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虫でも好き

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第二章

「トッケイ、トッケイって鳴くからこの名前になったの」
「そうなの」
「そんな生きものもいるの」
「それでその生きもののぬいぐるみもなの」
「買ったの」
「そうなの、これがまたいいのよ」
 まさにという陽菜子だった。
「可愛くてね」
「ヤモリ可愛いの」
「そうかしら」
「ヤモリも気持ち悪くない?」
「ちょっとね」
「そうかしら。ああした生きものがね」
 陽菜子は自分の言葉にいぶかしむ友人達に自分の趣味から話した。
「いいと思うけれど」
「虫とかは駄目でも」
「そうした生きものはいいのね」
「まあそこはね」
「人それぞれっていうけれど」
「陽菜子ちゃんもそういうことかしらね」
 友人達は陽菜子の言葉を聞いてこう考えた、だがある日のことだった。
 陽菜子は自分からだ、クラスで友人達に笑ってこんなことを言った。その言ったことはどういったものかというと。
「昨日水族館の動画観たのよ」
「ネットで?」
「そうしたの」
「ちょっとヤモリとかを観ていたら」
 そうした生きものの動画をというのだ。
「水族館の動画もあったから」
「ああ、ユーチューブとかにあるわね」
「あそこ関連動画も画面の右に出るからね」
「そこに水族館の動画もあって」
「それで観たのね」
「そうなの、それで観たけれど」
 水族館の動画をというのだ。
「いやあ、ダイオウグソクムシって面白いわね」
「えっ!?」
 友人達は陽菜子の今の言葉に思わず全員こう声をあげた。
 そしてだ、陽菜子に次の瞬間一斉に尋ねた。
「あんた今何言ったのよ」
「ダイオウグソクムシがいいって?」
「今そう言ったわよね」
「聞き間違いじゃないわよね」
「言ったわよ、深海生物の動画だったけれど」
 その動画で観てというのだ。
「面白い生きものね、可愛いし」
「いや、あれ虫じゃない」
「生物学的には虫じゃないけれど」
 虫即ち昆虫は頭、胸、腹に身体が三つ分かれていて足が六本ある生物だ、これから外れる生物は昆虫ではないのだ。
 ダイオウグソクムシは足がかなり多い、誰がどう見ても昆虫ではない。だから友人達もそれはと言うのだ。
「けれどね」
「あれも似た様なものじゃない」
「ダンゴムシそっくりだし」
「というか深海にいるダンゴムシ?」
「そのままよね」
「そうよね」
「それであの生きものはいいって」
 それはというのだ。 
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