| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

仮面ライダーエグゼイド この手の中

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第十五章

「御前の思い通りになると思うな」
「そう、君達はあの時の君達でない様にだ」
 檀正宗の自信に満ちた勝ち誇った顔と雰囲気は変わらない、多くのライダーと仲間達を前にしてもだ。
 そうしてだ、こうも言うのだった。
「私もまたあの時の私ではないのだ」
「あの時よりも」
「そうでないとゲームとして面白くないではないか」
 檀正宗はエグゼイドに答えた。
「そういうことだよ。では明日の夜の十二時にだ」
「僕達とですね」
「楽しむとしよう。そしてだが」
 ここでだ、檀正宗の周りに。
 これまでの多くの主なバグスター達が姿を現わした、パラドックスはその彼等を見て思わず声をあげた。
「グラファイト、ラヴスタか。だが」
「そう、彼等はオリジナルではない」
 消滅した彼等ではないというのだ。
「スサノオが生み出された個体なのだ」
「力は同じでも二人の心はないか」
「そう、心は不要だ」
 檀正宗は傲然として言い放った。
「戦うだけの手駒。それでどうして心が不要か」
「一つ言っておく。二人はいい仲間だった」
 パラドックスは檀正宗の今の言葉に強い声で返した。
「今も俺の心に生きている。その二人を侮辱することは許さない」
「侮辱?事実を言ったまでだ」
「今のその連中は心がない手駒か」
「彼等の姿だが彼等ではない」
 心がない、だからそうなるというのだ。
「そうした存在に怒るというのも妙だとは思わないかね」
「違うな。二人は俺の心の中で笑っている」 
 そうして生きているとだ、パラドックスは檀正宗に返した。
「その二人を安らかに眠らせない様なことが許せないと言っているのだ」
「わからない理屈だ。では彼はどうなのか」
 今度は仮面ライダー風魔が出て来た、檀正宗は自身の左隣に現れた彼を見つつライダー達に対して問うた。
「彼もオリジナルは既に戦いから降りたが」
「どうやら御前は最悪の意味で人間でなくなったな」
 ブレイブは風魔の心、彼が何故戦っていたのかを思い出しながら檀正宗に返した。
「例え本人ではないとはいえ戦いから降りた者を強制的に戦わせるとはな」
「それこそが最大の傲慢だ」
 スナイプもこう檀正宗に告げた。
「人でなくなったな」
「だから私は神だと言っているのだよ」
 既に人を超越している、これが檀正宗の返答だった。
「その神の力で今度こそ君達を完全に滅ぼそう」
「おいおい、その言葉そっくり手前に返ることになるぜ」
 ユルセンは檀正宗にシニカルかつ強い言葉で告げた。
「そう言って勝った奴がゲームでいるかよ」
「全くだ、完全に悪役の言葉だ」
 仙人も檀正宗に対して強い声で言った。
「ゲームでそう言った奴は絶対にプレイヤーに負けておるぞ」
「そうだよな、しかしおっさんよく知ってるな」
「住職になってから暇な時はいつもしておるからな」
「って住職の仕事しろよ」
「仙人だから仏教の僧侶の資格は曖昧なのじゃ」
「資格は有耶無耶のうちに持ってただろうが」
「しかし修行や学問は一切しておらんからな」
 だから全く知らないというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧