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夢幻水滸伝

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第六十三話 現実世界に戻りその二

「あの服をモチーフにしてやねん」
「着てるんか」
「細かいとこはうち好みにアレンジしてな」
「それで巫女服にも似てるんやな」
「そやで」
 その通りという返事だった。
「あの服は」
「そやねんな」
「まあこっちの世界では制服やけど」
 かなり丈の短いスカートとそこから出ている白い足がブレザーの上からも自己主張している胸と共に目立っている。
「それでもやで」
「あっちの世界ではあの服か」
「どっちもうちの服やで」
「そういうことやな」
「そやねん、ただな」
「ただ?」
「考えてみたらうち等と幸田君同じクラスやで」
 ここで綾乃はこの話もした。
「そやで」
「あいつクラスにおらんかったからな」 
 それでとだ、芥川が話した。
「まずはあいつとはならんかってん」
「そういえばおらんかったな」
「そやからか」
 だからだとだ、芥川は綾乃にまた話した。
「あいつはまた後や」
「後回しってことやね」
「そや、それとな」
 幸田はさらに話した。
「まずはF組に行こうか」
「F組か。太宰と坂口もおるな」
 そのクラスの名前を聞いてだ、中里はすぐに行った。
「あの二人も」
「美鈴ちゃんもおるからな」
 芥川は彼の名前を出した。
「それでや」
「あの娘に会いに行くんか」
「今からな」
「そうか、ほなな」
「まずはF組に行こうな」
 こうしたことを話してだ、三人はまずはそのF組に入った。するとそこに美鈴がいたが。
 そこに幸田もいた、見れば彼はF組の者達に難波も入れて話をしていた。綾乃はその彼を見てから難波の姿も確認して言った。
「難波君もおるけど」
「自転車部の話してるんやろな」
 芥川はすぐに部活のことだと察した。
「それでやろな」
「ああしてなんやね」
「集まって話をしてるんや」
「そういえば幸田君自転車部の部長さんやったな」
「それで難波が副部長や」 
 そうした組み合わせになっているというのだ。
「あの二人が揃ってるってことは自転車部の話に決まってるわ」
「そうなんやな」
「そうや、ただな」
「ただ?」
「難波は部活の時もかなり独特やっていうけどな」
「戦の時と同じでやな」
 中里はあちらの世界での初陣、山陰を進軍し近畿から出雲までを完全に掌握した時に難波と会った時のことを思い出して言った。
「独特やねんな」
「勝利至上主義でとにかく突き進む」
「ほんま戦の時と一緒やな」
「止まらんタイプらしい」
「普段は大人しくてもやな」
「そうや、そしてその難波を抑えられるのがな」
 コントロール、それが出来る者はというのだ。
「幸田や」
「そやねんな」
 こんな話をしているとだ、その幸田がだ。
 自分達の話を止めてそうして難波と共に三人のところに来た、黒い普通の丈の詰襟を着ていてあちらの世界そのままの顔で髪は黒いスポーツ刈りだ。
 その彼がだ、難波を隣に置いて三人に言ってきたのだ。 
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