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ドリトル先生と奇麗な薔薇園

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第六幕その四

「遺伝があるのは確かだよ」
「スペインのハプスブルグ家には遺伝の影響が出たんだね」
「近親婚の結果」
「そうなったのね」
「そうなるね、当時のイングランド王家もね」
 薔薇戦争の頃のあのお家もです。
「家同士の結婚が重ねられていっていたね」
「それであんなにややこしくなって」
「学問もしにくくなったのね」
「イギリス史で一番複雑なお話?」
「ひょっとして」
「そうかも知れないよ、しかしこの論文もね」
 その薔薇戦争の論文もというのです。
「絶対に書き終えるよ」
「先生論文途中で止めたことないしね」
「絶対に最後まで書き終えて発表してるわね」
「どんな学問の論文も」
「そうしてるわね」
「うん、二週間か三週間でね」
 そのペースでというのです。
「一つ書いてるね」
「そうだよね」
「先生調べるのも書くのも速いから」
「大体そのペースで発表してるね」
「そして薔薇戦争の論文も」
「ちゃんとだね」
「書いていくよ、しかしこの戦争のことを説明するのは」
 どうにもというのです。
「本当に難しいよ」
「血縁関係、人間関係が複雑過ぎて」
「しかも出て来る人が多くて」
「陣営が大きく分けて二つでも」
「異常にわかりにくいんだよね」
「うん、本当に難しいよ」
 書きつつ首を捻る先生でした。
「同じ名前の人がいたりすることもあるし」
「それあるわよね」
「欧州ではね」
「だからエリザベス一世とかエリザベス二世とかね」
「そうした何代目かって表現使われるのよね」
「欧州は名前が少ないからね」
 姓はともかくとしてです。
「だからね」
「名前が同じ人がいたり」
「世代や陣営が違っても」
「そうしたこともあるから」
「余計に難しいのよね」
「うん、日本の学生の子に言われたこともあるよ」
 先生が今いるこの国の人達でもというのです。
「欧州は同じ名前の人が多いってね」
「姓は多くても」
「確かに名前は少ないのよね」
「ヘンリーとかチャールズとかね」
「ウィリアムとか」
 イギリスの名前ではこうなっています。
「女の人だとキャサリン、エリザベス」
「マーガレットとかね」
「そうした名前が多くて」
「どうしても何世ってなるのよね」
「うん、日本は名前も姓もね」
 そのどちらもというのです。
「かなり多いよね」
「物凄く多くない?」
「こんな名前あるのってびっくりする時もあるよ」
「逆に覚えにくくて」
「困る位だよ」
「こっちはこっちでね」
 日本は日本でというのです。
「覚えるのが大変だよ、天皇陛下なんか百何十代だから」
「全部覚えてる人少ないわよね」
「あれだけ長くて続いてる方々全員とか」
「神武帝から今上陛下までね」
「百何十代だから」
「物凄く覚えにくいよ」
 こう言うのでした、動物の皆も。
「確かに薔薇戦争は覚えにくいけれど」
「日本の皇室もね」
「凄いことになってるよね」
「あそこはその意味でも格が違うよ」
 唸って言う先生でした。 
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