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勇者のメイド

作者:海星
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調教

「そんな半泣きで恨めしい顔をしないで下さい。

カオルさんが未熟者だからこうして私が勇者様のマッサージをしているのです。

それに他の人がカオルさんの愛するご主人様にマッサージした程度でそうやってピーピーカオルさんは泣くんですか?

毎晩、勇者様は違う女性達をお抱きになるんですよ?

早く割り切れるようになって下さい。

私のように、ご主人様に『あの男に抱かれろ』と言われたら喜んでご主人様のご指示に従えるようになる事を私は勧めます。

それが本当のご主人様への愛だと私は信じて疑いません。

カオルさんはご主人様が別の女性を抱くだけで、ご主人様に対する愛は醒めてしまうのですか?

ご主人様が自分を愛してないと、カオルさんの愛も醒めてしまうのですか?

その程度の愛を本当の『メイドの愛』とは言いません。

勇者様はまだ独身のようですが、ご主人様が正室や側室やお妾の方々を愛していて、お手付きのメイドなど路傍の石のように思っているのは当たり前じゃないですか!

我々メイドは全力でご主人様に愛をぶつけますが、ご主人様が我々メイドに床の中でお望みになっている事は『性処理』です。

我々メイドはそのご主人様の希望に応えなくてはいけません。

ロッテさんは国王様以外の男性に抱かれる事を拒みますが、私は国王様のご指示があれば勇者様にも抱かれます。

そして今回国王様より『カオルに夜伽の時にどのように主人に奉仕するのか、身をもって教えろ』とご指示を受けています。

カオルさん、私がどうやって勇者様に奉仕しているのかしっかり見ていてください。

カオルさんが未熟者でなくなれば、他の人にマッサージさせなくても良いんです」ゴディバはうつ伏せで横たわる勇者様を跨ぎマッサージしながら言った。

「では勇者様、仰向けになって下さい」とゴディバは言い、勇者様の体にオイルを塗りたくった。

「あっ!」私は悲鳴のような小さな叫び声をあげた。

ゴディバさんが勇者様の男性自身を撫で上げるようにオイルを塗ったのだ。

「そこはこらないからマッサージはしなくても良い」と勇者様。

「いえ、全身をマッサージさせていただいております。

それに固い部分を柔らかくほぐすのがマッサージです。

男性自身は少し固くなってきていますよ?」ゴディバさんは勇者様の男性自身をマッサージするように扱きながら言った。

「もうやめてください!

許して下さい!」私がポロポロと涙をこぼしながら悲鳴をあげる。

「目をそらしてはいけません。

早く慣れて下さい。

国王様が言っておりました。

勇者様の夜伽の希望は数年後まで予約が取れないそうですよ?

言葉にはされておりませんが最初の夜伽の相手に勇者様がカオルさんを指名したのは『夜伽の希望が殺到している』と国王様からお聞きになった勇者様のカオルさんに対する『せめてもの情』でしょう。

明日の晩からカオルさんは勇者様の情事を目の前で見なくてはなりません。

その度に涙ながらに『やめてください』などと悲鳴を上げるのですか?

カオルさんが勇者様付きのメイドから外されるだけで済む訳がありません。

王族の情事を妨害したら、下手したらカオルさんは極刑ですよ?

勇者様がカオルさんの目の前で私に奉仕されて何も言わないのは『これくらいの事に慣れて欲しい。

そうでないと自分のメイドはつとまらない』と思っているからだと思いますよ。

勇者様はこの誰も知り合いのいない世界でカオルさんにメイドとしてそばにいて欲しいんだと思います。

カオルさん、勇者様の期待に応えて下さい」ゴディバさんは勇者様の代弁をした。

「わかりました。

勇者様が他の女性と情事を行う事に慣れる努力をします!」私は目に一杯涙をためながら自分に言い聞かせるように言った。

当初は「実感がわかないし勇者様と女性が情事を行う事に全く嫌悪感はない」と言っていた。

だが実際にゴディバが勇者様にマッサージをしている時に思った。

「勇者様が男に触られるより、千倍私以外の女の人に触られる方が辛い」そう私は思った。

男を好きになったという実感はない。

私が好きになり全てを捧げたいと願ったのは他のどのような男ではなく、勇者様ただ一人なのだ。

勇者様が女性であっても、私が男のままでもきっと同性の勇者様に恋しただろう。

「多少の嫌な事でも好きな人のために頑張る、我慢する」それが調教の一側面だろう。

まさに今、私は調教されているのだろう。

ゴディバさんの扱きで勇者様の男性自身が固く大きくなる。

「コレ、カオルさんの中には入らないでしよ・・・」思わずゴディバさんが呟く。

中世栄養状態があまり良くなかった時代は平均身長も低い。

支配者層はそんな栄養不足とも低身長とも関係がない。

三國志にも2メートルを超える高身長の武将が登場する。

だが、動物を愛し『生類憐れみの令』を出した『犬将軍』と言われる徳川綱吉は動物性蛋白質をほとんど摂取していなかったので120センチ台前半であったといわれている。

つまり異世界人は軒並背が低い。

その背が低い異世界人達が口を揃えて「カオルは背が低い」と言う。

今の日本であれば、私の身長130センチ弱は7歳児の女子の平均身長に届いていない。

身長が小さいと体のパーツも小さい。

そして勇者様の身長は185センチだ。

身長が大きいと体のパーツは大きくなる。

それだけでなく勇者様の男性自身は特大サイズだ。

長さは私の腕と同じくらい、太さは遥かに私の腕より太いのではないだろうか?

ゴディバさんは男女入れ替わってからの勇者様の初体験は私にゆずるつもりであったらしい。

しかし「初体験でこのサイズ・・・下手したら死んじゃうかも・・・カオルさん、悪い事は言わないわ。

初体験は勇者様以外の方が良いと思うわ。

でないとカオルさん、壊れてしまうわよ?」ゴディバさんが私にアドバイスする。

「壊れても、死んでも構いません!

私は勇者様の物です。

私の最初の方は勇者様で同時に最後の方でもあります!」私は寸分の迷いもなく言う。

ゴディバさんは「私にも『私は国王様だけの物です』という時があったなあ」と思いながらも勇者様の男性自身をしごくのだった。  
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