バックだ!早くバックで逃げろぉ――――――――!」

キバオウ「どうなっとんねん!こんな事聞いてへんわぁ―――!」



先程まで背後からパックちゃんを追い詰めていた全車が一斉にバックでパックちゃんからの逃走を図る!
まさに大金獲得の大チャンスから一転!彼らは無抵抗に逃げるしかなく、命の危機へと陥ってしまう者達であった! by立木ナレ 
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