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ストライク・ザ・ブラッドー魔剣を従えし者ー

作者:村雲恭夜
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序章

真夏の街___絃神島。
太平洋上に浮かぶ小さな島で、カーボンファイバーと樹脂、金属と魔術によって造られた人工島。
そこに、彼らはため息を付きながら、汗を歩いていた。
「あっつぅ……。流石絃神島…暑すぎて嫌になるぜ…」
黒髪に真夏なのに白いロングコートを着込む彼__【天月斬夜】に、従者の少女が汗を流しながら問いかける。
「主よ…コートを脱げ…見てて暑苦しいわ…」
「だな…着てて暑い…」
斬夜は大人しく脱ぐと、それを肩に掛ける。
「本土はこれ着てても耐えられるのに…」
それもこれも全部野郎が悪いと愚痴をこぼして、歩き続ける。
暫くすると、研究所か何かの施設に足を止め、係員にカードを見せると再び歩いて中に入っていく。
中に入ると、涼しい風が身体を冷やしていき、ほっと一息を入れる。
「今回の任務…どう思うよ、御霊?」
御霊(みたま)と呼ばれた少女は、汗を拭きながら答える。
「第四真祖の監視…じゃな?我は別に不思議とは思わん。何せ存在そのものがそこらの真祖以上の力を持っておるからのぉ…」
そう言うと、御霊は指を鳴らして服装を巫女服に変える。所謂戦闘服だ。
「…まぁそうだけどな。本来の管轄じゃねぇだろ。特に俺らの部署はよ」
改めて懐から取り出した依頼書を見て、疑問を口にする。
「監視と抹殺なら別の機関の管轄だろう。俺らはあまりに場違いだろ」
「知るか。それこそ絃神島支部の連中に聞け」
そう言うと、御霊は荷物を奪い取って先々行ってしまった。
「はぁ…」
ため息を付く斬夜は、御霊とは違う通路を通り、ある部屋の前で止まる。
「…魔剣使い、天月斬夜。現着しました、お目通り願います」
ドアを軽くノックすると、扉が一人でに開いていく。
『入りたまえ』
重厚な声が奥から響き、斬夜はゆっくりと奥に入っていく。
ある程度歩いた所で、重厚な声が部屋に響き渡る。
『急な帰省と、任務の受託を感謝するよ、焔の一番弟子よ』
「…任務って言われたら、帰るしかないでしょう。絃神島支部局長、仙道局長」
斬夜が言葉を発すると、重厚な声はふふふ…と声を放つ。
『嫌われたものだね、私も。…まあ、あれだけの事をしたのだから君が私達を許さないのは理解しているよ。だが、任務とプライベートは分けたまえ。殺気がただ漏れだ』
「……」
斬夜は息を吐いて落ち着くと、重厚な声は話を続ける。
『今回の任務はこの島に現れた第四真祖、「暁古城」の監視が目的だ。抹殺ではなく、だ』
「重々承知してます。俺も御霊も、アイツを抹殺するのは嫌ですから」
斬夜は落ち着いた口調で言うと、重厚な声は優しい声で語り始める。
『我々は本来、この任務の管轄ではない。なので、有給休暇だと思って任務に当たってくれて構わない。衣食住も我々が提供する。…あくまで、監視が優先だ』
「…分かりました。御霊を待たせているので、失礼します」
一礼をすると、斬夜は部屋から出ていく。
『…頑張りたまえ、天月斬夜君。君に鍵の加護があらん事を』
背後に鳴り響く重厚な声を聞き、斬夜は所長室から離れる。
暫く歩いて、外が見える窓のところまで来ると、向かいから御霊が現れる。
「挨拶は済ませたのか?」
「……ついさっき済ませてきたよ。変わってなかった」
それを聞くと、御霊は嫌そうな顔をする。
「であろうな…。我もあやつは嫌いだ」
「意見が合うのはコレで三回目だな」
微笑んで外を見る。
「…久々の帰省がこんな形でなるとはな…おちおち落ち着きもできないか」
「とはいえ、監視だけなら問題はあるまい。我も居るのだ、大船に乗れ」
御霊が肩を叩くと、そのまま所長室に向かっていく。
「…元気にしてっかな…古城…」
ガラスに反射する自分の姿を見ながら、小さく呟いた。 
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