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魔法科高校の劣等生の魔法でISキャラ+etcをおちょくる話

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第百三十話

 
前書き
R18版に千冬と一夏の情事をあげてます。
さて…何話かかるやら…。 

 
「ここが箒お姉ちゃんのおうち?」

「ああ、篠ノ之神社だ」

鳥居を見上げる円香。

鳥居に張り付けてある銅板には『しののの』と書いてある。

「どうする円香?」

「どう?」

「お前が良ければ少し剣を教えようと思っていたんだが、やってみるか?」

「けん? 篠ノ之流剣道?」

「いや、織斑流剣術だ。とはいえ織斑流は篠ノ之流がベースだから篠ノ之流を教えるといってもいいのだがな」

箒は早く円香に自衛の力を付けて欲しかった。

でないと、円香にプライベートが無いと。

自分は剣術と魔法とISを持っている。

だが円香は未だに何の力もない。

強いて言えば気功を多少使えるので大人に力負けはしないが武器を使われると厳しい。

「それと円香」

「なぁに?」

「この神社に居る間は全力で気を廻し続けろ」

「いいけど、ご飯たくさん食べちゃうよ?」

「構わんさ。私もかなり食うからな」

くるりと箒が後ろを向いた。

「オータム。だったよな?」

「ぉ、おう」

オータムが僅かにあとずさる。

「なぜ逃げる」

「いや…おまえ…アレの恋人っつーことぁ…」

「ごめんなさいねホウキ。この子あの坊やがヴィーティングを処刑したのを見てからずっとこうなのよ」

「まぁ」「わからなくはないわね」
「ご主人様のあれは」「刺激が強いもの」

「あぁ…そういう…。まぁ、それは置いておくとして、オータム。
円香の護衛なら護衛対象に力負けというのは格好がつかないだろう?」

「ええ、そうね」

「だから円香に剣術を教えるのに平行してお前に気功術を教える」

「そうね、オータムのガ・ジャルグは気功の使用が前提のようだし」

「決まりだな。着いてこい。案内する」







束が円香に剣術を教え、箒がオータムに気功を教える。

束が円香に渡したのは、刃を潰したサイコ・Eカーボン製のジャパニーズ・カタナブレードだった。

「まーちゃん。もうちょっと脇しめて」

「うん!」

「上手い上手い。まーちゃんは気功使えるからサイコ・Eカーボン製ブレード振れるもんね」

「うん!重くないよ!」

「偉い偉い」

庭で素振りを行う円香は、とても筋がよかった。


「じゃぁ、こっちも始めるぞオータム」

「おう」

箒とオータムが向かい合って座る。

箒は正座、オータムはスーツで上蔵だ。

「まず、世界の仕組みを少しだけ話す」

「あら、面白そうな話ね」

縁側に座るスコールが面白そうに笑う。

「お前達は裏世界の住人…と世間一般では言われる人種だ」

「だが一夏曰く、世界は表裏ではなく階層構造をしている」

「例えば、政治家達の汚職にも裏がある。
裏の裏、と呼ばれるそれにも更に裏がある」

「そんな権謀術数と同じように、世界そのものも階層構造を成している」

「一つは私達が住み、生活する階層」

「一つは怪異、つまり妖精や化物達の階層」

「一つは全ての根源である情報の階層」

「これらの一つ一つが更に細かく区分けされ、層を成しているのがこの世界だ」

「これから教える気功は普通の生活でも役に立つ物だが、より深い階層の相手に対抗する手段でもある」

箒がオータムの手を取る。

その瞬間から、熱力学の第二法則と同じように、箒からオータムへ力が移動する。

「行くぞ。目を閉じろ」

箒が力を『流し入れる』。

容器を傾けるように、注ぎ込む。

「なんだこれ…」

「暖かいだろう? 一夏は『命の温もり』と表現していた。
精神ではなく肉体を起源とするエネルギーだ」

流れ込んだエネルギーがオータムの四肢を廻る。

「…そうか」

「ソレを廻らせる事を意識しろ。やがて自分自身の気が練り上がる」

『気』は敢えて言うならば、不随意的なエネルギーだ。

『気』は『練り上げる』物ではなく、廻らせ続けると『練り上がる』物。

「一度手を離すぞ」

箒が手を離し、目を開ける。

「体の中で『力』が廻るのがわかるだろう?」

「ああ…なんか、今まで感じた事ねぇ筈なのに、すげー馴染む」

「人間が本来持っている物だからな。
気功は魔法とは違い感覚さえ覚えれば誰だって使える普遍的な力だ。
数年で通常の何倍もの力を出せるようになる」

「そんなにか…。やっぱり、アタシらはオリムライチカに遊ばれてたって訳か」

「まぁ、そうなるな」

オータムは自分達が全て一夏の掌の上だったのだと実感した。

「で、スコール。お前の方は私ではどうにもできん。我慢しろ」

「ええ、そのようね」

スコールが笑みを浮かべる。

しかし、その瞳は濁っていた。

「では私は席を外す。オータム気を絶やすなよ」

そう言って、箒が席を外した。

「オータム。どんな感じかしら?」

「恐ろしい。だな」

「彼女が? それともその力が?」

「両方だ。アタシ達が相手にしている者。
アタシ達が傷つけようとした者の片鱗」

「そんなに凄いの?」

「体が嘘みてぇに軽い。最高のコンディションさ…体だけならな」

オータムが立ち上がり、庭に出る。

屈伸運動をして一言よし、と呟いた。

そのまま、垂直跳び。

「あら、凄いじゃない」

目測でも、家の天井ほどまで跳び上がった。

「……こんな力……そうか…そうか…手加減、されてたのか」

オータムは、一夏と一戦交えた時の事を思い出す。

降伏した時の事を。

「あの時、坊やは生身だったわ…。
彼、生身で私のラファールを吹き飛ばしたのよ」

「…………魔法か」

「魔法が無くとも、彼が勝つわ」

「そうだな」

オータムが縁側に腰かける。

「素振りおわったー!」

「あら、お嬢様の素振りが終わったようね。
ちょっとプロフェッサー・タバネの所に行ってくるわ。
貴女はお嬢様と遊んでなさい」

「お、おう」

こうして、庭には円香とオータムだけが残された。
 
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