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麗しのヴァンパイア

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第六十一話

               第六十一話  中華料理と赤ワイン
 カーミラは女子大生達と共に席に座った、そして優雅な仕草で自分達のところに来た店員達に対して言った。
「麺は海鮮麺をお願いするわ」
「そちらをですね」
「貴女達はどうするのかしら」
 二人にも顔を向けて問うた。
「料理は」
「はい、私も海鮮麺を」
「私もです」
 二人はカーミラの言葉にまるで人形の様に答えた、二人共目には感情がある。実は二人共海鮮麺が好きなのだ。
「そちらを」
「そうします」
「わかったわ、そしてね」
 カーミラはまた店員に言った。
「炒飯も三つ、飲茶もお願いするわ」
「飲茶もですね」
「ええ、注文させてもらうわ」
 こちらもというのだ。
「海老蒸し餃子、焼売、小龍包、韮餅、ピータンもね」
「それ等もですね」
「デザートは後で頼むわ。そしてね」
 さらに言うカーミラだった。
「お酒はボトルで。赤ワインをお願いするわ」
「赤ワイン!?」
 ここで二人が言ってきた、今は目にも感情があった。
「中華料理に赤ワインですか」
「そちらのお酒ですか」
「これが美味しいのよ」
 カーミラは二人に今度はその目を見ずに答えた。
「是非楽しんでみて」
「わかりました」
「それでは」
 二人も頷いた、そしてだった。
 二人も赤ワインをボトルで貰うことにした、カーミラは料理を待ちながら二人に微笑んで話をした。
「中華料理には赤ワイン、和食には白ワインよ」
「その組み合わせがいいんですね」
「そうなんですね」
「そうよ。私はワインが好きなの」
 その優雅な笑みでの言葉だった。
「だからわかるの。そして実際に口にすればわかるわ」
「中華料理を赤ワインで食べると」
「そうすればですね」
「よくわかるわ。楽しみにしていてね」
 こうした話をしつつ料理を待った、そしてだった。
 まずは海鮮麺が来た、そして次にワインが来た。カーミラはそのワインに自らグラスを入れてまずは乾杯をした。
 カーミラはワインを飲んだ、その紅の整った唇でワインを飲みその味が血にも劣らないことに喜びを感じた。


第六十一話   完


                  2018・6・13 
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