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魔法科高校の劣等生の魔法でISキャラ+etcをおちょくる話

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第百二十五話

「ねーさーん。まどかー。用意できたよー」

逃げたネコはテキパキと夕食の準備をし終え、姉と妹を呼ぶ。

「それで夕飯は何だ?」

「肉じゃが」

「……………………あざとい」

「ぅゆ? 姉さん肉じゃがすきでしょ?」

何言ってるの? と首を傾げる。

「まぁそうだが…」

「たべよ。円香はもうすわってるよ」

妹は席に座り、目をキラキラさせて大皿盛り付けられた肉じゃがを見ていた。

「お兄ちゃんこれおいしそう!」

「ああ、うまいぞ。にく、じゃがいも、たまねぎ、にんじんのパーティーは万能だからな」

ネコと姉が席につく。

「じゃぁ、いただきます」

「「いただきます」」

ネコに続いて姉と妹が合掌する。

「肉じゃが食いたいのはいいけどさきにサラダくってね」

「う…」

「はーい」

姉は少し嫌な顔をし、妹は素直に返事をした。

「姉さん、ビールのむ?」

「いいのか?」

「今日明日くらいはね…」

姉は明後日からドイツへ向かう。

ネコは少しでも姉に好き勝手させてやろうと思っていた。

「好きなだけのんでいいよ。束さんがつくったのが2ケースあるから」

「……大丈夫なんだろうな?」

「さっきためしに一本飲んだけどだいじょうぶだったよ」

「おい」

「だーいじょーぶ。俺はメシアだしきゅーけつきだし。
きほんマタタビいがいで酔っぱらう事はないよ」

マタタビで酔うのはネコが猫を憑けているからだ。

「いや…そうではなくてだな…」

「姉さん。おれたちはメシアだよ?
ニンゲンのほーりつなんててきよーがいのはずじゃない?」

ネコはそんな屁理屈を持ち出した。

「……………………まぁ、いいだろう」

ネコは椅子を立ち、キッチンの冷蔵庫から瓶ビール…<非実在性少女の黄玉>を持ってきた。

「のも?」

ネコはその爪に刃を宿し、瓶を開けた。

姉と自分のグラスにビールを注ぐ。

二人は目を合わせ、グラスを持ち上げた。

「かんぱい」

「乾杯」

姉の方はゴクゴクと、ネコの方はこくこくとビールを煽る。

「っくぅぅ~!」

「ぷはっ………………けほっ」

と二人がビールで乾杯している間妹はというと…

「にくじゃがおいしい…」

サラダを食べ終え肉じゃがをパクついていた。

「所で一夏。束とはどうなんだ?
今日は居ないようだがここに住むことにしたんだろう?」

姉の問にネコは苦笑いを浮かべる。

「どう、っていうか…うん…まぁ…」

「なんだ歯切れが悪いな」

ネコは視線ポインタでISを操作した。

『円香の前ではちゃんとしてるけどときどき…ね』

「なるほど…。例えば?」

『しょにちに円香と束さんと三人でおふろに入ったけどソープ嬢みたいなあらいかたしようとしてたからちょっとしずめた』

「そうか…」

『まぁ…後は円香がいないときゆーわくしてくるかな』

「満更でもないんだろう?」

『うん…まぁ…』

ネコは再び顔を赤くし、姉から視線を反らした。

「悪影響が出ない程度でならいいんじゃないか?
お前もたまってるんだろう?」

「まぁ…」

「帰ってきてからシタのか?」

「いや、シテない」

「……そうか」

二人は顔を紅くして夕食を食べ始めた。







三人は食事を終えると、雑談を始めた。

姉は妹とネコとウサギとサキュバスの事を尋ねる。

ネコは姉がちゃんとした生活を送れているかを尋ねる。

妹はそれを首を傾げながら聞いていた。

話は姉の新生活に関する事になった。

「ドイツでは、色々気を付けてね。
アリスが情報生命体と言えど、吸血鬼クラスになると敵わなくなる。
白騎士、いつでも使えるようにね」

ネコは何よりもまず異形の存在への注意を促した。

なぜなら、ネコ自身が異形に属するからだ。

「その事なんだが一夏」

「なに?」

千冬が導きの指を一夏に見せる。

そこには指輪の跡『だけ』がくっきりと残っている。

「政府に没収された」

「ふぁきんふぁっく…」

ネコはそう呟いた。

「しょうがない…。オリジナルコアに関することだしな…」

ぶつぶつと考えを整理するように呟き続けるネコ。

姉と妹は真剣な顔をするネコを見つめていた。

「よし。きめた」

ネコがその手に装甲を纏った。

腕から先だけ。

蒼…大千本槍の装甲ではなかった。

純銀に輝くソレ。

大千本槍の丸みを帯びたシルエットとは間反対の角ばったフォルム。

装甲にはラインが走っている。

「カンヘル…一夏、完成したのか?」

「いや、もうすこし。今度テストするよ」

ネコは装甲の手を握ったり開いたりする。

「うん…。いけるね。
サイオンセンサーきどう。ロックかいじょ
カンヘルシステムきどう」

ネコの周囲に大量のホロウィンドウが表示される。

数百のホロウィンドウに記される情報は緯度経度、高度、気圧、気温、地名、etc…各コアのモニタリング情報だった。

「セレクト コアナンバーダブルオーワンオー」

一つのウィンドウが拡大される。

「セレクト コアナンバーフィフティ・ダブルオー」

そしてもう一つ。

2つのウィンドウを目の前にして、ネコが一言オーダー。

「スワップ」

ネコの目の前にメーターが表示された。

そのメーターが100%を示し…

「終了…コール コアナンバーダブルオーワンオー、来い」

ネコの装甲を纏っていない方の手に、光が生まれる。

その光は次第に形をハッキリとさせていく。

光が収まった時、ネコの手の上にあったのは、指輪だった。

「はい。姉さん。コアナンバーダブルオーワンオー〔アリス〕」

ネコは装甲を仕舞い、姉に指輪を手渡す。

「何でもアリか」

「何でもアリだよ」

姉は指輪を受け取らなかった。

「姉さん?」

「………お前がつけてくれ」

姉はネコに右手を差し出した。

「ふふ…姉さんもおとめだね」

「うるさい…いいじゃないか」

プイッと顔をそむける姉の姿にネコはクスリと笑った。

「右手のひとさしゆび。みらいを指す指。
みちびきのゆび」

ネコはそう唱えながら、姉の指にリングをはめた。

「ねがわくば、汝にたちはだかる全てを、この指輪がはねのけんことを」

姉とネコは目を合わせ、顔を紅くしながら互いに微笑んだ。

「これがプロポーズ…?」

「「違うっ!」」

空気にされた腹いせのような妹の呟きに、ネコと姉は声を揃えて否定する。

でも二人の声は照れ隠しであるのは妹には筒抜けで…。

姉の声には少しだけ寂しさが混じっていた。
 
 

 
後書き
忘れてる人へ。
ナイト・オブ・トレイター(以下KoT)
純銀のシナンジュ・スタイン。大型化した背部スラスターにGNドライヴが四期。
一夏が最初に組み上げたIS。

大千本槍
青いガーベラテトラ。
しかしフレームはKoTと同様の物。
背部、腰部、両肩部にGNドライヴ。

カンヘル
純銀のユニコーン。
角は龍の意匠。
4基のGNドライヴを持つ。
フレームはKoTから受け継いでいる。
一夏が本当に造りたかったやつ。でも未完成。
近日公開。 
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