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東方携帯獣(仮題)

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0.下準備と幻想入り

 幻想郷の賢者にして、幻想郷におけるポケモンの第一人者の八雲紫は珍しい幻想郷を留守にしていた。八雲紫には理由があった。数日後ポケモンをもらい旅立つ子たちともに行かせたい、という理由が。
 八雲紫はポケモン研究者として初めてのポケモンを渡し無事旅に送り出すという義務があった。しかし、なにやら最近の幻想郷が不穏な空気に包まれているのを感じていた。故にその子供にも一緒に来てほしいのだ。
 ジョウト地方のとあるはずれの森林。八雲紫の探し人はそこにいる。旅に出ていない時はそこに腰を落ち着かせていることを知っている。辛口の彼から何と言われるか何と言いくるめようか。考えながら再びスキマを潜った。






「なあ、シロナさん。こんなとこにいて、楽しい?」
「楽しい。というよりも気が楽なのよ」
 今の状況をわかりやすく言うのであらば、怠惰。この人ことに限る。俺ともう一人の客人は。ソファーとベッドの上に寝そべっていた。しかも、もう一人は何とあのシンオウ地方のチャンピオン、シロナだ。
「気が楽って。仕事できたんじゃないの?」
「今はチャンピオンじゃなくて考古学者としてきてるのよ。それに私のポケモンたちもあなたならリラックスできるでしょうし」
 それも仕事でしょうが。といいたいがその言葉を飲み込む。シロナさんとは俺が幼少時代のご近所さんだった。幼なじみ何ていううれしい間柄ではなく親切なお姉ちゃん分と弟分である。俺はトレーナーというよりブリーダーを目指していて、シロナさんのポケモン。特に相棒はガブリアスはフカマルやガバイト時代から何かと遊んだり世話をするときがあった。なのでそれなりに懐かれている。
「だからってホテルとかで時間潰すとか他にあるでしょうに」
 人の宿代わりの別荘で何でこうも我が物顔でくつろげるのか。やっぱり大物と言うことなのだろうか。そんなんだから一部のファンにダメナ何て言われるんだ。 






 そんな会話から昼寝挟んだ数時間後。
 やはりこれから調査があるとかでシント遺跡に向かっていった。
「ナマー」
 そんなとき、めったに動くことのない。俺のナマケロが口を開いた。昼飯の時に返事を聞いた時以来に口を開いた。
「どうした?ナマケロ」
 ナマケロはただひたすらに窓の外を見ていた。
「誰かの気配を感じるのか?」
 首を縦に振った。五秒位かけて。返事しようぜ?ナマケロ。
 ここを訪れてくる人なんて言うのは限られている。その中から限定していくと、
「今日はどうしたんです?八雲博士」
 すると、空間が裂けた。そのスキマの中には目玉がたくさんありキッとこちらをにらんでいるかのようだった。
「紫でいいって言ってるじゃない。もしくはゆかりんでもいいわよ」
「で、紫さんどうしたんです?」
 絶対ゆかりん何て呼ばねぇ。イタいだけだろ。
 ガクンと肩を落として落ち込んだかにみえたが、すぐに元に戻った。
「単刀直入に言うわね。幻想郷にこないかしら?あなたたち風に言うならゲンソー地方かしらね」
「ゲンソー地方?以前あなたが話していた。ポケモンの解明にもっとも近い地方という?」
「ええ。ぜひ幻想郷を根城にして新たな旅に出てほしいのよ」
「‥‥‥準備、しなきゃですね。待っててください。すぐすみます」



 四十秒後。支度は終わった。が、紫は絶句をしていた。
「‥‥‥‥‥それで行くの?」
 おそらく絶句していたのをがんばって振り絞った言葉立ったのだろう。
 そんな俺の姿は白いシャツに黒のカーディガン、黒いズボン。に木の棒にパンツを引っ掛け、先端にはナマケロがぶら下がっている。
「ん?もちろん」
 俺の祖父曰わく『トレーナーの旅はちょっとの日銭と明日のパンツが合れば十分』とのこと。でもさすがにそれだと足りないのであとはメディスンバッグに入ってる。ならパンツもそこに入れろ?だってナマケロがこの木気に入ってるし。
「そんな荷物で大丈夫なの?」
「大丈夫だ。さあ、行こう」
「ええ、では行きましょう。そしてようこそ。仁君」

 
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