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ソードアート・オンライン~遊戯黙示録~

作者:マローン
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FILE25 第5層攻略作戦

討伐クエストでオズマはエルダと言う細剣使いの女性プレイヤーと出会った。そして、それから数日後の12月31日の出来事であった! by立木ナレ



ユッチ「エルダさ~ん。お元気でしたっすかぁ~?」

鼻の下を伸ばし、浮かれ呆けた表情のユッチは俺のメールの呼び出しで来てくれた、エルダを見た途端に、はしゃぎながら手を振っていた。

エルダ「超元気だよアタシは、そっちは相変わらずかしら?」

ユッチ「もちのロンっす!そして、エルダさんが来てくれたおかげで更に元気200%アップしたっす!」

さて、そろそろ本題を切り出さなくてはならないな。俺がエルダを呼び出したのは、急遽、色々と想定外のフロアボス戦を始めるかもしれないからだった。

話は遡る事、数十分前になる。



※ ※ ※


俺にメールを寄こしたのは、フロアボス戦を共に戦い続けていた、斧使いプレイヤーのエギルだった。エギルから送られてきたメールには、キリトからの呼び出し――つまり、エギルはキリトからの伝言を伝えてきたわけだった。

俺「っつーわけで、エギルからのメールによるとだ。キリトの奴が第5層フロアボス戦のメンバーを招集したいだそうだ。ALSの抜け駆け防止作戦を阻止するだそうだ」

ユッチ「いやいやいや!キリトの野郎からの招集何て冗談じゃないっすよ!!アイツ、アスナさんを誑かしてる悪のビーターの癖に何様っすか!?」

レイナ「……詳しい説明をお願い」

ユッチは、キリトからの招集と聞いただけで、露骨に拒否反応を露にするが。レイナは一切取り乱すことなく、取りあえずは話を聞く姿勢を見せたので俺はエギルから伝えられた内容を伝えた。

第5層のフロアボスがドロップするレアアイテムは武器のロングスピアに分類されるギルドフラックなのだが、そのギルドフラックは武器としての性能自体はまるで大したことないのだが、そのフラッグを突き立てると、半径20メートル以内にいるギルドメンバー全員、全ステータス上昇のバフが掛かると言う話だった。

レイナ「……それが、本当なら。ALSとDKBのどちらか一方がそのギルドフラッグを手に入れた場合に……両者のパワーバランスが崩れるわね」

俺がエギルから伝えられた話をそのまま話すと、レイナはすぐにそのギルドフラッグがもたらす、多大な影響力と、それによって二大攻略ギルドのただでさえ不安定な関係に更なる亀裂が発生する事を理解していた。

俺「更に厄介な事にな、ALSの奴らがDKBのメンバーを交えた年越しパーティーを企画してるらしいんだが、その裏ではALSの過激派の連中が―――自分達だけでフロアボスを倒しちまおうとか考えてやがるそうだ」

レイナ「……そのALSの計画が実行されたら、ALSがDKBに対して圧倒的優位に立つことになって―――最悪、DKBがALSに吸収されるなんて事も有り得るわね」

俺「もしそうなった場合、ALSに吸収されたDKBの連中は肩身の狭い気分になって、最悪一つの巨大ギルドになった攻略集団は内部分裂何て展開が有り得るから、キリトはそれを阻止する為に一部の中立的な立場のプレイヤーでフロアボスを先に倒そうって事らしいな」

そして、俺達もキリトの言っている、ALS側でもない、DKB側でもない中立の最前線のプレイヤーなので、ひと先ずは今は、俺達のも出来る事なら来てくれと言う話だった。

これだけの説明の後でも、ユッチは顔をつまらなさそうに歪ませて、口を尖らせて不満を口にする。

ユッチ「う~ん……だけどキリトの野郎の招集に応じるのも癪っすよね~……アスナさんを誑かしてるアイツの事っすよ?裏でどんな悪巧みしてやがるか分かったもんじゃないっす!」

俺「エギルによると、そのアスナもやっぱり今回の計画に参加するだとよ」

ユッチ「行きましょうオズマさん!アスナさんが危険を顧みずに、攻略集団の為に戦うって言ってるなら、僕たちもアスナさんの仲間として協力するべきっすよ!」

レイナ「……これで、異論は無くなったわね」

俺「アスナの人徳――様々だよな」



ユッチ、圧倒的手の平返し!!キリトの招集である事に凄まじい反発を抱き、頑なに橋梁を拒む姿勢を取っていたかと思いきや―――アスナが同行すると聞いて、態度を180°急転換!!
ユッチの脳内で、この計画はアスナからの誘いであると言う、脳内変換完了!! by立木ナレ



と、ここまでがレイナとユッチに対する事情説明であり、俺はこの直後にエルダにも一通りの説明を明記したメールを送信しておいた。

エルダには数日前に、次のフロアボス戦に参加する場合は俺達の仲間であると言う紹介で、他の攻略集団に伝える約束をしていたし、なによりも―――エルダの実力は既に即戦力級で、ALS側でもDKB側でもないという好条件だから、今がまさにうってつけのタイミングだと思ったのだ。


※ ※ ※


俺達がキリトに指定されて呼び出された場所はマナナレナ村から少し離れた森の空き地だった。招集を呼び掛けたキリトはまだ、他のプレイヤーを呼びに行っているとかで来ていないようだったが、既にそこにはキリトとアスナの呼びかけで集まったプレイヤーが10人ほど来ていた。

エルダ「それで、攻略組で最も悪名名高い黒のビーターさんはここで集まってくれって言ってたのね?」

俺「ああ、今の内に、先に集まってる連中と挨拶でも済ませてきたらどうだ?」

エルダ「そうね、攻略の最前線で戦ってる先輩達の顔と名前を早く覚えなくちゃだし」

この場にいたのは、アスナの他にも、情報屋のアルゴ、エギルを始めとする4人組のマッチョ男達、DKBからは穏健派のシヴァタ、サブリーダーのハフナー、ALSからは俺も何度か顔を見た事のある、恐らく最年長者のオコタンと、初めて見る全身フルアーマー装備で顔も兜で覆われて伺えない、見るからにタンクプレイヤーと言った者だった。

アスナ「来てくれたのね、オズマ君達も―――」

ユッチ「お待たせしましたっす、アスナさん!アスナさんからのお願いとあれば、断わるわけなんて無いじゃないっすか!!」

アスナが俺達が訪れたのを見て、声を掛けて挨拶をしてくるが、ユッチが早速、気を良くしてアスナの前に飛び出て、そう言っていた。
そんなユッチを見て、アスナは半笑いを浮かべて―――

アスナ「あ、え、ええ……ユ、ユッチ君も来てくれて、あ、ありがとうね」

ユッチ「はい!一緒に頑張りましょうアスナさん!!」

アスナが見るからに困り気味の様子でそう言うと、ユッチは更に舞い上がった様子でアスナの手を握っていた。
そんなやり取りを、豪快な笑い声をあげながら見ていたのはエギルだった。

エギル「さて、そっちの新顔のねーさんが、オズマの言ってた新しい知り合いか?」

俺「ああ、先に伝えてた通りだ。腕は立つし、ALSにもDKBにもほとんど知られてない中立の立場だから打って付けと思ってな」

俺がエギルにそう説明すると、エルダは堂々とした、凛とした表情で俺の前に出て、エギルの顔を見上げる。
その威風堂々とした姿にエギルも僅かに驚いたようで「おっ」と小さな声を上げていた。

エルダ「始めましてエギルさん。私はエルダよ。―――こんな形でも初めての共闘だけど、よろしくね。」

凛々しい顔で、最大限の笑顔を見せたエルダは、細い白腕を前に差し出して握手を求めると、エギルも歯を見せて、迫力感のある笑顔で握手に応じていた。

アスナ「へぇ~、エルダさんも細剣使いなのね―――あ、私アスナって言います。今日は来てくれてありがとう」

エルダ「アスナさんね、噂通り―――レイナに負けず劣らずの美人なのね。しかもアタシと同じ細剣使いなら、学ぶことは色々とありそうじゃない」

同じ細剣使い、同じ女性プレイヤーであるアスナとエルダは、初対面で互いに何か通じ合うものでもあったのか。
エギルの時以上に力強さを感じさせる握手を交わしていた。

ユッチ「いやぁ……眼福っすねオズマさん。美貌の少女剣士二人が揃って手を組む瞬間っすよ~」

俺「そりゃよかったな、この光景を忘れないようにしっかりと目に焼き付けとけよ」

ユッチ「はいっ!未来永劫に僕の美しい思い出にするっす!!」

レイナ「……オズマ、キリトがもう一人を連れてきたみたいよ」

俺「あ、ようやく来やがったか」

眼から感激の涙を流しながらアスナとエルダを眺めているユッチは取りあえず置いておいて、俺達を呼び出した張本人の方を見てみると、そのキリトの隣に付いてきていたのは、俺達にとってはある良い因縁の深い相手だった。

ネズハ「あ、皆さん……どうもです」

ユッチ「ああ―――――――さ、詐欺師野郎!!」

レイナ「……今は、詐欺師じゃないわ」

キリトが連れてきたプレイヤー、元詐欺師のネズハを見た途端に、さっきまで号泣していたユッチが、本人を目の前に詐欺師と叫びながら驚き飛び上がっていた。

ネズハは、俺達に対して数度、ペコペコを頭を下げた後、アスナ達の方に挨拶をしに行っていた。そして、キリトは俺やシヴァタ達に声を掛けてくる。

キリト「遅くなって……」

ハフナー「おう、ブラッキーさんよ」

キリトは恐らく、悪かったとか言おうとしたのだろうが、言い終える前に、DKBサブリーダーのハフナーが、勢いよくキリトのコートの首裾を掴み引き寄せていた。

ハフナー「お前、今回の件にいっこでもウソがあったらぶっ飛ばすからな」

ハフナーがドスの利いた声で囁くと、それに便乗するように、ユッチが得意気な表情でしゃしゃり出る。

ユッチ「そーだ、そーだ!こんなところに呼び出して、実は裏で僕らまで出し抜こうなんて考えてやがったら、どうなるかわかってんだろーな!!」

レイナ「……圏内では犯罪防止コードで阻まれるし、圏外でそれをやったら、オレンジカラーになるわよ」

ハフナーの冗談(それにしては、真に迫った迫力だが)に対して、真面目に律義な警告を口にするレイナを見て、シヴァタは苦笑いをしながらハフナーの肩を掴み、後ろに引き戻しながら言った。

シヴァタ「ハフ、今回は白俺達サイドから出たネタだ。キリトが提供したのはギルドフラックの話だけで、それが嘘だとは思えない。そんな嘘を吐いても、こいつには何のメリットも無いからな」

ハフナー「……まあ、それはそうかもだけどよ。けど、ならどうしてこいつがそんなヤバい作戦を計画するんだよ?ALSがそのフラッグとやらをゲットするのを防いでくれる理由が、こいつにあるのか?


キリト「ちょっと待った」

今度はキリトが右手を挙げて、話に割り込んだ。

キリト「言っておくけど、この作戦は、ALSのギルドフラッグ入手を妨害する事だけが目的じゃないぞ。ドロップしたフラッグは、DKBにも渡すわけにはいかない。どっちか一方が入手したら、もう一方のギルドは崩壊しちゃうかもしれないからな」

俺「ああ、その辺りの懸念は当然だろうな。そんな事になったらこのゲームの攻略に大幅な支障が出るのも目に見えてる」

キリト「そうなんだ……攻略ギルドが二つになっている以上、片方が崩壊する事は、そのまま攻略集団の戦力が半減するも同様なんだ」

ハフナーもそこでようやく、しかめっ面をしながらも黙り込むようになった。そして、今度はキリトが質問をする。

キリト「ハフナーさんこそ、この作戦に参加しても良いのか?手伝ってくれるのは凄く有難いんだけど、サブリーダーのあんたが、ある意味じゃギルドを裏切ることになるんだぞ」

と言われると、ハフナーは長い金髪をかき上げて、唸る声で答えた。

ハフナー「そりゃ俺だって不本意だけど、攻略が第一だからな……。このクソゲーをクリアするには、DKBもALSも、両方必要なんだ。ギルドとリンドさんを裏切ることになっても、下の層に解放されるのを待ってる何千人を裏切るわけにはいかねー。あんたらもそう思ったからこそ、ここに来たんだろ」

どうやら、DKBのサブリーダーは意外と柔軟な考え方をしているようだった。そして、そんなハフナーの最後の一言は、2人のALSメンバーに向けた言葉だった。

背中にハルバートを背負った、この中では誰よりも年上だろう30代に見える男、ALSのオコタンだった。

オコタン「まあ、そう言う事です。ALSの抜け駆け攻略作戦は、一部の強硬派が幹部たちの不安を煽りまくった結果の、暴走みたいなもんだ。キバオウさんもそれは理解してるけど、ギルドが割れるのを防ぐ為に、作戦を承認せざるを得なかった。しかし、仮にギルドフラッグを入手できても、それでDKBとのただでさえ危うい信頼関係が完全に崩れたら何の意味も無い」

そして、オコタンは改めて、自分の名前を名乗り自己紹介、そして自身の役目がリクルート犯の班長である事と、隣のALSのフルアーマープレイヤーである『リーテン』をスカウトした張本人である事を伝えた。 
 

 
後書き
またまた中途半端なところに終わってしまいました…… 
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