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ソードアート・オンライン~遊戯黙示録~

作者:マローン
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FILE32 召集!プレイヤー達の家族と友人達

デスゲーム、ソードアート・オンラインの攻略は進み、最前線は第14層となっていた!オズマは自信をリーダーとし、第5層で出会った細剣使いの少女、エルダをサブリーダーとしたギルドMBT(未来は僕らの手の中に)を結成していた。

ギルドのメンバーは総勢10人で、その内最前線で活動しているのは初期メンバーであるオズマ、レイナ、エルダ……おっして、辛うじてユッチの四人ながらも、攻略集団の中ではALS、DKBに次ぐ主力ギルドとしてその存在感を示しつつあった!!





ガチャモン「いや~、毎日毎日、狩りに出たり、クエストをこなしたり、迷宮区を探索したりと、プレイヤーの皆さんは精が出ますな~」

モック「皆さん、そんなにゲーム漬けで大丈夫なんですかね?ゲームは一日一時間とか、昔の大人みたいな事を言うつもりはありませんが、やり過ぎは体に毒ですぞ~」

その日、俺達はガチャモンとモックによって、奴らのホームである体育館に召集されて、俺達の前に姿を現してからそうそうに、そんなSAOに囚われているプレイヤーである俺達に対する皮肉とも言えることを言っていた。

「誰のせいでこうなってると思ってんだバカやろ―――!!」

「好きでゲーム漬けの生活してるんじゃないわ!アンタ達のせいなんだからね!!」

「勝手に呼び出しておいて好き勝手言ってやがるんじゃねー!何時になったら俺らを現実世界に帰すんだよ!!」

言うまでも無く、ガチャモンとモックに対して激しい罵声と非難の言葉が飛び交っていた。四方八方から顰蹙を買うガチャモンとモックは、二人揃って耳――(人間でいう所の)がある場所を抑えて、その場でジタバタと体をくねらせているが、実際には丸で何ともないだろうに。

モック「お、落ち着いてください皆さん!こういう時こそ、冷静な対応が必要ですぞ!今から、ガチャモンがとても大事な話を始めますからどうか静粛に!」

モックが狼狽えながら、静まるように声を掛けるが、大して効果は無く、未だに怒りの喚き声をあげる者は後を絶たなかった。

ガチャモン「え~、君達がソードアート・オンラインの世界の住人になってから既に数カ月。その間君達は現実世界での情報を一切得る事が出来ていない状態だよね~?」

そりゃそうだ、この世界ではテレビやラジオなど存在せず、インターネットも無い(このゲームそのものはオンラインゲームなのだが)状況下故に、現実世界での世間がこの一件に関してどう動いているのかとか、現実世界の知人たちがどうしているのかについて、一切知り得る術を持たない状態だった。

――と、その瞬間。目の前に俺のガチャパットが、――いや、全プレイヤーの目の前にそれぞれがアイテムストレージに所持しているガチャパットがオブジェクト化されていた。

ガチャモン「ぷぷぷ~、現実世界の君達のお友達とか、家族とかがさ、今どうしてるのか気になってる人も沢山いると思ってね、僕は慈愛の心でのサプライズをする事に決定しました~」

モック「え~、これより――現実世界での皆さんの家族、友人の方達に関する動画を、これよりガチャパットを通じて流したいと思いますですぞ~」

モックのその言葉を聞いた途端に、さっきまで二人に対して怒りをぶつけていたプレイヤー達が、途端に動揺、狼狽える様子に変化していった。

俺「俺等の現実世界での家族や友人たちがどうしてるね……」

つまり、俺の場合は親父とか爺さんとか、地元の知り合い連中とかがどうしてるかの動画が流れるって事か?

レイナ「……私の家族?友人?」

俺の隣で、ガチャパットを握り締めているレイナが、珍しく、僅かながら動揺しているように思えるような小さな声でそう呟いていた。

そうか、レイナは現実世界の記憶を失っているが、現実世界での自分の家族や友人たちの映像を見れば、何かを思い出すかもしれないんだ。

ガチャモン「では、現実世界での君達の家族や友人たちがあの日以降、、一体どうしているか!動画スタート!」

ガチャモンのその言葉によって、全てのプレイヤー達がガチャパットの視線を向けた直後に、その動画は始まった。

ガチャモン『モック……まさか君と、こんな関係になるなんてね』

モック『い、いけませんぞモック……やっぱりこんな事は間違ってるですぞ……』

ガチャパットに映し出されているのは忌々しいガチャモンとモックだった。二人はダブルベットで横になった状態で並び、なにやら気持ち悪いやり取りをしていた。

ガチャモン「とか言ってるけどさ、もうこれで何度目だよ?僕と君がその、間違った事をするのはさ?」

モック「ああ!わ、私は一体どうすれば良いんでしょう……が、ガチャモンとこ、こんな関係がゆ、許されるわけがないと言うのに……こんな、こんな――――」

そこでガチャパットの映像は途切れていた。一体俺達は何を見せられていたんだ?今の映像のどこが俺達の家族や友人に関する動画なんだ?

ガチャモン「いやいやいや!ゴメンね皆!うっかりミス!うっかりミスで全然関係の無い動画を流しちゃったよ~。今の映像の事は皆、忘れちゃってね~」

ガチャモンがうっかりミスだとか言って、映像を止めたようだが―――

ユッチ「いやいやいや!何がうっかりミスなんだよ!い、今のなんだよ!お前ら何してやがるんだよ!!」

エルダ「どうでも良い間違い映像だって言われても……さ、流石に引くわね」

ユッチが声を荒げて、只ならぬ行動に及んでいたことを示唆するガチャモンとモックの映像に対して、激しくツッコミ、エルダは口を押えて吐き気を催しているようだった。

「ふざけんなテメーら!」

「下らねー動画見せてんじゃねー!」

「気持ち悪いじゃないの!」

再びプレイヤー達が、ガチャモンとモックに対して罵詈雑言の嵐を見舞っていた。周囲の轟音を考慮してか、ガチャモンはマイクをオブジェクト化して、マイクで増幅された声量で再び声を上げる。

ガチャモン「はいはい、静粛に!今度こそちゃーんと皆の家族や友人たちの動画を流すから静かに!」

モック「え~、プライバシーに考慮しまして~、これから流れる動画は、ガチャパットの持ち主にしか見えない状態にしましたので、他人のガチャパットの映像をこの場で覗き見ようとしても無駄ですぞ~」

ガチャモン「では、今度こそスタート!」

そして、ガチャパットの映像は一旦真っ暗になったかと思うと、大きな文字が浮かび上がる。

『オダギリ ハズマ君の身内動画』

小田桐弭間って―――俺の本名だと?奴ら、プレイヤー達の個人情報を調べ上げておいたのか。まあ、俺達の身内動画なんてのが出来ている時点で、俺達の本名が割れていたとしても何の不思議もないが。

そして、ガチャパットに映し出されたのは、色彩が無い、白黒アニメのようなアニメーションだった。しかも、登場人物たちは全員真っ黒なシルエットのような姿になっており、顔が判別できないと言う有様で、かなり手抜きのクオリティーなのが丸わかりだった。

すると、画面の下の方に登場人物の台詞が、テキストウインドウとして表示されていた。どうやら、音声も無いようで、台詞は全てテキストで表記されるようだった。

記者『オダギリさんですね?息子さんが、お孫さんがソードアート・オンライン事件の被害者になったと聞きました!ハズマさんの父として、祖父として何か一言お願いします!』

マイクを持った人物の口元から、小さな吹き出しのマークが出現すると、画面下にそんなテキストウインドウが表示された。
どうやら、俺達がSAOに閉じ込められた後、ウチにもマスコミたちがやって来て、被害者家族としてのインタビューを受けたようだった。
すると、俺の親父らしき人物だろう、黒いシルエットの口元に吹き出しのマークが出現して、

ハズマの父『何か一言とか言われましてもねぇ~』

記者『ハズマさんのお父さんですね?息子さんはどんな少年でしたか?学校ではどんな様子でしたか?』

ハズマの父『どんな息子とか聞かれてもなぁ~、そもそもアイツ……小学校卒業してから一度も学校行ってねぇからな~』

記者『―――え、えっと……』

俺が不登校である事をあっさりと記者たちに親父は話しやがったようだった。まあ、別にそれはどうでも良いんだが、やはり記者たちはあっけらかんとした様子で息子の不登校を口にした父親に唖然としていたようだった。

記者『で、でしたら、今回の事件の主犯とされる、茅場晶彦容疑者に対して何か一言あるでしょうか?』

ハズマの父『茅場晶彦……?誰だそいつ?そいつが一万人をフルダイブゲームに閉じ込めた張本人って事か?だとしたら、随分と大それたことする奴だぜ全く。んな事したところで、金になりやしねーのによ~』

記者『ど、どうするんだこれ?放送して良いのかこんなの……』

俺の親父が、マスコミたちの期待するような反応や言葉を一切口にしない事で、マスコミたちが困惑しているようだった。
これは、黒いシルエットの姿でもハッキリと分かる。

記者『あ、お爺さん!お爺さんは何か一言ありませんか!?ソードアート・オンラインを開発したアーガスに言いたい事などは?』

親父への質問が無駄だと考えたマスコミ連中は今度は爺さんにカメラを向けて、質問をするが、俺が思ってる通りの爺なら、余計に無駄な事になるだろう。

ハズマの祖父『勝手にカメラ向けてるんじゃねー!俺に取材したければ謝礼寄こしやがれ謝礼!最低で1万円からだ!にしてもアーガスとか言う会社はちゃんと賠償金と慰謝料を出しやがるんだろうな、ああーん!?』

全く持って予想通りの爺さんだった。俺がナーブギアを被った状態で、目覚めないと言う一大事に、あの爺さんはマスコミに対して謝礼だとか、アーガスから賠償金だとか、とにかく金の話に余念がない様だ。

そこで、ガチャパットのアニメーションが終わったかと思うと、今度は実写の写真が表示された。いい加減なアニメーションだけでは流石に信憑性が低い事への配慮なのかもしれない。
そして、その証拠写真とでも言うべき画像は、俺の爺さんがマスコミ連中に対して、何かを喚き散らしている現場だった。
おそらく、謝礼がどうのこうのとか言う話をしていたのだろうな。

俺「けど、これがなんだってんだ―――?」

こんなのを見せられたくらいで、今さら何がどうと言うわけでもあるまい。俺は自分の親父や祖父がどんな人間であるか、基本的にロクな大人じゃない事くらいとうの昔に理解しており、今更それを見せつけられたところで奴らを嫌ったり、失望したりなどするわけでもないと言うのに。

「な、なんだよこれ――――こ、こんなのを信じろってのかよ!!」

俺の思考を遮ったのは、遠くから聞こえた、他のプレイヤーの悲観に満ちた叫び声だった。すると、そのプレイヤー以外にも、ガチャパットの動画や写真を見て、かなりのショックを受けた者が少なからずいたようで、次々と悲鳴や叫び声が響き渡った。

「嘘だろ……?内定取り消しってなんだよ!?よ、ようやく決まった、大企業の内定なのに……俺が何時目覚めるか分からないから内定取り消し何てそんな事許せるかよ!!」

「誰だよその男……お、俺が寝てる、びょ、病室のすぐ外で……何してんだよ百合子(ゆりこ)!!俺達、何時か結婚しようって約束したじゃないか!!」

「ど、どうして―――なんで、パパとママが離婚したの!?わ、私のせい?私が原因でパパとママが離婚したって言うの!?」

「ふざけんな!!俺がいなくなって清々しただぁ!?前から嫌いだった!?テメーら……散々俺が奢ってやった事、忘れやがったのかよ!?」

プレイヤー達の中には、ガチャパットで流された動画と写真が、シャレにならない事態であった者も多かったようで、その者達の悲鳴、叫び、絶叫が響き渡り続けていた。

レイナ「…………」

そして、俺の横では記憶喪失のレイナが、ガチャパットの動画と写真を見た後も、表面上は冷静さを保った姿で、ガチャパットに視線をじっと向けていた。

俺「レイナ、今のを見て何か思い出したか?」

レイナ「……別に、なにも思い出さないわ」

レイナは、まるで関心ないと言わんばかりの口調でそう淡々と答えた。

ガチャモン「くすす!どうだったかな皆?君達がこのゲームに囚われた後の、現実世界の君達の家族や友達がどうしてるか分かって少しは安心した?―――それとも、生きるのに絶望しちゃったりして?」

モック「今回ながされた動画と、写真は、各々のガチャパットで何時でも見れますから、気が向いたら幾らでも再生できますですぞ~!あ、ですが次回以降は他のプレイヤーの人達にも普通に動画も写真も見える状態ですので、覗き見にはお気をつけてくださいですぞ~」

ガチャモンとモックの笑い声が10秒ほど、体育館に響き渡った後、俺たちは一斉に奴らの強制転移で、元居た場所に戻されたのだった。

幸いにも俺は、今回の動画と写真を見ても何ともなかったが、中には今回の動画と写真を見た事によって、いち早く生還する為に焦り出す者や、逆に現実世界に悲観し、絶望して生き残る意欲を失ってしまった者もいるかもしれない。

俺「せめて、攻略集団に悪い影響が無ければ良いんだけどな」



ガチャモンとモックがプレイヤー達に見せたのは、現実世界でのプレイヤー達の家族、友人たちの様子だった。
それを見た者達の反応は千差万別!まさに、予測不可能な状況になりつつあった! by立木ナレ 
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