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ソードアート・オンライン~遊戯黙示録~

作者:マローン
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FILE22 第5層開始!親睦会と忘年会?

西暦2022年12月28日。アインクラッドの第五層が解放された翌日の早朝であった。全プレイヤーがガチャモンとモックによって強制的にプレゼントされていた、ガチャパットが強制的にオブジェクト化されると同時に、映像が流れ、それは唐突に始まった! by立木ナレ



くっちゃうぞ くっちゃうぞ

いたずらするこは くっちゃうぞ

バターたっぷり ぬりつけて

おさとうパラパラ ふりかけて

おおきなおおきな くちあけて

たべるこどのこ どのこにしようか

ジャンケンポンよ

かったらたべろ まけたらにげろ♪


くっちゃうぞ くっちゃうぞ

おなべでゆでて くっちゃうぞ

あたまのほうから なげこんで

まだかなグラグラ グッツグツ

おいしいスープの できあがり

たべるこどのこ どのこにしようか

ジャンケンポンよ

かったらたべろ まけたらにげろ♪


くっちゃうぞ くっちゃうぞ

ねむってるまに くっちゃうぞ

おもちゃだいじに しないこは

こわれたじどうしゃ きしゃかいじゅう

しかえしやってくる ゆめのなか

たべるこどのこ どのこにしようか

ジャンケンポンよ

かったらたべろ まけたらにげろ♪


ジャンケンポンよ

かったらたべろ まけたらにげろ♪


リリース 1975年4月
歌    ガチャモン




ガチャパットから流れるガチャモンの不快な歌を、アインクラッド中のプレイヤー達は朝から聞かされる羽目になった。
ガチャパットに映るガチャモンはマイクを握り、一通り歌い終えるとまるで、やり切ったと言ったばかりに深い息をついていた。

ガチャモン「ふぅ~、久しぶりにこの歌うたってみたんだけどさ、ど~だったかな、僕のスペシャルサプライズ?」

モック「素晴らしいじゃないですかガチャモ~ン!既に50年近くも前の歌ですけど、いやぁ~―――まさに色褪せぬ名曲と言う奴ですなぁ~」

ガチャモン「くすす、モックたら美味いこと言っちゃって♪―――そんなこと言っても大したものは出ないんだからね~」

と、ガチャモンは上機嫌でそう言いながら、懐から黄金の塊を取り出して、それをモックに手渡していた。

モック「おおお――――――!!こ、この金塊は凄い!30万コル相当の価値があるじゃないですか―――――!!よっ、流石はガチャモン先生!アンタが大統領!」

そんな、しょうも無い子芝居を見続ける――見せられ続けるプレイヤー達の苛立ちは当然溜まり、朝食を食べながら、これを見ている食堂のプレイヤー達からの感想はこんな感じだった。

「いい加減に止めろ!鬱陶しいだけじゃねーか!」

「しらねーよ、そんな昔の歌!どーせぱくりなんだろ?」

「朝からうぜーったらありゃしねぇ……」

ものの見事見事に不評なのは当然だった。そこにいるプレイヤー達からは大ブーイングの嵐となり、本来ならのどかな朝食の場である食堂が、ガチャモンとモックに対する罵声、罵倒の言葉で埋め尽くされていた。
が、そんなプレイヤー達の不評に構う事なく、ガチャパットに映るガチャモンとモックは上機嫌のまま勝手に話を続けるのだった。

ガチャモン「さてと、気分上々になってきたところで、さらに追加のスペシャル発表で~す」

その言葉を聞いた途端に、食堂は急に静まり返っていた。

俺「いったい何を始めやがるんだ……?」

レイナ「…………」

俺とレイナも食事を食べるのを一旦止めて、ガチャパットの映像に見入る事になる。奴らの言うスペシャルな発表などと聞かされれば、一体どんなろくでもない事をおっぱじめるのかと、誰もが不安に駆られるのも無理はないだろう。

モック「スペシャルな発表ですか?一体全体、それはなんなんですかね~?」

ガチャモン「はい、本日、12月28日の午後の8時より。プレイヤーの皆との親睦会を兼ねた……忘年会を始めちゃいたいとおもいま―――す!」

ガチャモンが大々的にそう発表したと同時に、ガチャパットの背景は、カラフルな虹色の輝き始めるが。それを見て、わー、きゃーと叫ぶプレイヤーは無論皆無だった。

モック「おお、忘年会ですかガチャモ~ン?いや~、思い返せば2022年も何かと色々とあった年でしたな~」

ガチャモン「はい、プレイヤーの皆とはね、今年一年を振り返りつつ、皆との親睦を深める為にも、今日の午後の8時に全員一斉に僕たちの部屋にご招待しま~す」

それは、恐らく―――このゲームが始まって一週間後に、奴らが初めて俺達を強制邸に呼び出し、奴らが初めて俺達の前に姿を見せたあの体育館のような場所の事を言っているのかもしれない。

モック「はい、皆さん解りましたか?今日の午後の8時ですよ、8時!あ、それ~、も~、い~くつね~ると~、お正月ぅ~」

モックが歌っている最中に、ガチャパットの映像はそこで途切れたのだった。

俺「ったく、一方的な呼び出しとか、迷惑でしかねーよ……」

俺がウンザリ君にそう愚痴っているのと同様に、食堂にいるプレイヤー達も、親睦会だとか、歓迎会だとか、そんなのを真に受けてはしゃいでいる者などおらず、むしろ奴らはいったい自分達を呼び出して何を始めるつもりなのか?

そんな、不安に覆われ重苦しい空気になっていた―――

ユッチ「お、オズマさ――ん!!た、大変っす、大変っすぅ―――!い、今……ガチャパットの映像でアイツらが――――」

俺「知ってるっつーの。いかにも、ガチャパットでようやく起きたばっかりなお前と違って、最初から起きて聞いてたんだよこっちは」

重苦しい空気の食堂に、どたばたと騒々しく駆け込んできたのは、第二層で俺とレイナと出会って以降、どう言うわけか何度も何度も俺達に声を掛けて来たり、街で接触して来たりするユッチだった。

その目的は、ユッチも全く包み隠すことなくこう言った。

『キバオウさんのアインクラッド解放隊、リンドさんのドラゴンフリゲーツナイト、その二大攻略ギルドに次ぐ、第三の攻略ギルドをオズマさんをリーダーにして結成したいんっすよ~』

そんな感じで、このユッチは第二層のクリア以降も、幾度も俺にギルドの結成の話を持ち掛け続けていたわけだった。
俺としても、これから攻略を続けるに当たり、大小さまざまな攻略集団が現れる中で、何時までもどの集団に属さずにいる事で、集団の中での発言力とか、一定の地位などが保てなくなる可能性も考えているので、何れはどこかしらの集団に属するべきだとは考えているが、かと言って自分からギルドを結成して、自分がリーダーとしてまとめるのは―――正直少しばかし面倒だと思ってるので、中々気が進まないのだった。

レイナ「……どちらにしても、8時になるまでは、彼らの介入は無いと見て考えて良いはずだから。その間に狩りやクエスト、迷宮区の攻略、やれる事をやるべきよ」

ユッチ「さ、流石はレイナさんっす……あの連中が何をしてきやがるのか分からないってのに、堂々としてるっすね~」

レイナ「……ただ、論理的に思考して、理に適った行動を提案しただけ」

とは言え、レイナの言う通り。奴らの呼び出しはどうせ全員参加の強制招集。時間になったら否応なく、呼び出される事はもうわかり切っているので、ならばそれまでの時間は有効的に使うと言うレイナの意見は最もだった。

俺「それじゃ、今日は第5層のモンスター達のお披露目もかねて、狩りに出るとするか―――前に習得した例のスキルの練習台にも丁度良いかもしれないしな」

レイナ「……私も、新しいスキルだから、早く使って、慣れた方が良いと思う」

それは、第4層に至っても、体術スキルを未だに取れずに、どうしたもんかと考えていた俺の元に舞い込んできた体術スキルとは別のエクストラスキルの話だった。

エクストラスキルとは、武器スキルにおいて、ただ武器の熟練度、パラメーターを上げただけで出現しないスキルのことであり、何かしらの特定の条件を満たす事で初めて習得可能になるスキルの事だった。

俺が知っている中ではベータテスターのブログでも見た事があり、そして元ベータ―であるキリトが使っている体術スキルがそれに相当したのだったが。

俺は第4層で、体術スキルとは別のエクストラスキル習得のクエストを発見し、それを会得するに至っていた。
また、体術スキルの方だが、最近になってようやく習得方法が近日公開されるのでは?――とか言う噂が囁かれており、もうそうなった場合は、レイナに体術スキルを習得させてみようと俺は考えていた。

なぜ、体術スキルは俺ではなくレイナなのかについては―――ここでは割愛しよう。



そして、アインクラッド中のプレイヤー達が、不安、恐怖、怒り、あらゆる感情を感じながらついに、西暦2022年の12月28日の午後8時を迎える!!
その瞬間、全てのプレイヤー達は白い光に包まれ、瞬く間に第一層の時と同様に、一斉に転移させられるのであった!! by立木ナレ




ユッチ「あ~もう!またこんなところに~……」

ガチャモンとモックの根城である体育館に転移させられた直後に、ユッチが頭を抱えて、怯えを感じさせる声でそう呟いていた。

俺「さて、今度はいったい何をおっぱじめる気だ?」

奴らは親睦会だとか忘年会だとか言ってやがったが、そんな言葉をそのまま鵜呑みにするわけがない。すると、頭を抱えて震えていたユッチが恐怖に震えた声を弾き出すように、叫んだ。

ユッチ「やっぱり嫌だぁ!ぼ、僕は逃げるっす!こんなところにいられるか――――!!」

レイナ「……どこに逃げるの?」

俺「多分この場所は、ガチャモンとモックに転移させられない限り入る事も出る事も出来ない場所なんだろうな」

つまり、俺達がここから出られるのは、ガチャモンとモックの悪ふざけが終わり、奴らが自発的に俺達をここから転移させる時だった。

そして、プレイヤー達が未だに現れないガチャモンとモックに対する苛立ちの声を発し始める。

「おい、こんなところに勝手に呼び出して何時まで待たせるんだ!」

「ワイらはおどれらと違って、暇やあらへんのやで!」

「もー、最悪!今日は大事な商談の予定だったのにどうしてくれるのよ!?」

―――と、そんな時だった。体育館のステージの上に、バカ丸出しの―――某バカ殿様の様なコスプレをしたガチャモンとモックが現れたのは。

モック「いやぁ~、いやいやいや!素晴らしいじゃないですか~。何と全員出席!欠席者ゼロ!やりましたなガチャモ~ン」

ガチャモン「うんうん、僕は嬉しいよ、みんな。なんだかんだで文句言ってる皆だけどさ、ちゃ~んと僕たちの呼びかけには集まってくれるんだからさ~」

よくもまぁ、ぬけぬけと言いやがるもんだな。お前らが勝手に俺達を強制転移で呼び出した癖に。いうまでも無く、ガチャモンとモックに対してプレイヤー達の白い視線が一斉に向けられていた。

ユッチ「一体何なんだよぉ!?もー、お前らと一緒の場所なんてうんざりだぁ!」

そして―――ユッチのそんな、泣きかけの喚き声を皮切りに、プレイヤー達の怒声が弾ける。

「なにが忘年会だテメーら!こっちはオメーらなんぞに用はねぇ―――!」

「ふざけてんのか!?今度はいったい何をしようってんだ!!」

「あんた達は何者なのよ!?いったい何様なのよ!!」

ガチャモンとモックは、プレイヤー達の罵声を浴びせられながらも、愉快そうな態度を崩さず、ガチャモンは急に自分の顔を両手で隠していた。

俺「なにしてやがるんだ……」

ユッチ「もう……いやだ、か、帰りたいっす―――」

相変わらず自分の頭を抑えつつ、ガタガタと恐怖に震えるユッチを尻目に、俺達はガチャモンに対して一斉に視線を向けていた。

そして、ガチャモンは――――

ガチャモン「いない、いない―――」

そう言った直後、ステージの上のガチャモンの姿が―――消えたのだった。一体ガチャモンは何処に消えた?
俺を含めたプレイヤー達が周囲を見渡していた時だった。

ガチャモン「ばぁ―――――!!」

相変わらず姿は見えないままだったが、そんなガチャモンの叫び声が部屋に響き渡っていた。

「うおわぁっ!?」

「だ、大丈夫かクライン!?」

どこかで、そんなプレイヤー達の声が聞こえてきた。

ガチャモン「やーい、やーい!ビビってるビビってる~!」

俺「阿保くせぇ……」

どうやら、ガチャモンは特定のプレイヤーの目の前に転移した直後に、顔を近づけて、そのプレイヤーを驚かせてはしゃいでいるようだった。

これが、奴らの言っていた親睦会か?忘年会か?んなわけあるか――――むしろプレイヤー達からは更に疎まれるだろうし、これでスッキリした気分で新年を迎えろとか、バカも休み休み言え。

ガチャモン「あ、それ!いないいない……バァ――――!!」

キバオウ「おわぁっ!な、なに晒すんじゃおんどれぇ!」

ガチャモン「はい、怒らない怒らない!これはいないいない、バァ―なんだからさ」

どうやら、二度目のターゲットになったのはキバオウのようだった。この濁声と喋り方は、本当に分かり易いもんだな。

ガチャモン「まだまだいっくよ~!いないいない――――」

ユッチ「ひぃっ!?」

俺「ビビるには早いぞ……」

ガチャモンが『いないいない』と言っただけでユッチは短い悲鳴を上げながら、目を閉じていた。だが、未だに8千人近いプレイヤーがいるこの場で、ユッチの目の前に出現する可能性はかなり低く、案の定ガチャモンが目の前に出現した相手はユッチでも、俺でも、レイナでもなかった。

ガチャモン「バァァ――――――――ッ!!」

女性「キャァ――――!!」

悲鳴からして、ガチャモンは女性はプレイヤーの目の前に出現して、盛大に驚かせたようだった。全くこんな、馬鹿馬鹿しい事が何時まで続くんだよ――――

ドンッ!

そんな鈍い音が、俺達の耳にまで聞こえてきたのはその時だった。俺達には音しか聞こえてなかったので、一体何が起きたのかはその時は分からない。

だが―――

「あ、アンタ、なんっつーことを!?」

女性「あ、ち、違う……い、今のはワザとじゃなくって――――だ、だって!こ、こいつが私を驚かすから!!」

ユッチ「え、ええ?な、なにが起きてるんっすか!?」

只ならぬ騒ぎ声を聞いた、ユッチがアタフタと狼狽え始めていた。だが、その騒ぎからして俺は―――おそらく、隣のレイナも何が起きたのかを察する。

俺「突き飛ばしちまったんだ……ガチャモンに驚かされて、その拍子に、な」

レイナ「……だったら、その女性プレイヤーはこれから―――」

レイナがその先の言葉を口にする前に、ガチャモンの威圧感を帯びた声が、他のプレイヤーが何かを言う前に、ボス部屋一体を包む。

ガチャモン「あ~あ……やってくれちゃったねお姉さん」

モック「あらま~、せっかくの忘年会で親睦会だったのに―――」

ガチャモン&モック「「残念ながら、公開処刑の決定でぇ―ス!!」」

女性「いやいやいやいやいや!!嫌ぁ――――!止めて止めてやめてぇ――――――!!」



死を間近に控えた女性プレイヤーの恐怖の叫び声が、部屋中に木霊す。だが、もはや彼女の運命を変える事は誰にも不可能!ガチャモンとモックの残忍極まりない公開処刑―――開始!! by立木ナレ 
 

 
後書き
冒頭のガチャモンの歌は、元ネタのキャラがかつて1975年に歌って、短期間で保護者からのクレーム殺到で、中止になった名曲です^v^ 
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