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ソードアート・オンライン~遊戯黙示録~

作者:マローン
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アインクラッド編
  FILE1 息苦しい現実から自由な仮想へ

 
前書き
ど~も、マローンです。

本作は更新速度至上主義なので、話の内容的には微妙かも知れませんが、どうか生暖かい目で見守ってくださいませ。 

 
解き放たれたい……この行き詰った世界から!!by立木ナレーション(以下立木ナレ)


※ ※ ※


俺「相変わらず、何時も変わらないなこの山谷は」

俺、小田桐弭間(おだぎりはずま)は地元である東京都台東区山谷の駅のホームから出て、そう呟いていた。俺が生まれてから14年間を過ごしているこの山谷は大阪のあいりん地区、神奈川県横浜市の寿町と並ぶ日本三大ドヤ街として知られている。

町の至る所には一泊2000円前後の安宿が並び、住人の3人~4人が生活保護受給者で、それ以外の連中も日雇い労働者だったり、ホームレスや浮浪者だったり、そんな社会の底辺、はみ出し者達が集う町だった。

俺は買ったばかりのゲームを手に、日本堤の自宅アパートに戻った。

このアパートの一室で暮らしているのは俺の他には祖父と父、ワンルーム10.5畳で家賃6万円の部屋で男三世代の三人暮らしと言う、誰も望まない生活を送っていた。

恭史郎「弭間!オメー朝からどこ行ってやがった?酒が切れたから買いに行かせようと思ってたってのに、肝心な時にいねーじゃねーか!」

帰るなり、汚い声で喚き散らしてきたのは俺の祖父の小田桐恭史郎(おだぎりきょうしろう)だった。名義上はこの部屋の名義人であるが、俺が生まれる前から生活保護で暮らしている男で、毎月精々12万円そこそこ支給される保護費をこの爺さんは酒、煙草、博奕、そしてついに一度のデリヘル嬢に費やすような老人だった。

俺「あんたにそうやって面倒な事頼まれねーように出かけてたんだよ、つうか、未成年に酒を買わせようとするな」

恭史郎「生意気言ってんじゃねー!未成年で酒飲んで、自分で買いに行ってる奴が言う台詞か!」

まぁ、実際に俺も酒は飲むし、タバコも吸うけどな。実際に俺は今も、帰って早々にタバコを一本加えて、部屋にあるライターを使って火を付けて一服していた。

時生「おい、弭間。そのタバコ、今日で4本目とかじゃねーよな?」

俺「まだ2本目だよ、アンタの言い付け守って一日に3本までで我慢してやってんだよ。それと酒も一日に一本までだしな」

今となっては一般家庭では滅多に見なくなったスーパーファミコンのRPGゲームをやっている俺の父の小田桐時生(おだぎりときお)に対して俺はめんどくさそうに答えておいた。

この俺の親父である小田桐時生は生まれてこの方、定職に就いたことが無いらしく、賭け麻雀などで生計を立てている、所謂、雀ゴロもどきと言う奴だった。
それでも年収は辛うじて200万円強で、一応はこの小田桐家では一番の稼ぎ頭となっている。

と言っても、20代のフリーターと大差ないと言われればそれまでだがな。

そして……この小田桐弭間自身も、小学校を卒業して以降は、地元である山谷の日雇いの仕事を気が向いた時にやったりして、生活費を月に取りあえず10万円ほど得て過ごす生活であった!本来であれば……14歳の弭間が仕事に就く事は出来ないわけなのだが……この山谷では日雇い労働者に対する身元確認、年齢確認などが極めて雑である為、弭間の様に年齢を誤魔化して働く少年は弭間だけではなかった!by立木ナレ

俺「そろそろ正式サービス開始時間か、ついに始まるんだな」

俺は自分のプリペイド式のスマホに表示された時刻を確認してそう呟いた。

2022年11月6日。今日は世界初のVRMMORPGである《ソードアート・オンライン》の正式サービス開始日だった。
フルダイブ型のゲーム機であるナーヴギアを頭に被り、ログインする事でプレイヤーの意識は現実世界から切り離されて、ゲームの中、つまり仮想空間にフルダイブする事が出来る。
俺も手に入れる事が出来た、このソードアート・オンライン、通称SAOの初期出荷数は1万本だったが、それより以前にベータテストが行われており、それに当選したのは僅か1000人で俺も僅かな希望を託して応募してみたが、その希望は呆気なく消え去り、俺はβテスト期間中は気を紛らわすように、めでたくベータテストに当選したテスターが更新しているSAOのブログを眺めて過ごす日々を送っていた。

恭史郎「だー!隣の倉崎の野郎うるせー!何、騒いでやがるんだあの寄生虫野郎!」

小田桐家の隣人である男が部屋から思いっきり漏れる声で騒いているのは俺の耳にも聞こえた、たまらず爺さんが部屋を出て、負けず劣らずやかましく汚い声を張り上げる。

恭史郎「うるせーぞ倉崎ぃ!なにさっきからゲラゲラ喚いてやがるんだ馬鹿垂れ!生ポの爺に寄生してやがる虫けらがぁ!」

倉崎「黙れ生ポ爺鬱陶しい!俺が知らねぇとでも思ってんのか!?テメーが生活保護でデリヘル呼んでるって事くらいお見通しなんだよ!役所にチクるぞテメー!」

恭史郎「上等だコノヤロー!その前にテメェの首根っこ掴んで窒息死させて、東京湾に沈めてやろうじゃねーか!」

時生「おめーら、あんまり騒ぐなっての。ゲームの音が聞こえねーじゃねーか」

全く、飽きもせず毎日毎日大声で喧嘩するのが好きな大人達だ。だが、このやかましい雑音もフルダイブしてしまえば一切聞こえなくなる。
全ての感覚がゲーム世界へと送り込まれるから、現実世界の俺の身体は眠った状態になる。

俺「まさに、現実から解放される瞬間だな……」

フルダイブ型のゲームはSAOが初めてではないが、どれもしょぼいゲームばかりでうんざりしてたところだったが、このSAOは実際にプレイするまでも無く、これまでのゲームにない衝撃を俺に与えてくれるはずだと俺は確信していた。

そして、ついに正式サービス開始時刻の午後1時が訪れる!弭間はナーヴギアを頭に被り『リンク・スタート』と発音すると、その瞬間に彼の意識は現実世界から切り離されて、視覚、聴覚、全ての感覚はゲーム世界へと解き放たれる!小田桐弭間はSAO世界にて、プレイヤーネーム《オズマ》として降り立つのであった!!by立木ナレ


※ ※ ※


俺「そろそろレベルアップも近いなっと!」

俺は鼻息を荒く立てて、突進してくるイノシシ型のモンスターの《ブレンジ―ボア》をソードスキルの片手直剣ソードスキルの《スラント》で斬り倒して、そう呟いた。
フルダイブした直後にゲーム開始時点にすべてのプレイヤーが配置される《始まりの街》に降り立った俺は、まずは(コル)と経験値を稼ぐべく、初期コルで数本のポーションだけをNPCショップで購入し、即座に街を出てフィールドでの狩りを開始していた。
始まりの街の周辺フィールドに出現するモンスターは初期装備でもやり方さえ間違えなければ、単独でも倒せる相手ばかりで、俺はログインしてから数時間の間に片っ端から出現してくるモンスターを倒し続けていた。

ソードスキルとは、魔法が存在しないSAOに設定された最大の攻撃システムであり、予備動作をシステムが検知することで発動する必殺技であった。
ソードと銘打っているが、実際には刀剣類だけでなく斧、投剣、手足といったSAOに存在する様々な武器に対応したスキル系統が無数に存在する。スキル熟練度の上昇に伴い新しいソードスキルを習得し、発動時間が短縮され射程も伸びる。
発動時には武器が発光する「ライトエフェクト」と、攻撃軌道を補正する「システムアシスト」を伴い、通常攻撃を遙かに凌駕する破壊力と攻撃速度を得ることが出来る。その反面、所定の硬直時間と使用間隔が存在する。
それ故に、無計画に乱発するわけにはいかず、使い時を見定めて使いこなす事が重要とされているのであった!!by立木ナレ

それからも俺の狩りは続いた、現時点では誰ともパーティーを組んでいない状態、ソロプレイなので、一度に大人数の群れを成すモンスターは避けて、単独行動、それかせいぜい2体で行動しているモンスターに狙いを絞って狩り続けていた。
そして、現実世界との時間がリンクしているこのSAO内では現実世界での時刻が夕暮れ時になれば、SAO内でも日が暮れるようになる。
そのタイミングで俺は何度かやっている、飛び込みながらの突き攻撃でブレンジ―ボアを倒すと、軽快なBGMが鳴り響き、俺のレベルが1から2にアップした事を伝えてくれた。

俺「そろそろHPが心許ないな……ポーション飲んで、回復してから狩りの再開といくか」

ポーションは使用してから実際にHPが回復するのに時間が掛かる事は、アイテムストレージからヘルプ機能でポーションの説明をウィンドウに表示した際に既に知っていた。
なので俺は、一旦戦闘を止めている状態でポーションを一本飲んで、回復が実行されるのを待ってから狩りを再開する事にした。
この時点で俺は自分の思った以上にSAOにのめり込んでおり、恐らく今日は徹夜までログアウトする事は無いだろうとこの時は思っていた。

「なんだこりゃ。……ログアウトボタンがねぇよ」

それは、俺からある程度離れた場所で狩りをしていた曲刀使いのプレイヤーの言葉だった。

「ボタンがないって……そんなわけないだろ、よく見てみろ」

曲刀使いと組んで狩りをしていたらしい、黒髪の片手剣使いが呆れ声でそう言っていた。おそらく、このゲームを始めたばかり故に、見落としてるだけに違いない。

「やっぱどこにもねぇよ。オメェも見てみろって、キリト」

キリト「だから、んなわけないって……」

既に俺のHPバーが回復した後になっても、2人はそんなやり取りを続けていた。キリトと呼ばれた黒髪のプレイヤーが溜息交じりにレクチャーをしている事から見て、奴は恐らくβテスターでバンダナを付けた曲刀使いが俺と同じ今日初めてログインしたばかりのプレイヤーなのだろう。
取りあえず俺は、その二人に構わず、離れた所で単独行動を取っていたブレンジ―ボア目掛けて攻撃を仕掛けるべく走って行った。

俺の接近に気が付いたブレンジ―ボアがこちらを向き、単調な突進攻撃を仕掛けてきたので、今まで通りのやり方で返り討ちにしてやろうと剣を構えた時だった。

リンゴーン、リンゴーンと言う、鐘のような―――もしくは警告音のような大ボリュームのサウンドが鳴り響いた。

俺「何だ―――急に!?」

気が付くと、先程までこちらに向かって突進してきていたブレンジ―ボアがピタリと止まって動かなくなっていた。
いったい何が起こった?正式サービスが始まったばかり故のシステムトラブルか?

だが、そんな俺の疑問を他所に、唐突に俺の身体を、青い光の柱が包んだかと思うと、俺の視界から草原の風景が一瞬にして薄れていったのだった。

これはもしかして、βテスターのブログの情報通りならおそらく《|転移(テレポート)》だろう。
だが、俺は転移する為のアイテムを使った覚えもないので、恐らく運営側の強制転移だろうが、何の告知も無しに何なんだ一体……?

そして、青の輝きが薄れ、風景が再び戻る時、そこは既に夕暮れの草原では無かった!広大な石畳。周囲を囲む街路樹、中性な街並み、そしてオズマの正面遠くには黒光りする巨大な宮殿by立木ナレ

俺「始まりの街に強制転移されたのか……?」

そこは、俺がゲームにログインして配置された場所であるはじまりの街の中央広場で間違いはなかった。
当たりを見渡すと、やはり強制転移されたのは俺だけではなかったようで、恐らくは、俺と同じようにSAOにログイン中の1万人ほどのプレイヤー達がここに集められたようだった。

「どうなってるの?」

「これでログアウトできるのか?」

「早くしてくれよ」

などと言う声が耳に聞こえてくる。それにしても、さっきバンダナの曲刀使いと、キリトと呼ばれた俺と同じ片手剣剣士が言っていた、ログアウトが出来ないどうのこうのって話は本当だったらしく。
その話で騒いでいる連中が一人や二人どころではないようだった。

「ふざけんな!」

「GM出てこい」

ざわめきの声が苛立ちの声に代わりはじめたころだった。不意に、それらの声を押しのけて、誰かが叫んだ。

「あっ……上を見ろ!」

俺は反射的に視線を上げると、そこで異様な物を目の当たりにした。百メートルほど上空を真紅の市松模様が染め上げていく。
赤い単語はそれぞれ『Warning』そして『System Announcement』と表記されるが、英語などまるで分らない俺にはそれが何を意味しているのかまるで分からなかった。

だが、次の瞬間に起きた出来事は、そんな疑問を吹き飛ばす予想外の光景だった。上空に出現したのは身長が二メートル以上ありそうな、真紅のフード付きローブを纏った巨大な人の姿だった。
だが、深く引き下げられたフードの中には顔が無く、少なくとも俺達と同じプレイヤーとは程遠い存在だろう。

「あれ、GM?」

「なんで顔ないの?」

と言うささやきが沸き起こり始めていた。そして、その薄気味悪いロープは、一万人のプレイヤーの頭上で、中身の無い白手袋を左右に広げ、顔の無い何者かが見えない口を開いたと思えた直後、低く落ち着いた、通る男の声が、遥かに高い位置から降り注いだ。

「プレイヤーの諸君、私の世界へようこそ」

この時より、世界初のVRMMORPG、ソードアート・オンラインは変わる!だが、まだプレイヤー達は気が付いていなかった。
自分達がゲームと言う世界の囚人になってしまったと言う悲劇的な事実に!by立木ナレ
 
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