| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

没ストーリー倉庫

作者:海戦型
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

ダン梨・T2

 
前書き
ダンまちへの理解を深めようかとオラリオラプソディアやってみたんだけど、びっくりするほどつまんな(ここから先は神聖文字になっていて読めない) 

 
 
 新団員募集について色々と話し合ったのだが、特筆すべき人間も見つからないまま現ファミリアに一人ずつ新人候補を選ばせて、ヘスティア様に面接させてみた。その結果――。

「ごめん、みんな嘘はついてないけど『これだ!』っていうのが……」
「じゃ、全員ボッシュートでございます」

 デデッデデッデーン!と謎の弦楽器で演奏すると、候補者たちはとぼとぼ帰っていった。
 成程、どこのファミリアでも殆どの冒険者が門前払いになる理由が改めて分かった。全然戦いが出来そうな気配がないのが俺でも分かる。これを一から育てて使い物になるかを考えると、もう何人かファミリアに腕利きが入ってからでないと育成も儘ならない。

「何で冒険者一か月目で早速新人育成について語らなきゃならんのだ?」
「それはキミらがおかしいだけだからね」
「一番経験長いのリリだけど……」
「アドバイス以外はムリです」
「俺らは……教えられる程経験ねぇよなー」
「ねー」

 ベルと俺と顔を突き合わせ、ため息をつく。
 片やレベル5の剣姫から指導を受けてレベル2になった奴。
 片や誰にも何も習ってないけどなんかレベル2になった奴。
 やべぇ、俺の方がおかしい奴だ。これが潜在梨力(てきとう)の成せる業か……。

「ともかく、ヴェルフ氏のレベル上げを手伝いながらレベル2になった体を動きと慣らしていこう。少数とはいえレベル2が二人は新興ファミリアにとっちゃ貴重なアドバンテージだ」
「はー、そういえばそうだね。またスケジュール書き換えないと。でも人数増えないと結局収益としては頭打ちかな……?」

 なんだか、ベンチャー企業立ち上げたばっかの会社みたいだこれ。ファミリアとか基本は経済的利益を追求するんだから会社みたいなもんだけど。では、これから起きることについて整理しておこう。

 ベルとヴェルフの熱い友情とか新装備とかを持ちつ持たれつしてたらタケミカヅチ・ファミリアにパス・バレードされて怒りのデス・ロードしてアガルタ―なのだ。この際全員死にかけるのだが何とか助かり、下でベルが覗きをして、逆恨みおじさんにマウント取られたり逆に取り返したりヘスティア様のヘスティア様がドロップして局所事象変異を起こしたかと思えば黒光りの何某が天井から降ってきて思いがけず大変なことになるけどベルがなんが凄い感じに頑張ったり魔剣使ったりしてどうにかこうにか最後に愛が勝つって感じだ。
 分かんない?じゃあお前にとってのダンまちはその程度ということだ。その程度の謎に逐一かかずらわずにスワヒリ語でも勉強しろ。

 ……これ、俺やることない上に只管とばっちりじゃね?まぁ原作がある時点でベルのストーリーはだいたいそんな感じだけど。イベントを回避する方向性に進めてもいいけど、そちらになると別のイベントが早まって余計にややこしくなりかねん。あのラノベ毎度のことながら悲劇のヒロイン的なキャラと迷惑なだけの屑作るの好きだよな。ウチのベルくんにはそういうことさせたりさせなかったりしちゃうんだからね!

 さて、差し当たっての懸念事項はあのくそ羊とその裏にある何者かなのだが、その正体にだいたいの想像がついたので俺は答え合わせに向かうことにした。オラリオの中心にあるバベルの一角、そこに俺の予想する裏の裏の存在がいる。

 俺は昨日、ヘスティア様とした会話を思い出していた。

『コルヌーって言葉の意味は角なんだけど、俺ちょっと思い出してさぁ。コルヌーって言えば豊穣角(コルヌコピア)じゃね?と』
『コルヌコピア……ああっ、あの!ゼウスが母の日にアマルテアに渡したアレ!?うっわ懐かしっ!』

 コルヌコピア、すなわち豊穣の角。元は持ち主に望みのものを与えるという願望器的なものであるが、現在では豊穣を祝う祭事で出てくることで有名だ。しかし母の日に渡したという所帯じみたエピソードは初耳である。あのエロジジイにそんな殊勝な所があるとは驚きである。だったらもうちょっとベルをまともに育てやがれ。

『コルヌーという名前が本名か偽名かはさておき、わざわざ羊人でコルヌーなんだ。コルヌコピアとなんかゆかりのある神が彼女の陰にいると俺は読んだんですよ』
『ほうほう、なるへそ。となると、候補は渡した本人のゼウス……でもゼウスは行方不明なんだよねぇ。かといってアマルテアはそもそも地上にいないし』
『どんな人なん、アマルテアさんて?』
『ヤギの角生えた神様だよ。血は繋がってないけどゼウスは小さいころ彼女に育てられてたんだ』

 その結果生まれたのがあのヤリ〇ン神だと思うと切ない。というかアマルテアって神に認定されてんのか。神話じゃ特別な存在でありあの『やぎ座』になったとも言われてるけど、神ではなかったのでは。

『うーん、コルヌコピアに思い入れのある神かぁ。確かアケロスが喧嘩で角折れちゃって大騒ぎだったときに、アマルテアが折れたところにすぽっとコルヌコピアを入れたらジャストフィットだったから、そのままアケロスが持ってた筈だけど。ああでも、そういえばやんちゃざかりだったディオニュソスが角を借りパクして中にお菓子詰めて持ち歩いてた時期もあったっけ?あとは……後に角が完治したときに誰かが押し付けられてたっけ』
『カオスですね、天界』
『まーねぇ。基本暇だから、バカ騒ぎの理由見つけようと必死なんだよ。何万年か前の話だから今も多分アケロスか押し付けられた神が持ってる筈だけど……ディオニュソスはこの街じゃ有力所だから、そこのメンバーならギルド職員はすぐ分かる筈。アケロスは確かオラリオでの覇権争いに嫌気が刺して外に出たから、そこの子っていうのはちょっと考えにくいかなぁ』
『んー……』

 豊穣の角、か。なんかそういえば、豊穣の角を持ってる変な神の絵を見たことがあったような気がする。なんだっけあれ……ええと。

『玉乗りの玉に乗ってて、底の抜けた壺持ってて……』
『んん、それなんだか聞き覚えのある大道芸のような……確かそれに加えて飛翔靴(タラリア)と舵輪を持って――ああ!そういえばあの子も角押し付けられてたっけ。名前はねぇ――』



 そのエリアに入った瞬間、一瞬入り口にいる男性に止められかけた。
 しかしその男は俺の顔を見て、すぐにそれをやめて傍観した。
 ここはとある女神が丸ごと使っているエリアだ。その主の名は……。

「テュケー。運命の女神テュケー」

 正確には、俺が見た変な神とはフォルトゥナだ。しかしフォルトゥナとはローマ神話での呼び名であり、ギリシャ神話に於いてはその名をテュケーに変えている。

 不確定性の波、コルヌーは確かそんな事を言っていた。嵐の中の航海、安定せぬ球体の上、満ちる事のない幸福の器、そして飛翔靴は羽根として舞い散る己の幸運。この神は運命をつかさどるせいか何かと象徴が多い。豊穣の角は、謂れは知らないがなぜかフォルトゥナの絵によく登場する。

 そしてそう、テュケーと同一とされるフォルトゥナは大アルカナが一つ「運命の輪」のモデルでもある。つまり、俺の二つ名に選ばれた『運命の車輪(ルー・デ・フォルトゥン)』の事だ。

「参ったよ。根拠はなかったからさ。ダイダロス特務隊でさえコルヌーの正体を突き止められなかった――いや多分、本名じゃなくて身内しか知らないからたどり着けなかったのかね?そんなもんで、俺の二つ名を提案した神の線から辿りに辿ってここまで来た訳だ」

 独り言のように呟きながら、俺は部屋の突き当りにある大きな部屋――扉は開け放たれていた――に無遠慮に入り込んだ。

 そこに居たのは、1人の女性――間違いなく、女神の類。

「ようこそ、バミューダ・トライアングル。こんなにも早く来るなんて驚いたけれど、やはり貴方は『運命の車輪(ルー・デ・フォルトゥン)』の名に相応しいわ」
「狙って入れたのか?くじ引きの紙を」
「いいえ、幸運も不運も地上では平等に発生する。私がしたのはただ、流れを読んだだけよ。それは女神としての権能と似ているかもしれないけれど、人でも出来ることよ。イシュタルやフレイヤの美しさが魔性を帯びるのと似ているかもね………」

 窓から差し込む逆光を浴びる純白の髪の女神は、ゆっくりと振り返り、こちらに母の如き微小をむけた。

「あのブタ狂いクソ女のフレイヤと似てるというのはちょっと不快だけど」
「ん?今なんかすげーパワーワード出た気がするんだけど気のせいですか?」
「気のせいじゃないわよ。私、フレイヤとは天界からの腐れ縁だし。ったくぅ、それもこれもあのド天然兄貴の勘違いから始まって……あらごめんなさい、話が逸れに逸れまくったわね」
「気になるワード平気でブッ込んで平気で弾き出すわぁこの神……」

 とりあえずすごい美人だけど残念が頭につくか、もしくは言葉を選べば非常にフレンドリーな神のようだ。カリスマブレイクを自ら使いこなすとはやりおるわ。このままシリアスな空気になると思っていたとは俺も未熟だな。

「あ、これつまらないものですが」
「これ最近話題の高級洋梨……噂には聞いてたけど本当に梨が好きなのね」
「甘い匂いに誘われ起きてコルヌーです!おはよーございまーーーすッ!!」
「背後からの奇襲などとうに見切ったわ。受けろ渾身のアルゼンチンバックブリーカーッ!!死ねぇッ!!」
「ぎゃはぁーーー!?背中がーーーー!?」

 背後から飛来した見覚えのある羊頭を掴んだ俺は、そのまま彼女の背中を粉砕した。
 なんたる爽快シンジゲート。此処に復讐は成ったぞ小娘が。床にウルトラバックドロップかまそうと思ってたのだが床に穴が空くのでやめたが、これはこれでよし。そのまま悶絶するコルヌーに「次から礼儀正しくやってこい」と言い捨てて床に放り投げて、俺は改めてテュケーに向かい合う。

「あらあら、早速じゃれあっちゃって♪ごめんなさいね、コルヌーはファミリアの中にしか友達がいないから、ついついはしゃぎすぎちゃうのよ?」
「はぁ……」

 娘にアルゼンチンバックブリーカーを容赦なくかました点は割とどうでもいいのか微笑ましい子供を見るお母さん的な顔をしているテュケーに、俺はペースを狂わされながら曖昧に頷いた。やべぇ、会話の主導権の握れなさ加減がコルヌーの主神なんだなって思わせられる。
  
 

 
後書き
T=つまらないものですが、っていうのは実は正式なマナーじゃないのに正しいと思い込んでいる日本人の流されやすさに垣間見える国民性、のT。


フレイヤ「また私とブタちゃんの悪口言われた気がする!」
???「何ですって?うちの最高品質の梨を6000ヴァリスも値切られたぁ!?」





ヘスティア「天界の神でしか知り得ない事を知っている……バミューダくん、君はやはり――(※勘違い加速中)」 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧