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東方仮面疾走

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6.Nの疾走/一人のLEGEND

「ドーパント!―――――ひとっ走り付き合えよっ!」










 現代における20XX年。周囲の時間が遅くなったように感じる怪現象『重加速現象』。通称『どんより』が多発し、それにまつわる犯罪が社会問題となった。警視庁はこの現象に対抗するため『特殊状況下事件捜査課』、通称『特状課』を設立した。








「フッ!ハッ!!セイっ!」
『ぐう!』
 銀色の戦士になった翔太郎相手にドーパントはなすすべもなかった。殴られ蹴とばされ木偶の棒と化していた。
『ゔおああああ!』
 火炎弾を飛ばしてくるも、翔太郎は介せず前へ走り出す。そしてシフトカーを三回倒す。
『NE NE Nexus!』
 ベルトからの声と同時に加速。翔太郎を狙った火炎弾はスラロームによってかわし、さらに近づきながらシフトブレスとベルトを操作し大きく飛び上がる。
『ヒッサーツ!Full Throttle!Nexus!』
 跳躍したまま空中で一回転。斜め下の敵にキックを叩き込む。
「はあぁぁぁぁ!」
『ぐあああ!』
 ドーパントは後ろへ飛びダメージを追いすぎたためかガイアメモリが体外へ排出され、イニシャルの部分が砕け散った。
 ガイアメモリの残骸を拾い、使用者を見る。案の定気絶していた。
「あとは。慧音さんにでも突き出すか」
 俺はシフトカーを取り外し、変身を解いた後縄でぐるぐる巻きにして慧音のところへ向かおうとすると、そこにいたのは霊夢と魔理沙だった。








「なによ、あれ」
 昨日のあのドーパントって輩と銀色の翔太朗らしき戦士が戦っていた。いやあれはもはや戦いと言えるのだろうか。蹂躙と言えるほどに圧倒的実力差だった。
「私、聞いてないのぜ」
 あの魔理沙すらも後ずさった。
 そして、銀色の装甲が解除され元に戻った翔太朗と目が合った。
「あ!お前ら!」
 まるでいたずらがばれたかのような顔をし「てことは、ばれちまったかぁ」とバツの悪そうな顔をしていた。
「ちょっと翔太朗!さっきのはどういうことよ!」
「レイヴンのやつめ止めなかったな。いったん落ち着け霊夢」
「落ち着けるわけないでしょうが!さっきのあの銀色の変なのは何!」
「変なのはないだろ!あれはネクサスだ!」
「じゃあ、そのネクサスについて。説明プリーズ」
 翔太朗に詰め寄り睨みつける。すると、慧音が里の衛兵数人を引き連れてやってきた。先の先頭の騒ぎを聞きつけてきたのだろう。
「とりあえず、その話はあとで帰ってからな」












「で、なんだったのよ。さっきの」
 事件も収束し依頼の報告書を書いている翔太朗にさっきはぐらかされたことを改めて問い詰めた。
「そうだぜ!あんなん私もも聞いてないぜ!」
 はあ、とため息をつき手を止めた。
「長くしたくないからできるだけ簡潔に済ませるぞ」
 そして翔太朗はぽつぽつと話し始めた。
 翔太朗の話だと外の世界の『パワードスーツ』というものらしい。なんでもその装着者は私のような妖怪退治のようなことをやっていたとか。その戦士の名前が『仮面ライダードライブ』。
「でも、着実に強くなっていく敵にドライブだけでは戦力が足りなくなっていった。そこで二つの案が出された。ドライブを強化するか、新たなライダーを戦線に投入するか。前者は当時の技術では開発が不可能とされ必然的に後者が選ばれたんだ。そして近い未来で前者のプロトタイプが作られることとなる。それが、ネクサスシステムだ」
 大体のことは把握できた。でも腑に落ちないことが一つ。
「あんたはいったい、何者なの?なんでそんなことまで知ってるの?」
 場合によってはこいつを退治しなければならないかも。
「香霖さんが前に変なものを拾ったって、俺に見せてくれたんだよ。それは暗号化された設計図だった。俺はそれを譲ってもらって至急紫と暗号を解いてみたんだ。それがこのベルトとこのシフトカーだった。護身用にって紫が河童に作らせたんだ。今ではこんなに使うことになっちゃてるけど」
 …………どうやら言葉に嘘はないわね。
「まあ、わかったわ」
「私もとりあえずは納得したんだぜ」



 こうして事件は無事終息した。
 なお、以前話した審査。探偵事務所の存続は博麗神社お預かりの下請けということで話が付いた。 
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