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ソードアート・オンライン~遊戯黙示録~

作者:マローン
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FILE45 デュエル開始!怒涛のソードスキル4コンボ!

オズマは、レイナとエルダを引き連れて、第一層のはじまりの街へに訪れていた。目的はリズベットから依頼されていた素材アイテム一式の進呈であり、目的を為し終えた一行はそのまま始まりの街を後にしようとした矢先―――二組のそれぞれ二人組のプレイヤーが同じホームを購入する権利を巡って争っている場面を目撃した!

最前線付近で活動している重装戦士二人組の強引な提案で一対一の決闘(デュエル)でホームを買う権利を消える事になるが、棍棒使いのケイタと、短剣使いのマオの二人組は、自分達に圧倒的に不利な勝負である事を自覚し、迷宮区へ狩りに行った仲間達に合わせる顔が無いと消沈している中――エルダが勝手に天あんするのであった、自分達のギルドもホームを購入する権利を掛けてデュエルに参加する事を!そして更に、ケイタ、マオの二人にはデュエルを辞退し、自分達が勝利した場合、ホームの購入に掛かった代金+特定のアイテムを幾つかで買い取ると言う提案を……悪魔的な取引を持ち掛ける! by立木ナレ


ケイタ「僕たち、お金はホームをギリギリで買える分しか持っていなくて―――渡せるアイテムと言えばこの程度の結晶アイテム位しかないですけど……」

マオ「アタシはこれくらいかな……」

ケイタがオブジェクト化して提示したのは、緊急脱出などに多用されている転移結晶だった。同じくマオがオブジェクト化したのは、発動と同時に、瞬時にHPを回復できる回復結晶だった。

エルダ「うん、良いじゃない。どっちも攻略集団にとってはクリスタルの中でも重宝してる転移結晶と回復結晶なら文句ないわね」

エルダは今回の事実上のデュエルの代役の実質の報酬となる二つの結晶アイテムを確認して、満足そうに頷きながらそう言った。

ケイタ「それじゃあ、僕たちの代わりにアイツらとデュエルしてくれるのかい?」

エルダ「ええ、任せなさいってば。アイツらも中々の腕前見たいだけど、勝つのはこの―――」

そう言いながら、エルダは俺の方を振り向く。瞬時に嫌な予感を感じ取った俺は、その場からバックステップで距離を取ろうとしたのだったが、僅かに遅く、エルダに肩を叩かれてしまった。

エルダ「勝つのはこの―――オズマ君に決まりよ」

マオ「は……?貴方がデュエルするんじゃないの?」

拍子抜けしたような表情で、エルダに対して訝しむような視線を向けてマオがそう言った。俺も全く同じ感想を抱いていたところだしな。

エルダ「ええ、私達のギルドのリーダーは彼―――オズマ君だから、ここはサブリーダーとしてリーダーの顔を立てておきたいのよね」

俺「都合の良い言い方しやがって、自分で引き受けた荒事を体よく押し付けただけだろうが」

だがまあ、俺なら確実に勝てそうな相手とのデュエルで結晶アイテムを二個も手に入れられるのは、確かに条件としては悪くなかった。

マオ「けど、本当にあんた達、勝てるわけ?もし、ここで負けでもしてくれたら、どうやって責任を――」

ケイタ「止めようマオ。どっちにしろ、僕たちじゃ勝てる可能性はかなり低いんだからさ。それならここは、この人たちに僕らの希望を託すのも選択肢の一つなんだと思うんだ」

マオが俺達の実力に対して不信感を抱き、訝しむが、それをケイタが冷静に沈めて宥めていた。どうやら、ケイタの方がギルドのリーダーらしく、ケイタにそう言われると、マオは渋々と言った様子で大人しくなり、この方針に従うのだった。

そしてその直後、レイナが俺達の視線の奥の方から、ガチャガチャと鎧の音を鳴らしながら歩いてくる二人組に気が付く。

レイナ「……重装戦士たちが戻って来たわ」

俺「ピッタリ本当に30分後に戻ってきやがるとは、時間に正確な連中なんだな」

ウチの爺さんが月一で自宅に呼び出すデリヘル嬢が、毎回のように約束の呼び出し時間に遅れてくるのとは正反対だな。

エルダ「君達は群衆に混じって隠れてなさい。君達はホームの購入を諦めたって言う事になってるんだから」

エルダにそう促されて、ケイタとマオはその辺りの群衆に紛れて姿を隠していた。俺もくだらない思考を打ち切り、仲介人の前に現れた、あの時の二人組の重装戦士たちと対峙する形になる。

重装戦士A「なんだ、お前ら?――さっきのギルドホームを買うだとかほざいてた連中じゃねーじゃねーか」

俺「アイツらは、ホームを購入する権利を放棄したからもうこの場には現れねーよ」

俺がそう言い放つと、重装戦士たちは数秒間無言の後、2人してゲラゲラと下品に、侮辱的な笑い声をあげ始めた。

重装戦士B「なんだそりゃ!見た目通りしょぼい連中だったのかよ!こりゃ、話にならねー!」

重装戦士A「ったく、30分間時間の猶予を与えてやったってのに、結局は敵前逃亡かよ!ま、これで俺達の不戦勝で、ホームを買うのは俺達になったわけだよな、そうだよな仲介人さんよぉ!?」

気を良くした重装戦士たちは笑い尽くした後、仲介人を睨み付けて、恫喝するように大声でそう問いただすが、気弱そうな仲介人はプルプルと震えた手で、俺を指差していた。

だが、その先の言葉がなかなか出てこないようなので、俺が代わりに答えておくことにする。

俺「あの二人組は、購入を諦めたんだけど。俺達が何か、買いたくなっちまったからな。んで――ホームを買う権利を掛けて、俺VSアンタらのどちらかになったわけだな」

俺が飄々とした口調で、そう説明すると、途端に重装戦士たちの機嫌が凄まじく、悪化!怒りを孕んだ大声を上げ始めるのだった。

重装戦士A「オイなんだとコラァ!今まで無関係だった奴らが、しゃしゃり出て来て自分達も買うとか、ざけてんじゃねーぞ!」

重装戦士B「あの二人が棄権した時点で、ホームを買う権利は俺達のもんなんだよ!最初から関係のねー奴らは引っ込んでろ!あのホームは前から俺らが狙ってたんだからよ!」

重装戦士たちは俺に対しても、凄んで喚きだすが、その様子をクスクスと笑みをこぼしながら見ていたエルダが言った。

エルダ「おかしな話よね、後からしゃしゃり出てくるのがダメだって言うのなら。あの二人よりも後からホームを買う事を名乗り出た貴方達だってホームを買う権利なんて最初から無かった事になっちゃうわね」

重装戦士B「はぁ――!?なに、勝手な事抜かしてんだボケェ!」

エルダ「あ、でもぉ~。相手が確実に勝てるかどうか定かじゃないとなると、デュエルで決着付けるのに尻込みしちゃう気持も、そりゃ分からなくはないから仕方ないかもって事かしらね?」

エルダのその挑発的な言葉は、奴らの怒りの臨界点を呆気なく超えさせたのだった。

重装戦士A「上等じゃねーか!テメーら如き、力の違いを見せてやろうじゃねぇか!覚悟しとけぇ!!」

そう喚いた重装戦士は、早速俺に初撃決着モードのデュエルを申請してきていた。

エルダ「良いわよ、良いわよ、上手く引っ張り出せたわね~」

レイナ「……エルダ、なんだか面白そう」

俺はデュエルの申請を受け付けると、早速ウインドウメッセージの上部にカウントダウンの数字が表示され始めていた。
相手の装備は右手が片手斧で左手が大型の盾を装備し、全身は見ての通り重金属の鎧で覆われた装備だった。



オズマと重装戦士はお互いに無言のまま、デュエル開始までのカウントが0になるまで、静観―――そして、カウントが0になった直後に【DUEL!】の文字が弾けて、この瞬間、両プレイヤー間のみ、圏内であれで戦闘でのダメージが発生するようになるのであった!



重装戦士A「おらぁっ!」

早速、重装戦士は左手の盾を前に突き出しながら突進し、片手斧を振り下ろす攻撃を仕掛けてきた。俺迂闊に攻撃を仕掛けずに、素早く飛び退くようにして、斧の攻撃を回避していた。

重装戦士A「ちょこまかしてんじゃねぇ!今度はどうだぁ!」

重装戦士は苛立った声で怒鳴ると、早速ソードスキルの構えを取っていた。奴が発動しようとしているのは水平2連撃技のダブルクリープだった。
結構な至近距離からだったので、俺もこれは無理に避けずにソードスキルで対抗する事にした。

この距離から相手のソードスキルの発動に間に合い、威力を相殺し合える技として発動したのは3連撃ソードスキルのサベージ・フルクラムだった。

まずは右からの水平斬りが、敵の水平で振り回される斧と相打ちし合い、直後にこちらが剣を垂直に跳ね上げるが、それも相手の斧と相打ちになった。本来であれば三連撃目に垂直斬り下ろしがあるのだが、2発目の打ち合いでお互いの剣と斧が弾かれて、ソードスキルはそこで中断となってしまった。

重装戦士A「クソったれが……!手間掛けさせやがって!」

俺「ホント、見た目通りあんたもしぶといもんだな」

俺はそう言いながら、敵から距離を取りつつ、片手直剣を鞘に納める。それを見た重装戦士は訝しそうな表情を浮かべるが、すぐにそれが何なのかに気が付いて不敵に笑った。

重装戦士A「まさか、納刀術スキルって奴か?話には聞いたことあるが、剣を鞘に納めて戦うあれをやって来るとはな……だが、慣れねースキルで戦って大丈夫なのかよ!」

俺「散々使い慣れてるぜ、何せ第4層で習得してからずっとだからな……」

俺は早速、納刀術ソードスキルの瞬突(しゅんとつ)を発動した。技発動後の硬直が皆無のソードスキルではあるが、基本的にただ鞘で殴るだけなので、あっさりと重装戦士の盾によってガードされてしまう。

重装戦士A「効くかよ、そんな技がよぉ!」

俺「それじゃ、この後もその盾で防ぎきれるか!?」

俺が続けて発動したのは3連撃の納刀術ソードスキルの双衝(そうしょう)だった。

重装戦士「ぬおっ!そ、それが何だってんだ!!」

膝蹴りで敵を打ち上げて鞘で殴り落としそのまま鞘で追撃する技だったが。流石の重装戦士は持ち前の分厚い盾でその三連撃すらも何とか耐えきって見せていた。

俺「まだ終わらねーよ!」

重装戦士A「なんだ……と!?」

これで今度こそソードスキルが終わったと思っていた重装戦士には不測の展開だろう。続けて俺が発動したのは、直前に発動した納刀術ソードスキルの硬直をキャンセルして瞬時に発動可能な抜刀(ばっとう)だった。

鞘から剣を居合斬りの要領で引き抜いて一撃を食らわせるソードスキルなので、発動後は当然、鞘から剣を抜いた状態に―――つまり納刀状態ではなくなる癖のある技だったが。このソードスキルもまた、発動直後の硬直を、他のソードスキルを発動する事でキャンセルし、瞬時に繋げて発動する特性を持った技であった。

エルダ「勝負あったわね」

レイナ「……オズマなら当然よ」

既に奴の自慢の分厚い盾は、抜刀の一撃で弾き飛ばされて、手から離れてしまった状態だった。そんな重装戦士に俺は4連続目となる、今度は片手直剣ソードスキルを食らわせる事になるわけで―――

俺「今度はどうするんだろう――なっとぉ!!」

重装戦士A「うぐわぁぁぁっ!!」

垂直4連撃ソードスキルのバーチカル・スクエアを食らった重装戦士は大声を上げて、その4連撃全てをまともに防ぐ事もままならずに食らったのだった。

初撃決着モードのデュエルは強攻撃が一度でもヒットする、あるいはHPバーが半分以下になるのどちらかの条件を満たす事で勝敗が決する為、この時点でこのデュエルは完全に俺の勝利と言う裁定が下されたのだった。

重装戦士B「そ、ソードスキルの硬直を次々とキャンセルして……合計4連続ソードスキルとかあ、あり得ねぇって!」

俺「それが、見ての通りあり得たわけなんだとなこれが」

俺が淡々とそう言うと、重装戦士達は放心した表情と化し、力の抜けた足取りで二人ともトボトボとその場からゆっくりと立ち去って行ったのであった。

いつの間にか、周辺をうろついていたプレイヤー達は俺達のデュエルをじっと見ていたようで、周囲一帯で大きな歓声が沸き起こっていた。

エルダ「お疲れ様リーダー。流石、引き受けたからにはやる男ってわけね!」

俺「勝手に押し付けておいて、何言ってんだお前は……」

白々しく褒め称えるエルダに対して、俺は呆れた目付きを向けながらそう言ってやった。

レイナ「……けど、オズマ、確かに凄かったわ」

ケイタ「ええ、本当に……本当にすごいですよ!」

マオ「アンタ……マジで凄腕だったのね。なんか最初疑ってゴメンね……」

レイナが珍しく素直に褒め称えて、ケイタとマオは群衆の中から駆け寄って来て、俺の戦いを見て心底感激した様子を見せて、マオも軽く詫びの言葉を口にしながら、俺の戦いに驚いた様子を見せたのだったt。 
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