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Fate/BBB ー血界戦線・英霊混交都市ー

作者:海戦型
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プロローグって態々一話割いて作る必要あるのかなぁ、分からないなら自分で試せばいいか。という感じのプロローグ

 
 異界と現世の交わる街、ヘルサレムズ・ロット。
 嘗ては紐育(ニューヨーク)などと呼ばれもしたこの地では外界のあらゆる常識が通用せず、日々凄まじい勢いで人類が手にするには早すぎる技術革新が湧きだしている。ある意味で世界の中心で、天国の門で、地獄の入り口で、混沌そのもの。
 言ってしまえば「何でもあり」な世界だ。

 しかしながら、ヘルサレムズ・ロットだけが凄いのではない。この地雷原も思わず平謝りするような超危険地帯で毎日目が回りそうなタップダンスを踊っているHL市民たちこそが真に凄い――或いは既に頭のネジがお抜けあそばされているのである。

 さて、そんなHLで最近妙な事が起きている。

 『英霊(サーヴァント)』の存在だ。

 奇妙な事に、彼らはある時から突然街に湧いて出た。当人たちも事情はよく分かっていないらしい。彼らは外見は人間――まぁ、一部ちょっと常人じゃないのもいるが、HLでは騒ぐほどのものでもない。実際バベッジとか警察の新型パワードスーツと間違えられていた――なのだが、その身体能力は人間を遥かに凌駕し、さらに強力な切り札を持つ過去の偉人たちだった。

 しかしながら、「人間を遥かに凌駕した身体能力」なんてものはHL内ではそんなに珍しくもなく、切り札――彼らは宝具と呼ぶ――も、この世界のぶっ飛び兵器や技術、能力を考えると「凄い事は凄いね。うん」くらいなもので、まぁ割とあっさりとHL内に受け入れられた。一部HLでもヤバイ力を持っている英霊もいるにはいたが、そもそも「13王」だの長老級吸血鬼だのが身近にいるHL市民にさしたる衝撃はなかった。

 当初は定期的に世界を滅ぼそうと暇つぶしゲームを仕掛けてくる堕落王フェムトが新たな趣向を凝らしたとも噂されたが、当の本人が異例の会見で「なんで僕がそんなツマラナ過ぎる事をしなきゃいけないんだ!」とよく分からない理論を展開し、憤慨した様子で否定した。そのついでとばかりに相変わらずの世界滅亡用魔獣を放ってきて、英霊たちはHLの厳しい洗礼を受けたものである。

 で、それから数か月して、もはや世間は英霊の存在をそんなに気にしなくなっていた。

 実質的肉体を持たない彼らを受け入れたHL市民もさることながら、英霊たちの「ああーそういう感じね。把握」みたいな順応っぷりも大したものであった。
 一部の最上位英霊が『13王』と友達になってはた迷惑なゲームを仕掛けたり、第二の人生を謳歌しすぎて完全に地元の人間に馴染んでしまったり、或いは結局自分たちがどうしてこの世界に来たのか調べるついでにHLのトンデモ技術で好きな研究を始めてしまう者も出ていた。

 中にはこの頻繁に世界が滅びかけるここを『亜種特異点・HL』とか呼んで世界を救う事に意欲を燃やしている者もいたが、今や世界を救うのは作業の一環とばかりにダラダラ事件現場に向かっているなど、英霊たちもすっかりHLに慣れ切っていた。

 これは、そんないつも通りのHLで引きおこるバカ騒ぎのお話。
 
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