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魔法科高校の劣等生の魔法でISキャラ+etcをおちょくる話

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第百二十三話

 
前書き
書きたいこと書いてたら千冬までいきませんでした。
今回は弾と一夏です。 

 
「へー。そんな事がなぁ」

「おー。大変だったぜ。まさか誘拐された先で妹が試験管の中に浮いてるとはなぁ」

「つか俺に話していいのかよ一夏?」

「えー…かくすの面倒。どうせお前なら悪用しないだろ」

「いやしねぇけどもさ」

帰国して数日。一夏は五反田家に来ている。

現在は団の膝の上に腹這いになってホロキーボードを叩いていた。

「で?そのヴィーティングとかいうマッドサイエンティストはどうしたんだ?」

「…………………………………」

「なるほどね」

弾は察したような事を言って、一夏の頭を撫で始めた。

「うみゅ…なんだよ」

「いや。なんでもないよ。ただ、そうだな、膝の上の猫が虎だったってくらいさ」

「ふみゅ…………………」

「ま、虎の子供って可愛いよな」

「るせっ」

「で、この格好はどういう風の吹き回しなんだ?」

と弾が一夏の青いワンピースを摘まむ。

生地はムーバルスーツと同等の素材でかつ刻印術式が織り込まれている。

「弾。俺は可愛いらしいぞ」

「羞恥の、あ、いや周知の事実だろ」

「文字に起こさんとわからん事を言うな。
副音声のヴァルハラコンビか」

「メタいぞ一夏」

「俺は怪異だからメタい事言っていいの」

「ああ、吸血鬼だったな」

弾が一夏の口に指を突っ込んで犬歯を触った。

「おふ。このわんふぃーしゅも太陽光をしゃらんすゆ障壁の魔方陣が織い込んであゆ」

と一夏は言う物の、そのワンピースが無くとも一夏は日光で燃える事はない。

ただ、パッシブの障壁では完全には防げず太陽光を浴びると液体湿布を塗ったようにヒリヒリする。

「なるほど。そういう事か」

といいながら口から指を抜く弾。

一夏は無言で『洗浄』を発動した。

「あと開き直った。俺は可愛いからな。
似合う格好をして何が悪い」

弾は一夏と最も付き合いの長い男だ。

故に、気付いた。

一夏の無意識下でどういう思考がなされて開き直ったのかを。

「一夏。お前肉体と精神が解離してないか?
してなくとも、体を使い捨ての道具見たいに思ってないだろうな?」

「………………そうかもしれない」

一夏は不死身だ。

元からあった再生魔法でもほぼ不死身だったが、吸血鬼となり完全な不死身と化した。

「俺さ、たぶん首切られても死なないんだよね。
怪異殺しって刀があるんだけどさ、たぶんそれで切られても再生しちゃうとおもうんだ」

「体はただの入れ物だと?」

「んー……どうなんだろ?」

一夏自身、無意識下で行われた思考の結論は出せない。

「お前がどう思おうが勝手だが、周りが悲しむぞ」

「うん。言われた」

「ならいいんだが…」

弾が一夏の顎を撫でると、甘え声を出してふにゃっとした顔になった。

「なぁ一夏。お前吸血鬼なんだよな?」

「ゅ?」

弾は近くにあったカッターナイフを手に取り……











『ほら、こいつが欲しいんだろ?』

『何をしているお前っ!』

『んー?何って……ねぇ?』

『や…やめろよ…』

『くく、ほらほら、どうした?
欲しいんだろ? コレが』

『くっ…』

『あっれれー?いいのかなぁ?そんな態度で?』

『くっ…殺せっ…』

『はははは!俺がお前を殺せる訳ないだろ一夏!
お前にはコレを舐める以外の選択肢は無いんだよぉ!』

『くそっ…』

『ほおら、オネダリしてみろよ』

『ぐっ…』

『嫌なら俺は構わないんだぜ?』

『待ってくれ! な、なめ…させて、くだ…さい』

『よくできました! ほら、お前が欲しがっていた物だ』

『んっ…ふっ…んちゅ…んく…んぁっ…』

『あー…眼福眼福』

『この…変態』

『くはは! 言葉ではそう言っているが体は正直だな!俺のを一心不乱に舐めているのはお前だぞ一夏!』

『くやしいっ…! 本能に勝てないなんて…』

『くくっ…自分の体を恨むんだな』

『くっ…ひゃうっ!?』

『こんなにぬるぬるだぞ?』

『ひゃっ…ひゃめっ…!』

「何してんだクソお兄ぃぃぃぃぃ!?」

ドガァン! と蘭が兄の部屋のドアを蹴破った。

「あ、蘭ひゃんおひさー」

「何してくれてんだ蘭!?」

彼女が部屋に入ると、彼女の兄が友人の舌を指で挟んでいた。

「………………………なにしてんの?」

「んゅー……………エロ漫画ごっこ?」

ぺたんと座った一夏が首を傾げながら答えた。

「いやまさか一夏が乗ってくるとはなぁ」

そこで一夏は何を思ったか、弾の指を再び舐め始めた。

「おいくすぐったいじゃねぇか一夏」

「みゅ?」

「まぁ、いいけどよ」

そこで一夏は悪戯を思い付いた。

チラリと蘭へ視線を送った。

それも艶やかな視線を。

「!?」

蘭は顔をカァァっと赤くして部屋から出ていった。

「おい、あんまり家の妹をいじめないでくれ」

「いやぁ、つい」

「この後殴られるの俺なんだけど?」

「殴られろ変態」

「まぁ、この行為が倒錯的かつ変態的な自覚はあるぞ」

一夏は舐めていた弾の指をじっと見つめた。

「うん…もう傷はないな」

「すげぇな吸血鬼」

「まぁね。でもこういう事やめろよな」

一夏は血のついたカッターナイフを手に取った。

「いやなんつーか。つい、な」

二人は顔を見合わせてプッと笑った。

「お互い様だな、弾」

「だな、一夏」

一夏は蘭が蹴破ったドアに目を向けた。

「万象よ巻き戻れ」

と手をかざせばドアが元通りとなった。

「便利だなー…」

「教えてやろうか?」

「俺は魔法使いにはならなくていいな。
俺がなりたいのは料理人だ」

「ふーん。夢、決まってんだな」

一夏がポツッと言った。

「ん?お前夢って決まってないのか?」

「最終目標は決まってるんだけどね。高校に行くかどうかだよな」

「お前に行かないって選択肢があるのが驚きだな」

「うん。高校まで行くか、それとも中学出たら束さんと研究するか迷ってる」

「ああ、そういう事か。でもいいのか?箒ちゃんは高校までは絶対行くんだろ?」

「うん。IS学園」

「噂のアレか」

「知り合いが今年から行くらしいんだよね」

一夏の言う知り合いとは虚のことだ。

「へぇ」

「ま、シャルとかラウラとかの事は俺が居なくても箒がどうにかしそうだし…」

「シャル? ラウラ? だれだそれ?お前の知り合いか?」

言ってから一夏は『しまった』という顔をした。

「忘れてくれ」

「まぁ、いいや。お前の言うことをいちいち気にしてたらやってられないからな」

弾はおもむろに一夏を抱き上げ、胡座をかいた脚の上にスポッとのせた。

「おお…このフィット感…」

「うん…コレはコレで安心感があるな。
ただちょっとゴツゴツしてんな…」

「悪かったな男で」

「女になる薬あるぞ」

「あんの!?」

「天災兎印」

「絶対飲まねぇ。お前飲めよ」

「これで体が本気で女になったら…
いやアリか…?」

「一部男子が狂喜乱舞して女子が落胆するな」

「絶対しない。今決めた」

弾は一夏を撫でながら尋ねた。

「で、最近鈴とか千冬さんとはどうなの?」

「ふみゅぅぅ……こないだシャオ……鈴のお母さんに殺されかけた」

「え、なにそれ怖い」

「いやな、吸血鬼になったじゃん?
それがシャオシン的にはダメだったらしくてさ」

「えー…どんな状況だよ」

「まさか鈴が仙人の娘だったとはなぁ」

「What !?」

「いやマジでビビったわ。それ以来会ってない」

「ま、まぁ、よしとしよう。千冬さんは?」

「連日会見と取材。ここ数日会ってない」

「だよなぁ」

「でもそろそろ帰ってくるはず」

「そうなのか?」

「うん。2日くらいは家に居るとかどうとか」

「そか、なら千冬さんには孝行してやれよ」

「わかってるよ。食材は買い込んでるし掃除もしてるしな」

「あとは橙ちゃんを憑依させれば完璧だな」

「うん…まぁ、身内のためなら猫化も吝かではない」

「じゃぁ俺のために猫化できるか?」

弾がにやにやと言った。

「んー…どうせ姉さんは今日明日には帰ってくるしな…」

んー…と言った後、使い魔の名を呼んだ。

「橙」

『りょうかい。ますたー』

弾は一切の衝撃を感じる事は無かったが、一夏はドンッという衝撃を感じた。

一夏の頭にピンと立った猫耳が生え、しっぽでワンピースが持ち上がる。

「クロスチェンジ」

一夏が着ている服が光り、別の物とすりかわる。

先の物とほぼ同じデザインの白いワンピースだ。

ただ、腰の辺りに菱形の穴があいている。

そこからしゅるりと尻尾を出した。

「みゃぉん」

一声鳴いた一夏を見た弾は…

「はぁ……」

とため息をついた。

「にゃんだよ辛気臭ぇ顔して」

「なんでもねぇよ。バカ猫」

「お前がにゃれっていったんだろ」

弾が一夏の頭を撫でる。

「ふみゃぁ…みゃぅぅ……」

お兄ちゃんスキル全開の弾に対し、一夏は素直に身を任せた。

「みゃぉ…ふにぃ……」

「あーあ…なんで俺はこんな奴に…」

恋をしてしまったのだろうか、と弾は心の中で続けた。

「ったく鈴がうらやましいぜ」

「ぅにゃぁ…?」

「なんでもないぞ」

その後、弾は首や尻尾の付け根を撫でたりした。

「みゃぁぁぁぁ~…」

数分後、最後にハートマークがつくのではないかというくらいに一夏がふやけていた。

「そろそろ止めねぇと俺がもたねぇな」

そう呟いた弾は膝の上から一夏をおろした。

「ふみゅ?」

「そろそろ帰った方がいいぞ」

と時計を指差す。

「にゃー……」

一夏が残念そうに弾の方を見る。

いつもの如く幼児退行していた。

「うっ…そんな目でみるなよ…襲っちまうぞこの猫耳野郎」

「みゃうぅ…」

物欲しそうな一夏の視線に負け、弾は一夏の頭を撫でる。

「ふみゃぁぁ…」

どうしようかと考えた弾は、一つ思い付いた。

「奏さん。奏さん、出てきてくれますか?」

『なんだよホモ野郎』

その声は一夏の影から弾に話しかけた。

「ちょっと一夏連れ帰ってくれません?」

『お前がやれよ』

『弾、ますたーをおぶって帰れるって結構役得だよ』

奏が拒否し、橙もそれに追随する。

「……………」

仕方なく、弾は一夏を撫でるのをやめた。

「ふみゅ…?」

「家まで送ってやるから。な?」












side in

「ふみゅ…………弾…?」

「お、やっと起きたか一夏」

気付いたら弾におんぶされていた。

「どーいう状況?」

「猫化したお前が幼児退行してたんだよ」

ふむ…幼児退行ね…。

「チッ…やるんじゃなかった」

「軽いトランス状態…っていえばいいのか?
お前の意識ってないんだろう?」

「ああ、どうもな。俺の奥底にある幾つかの人格…というか無意識が外に出ちまう」

やっぱり橙を憑けてるせいなのかなぁ…?

どうも無意識下の行動が猫っぽくなる。

「ま、可愛いからいいんだけどな」

「ホモかよお前」

「おいおい一夏。猫が可愛いのは万国共通だぞ」

たしかに猫はかわいいけど…。

「ところで一夏。勝手に連れ出したが日光は大丈夫なのか?
一応直射日光には当たってないはずだが…」

「安心しろ。山あいのこの地域でこの時間じゃ俺のパッシブバリアで大丈夫さ」

事実この地域は山に囲まれ日暮が早い。

夏だというのにもう太陽が山に隠れている。

「パッシブバリア…お前の肌の白さの理由か?」

「まぁね」

これのお陰で真夏正午の直射日光下でも肌がヒリヒリする程度で済むのだ。

「そろそろ着くけど、歩けるか?」

「いや、家までこうしてくれ」

歩くのだるいし。

「はいはい…」

そうしている間に家に着いた。

「俺はここで。じゃぁな、一夏」

「おう。またな」

靴をはくのが面倒なので弾から受け取った靴を手にもって浮遊して家に入る。

「ただいまー」

「お帰りなさいお兄ちゃん!」

バタバタと円香が走ってきて抱きつかれた。

「おう。ちゃんと勉強してたか?」

「うんっ!」

そこで違和感に気づいた。

もう一人抱きついてくるはずだが…

「円香、束さんは?」

「あのねー。束お姉ちゃん帰っちゃった」

「束さんが?」

と聞けば、円香は嬉しそうに答えた。

「うん!それとねそれとね!千冬お姉ちゃん今日帰ってくるって!」
 
 

 
後書き
明日から、というか今日から合宿なので一週間ほど何も投稿できないと思います。
あとR18も数本構想があり内二本はかなり書いてるのでお楽しみに。 
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