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ソードアート・オンライン~遊戯黙示録~

作者:マローン
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FILE56 補足転移発動!オズマ、瞬間移動!

 
前書き
なんか、メルトダウンの影響でしばらく更新が滞ってしまいました。

ようやく投稿出来て、一安心です。 

 
第47層フロアボス、『ライトニング・ザ・デーモン』のHPバーがついにラスト一本となった。フロアボスは自らの周囲一帯に電撃を帯びた球体を無数に出現させて、ボスへの攻撃部隊のプレイヤー達は攻撃を執拗に阻まれて苦しむのであった! by立木ナレ




エルダ「こっちは、今までと変わらないけど―――向こうはやっぱり苦戦してるわね」

エルダは細剣ソードスキルの5連突き技のニュートロンを配下モンスターであるフォロワー・デーモンに浴びせながらそう言っていた。

そして、更に今度はキリトが、同じフォロワー・デーモンに対して7連撃技のデッドリー・シンズによって、フォロワー・デーモンを倒していた。

俺「あの宙を漂ってやがる球体がマジで厄介なんだよな、あれを避けながらボスに接近して、攻撃を食らわせなくちゃならねーんだからな」

クライン「ったく、こーいう時って、SAOの遠距離攻撃手段の乏しさってのが困りものだぜっ!」

クラインはフォロワー・デーモンの攻撃を刀で弾き返しながらそう愚痴るのだった。事実、この6人のパーティーメンバーの中でも、遠距離攻撃が出来るのは、せいぜいキリトの投擲スキル程度で、それも本格的なダメージ源にはなり得ず、あくまで敵へのけん制、注意を引き付けるのに使われる程度だった。



そして、それからもフォロワー・デーモンへの攻撃部隊はそれまで通り順調にフォロワー・デーモンを倒し続けるのとは対照的に、ライトニング・ザ・デーモンへの攻撃部隊は苦戦を強いられ続けるのであった!
懸命に一部の攻撃部隊のプレイヤーが辛うじてボスに接近して攻撃に成功したとしても、まるでそこから追い払う様に、電撃を帯びた球体が近づいてくるので、長時間同じ場所に偽る事は不可能に近く、断続的なダメージを与えるのが困難なのであった! by立木ナレ



一方で、俺達の取り巻きモンスターであるフォロワー・デーモンの狩りは続いた。俺が不殺蓮千撃で麻痺させつつ、HPバーをレッドゾーンの状態にまで削ったフォロワー・デーモンに対してレイナがとどめのソードスキルを放つために急接近―――

レイナ「……ソードスキル発動」

デモリショ・ウィールドは両手剣ソードスキルの中でも爆発的な威力を誇る3連撃技である一方、隙が大きいのが弱点だが、麻痺している相手に対してはその隙は殆ど問題にならず、圧倒的なダメージによってフォロワー・デーモンを倒し、この時点で残りのフォロワー・デーモンは2体となった。

エルダ「向こうはまだ最後の一本のHPバーを半分も削れてない―――それどころか、HPがイエロー領域になった人たちの回復で攻撃の手が不足してるようにも見えるわね」

キリト「あの球体、触れたときのダメージは結構デカいみたいだな」

俺「この調子だとジリ貧か……」

ボスの眼前ではアスナやヒースクリフなど、攻略部隊の中の一部の者達が懸命に攻撃を加えるが、決定的なダメージ源となるソードスキルの発動を躊躇っている様子だった。
だが、それも無理もないだろう。ボスの周囲にあの球体の電撃が漂っているせいで、ソードスキルでダメージを与えれば、硬直中に周囲の球体が接近してきて、逃げ場を失いそのまま触れて感電なんて事になりかねない。

俺「後でアスナから、なんで勝手にボスの攻撃に加わったの!?とか言われるのは正直勘弁願いたいところだけどな……」

キリト「何か有効な手立てでもあるのか?―――まあ、残りのフォロワー・デーモンは少ないから、オズマ一人がここから抜けても大丈夫だとは思うけど」

これは、俺自身も、今日になって初めて習得したスキルだ。その辺のフィールドの雑魚のMobに対して何度か練習がてら使ってみたに過ぎず、フロアボス戦で使うには少々、早いんじゃないかともおもうが、このジリ貧な状況を打破する可能性もある。

俺「それじゃ、取り巻き共の相手は任せるぞ」

そう言いながら俺は、鞘に収まったままだった剣を引き抜き、周囲を漂う球体に守られたライトニング・ザ・デーモンに対してタゲを取った。
すると、まるで奴は俺がこれからやろうとしている事を察したかのように、俺の頭上に雷攻撃の初動モーションである黄色い光を迸らせていた。

クライン「オ、オズマ、雷が――――」

スグに雷が落ちる音と同時に、俺が立っていた場所に雷が落下するが、その雷は俺に当たる事は無かった。

クライン「あ、あれ―――あ、アイツ、どこ行っちまいやがった?」

レイナ「……あそこ」

キリト「――!?いつのまに……」

その光景に、俺のパーティーメンバーだけでなく、フロアボスの部屋で戦っている全プレイヤーが共通の驚愕を感じているのは俺にも感じされた。

俺「これが……『補足転移(ほそくてんい)』のソードスキルだっ!」

アスナ「し、瞬間移動ですって!?」

レイナ「……あれが、オズマのユニークスキル?」

結論から言うと、俺はボスから遥かに離れた場所から、瞬時にボスの頭上にまで瞬間移動していた。そして、下突き、切り、突き、切り上げと連続攻撃を加えて、元の位置に瞬間移動したのだった。

今のが、俺のユニークスキルである補足転移で今の所、習得している二つのソードスキルの内の一つである『ラウンジ』だった。
この補足転移は、タゲを取ったモンスター、プレイヤー、その他のオブジェクトの前に瞬時に瞬間移動する事が出来る能力を与えるスキルで、また、この補足転移を習得している場合に使えるソードスキルも幾つかあったのだった。
瞬間移動するには、タゲを取っている相手が自分の目に見えている状態である事が条件である為、見えない相手の目の前に瞬間移動する事は不可能が、この補足転移スキルを使う事で、超遠距離を一瞬で移動するなど、単純な移動、奇襲にも大いに役立つスキルだった。

クライン「おいおいおいおいおぉいっ!!オズの字よぉ!こ、今度は一体何だってんだよそりゃ!?オ、オメー、い、今―――瞬間移動したじゃねーか!テレポートか!?超能力かよ!?」

俺「テレポートに似たようなもんかもしれないが、超能力じゃなくてユニークスキルだよ」

俺の肩をガシっと掴み、クラインが凄まじく驚いたような声で問いただしてくるので俺は端的に答えたのだった。

と言うか、レイナが先にもっと的確に説明をしたはずなんだがな。

アスナ「ちょっと、貴方!!」

俺「あ、はい……なにか?」

クラインが騒いでいた矢先に、いつの間にかアスナが、締まりのある表情でこちらにやってきて俺に声を掛けてくる。
まさか、俺が勝手にボスへの攻撃に加わった事に対して、『私の許可なく勝手な事をするのは控えて下さい!』とか、叱り付けて来るんじゃないかと思い、軽く欝な気分になりかけた時だった。

アスナ「今のが貴方のユニークスキルなのね?さっきので、もう一度、ボスの目の前に瞬間移動して攻撃出来ないかしら?出来ればノックバックさせてくれると助かるわ」

アスナは真剣な表情で、そう問いかけてきたのだった。

キリト「そうか、オズマがライトニング・ザ・デーモンに対してノックバックさせられる位の一撃のソードスキルを食らわせれば―――」

エルダ「ボスに隙が出来るわ!」

アスナのやろうと考えている事をキリトが、そしてエルダも察して、続けてそう発言すると、アスナは首を縦に振って肯定した。
そして、俺の方を再び振り向いてから、三度問いかける。

アスナ「出来るかしら?」

俺「やってみる価値は十分ありそうだな、補足転移のソードスキルを使う場合は、剣を鞘から抜いた状態じゃなくちゃ使えないが―――ただ、瞬間移動するだけなら、納刀状態でも問題ないから、瞬間移動の直後にあのソードスキルを食らわせればな―――」

そう言いながら、俺はライトニング・ザ・デーモンの方に視線を向ける。相変わらず、奴の周辺には無数の球体が電撃を帯びたまま、漂っている。
あれでは、攻撃部隊のプレイヤー達も満足に接近して攻撃出来ないのは無理もない。

レイナ「……オズマなら出来るわ」

クライン「おうっ!やってくれや、オズの字!」

俺「そんじゃ、ご期待に添えられるようにちょっとばかし行ってくるか――――」

俺は剣を鞘に納めると、再びライトニング・ザ・デーモンにタゲを取り、今度は補足転移を発動する。

エルダ「また、消えたわっ!」

俺はその場から姿を消して、タゲを取った相手であるライトニング・ザ・デーモンの目の前に瞬間移動した。

俺「出来れば―――そのグロい顔を間近で見たくはなかったがなっ!」

俺の剣の鞘に闘気が集まり、獅子の形と化し、俺はそれを敵に叩きつける。納刀術ソードスキルの『裂震虎砲(れっしんこほう)』だった。
単発のソードスキルだが、強力な一撃でもあるこのソードスキルは高確率でノックバックさせられる技であり、それを顔に叩きつけられたライトニング・ザ・デーモンの巨体は一時的にではあるが傾き、その直立した体制を崩していた。

俺「やれることはやったぞぉっ!これでどーだっ!?」

アスナ「充分だわっ!皆、今のうちにボスに接近!今なら球体が動かないわっ!」

俺が大声で叫ぶと、アスナが返事をしつつ、レイドパーティーのプレイヤー達に指示を出す。アスナの見立てではボスによって制御されている電撃を帯びた球体は、ボスがノックバックなどによって一時的に行動不能になれば、その間は動かないと推測したようだった。そして――その推測は見事に的中し、アスナの作戦通り、ノックバックしたデーモンに攻撃部隊のプレイヤー達が一斉に急接近して、次々とソードスキルを浴びせ続けたのだった。

そして、俺はと言うと、裂震虎砲の直後に、抜刀を瞬時に発動する事も可能で、そうすればさらに今度は片手直剣のソードスキルに繋げる事も可能なのだったが、敢えてそれはしなかった。

何故なら俺はただいま絶賛落下中だった。ソードスキルを連携で発動して行けば、何れは地上付近で俺はソードスキル発動後の硬直で動けない状態になってしまい、そうなれば高所からの落下で大きなダメージを食らう事になる。

それを回避する為に俺は、裂震虎砲の発動後は何もせずに落下しながら、ソードスキル発動後の硬直が終了するのを待った。そして―――

俺「ただいまっとっ!」

レイナ「……お帰り」

エルダ「見事な活躍だったわね――ま、副団長さんの作戦でもあるけどね」

俺は地上に落下する前に、レイナにタゲを取り、再び補足転移を発動して、レイナの目の前まで安全に瞬間移動する事で、落下ダメージを回避したのだった。

キリト「けど、これで活路は開けたな、アスナの合図があるたびに、オズマが補足転移からのソードスキルで隙を作れば、行けるはずだ!」

レイナ「けど、勿論……私達はフォロワー・ワーゲンを抑えるのも忘れてはいけない」

レイナの言う通り、残り一体になったフォロワー・ワーゲンを倒してしまえば、再び新たに6体のフォロワー・ワーゲンが出現してしまうので、そうなるとまた攻撃部隊のプレイヤー達にとっての障害になるので、それは避けなくてはならなかった。

アスナ「オズマ君、もう一度、今のをやって下さい!」

俺「早速、ご指示が出たな。もう一回行ってくるか!」




そして、アスナの指揮と、オズマのユニークスキルの補足転移により、ライトニング・ザ・デーモンは順調に追い詰められていき、最終的に体制を崩したフロアボスはアスナの6連突きの細剣ソードスキルのクルーシフィクションによって、十字を描く様に突きを食らい、最後の一本であったHPバーを完全に散らしたのであった!

第47層フロアボス――ライトニング・ザ・デーモン、完全撃破っ!事前の話し合いでアスナが危篤していた、全プレイヤーの3分の1のHPがイエロー領域になる事態も発生する事無く、フロアボスは余裕を持ったまま倒されたのであった!! by立木ナレ



※ ※ ※



フロアボスを倒して、一通りレイドパーティーの面々が勝利に沸き立っていた中。小さな拍手をしながら一人の男が、感心したような表情で近づいてきていた。

ヒースクリフ「お見事だったよオズマ君。君もユニークスキルの使い手になっていたとはね」

血盟騎士団の団長であり、俺よりも先にユニークスキルの所有者になっていたヒースクリフだった。ボス戦ではライトニング・ザ・デーモンが放ち続ける雷撃や雷攻撃を諸共せずに、一本の回復結晶もポーションも使う事無く、HPをグリーンの状態を保ち続けたその聖騎士は、ボス戦直後の疲れなどまるで感じさせない様子だった。

俺「ほんの今朝になって、何でか知らないが使えるようになってたもんでな。まさか初日からフロアボス戦に試す事になるとは思っちゃいなかったが、最強ギルドのお役に立てたのならこっちとしても光栄だよ」

ヒースクリフ「むしろ今回は、君のその力のおかげで終盤は順調に戦い抜けたと言っても過言ではないさ、そして―――」

ヒースクリフはほんの一瞬、既に俺達のパーティーから離れたところで一人で座り込んでいるキリトの方に視線を一瞥したように感じたが、すぐに俺の方に視線を向けなおして口を開いた。

ヒースクリフ「オズマ君の次にユニークスキルを獲得するのはいったい誰なのか―――二人目のユニークスキル使いの出現によって、それも十分にあり得る事だと考えると、楽しみになって来たよ」

確かに、既にユニークスキルの使い手は今日、俺が補足転移を得た事で二人目になった。ヒースクリフが神聖剣と言う、唯一のユニークスキルの習得者であった頃は、他にユニークスキルの所有者が現れるなど、あまり現実味に感じない話だったが。
こうして、俺が第二のユニークスキル習得者になったのだとしたら、神聖剣でも、補足転移でもない三人目のユニークスキルの習得者が現れても不思議ではなくなってきたかもしれなかった。



その後、ガチャモンとモックがお決まりの様に姿を見せたが、プレイヤー達には大して相手にされず、ガチャモンとモックも特にこれと言った行動を起こす事も無く、第47層フロアボス戦は無事に完了し、攻略組の面々は48層へ向かう者と、47層の主街区に戻る者で別れたのであった! by立木ナレ 
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