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『転生特典はガチャ~最高で最強のチームを作る~』

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三話目

ナデシコCの格納庫の中に作ったビルドの関連の技術を研究するための簡易ラボ。現在格納庫に置かれているのがパワードスーツ大のアメイジングストライクフリーダムだけなのでかなりスペースには余裕がある。

「完ッ成!」

四季が高々と掲げているのは剣型の武器『ビートクローザー』。
仮面ライダークローズの専用武器だがビルドのキードラゴンの姿でも使用できる武器でもある。
最初に作ったのがドリル型のビルド専用の武装のドリルスマッシャーなので、それに続く第2弾と言うところだろう。

キードラゴンとクローズ、クローズドラゴンを入手した事もあり、二人のライダーの専用武装という事で二つ目の武器として制作してみたのだが、問題なく完成に至ったというわけだ。

「でも、作れるって分かっていてもこうして完成させられるのは嬉しいものがあるよな」

出来たばかりのビートクローザーを眺めながら感慨深げに頷く四季。伸びをしながら、ビートクローザーを持ってナデシコCの格納庫から出ると武器庫の中の、先に完成させたドリルスマッシャーの隣に置く。他にもそこには詩乃に頼まれたヘカートや雫に頼まれたCAD等の装備品も置かれている。

何時の間にか一般家庭の家の地下には似つかわしくない物騒な施設が出来上がっているが、その辺は深くは考えないことにした。……戦艦の格納庫と武器庫の時点で今更だが。

「そう言えば、最近街に堕天使が出入りしてる様子だな」

今のところ堕天使を倒したところで利益はないので、一般市民に被害が無いなら、と放置して居たが。今更ながら、この世界の中心人物である兵藤一誠が悪魔へ転生する切っ掛けは堕天使に殺されたことではなかったかと思い返す。

「まあ良いか」

自分たちと言うイレギュラーを内包している以上、世界が知識通りに進むわけもないだろうし、倒した後に間違いでした、では済まないのだから。

そんな訳で堕天使達に対しては完全に自分たちに対して火の粉が降りかかるまでは無視を決め込む事にした四季だった。









「理由はわからないけど、どうもこの街に堕天使が数人入り込んでる様子だから、二人も気をつけてくれ」

夕食後の席で堕天使側の勢力が街に入り込んでいる事と、暫く様子見することを告げる。

「放っておいても良いの?」

「相手の目的が分からないからな」

詩乃の言葉に、だから相手の目的が分からない現状では様子見だと告げる。
この街の裏側が悪魔勢力の傘下ということは知っているが、少なくとも堕天使も表向きは悪魔と敵対関係だが共に冥界に居点を置く聖書勢力の一部である以上、裏で繋がっていても不思議はない。

「多少後手に回るかもしれないけど、相手が動いたら堕天使の監視をするって事で」

そう言って四季が取り出したのはVSチェンジャーと三つのダイヤルファイター。
巨大化する相手もいないので、その面ではグッドストライカーは必要ないだろうが、必殺技が使えないのはちょっとマイナスだろう。

「ライダーじゃ無くて、怪盗で、な」

既に三人分の正体を隠す為の赤、青、黄の三着の礼服とシルクハット、アイマスクも用意している。

「この服って、前から用意してたけど」

「ルパンレンジャーに変身するときの変装用だ」

詩乃の言葉にそう返す四季。礼服とシルクハットにアイマスクは変装用兼ルパンレンジャー時の正装として用意している。

「でも、なんだか格好いい」

「そうだろ」

「私も悪くないとは思うけど」

好意的な意見の雫にちょっとだけ気分の良さそうな四季。詩乃も詩乃で満更でもない様子だった。

「それじゃ、怪盗として鮮やかに、な」

楽しそうな笑みを浮かべながら告げる四季の言葉に頷く二人。そしてハイタッチを交わす。










夕方、丁度三人が今後の行動を決めていた頃、一誠は項垂れていた。

「暗い青春だ~。オレの学園生活は花も実も無く終わっちまうのか~」

そして、忌々しげに思い浮かべるのは美少女二人を連れた四季の姿。

「チクショー! オレも四季の野郎みたいに両手に花が当たり前の薔薇色の学園生活を楽しみたいぜ!」

「あの……駒王学園の兵藤一誠くん……ですよね」

他の学園の制服を着た黒髪の女子高生が一誠に声を掛ける。
その場で告白された一誠は歓喜とともにそれを了承。翌日には変態仲間の松田と元浜にも彼女として紹介して、次の日曜日にデートをする約束をした。

「あの子、堕天使だな」

「堕天使よね」

「うん、堕天使で間違いない」

四季、詩乃、雫の三人が一誠の彼女になったと言う少女『天野 夕麻』を見ながらそう呟く。
ルパンレンジャーへの変身の訓練も兼ねて堕天使の拠点を調べた時に堕天使達の顔は確認しているし、何より一誠達の変態行動は学園の中のみならず町全体に轟いているのだ。彼女ができるとしたら町から離れて行動を自重するしかないだろう。そう確信しているし。(詩乃と雫の女子視点からの意見)

そして日曜日、デート当日、ショッピングに食事、水族館デートと定番的なデートをした後、公園を歩いていた。

「今日の初デート記念に一つお願いがあるの。いい?」

「な、何かな?」

内心『初デート記念のお願い!?』と興奮している姿を表に出さず微笑みを浮かべる夕麻に聞き返す。

「死んでくれないかな?」

彼女からの突然の言葉に戸惑いを隠せない一誠に光の槍を突き刺そうとした瞬間、



『そこまでだ、堕天使!』



夕麻の腕に一枚のカードが突き刺さる。

「ぐっ!? だ、誰だ!?」

夕麻の叫びに答えるように現れる三つの人影。それぞれが赤、青、黄の礼服を身に纏い、シルクハットを被り、顔をアイマスクで隠した三人組。

「貴様ら、人間風情が邪魔をするな!」

「おっと、残念ながら邪魔をさせて貰うぜ」

そう言って取り出すのはVSチェンジャーとレッド、ブルー、イエローの各々のダイヤルファイター。

「「「快盗チェンジ!」」」

『レッド』『ブルー』『イエロー』

『0・1・0』『マスカレイズ!』『快盗チェンジ!』

その言葉と共に三人がVSチェンジャーを上空に向けて引き金を引き、溢れた光に包まれた三人が姿を変えるのは、シルクハット型のゴーグルをしたそれぞれのパーソナルカラーのスーツ。

「ルパンレッド」

「ルパンブルー」

「ルパンイエロー」

『快盗戦隊! ルパンレンジャー!』

そして、ルパンレッドは夕麻と名乗っていた堕天使へと指差し、

「予告する。お前のお宝、頂くぜ!」

そう宣言するのだった。 
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