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ソードアート・オンライン~遊戯黙示録~

作者:マローン
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FILE55 第47層フロアボス戦!不殺のソードスキル

第47層フロアボス、『ライトニング・ザ・デーモン』のその顔は巨大な二本の角を頭部から生やした、禍々しい紫色の悪魔そのものであったが、首より下の胴体は完全なる骨と言う、そのアンバランスな構造が不気味さを引き立たせているフロアボスであった!

そして、配下のモンスターは6体の『フォロワー・デーモン』達であった。基本的に近接攻撃の出来ぬライトニング・ザ・デーモンをサポートする為か、全員がサーベルを装備しており、ソードスキルによる攻撃に注意しながら戦う事を推奨されるモンスター達であった!by立木ナレ




クライン「おっしゃ―――!一本目のHPバーは貰いぃっ!!」

ボス戦が開始してから精々10分にも満たない間に5本のHPバーの内の最初の一本目に止めを刺したクラインが刀を掲げて声高々に叫ぶが、すぐに次の戦いのモーションが発動する。

クライン「うおっ!フォロワー・デーモンが復活しやがったぜ!?」

エルダ「クラインさん、勝ち誇るのはいいけど、まだ一本目だから手短に済ませてよ!」

エルダに注意されてクラインは大慌てで、すぐそばで出現した新たなるフォロワー・デーモンたちの側から離れて、俺達の近くまで一時撤退する。

キリト「これも事前の偵察戦で分かってた事だけど―――ボスのHPバーを一本削るたびに、既存の生き残ってるフォロワー・デーモンは消滅して、新たにHPがフル状態のフォロワー・デーモンがボスの周辺に6体召喚されるから。ボスに止めを刺したなら即撤退を忘れないようにしよう」

レイナ「……今のは流石に迂闊」

クライン「は、はい、しゅみませんでした~……」

キリトから詳しい説明を織り交ぜた上での注意と、レイナからの単刀直入な注意を受けてクラインは、さっきまでのテンションから一転して、しょげた顔になったのだった。

俺「クラインイジメはその辺にしておいてやれ、俺達の本来の役目は基本的に取り巻きのフォロワー・デーモン共の対処だからな」

エルダ「そうね、だけど、ライトニング・ザ・デーモンからの攻撃にも相変わらず注意しないといけないわよね」

エルダの言う通りだ、ライトニング・ザ・デーモンの攻撃の中で特に厄介なのが天井から落下させて来る雷攻撃で、あの攻撃はボスからどれだけ距離が離れていようが関係なく命中するので、フォロワー・デーモンの相手をしている俺達も不意に食らう可能性は充分高い。

エルダ「私やトーラスさんの盾も、真上から落ちて来る雷に対しては、あまり役に立たないのよね……」

レイナ「……盾を使って天井からの雷攻撃を防ぐには、盾を頭の上に掲げる必要がある」

キリト「けど、そんな事してたら、フォロワー・デーモンたちに格好の的だもんな……」

とは言え、盾を使ったプレイヤーが今回のフロアボス戦でも重要である事には違いない。

俺「とにかく、フォロワー・デーモン共をコッチに引き付けようぜ。そうすりゃ、ライトニング・ザ・デーモンと戦う部隊の連中もやりやすくなるはずだからな!」

エルダ「そうね、早速ソードスキルを使うわ!」

クライン「俺達、風林火山も忘れられちゃ困るぜぇ!頼んだぜ、トーラス!」

俺達のパーティーメンバーで盾を装備しているエルダと、風林火山のトーラスが同時に盾の数少ないソードスキルである挑発技の『スレットフル・ロアー』を一斉に発動すると、フォロワー・デーモンたちの注意はそのプレイヤー達に引き付けられて、一斉にこちらに向かってくる。

もう一つの取り巻きモンスターの討伐部隊である結盟騎士団のゴドフリーが率いる部隊からも、同じように盾持ちのプレイヤーが同じスキルを発動していた。

キリト「来たぞ―――戦い方はさっきと同じ手筈で良いはずだ!」

俺「ああ、分かってるから、よそ見してねーで取り巻き狩りに専念させてもらうとするか!」

今俺が言った言葉は、ライトニング・ザ・デーモンを相手に勇猛果敢に戦い続けているアスナに対して視線が向いていたキリトに対して言った言葉でもあったが、キリトはそれに気が付かなかったのか、或いは気が付いていない振りをしているだけか。
真っ先に駆け出して、単独でフォロワー・デーモンが放ったソードスキルを自身もソードスキルで迎え撃っていたのだった。

その姿はまるで自分の死など何とでも思っていないかのような、むしろ死に場所を求めて戦う、狂戦士の如く戦いぶりだった。

俺のパーティーとゴドフリーのパーティーで計12人のフォロワー・デーモン討伐部隊は、瞬く間に、一体、また一体と数を減らしていった。

クライン「おっしゃっ!これで、5体目のフォロワー・デーモンを撃破っ!―――って、向こうは二本目のHPバーがまだ結構残ってるじゃねーかよ」

クラインの刀ソードスキルの緋扇(ひおうぎ)が、上下の連撃から一拍溜めて突きの計3連撃の技で5体目のフォロワー・デーモンを倒したのだったが、すぐにボスの二本目のHPバーがようやくイエローになったところなのを見て、少々困ったかのようにそう言った。

エルダ「どうしましょうかね?また、クラインさんが出しゃばって一本目のHPバーに止めを刺したみたいに、ボスに攻撃しに行ってみる?」

エルダがクラインの先程の行動を皮肉るようにそう言うと、クラインは苦々しい表情で苦笑いを浮かべていた。

レイナ「……フォロワー・デーモンを全滅させちゃいけないのは――めんどくさい」

キリト「仕方ないさ、全滅させてしまえば、即座にその場でまた6体のフォロワー・デーモンが召喚されるんだ――当然、ボスの周囲一帯にな」

キリトが今説明した通り、フォロワー・デーモンが新たに6体召喚される条件は、ボスのHPバーを一本削り切ること以外にも、6体全てを倒し切った場合にも満たされる。

なので今、残り一体となり、HPバーもイエロー領域にまで減っているフォロワー・デーモンに対して俺達は迂闊に手が出せないのであった。

その最期の一体のフォロワー・デーモンはゴドフリーの部隊の血盟騎士団の片手直剣使いのメンバーと盾持ちの女性メンバーが大ダメージを与えぬように、交互にガードと、弱攻撃の繰り返しで時間稼ぎをしている状態だったが、そのローテーションを維持し続けられるのは、あくまで、横槍が入るまでの事だった。

キリト「不味い!天井からの雷だ―――」

キリトが瞬間的にそう叫んだのは、雷が落下する直前に落下地点の頭上が光を放ったからだった。だが、その地点にいるプレイヤーは、丁度フォロワー・デーモンへの対応でそれに気が付かずに、雷の直撃をまともに浴びてしまっていた。

ゴドフリー「ア、アギトォ!?」

パーティーリーダーのゴドフリーが麻痺状態となった片手直剣使いのプレイヤーのアギトに駆け寄り、麻痺を回復させるポーションを飲ませようとするが、その間にもフォロワー・デーモンのサーベルは容赦なく振り回されており、ローテを崩された盾持ちの女性メンバーは動揺から、強力なソードスキルで迎え討とうとしていた。

ゴドフリー「ま、待て!今そいつを倒してしまえば―――」

ゴドフリーの危篤していた事態は、防がれた。なぜなら俺が猛ダッシュでフォロワー・デーモンに駆け寄り、盾持ちの女性メンバーのソードスキルが発動するよりも先に、納刀術ソードスキルの最大で6連撃の乱撃技、『不殺蓮千撃(ふさつれっせんげき)』を食らわせていたからだった。

無論、結局ソードスキルを――しかも6連撃技などをまともに食らわせれば、HPがイエローとなっていたフォロワー・デーモンは倒されてしまい、再び新たな6体が出現してしまうと、ゴドフリー達も思っていたのだろうが。

ゴドフリー「た、倒されてないだと!?」

クライン「しかも麻痺してんじゃねーか!おいおい、なんだよ今のはなんだってんだよオズの字よぉ!?」

ゴドフリーが驚嘆の声を共に、目を丸めて呆然としていた。クラインも同様に驚きつつも、それ以上に興奮した様子で俺の肩を叩き、今の技の事を興味あり気に聞いてくるのだった。

レイナ「……納刀術ソードスキル『不殺蓮千撃』は、6連撃の一撃一撃に、一定確率で麻痺状態にさせる阻害(デバフ)効果を持っていると同時に、HPがレッドゾーンの状態にまでなっている相手に対しては一切ダメージを与えられない技よ」

クラインのそんな質問に答えたのは、レイナだった。

俺「本来、HPがレッドゾーンにまで減った相手にダメージが与えられなくなる効果は、デメリット効果になるんだが、こんなところで役に立つのは想定外だな」

キリト「その、デメリット効果が無しで、6連撃の上に、麻痺させる効果だけだったら、流石にゲームバランス的にチート級のソードスキルになりかねないからな」

エルダ「ともかく、これでこのフォロワー・デーモンはしばらくは襲ってこないから安心って事ね、貴方達もこれで大丈夫だわ」

エルダは血盟騎士団のメンバー達の方を向きながらそう言うと、麻痺から回復したアギトは『助かった、この借りはこれからの戦いで返す』と礼を言ったのだった。

そして、俺達も直後にボスへの攻撃に加勢するが、その時点で既にボスの二本目のHPバーは既にレッドゾーンの状態にまで減っていた状態だったので、大して攻撃する事も無く、2本目のHPバーが全損。
再び新たに現れた、6体のフォロワー・デーモンの討伐に回る事になったのだった。

そして、それを繰り返し続けて、3本目のHPバーも、4本目のHPバーも削り切り、ついに第47層フロアボス、『ライトニング・ザ・デーモン』のHPバーは最後の一本を残すのみとなった。
そして、そうなってからだった。ボスのモーションに新たなる変化が訪れたのは。

アスナ「なっ―――こ、こんなことって!?」

ヒースクリフ「ほぉ……ここにきて更に守りを固めるとはね」

アスナがその光景を見た瞬間に、鋭い目つきで、叫んだ。ヒースクリフの方はその落ち着き払った表情と立ち振る舞いを未だに変える事は無い、奴からして見てもこの状況は好ましくない変化だと言うのに、それを微塵も感じさせなかった。

レイナ「……なんだか、綺麗」

キリト「おいおい、感心してる場合じゃないぞ――と言いたいが、幻想的な光景に見えるのは確かかもな……」

ライトニング・ザ・デーモンの巨体の周りに無数に出現したのは宙を浮きながらふわふわと漂う、電撃を帯びた球体の数々だった。

キリトはアイテムストレージから投擲用のナイフを出現させると、それを投擲スキルを使い、比較的地上に近い距離を漂っている球体に向かって投げつけたのだったが―――投擲ナイフが球体に触れた瞬間に、凄まじいスパーク音を響かせて、投擲ナイフが朽ちて消えたのだった。

クライン「うおっ!?な、なんだありゃっ!?あれ、ぜってー触っちゃいけねーのじゃねーか!?」

エルダ「本当に、厄介な事してくれたわね……あれじゃ、私達がフォロワー・デーモンたちの相手をしていても、ボスへの攻撃部隊の人達は今までに比べて攻撃を当てるのが難しいままだわ」

俺「しかも、さっきの様子だとこっちから攻撃をして消す事すら出来そうにないみたいだな。今までのフロアボスもそうだったけど、やっぱりHPバーが最後の一本になって追い詰められたころに奥の手を出してきやがるんだよな」

基本的に、偵察戦ではそこまでボスと戦う事は無いので、フロアボスの最後の奥の手は大抵は本番のフロアボス戦で初めて見る事になる。
そして、今回のフロアボスの奥の手は、無数に漂い、ボスへの攻撃を妨げる電撃を帯びた無数の球体だたわけだ。


終局を迎えたフロアボス戦!果たして、攻略組はこのままフロアボスを倒し切る事が出来るのか!?by立木ナレ 
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