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ソードアート・オンライン~遊戯黙示録~

作者:マローン
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FILE34 悪魔的誘惑、ログアウトのチャンス!+アスナ、ユウイチ、エリカの身内動画


ガチャモンとモックがプレイヤー達に悪趣味な『身内動画』を見せてから、そして俺がレイナの現実世界に関する動画を見てから次の日だった。

再びアイツらは、俺達に更なる揺さぶりを掛けるかのようにガチャパットを通して現れたのだった。

ガチャモン「ガチャガチャモンモン、ガチャモンでーす!皆、こんにちわぁ―――!元気にしてるかな?それとも―――意気消沈しちゃってたりして~?」

昨日俺達を散々引っ掻き回した張本人は、何時も通りだった。マイペースでおちゃらけた態度でガチャパットの画像内で喋りまくる。

モック「いやはや、皆さん昨日は色々と思う所があったみたいですな~。特に、あれを見て――いち早く帰らなくてはと焦る人達、もう帰る気力を失いつつある人達も少なくないようですので―――」

ガチャモン「プレイヤーの皆さんに、とっておきのチャンスをプレゼントしに来ちゃいました~」

プレゼント―――そんな言葉を聞いたところで、プレイヤー達が逸れに期待する事は当然無かった。また、昨日の様に俺達を混乱させたりするようなロクでもない事が目的なのはとっくに分かり切ってるんだ。

ガチャモン「え~、今生き残っているプレイヤーの皆の中から、立候補した人たちの中からランダムで20人だけ―――――ログアウトさせてあげちゃうね」



そのガチャモンの最後の一言―――ログアウトと言う単語は、プレイヤー達の聴覚を圧倒的に、悪魔的に魅了する!
その一言により、つい先ほどまで、ガチャパットで流れる映像をまともに聞いていなかったプレイヤーも一斉に釘付けとなった!! by立木ナレ



モック「おっと!ガチャガチャガチャモ~ン。プレイヤーの皆さん方が早速興味津々のご様子ですぞ~!」

ガチャモン「オッケー、オッケー、それじゃ早速説明しちゃうね。これからログアウトを希望する人達はガチャパットに表示される二択の選択肢――『希望する』『希望しない』から、『希望する』を選択してください。ログアウトを希望しない人は言うまでも無く、『希望しない』を選択すれば良いからね。そして、ログアウトを希望するを選択した人が全プレイヤーの内、500人以下だった場合は――その500人の中から抽選で20人を即座にログアウトしちゃいま~す」

ログアウト出来るのは、ログアウト希望をしたのが500人以下だった場合で、その中から抽選で僅か20名がログアウトできる――なら、ログアウト希望者が500人を超えたら?
そんな俺を含む、プレイヤー達の疑問に対してガチャモンは愚弄するように人差し指を振りながら答える。

ガチャモン「はいはい、ど~せ、ログアウト希望者が500人を超えたらどうなるんだって言いたいんでしょ?お答えしましょう。ログアウト希望者が500人を超えた場合、ログアウトは認められず―――ログアウト希望者の中から抽選で一人のプレイヤーをお仕置きの罰ゲームを実行しちゃいま~す」

モック「ぐほほっ!まさにジレンマですな~、このソードアート・オンラインの世界からログアウトしたがってる人達なんてごまんといると言うのに、ログアウト希望者が多すぎると、ログアウトが無効になるどころか、ログアウトを希望した人たちの中から誰かが公開処刑になってしまうんですからな~」

ガチャモン「は~い、それじゃ投票を開始したいと思いま~す。さぁ、ガチャパットの選択肢をタッチしてください!!」

ガチャモンがプレイヤー達に考える時間も、話し合う時間も与える事無く、即座にガチャパットに『希望する』『希望しない』の選択肢が表示され、その上には選択肢を選ぶ制限時間らしいカウントダウンが表示されていた。

カウントは300秒の状態から始まり、一秒おきにその数字は少なくなっていく。

「ろ、ログアウトできるの?希望するを選択すれば―――ログアウトできるのよね!?」

「待てって!ログアウト希望者が500人を超えたら、ログアウトどころか誰か一人が死ぬって奴らが言ってたろ!」

「だ、だけど、500人を超えなければ――その中から20人も!」

俺の周囲のプレイヤー達も突如として舞い降りた、ログアウトのチャンスにどうするべきか動揺していた。
俺とレイナとユッチとエルダの四人は、丁度同じ宿屋で集まり、ギルドの資金を何に使うかで話し合っていた最中での事だったが、この宿屋は第14層では値段の割にサービスが豊富な為か、最前線のプレイヤー以外の、中層以下のプレイヤー達も多く泊まりに来ていた。

レイナ「……どうするの、オズマ?」

俺「昨日の、身内動画とかの影響で、一日でも早くログアウトしたいとか思って焦ってる連中は大勢いるだろうからな。ここで希望するを選択したら、ログアウト候補者になる確率よりも、公開処刑の候補者になると俺は思ってる」

真っ先にレイナが俺の意見を聞いてきたので、俺は自分なりの推測からそう答えた。

エルダ「私も、本音を言えば今すぐにでもログアウトしたいって思ってるわ。だけど、仮にログアウト希望者が500人以下だったとしても、その中からログアウトできるのはたったの20人―――それに、いま私はこのギルドの一員として、無責任に離脱するわけにもいかないわ」

そう言って、エルダは、俺達にガチャパットを見せた状態で、あっさりと希望しないを選択していた。

俺「サブリーダーにそんな責任感溢れること言われたら、リーダーの俺がログアウト希望何て出来ねーよ……」

俺も結局、希望しないを選択した。そして、レイナも小さく首を縦に振ってから、ガチャパットをタッチして決めていた。

ユッチ「やっぱり皆さんMBTのトッププレイヤーっす!お三方がこのゲームからログアウトしちゃったらそれこそ、攻略集団の戦力が下がっちゃいますしね!三人ともその事をよく分かってらっしゃるっす!僕も見習うっす!」

レイナ「……念のため、タイマーが0になる前にどちらかを選んだ方が良いわ」

ユッチ「ああ、そ、そうでしたっす!」

どちらにも選択しなかった場合はどうなるのかについては、ガチャモンとモックは何も言っていないが、念のためにレイナはユッチにそう助言して、ユッチは慌ててガチャパットをタッチしていた。

そして、初期状態で300のカウントがあっという間に0になった。もっと時間的余裕があれば―――例えば一日とか二日とかの時間的猶予があればプレイヤー同士で話し合い、あらかじめログアウト希望をする500人までのプレイヤーを事前に打ち合わせて決められた可能性も僅かながら有ったかもしれないが、この僅か300秒間と言う時間では、話し合う時間など到底あるわけも無かった。

カウントが0になった瞬間、ガチャパットの映像は再びガチャモンとモックが映し出されていた。二人は何故か手を繋いでダンスを踊りながら話し出す。

ガチャモン「はい、時間切れ~。と言うわけで、早速投票結果を発表しちゃいたいと思います」

モック「果たして、ログアウトを希望した人数は―――?投票結果をどうぞぉ―――!!」

モックの叫び声がガチャパット越しに、喧しく響き渡った直後、その投票結果が表示された。ログアウトを希望したプレイヤーは全プレイヤー中―――



1078人



それは、ログアウトが実行される上限人数の倍を超える人数だった。今アインクラッドに残っている全プレイヤー中の1000人以上が、ログアウトできるかもしれないと言う誘惑に抗いきれず、死人が出てしまうリスクを顧みずにログアウト希望をしたのだった。

ガチャモン「はい、残念!なんとログアウト希望者が500人どころか、1000人を超えちゃったのでログアウトは出来ません!そして―――」

モック「お約束通り、1078人の中からお一人……公開処刑の罰ゲーム決定ですな~」

モックのその冷たい言葉が発せられた直後、恐らくこの宿屋の中でログアウト希望をしたであろうプレイヤー達の叫びが響き渡った。

「や、やだ!お、俺は……まさかこんなにも希望者が殺到するなんて思わなかったんだ―――!!」

「だ、大丈夫よ……だ、だって1078人の中の一人なんだからだ、大丈夫に決まってるわ!」

ユッチ「お、お助け――――!!ぼ、僕だけは……せめて僕だけは見逃してくださ――――い!!」

俺、レイナ、エルダの目の前でユッチは頭を抱えてそう叫びながら、床に蹲っていた。多少は予想していたが、ユッチもさっきの投票でログアウトを希望するを選択したようだった。

エルダ「皆、落ち着きなさいよ……騒いだってそれでどうにかなるどころか、逆にそうやってるとガチャモンとモックに目を付けられるかもしれないわよ!」

エルダがユッチを含む、狼狽えて怯えるプレイヤー達を落ち着かせようと呼びかけるが。そんなエルダを見て、ひとりの斧を装備した男が声を上げた。

斧使い「そ、そうだ!あのクソマスコット共の事だ!怖い怖いってビビってると、本当に目を付けられて処刑の対象にされちまうかもしれねー!」

まるで自分にも言い聞かせるような気もしたが、そんな斧使いの言葉を聞いた何人かが、徐々に落ち着きを取り戻しつつもあった。

斧使い「とにかくこのねーちゃんの言う通り、落ち着こうぜ!ガチャモンとモックに目を付けられなきゃ、俺達は絶対に――――」

斧使いの言葉がそこで途切れたのは、彼がその瞬間、目の前から唐突に姿を消したからであった。


※ ※ ※


『ユウキ アスナさんの身内動画』

アスナの母『貴方どうにかならないの!?アーガスに掛け合って、いち早くアスナをなんとか安全に目覚められるように出来ないわけ!?』

アスナの父『無茶を言わないでくれ!被害者の数は1万人なんだぞ!きっと今頃、アーガスは大勢のプレイヤーたち一人一人の家族に対する謝罪や、今後の補償―――何より身内内での責任追及で大変な事になってるはずだ……』

アスナの母『補償ですって!?どうせ大勢の他の被害者家族の人達が口を揃えて喚いてる、慰謝料とか賠償金とかの話でしょ!全く揃いも揃って……アスナは受験生なのよ!このままじゃ高校を受験出来ずに中学浪人なのよ!それもその理由が病気とか怪我とかじゃなくて、訳の分からないゲームのせいだなんて!』

アスナの兄『母さん、落ち着こう……父さんだって何とかしたいって思ってるんだよ!それに今は進路の事よりも、アスナの身体の心配を―――』

アスナの母『そもそもコウイチロウ―――なんで、貴方があんなナーヴギアとか、ソードアート・オンラインとか――下らないゲームを買ってきたの!?』

アスナの兄『そ、それは―――今までゲームとかやった事なかったからさ……世界で初めてのVRMMOゲームがどんなのカ興味があって――』

アスナの母『貴方はもう社会人になったのよ!ゲームだなんて、勉強や仕事を最優先していない……愚かな怠け者たちがやる事だって貴方とアスナには何度も言ったはずよ!それに、貴方があんな物を買ってこなければアスナだって……』

アスナの兄『そ、それは!』

アスナの父『もう止めないか!コウイチロウだってまさか自分が買ってきた物をアスナが使って、それであんなことになるなんて予想出来るわけないだろ?』

アスナの母『じゃあ、どうすれば良いのよ!今までアスナの為に色々な教育をしてきたのに―――こんなところでアスナが道を踏み外すなんて!』


『ミヨシ ユウイチ君の身内動画』

クラスメイトA『大変だ大変だ!ユウイチの奴がソードアート・オンラインでログアウト出来なくなってるってよ!』

クラスメイトB『そうなのか!?先週から学校に来てないから変だと思ったけど……アイツそんなヤバい事になってたのかよ』

クラスメイトC『大丈夫なのかしら……ミヨシ君、何時になったら学校に戻れるのかな?』

クラスメイトD『つーかさ、あのゲームってなんかゲームの中でHPが0になったり、ナーヴギアを無理やり引っこ抜いたら、そいつは死んじまうんだろ……ミヨシの奴……ちゃんとやってけれるのかよ?アイツ、大してゲーム強くなかっただろ……』

クラスメイトE『皆、時間の空いてる人は、今日の放課後にミヨシ君のお見舞いに付いてきてくれない?委員長の私がまずは、ミヨシ君のご家族と病院にも先に連絡してみるから』


一週間後


クラスメイトB『な~、今日のユウイチの見舞いだけどよ~』

クラスメイトA『ああ~、そう言えば最近行ってねぇな。けど、だりーよなぁ~』

クラスメイトB『てか、今だから言えるんだけどよ……俺、アイツの事あんまり好きじゃねーんだよな。てか、軽くムカついてるし』

クラスメイトA『あ、それ俺も思ってた!ユウイチの奴、いっつも調子の良い事ばっかり言ってよ。誰かと喧嘩になりかけてる時だって、強い奴の後ろで口だけは偉そうに振舞っててさ、いざ自分が矢面に立つとすぐに弱腰になったり、遜ったりして、見ててムカつくんだよ……』

クラスメイトC『私もさ、前に見ちゃったんだよね―――ミヨシ君が学園祭のお金をこっそりと……抜き取ってるところ』


一週間後


クラスメイトA『今日放課後、どこ行く~?』

クラスメイトB『俺ゲーセン!』

クラスメイトC『え~、ゲームセンター何て時代遅れじゃな~い、あそこっておじさん達が行くところでしょ~?』


『サワイ エリカの身内動画』

エリカの母『どーして……どうしてレイナまでナーブギアを!!あ、あの子がフルダイブなんて、で、出来るわけがないはずなのに!』

エリカの父『これもそれも全て……あの男などと関わった事がそもそもの間違いだったんだ!!エリカと奴の付き合いをなぜ、今までずっと放置していたんだ!』

エリカの母『ま、待ってよ!貴方だって……エリカがあの人から色々な事を教わったり、研究のお手伝いをさせてもらってる事を為になるだとか、良い影響だとか言って、大歓迎してたじゃない!なのに何で私のせいにするのよ!?』

エリカの父『お前は私よりもずっと、娘たちと過ごす時間も、あの男と会う機会もあっただろう!そのお前がしっかりしてないでどうするんだ!?』

エリカの母『ひ、酷いわ……そんな、そんな……』

エリカの父『エリカもレイナも、下手をしたら二人とも二度と目を覚まさないまま、ゲームの世界で命を落としてしまうなんて事になったら、お前はどう責任を取るつもりなんだ!!』 
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