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得意料理は何か

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第一章

               得意料理は何か
 土居ちゃんはフリーター兼ダンサーだ、自分が言うには職業はダンサーだが今はそちらの収入はかなり少ない。
 それでフリーター、アルバイトをして生計を立てている。今彼はコンビニの店員をして安アパートに住んでいるが。
 その土居ちゃんにだ、友人達は笑って誘いをかけた。
「今度パーティーしないか?」
「皆でな」
「それぞれ酒とか食いもの買って」
「楽しくやろうぜ」
「そうだな、たまにはな」
 土居ちゃんも友人達の誘いに笑って応えた。
「そういうのもいいな」
「誰かの部屋に集まって」
「それで飲んで食って騒いで」
「そうするか」
「麻雀なりトランプなり出してな」
「ああ、俺麻雀は知らないぜ」
 土居ちゃんは笑ってこちらはと断った。
「ポーカーなら知ってるけれどな」
「ああ、土居ちゃん麻雀駄目か」
「麻雀は知らないか」
「そうなんだな」
「あれはな、まあ飲んで食っては好きだしな」
 土居ちゃんにしてもだった。
「楽しくやろうぜ、ただな」
「ただ?」
「どうしたんだ、ただって」
「何かあるのかい?」
「いや、酒はめいめい好きに買ってな」
 そちらはそれでいいとした。
「ただ食いものはな」
「それも適当に買おうぜ」
「スナック菓子なりつまみなりな」
「まあ適当でいいだろ」
「そっちもな」
「それでいいか?まあ適当でいいか」
 男だけが集まるパーティー、言うなら飲み会だ。それならもう何でもいいかと土居ちゃんも思った。それでだった。
 全員酒も食いものも適当に買って仲間の一人の部屋に集まって夕方から飲みはじめた、土居ちゃんもこの日はアルバイトがなく夕方から楽しんだ。
 もう夜の八時には皆出来上がっていた、だが食いものがあった。
「あれっ、もうないな」
「柿の種もフライドポレトもないな」
「惣菜も全部ないぜ」
「皆食っちまったな」
 気付けばそうなっていた。
「結構買った筈なのにな」
「皆相当食ったな」
「じゃあ何か買いに行くか」
「近所のコンビニ行ってな」
 都会は何処でも少し歩けばコンビニがある、それでそうしようと思ったがここで部屋の主が仲間達に言った。
「冷蔵庫に食いものあったぜ、台所にもな」
「何あったんだ?」
「何があったんだ?」
「ベーコンにな」
 部屋の主は冷蔵庫の中を見てまずそれがあると言った。
「生クリームに大蒜、卵にチーズだな」
「オムレツか?」
「オムレツ作られるか?」
「卵あるしな」
「チーズ入れてな、オムレツに」
「そうしたら美味いよな」
「おい、卵そんなにないぞ」
 部屋の主は友人達にこう返した。 
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