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ソードアート・オンライン~遊戯黙示録~

作者:マローン
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FILE43 変わりゆく攻略集団・・・ガチャモン復帰!

 
前書き
今回は、冒頭の立木ナレの語りがかなり長いです。 

 
西暦2023年3月31日―――この日、第25層フロアボス戦にて、ALS(アインクラッド解放隊)は主力メンバーの半数以上を失う大損害を被ったのだった。

第25層フロアボス戦を前にして、ALSのリーダーであるキバオウは、何者かが流した偽情報に引っ掛かり、1レイドにも満たない40人のギルドメンバーだけで、ボス部屋に先行突入!

結果、解放隊の半分以上が戦死……そこでオズマ、キリト、アスナなど、その他大勢の攻略組の書力が追い付き、こちらも少なからずの死者を出しつつも、どうにか凶悪なフロアボスを討伐したのであった!

が、アインクラッドの4分の1を超えたと言う喜びを、誰一人としてあらわす事は無かった。キバオウの絶叫が、フロアボス部屋中に響き渡ったのであった。
そして、キバオウはそこで攻略組とも袖を分かち、生き残った仲間達を連れて、第一層へと去ったのであった。

これにより、攻略組全体は絶望的な雰囲気に支配されたのであった。だが、それも無理はない事である、何故なら……最前線で戦うプレイヤーの総数が、たった一度のフロアボス戦で3分の2となった上に、その上それが何者かの―――悪意あるプレイヤーの仕業である事が濃厚であったからである!

その後の第26層のフィールドボス攻略会議では、多くのプレイヤー達が暗い表情を浮かべ、既に攻略への意欲を失いつつあったものすら現れる中―――そこに現れたのは新生ギルドのKoB(血盟騎士団)であった!
全プレイヤーが白と赤のカスタム装備で統一され、相当なインパクトを他の攻略プレイヤー達に象徴付けたが……その中でも一際一層の存在感を放っていたのは、集団の先頭に立って現れた血盟騎士団副団長となったアスナであった。

彼女はそれまで、第一層で出会った悪名名高き黒のビーターであるキリトと唯一コンビを組んでいた、変わり者であったのだが、第25層フロアボス戦の直前にキリトとのコンビを解消し、血盟騎士団に入っていたのであった。

だが、そのアスナがよもや、ギルドのナンバー2の座を得ていた事は相棒であるキリトを含めて誰もが予想外の事であった。

アスナはそれまでの地味さを感じさせるフードを被った装備姿から一転、純白ノースリーブの斬至福に真っ赤なミニスカ、さらに白色のニーハイ!その姿をもってして、ある意味では―――バラバラになりつつあった攻略集団の心は一つになったかもしれないのであった!!

そして、攻略集団に起きた変化はそれだけではなかった。そんな血盟騎士団の結成から僅か10日後程から、最前線からそれまで孤島のソロプレイヤーを貫いてきた黒ビーターのキリトが最前線から姿を消すようになり、第一層から全てのフロアボス戦に参加し続けてきたのは嘘のように、一切ボス戦でも姿を現さなくなっていたのであった!

僅か数週間の間に、攻略集団は激変した―――これを進化と呼ぶべきか、もしくは変貌と呼ぶべきか、誰も解らぬまま時は西暦2023年4月21日の出来事であった―――― by立木ナレ




ユッチ「もー!何なんだよまた僕たちをこんなところに呼び出しやがって!フロアボス戦の攻略会議で忙しいってのに、空気読めよな~」

俺「お前は、第25層を最後に、ボス戦には参戦してないよな?」

再び全プレイヤーは、ガチャモンとモック―――もとい、モックとガチャモンの代役のガチャ之介によって、例の体育館に強制転移で呼び出されていた。

ユッチは攻略会議の邪魔をされたと憤っているが、第25層でALSが半壊する惨劇を目の当たりにしたユッチは、その光景に完全に戦意を喪失し、それを機にフロアボス戦の本戦には参加しない意向を示し、偵察戦に回るようになっていた。

元々こいつは、アスナに良い恰好を見せたいと言う理由で、無理をしながら最前線で戦い続け、フロアボス戦も参加し続けていたが、その見栄も、フロアボス戦では何時死ぬかもわからないと言う、本来であれば当たり前のメリットを実感した事でついに、ユッチは最前線で戦う気概を失ってしまったのであった。

最も、当人はそんな本心を決して認める事無く。あくまで自分自身では、自分なりのやり方で攻略集団の中で活躍したいと言い張っていたのだった。

エルダ「出たわよ、私達を呼び出した張本人たちがね……」

ユッチ「あ、出やがったな!」

エルダが体育館のステージを見つめながら、すました口調でそう言った頃には、ガチャ之介とモックが既に姿を見せていた。

俺「って、アイツら携帯ゲームしてやがるぞ!」

しかも、あれはかなり古い携帯ゲーム機だ。俺達が生まれる20年ほど前だろうか?すると、ガチャ之介とモックは同時に、こちらを振り向くのだった。

ガチャ之介「初めて一緒に……街を出た」

モック「新開発、モモトーン液晶画面!」

ガチャ之介のそんな語りから始まり、モックはやはりと言うべきか、携帯ゲーム機を世に広めたと言っても過言ではない名器、ゲームボーイを俺達の方に向けてそう叫んだ。

ガチャ之介「カートリッジ交換で……色んなゲームが楽しめる!」

モック「そして、ステレオ効果サウンド!!」

ガチャ之介「ハンディゲームマシン―――ゲームボーイ!」

モック「君となら……どこまでも……」

そして、ガチャ之介とモックは二人で声を揃えて―――

ガチャ之介&モック「「ゲームボーイ!1989年4月21日発売けって―――――い!!」」

ガチャ之介とモックは、既に34年前に発売された、携帯ゲーム機の宣伝をこの場で高らかに宣言したのだった。
余りにも昔の携帯ゲーム機の発売日決定を高らかに発表した二人に対して、プレイヤー達は一応に『今さら何言ってるんだこいつら?』、『今更誰も買わねーよ』、『世代が違い過ぎる……』と、小声で二人に対する不平不満を漏らし始めていた。

モック「いや~、このゲームボーイこそ、携帯ゲーム機と言うジャンルを世に広めた存在と言っても過言ではありませんですな~ガチャ之介」

ガチャ之介「まさに、携帯ゲーム機の歴史を突き動かしたって感じでやんすね~。一応、ゲームボーイの前にもゲーム&ウォッチとがあったんでやんすけど。ゲーム本体とカートリッジが別々で、カートリッジを交換して遊ぶゲームが代わるってのが斬新でしたやんすね~」

モック「全く、ゲームボーイの一年後に発売されたゲームギアは、タイミングが悪すぎたんですかね~?」

一応、俺の家にも親父が子供の頃に、爺さんが脱税して溜めた金を勝手に使って買ったとか言うゲームボーイがまだ家にあるが、かと言って奴らの懐かしい話に便乗する気には全くなれなかった。

アスナ「いい加減にしなさい!要件があるなら要領を得ない無駄な話題は止めて、さっさと本題に入って!!」

苛立つプレイヤー達を代表するように、ガチャ之介とモックに対してまるで恐れる事無く、果敢に一喝したのは既に血盟騎士団の副団長として知られるようになったアスナだった。

ユッチ「さ、流石はアスナさんっす……僕もアスナさんにガツンと叱られたいな~。あのミニスカ捲ったら、叱ってもらえるっすかね?」

俺「ガツンと叱られるどころか、レイピアでケツの穴を広げられそうだな……」

ユッチ「そ、それは――――それはそれでありかも知れないっすね!」

俺「俺は今、お前をギルドにこのまま入れ続けて本当に良いのか不安に思えて来たぞ……」

エルダ「君達のその不毛なやり取りも、そこで打ち切りにしてもらえないかしらね?」

ユッチだけならまだしも、俺までバカを見るような目で見られたことは不服だが、エルダの言っている事は最もなのでここは静観するとしよう。

アスナがガチャ之介とモックを一括すると、2人の自称マスコットキャラたちはアスナの声が聞こえた方に体勢を向けると、アスナの周囲にいたプレイヤー達が、言われるまでも無くアスナに道を開けるように、一斉にザーッと動き出すのだった。

俺「あっという間にアスナが見えるようになっちまったな……」

レイナ「……どうして、血盟騎士団のプレイヤー以外までアスナに気を利かせるの?」

俺「無言の圧力って奴なのかもな……」

実際に、俺もアスナの近くにいたら、何も言われるまでも無くアスナに道を開けていたかもしれないだろう。
そして、改めてアスナは見通しが良くなった周囲を軽く一瞥した後、ステージの上のガチャ之介とモックを睨み付けて、高い声を上げるのだった。

アスナ「さあ、説明してもらうわよ。貴方達は私達をこんなところにまた呼び出して、何がしたいわけ?」

ガチャ之介「なにがしたい……ですってモックさん」

モック「ぐほほっ!いつもはこんな時に真っ先にうるさいだみ声で喚くのはキバオウさんの役目だったはずなんですが~、そのキバオウさんは一体全体どうしちゃったんですかね~?」

モックはキバオウがなぜ、この場において沈黙を保っている理由を知っているにもかかわらず、挑発するように、まるでキバオウを探すかのように周囲をキョロキョロと見渡し始めていた。

そんなモックの行動に、第25層での一件を生き延びたALSのプレイヤー達が苛立たしげな表情を浮かべ始めるのだったが――

アスナ「今、あんた達と話してるのは私よ!さっさと何なのか答えなさい!」

アスナの鋭い一声によって、その空気は斬り割かれたのだった。ガチャ之介とモックも、それ以上は余計な行動を取る事無く、自分達を相手にまるで緊張も、動揺も、恐怖心も見せないアスナをじっと見据えていた。
やがて、モックが両手を広げて、首を左右に振ると、ため息交じりに言い始めるのだった。

モック「はぁ……アスナさんには我々のユーモアが通じないようで、困ったものですなぁ~。良いですよ良いですよ!それじゃ発表しちゃいましょうじゃないですか!」

ガチャ之介「えっと、モックさん。実はオイラもこれから何が起きるのか分からないんでやんすが……」

「ただいま、みんな~」

ガチャ之介「って、この声は!?」

ガチャ之介がモックに対して、説明を求めようとした矢先に、俺達が聞き慣れた―――聞き慣れてしまった声がどこからともなく、聞こえてきたのであった。

レイナ「……久しぶりのガチャモンね」

俺「もーしばらく、休暇してやがれって感じだがな……」

誰もが聞き覚えのあるガチャモンの声が聞こえて、プレイヤー達は『どこだどこだ!』、『いるなら出てきやがれ!』、『お呼びじゃないわよ!』と声が沸き上がる中、奴は再び、だいたい一カ月ぶりくらいに姿を見せるのだった――――天使のような純白の翼を背に、舞い降りたのだった……

ガチャモン「ただいま、みんなぁ――――!!ガチャガチャモンモン、ガチャモンでーす!」

モック「そう、ガチャモンがリフレッシュ休暇を終えて帰還いたしました!今回はガチャモンの復帰発表でした―――!!」

その瞬間、プレイヤー達が一斉にブーイングをガチャモンに浴びせまくったのは言うまでも無かった。勝手にリフレッシュ休暇を取って、ガチャ之介などと言う代役を置いて、遥か上層を満喫していたガチャモンを歓迎する者は皆無だった。

ガチャ之介「が、ガチャモンさんでやんすか?いや~、オイラ、前々からガチャモンさんにお会いしたかったでやんすよ~」

ガチャ之介が感激しながら、ガチャモンに駆け寄って、そのまま熱い抱擁を交わそうと―――

ガチャモン「あ、ご苦労様バイト君。これ、バイト代だからさ、これ受け取ったらさっさと帰ってね~」

ガチャモンは素っ気ない態度で封筒を一枚、ガチャ之介に手渡したのだった。

ガチャ之介「な、なんか……何もかも期待を一瞬でぶち壊された気分でやんす……憧れのタレントに会えたのは良いけど、思ってたのとは全然違う人物像で、ガッカリしてるファンの気持ちが分かったでやんすよ……」

ガチャ之介は、心底しんみりした様子でその場から姿を消した―――そして、一カ月ぶりに姿を現したガチャモンはプレイヤー達を見渡してこう言うのだった。

ガチャモン「と言うわけで、今日からみんなのアイドルマスコットのガチャモンのふっかーつ!あ、それとガチャ之介君の出番はもう二度とないから、彼の――多分一人もいないファンの人達は残念でした~」

奴に限らず、お前のファンだってこのアインクラッドに誰一人として、いやしないだろうな。だが、ガチャモンはそんな事などお構いなしと言わんばかりに、プレイヤー達に対して、正体の分からぬ悪寒を感じさせた直後にこう言った。

ガチャモン「アインクラッドの恐怖はまだこれからさ―――たったの4分の1そこそこをクリアしたばかりの君達には、想像も付かないような地獄が――――君らを待ってるよ~」

 
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