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ドリトル先生と奇麗な薔薇園

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第十一幕その十

「イギリスの食べものは食べられないかもね」
「イギリスのお料理だってそうだし」
「日本で作ったら凄く美味しいし」
「だったらね」
「日本にいたいよね」
「これからも」
「そうだね、じゃあ今日はシーフードカレーを食べて」
 そしてというのです。
「近いうちにいか焼きやたこ焼きも食べようね」
「是非ね」
「そうしましょうね」
「それもお腹一杯」
「そうしましょう」
 皆も先生に笑顔で頷きます、そうしてシーフードカレーを食べますが先生は剥かれた海老に注目しました。
「これは車海老だと思うけれど」
「はい、そうです」
 トミーは一緒に食べながら先生に答えました。
「それを入れてみました」
「実は車海老は王子の好物なんだよ」
「あっ、そうなんですか」
「王子も日本に来てシーフードが好きになってね」
「それでなんですか」
「特に海老が好きになってね」
「車海老もですか」
「大好きなんだ、元々オマール海老が好きだったけれどね」
 あのザリガニにとてもよく似た海老がというのです。
「日本に来てからはね」
「車海老が大好きになったんですね」
「そうなんだよね」
「それは知りませんでした」
「うん、王子はシーフードカレーは食べるかな」
「食べると思いますよ」
 トミーは先生にまた答えました。
「王子のカレー好きですし」
「そしてシーフードも好きならだね」
「食べると思います」
「じゃあ王子に伝えるよ」
 是非にと言う先生でした。
「シーフードカレーに車海老を入れても美味しいってね」
「それはいいことですね」
「美味しいものは皆で食べないとね」
 先生はにこりと笑ってこうも言いました。
「だからね」
「そこでそう言うのが本当に先生ですね」
 トミーも先生の今のお言葉ににこりとなりました、そのうえで言うのでした。
「らしいですよ」
「そうかな」
「はい、最近先生のお心にも薔薇があるって言われていますね」
「皆言うね」
 動物の皆だけでなくトミーにしても王子にしてもです、本当に先生は最近そうしたことをよく言われます。
「どうにもね」
「やっぱりありますね」
「僕の心には」
「その奇麗なお心に」 
 薔薇、それがあるというのです。
「そう思いました」
「それじゃあどんな薔薇かな」
 先生はトミーに若布とレタスが中心になっていてフレンチドレッシングをかけてあるサラダを食べつつ先生に尋ねました。
「僕の心にある薔薇は」
「そう言われますと」
「返事に困るかな」
「はい」
 どうにもと答えたトミーでした。
「ですがそれでもです」
「僕の心にはだね」
「薔薇がありますよ」
「どんな薔薇にもね」
「奇麗なお心ですから」
「そのことは間違いないんだね」
「僕もそう思います」
 確かにというのです。
「本当に」
「ううん、僕に薔薇は似合わないと思っているけれど」
「外見からそう思われるんですね」
「野暮ったいからね」
 太っていてお顔立ちもよくはないからというのです。 
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