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魔法科高校の劣等生の魔法でISキャラ+etcをおちょくる話

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第百二十二話

 
前書き
俺「よっしゃ夏休み!」
学校「ふははは!貴様らに夏休みなど無いのだ!」
俺「ヴぁかな!?」 

 
「ただいまー」

「あ、お帰りいっ君。いまフィーネ達が来てるんだけど、ちょっと深刻な話なんだ」

「ふーん…?」

リビングに行くとヴィッサリオンとフィグネリアがソファーに座っていた。

「お邪魔してるよ若」

「おういらっしゃいフィグネリア、ヴィッサリオン」

あれ?リム達は…?

「あ、まーちゃんとえーちゃん、りーちゃんは二階で遊んでるよ」

「あっそ」

「なおいっ君の部屋のベッドがお気に入りみたい」

「まぁ、いいか」

さて、じゃ、本題だ。

ヴィッサリオン達の向かい側のソファーに座る。

「で、深刻な話ってなに?」

「うん…実は戸籍の件なんだが…」

戸籍。日本ではそれがないと生きていけない。

そういえばこいつらの戸籍ってどうなってんだろうか。

「私らって日本の戸籍がないんだよ」

あー。そういえばシルヴヴァインって俺が立ち上げた会社だったな。

こいつらの戸籍弄った記憶ないわ。

「で?リムとエレンの戸籍が必要って話か?
どうせ円香の戸籍をぶちこむからその時に…」

しかしそこで隣に座る束さんに止められた。

「いっ君。まーちゃん達を学校に行かせるの?」

「え?そうだけど何か問題ある?」

「はいはいはーい!私に考えがあるよー!」

「一応聞こうかな」

一応だ。

「私がまーちゃん達の家庭教師をやるのはどう?」

ふむ…どうだろうか。

「束さん大丈夫なの…? 教えれるの?」

「大丈夫。有象無象は適当にはぐらかすけど身内はちゃんと教えるよ」

ならいいか。

「で、ヴィッサリオンもそれでいいか?」

「俺は構わない。プロフェッサー・タバネが家庭教師をしてくれるなんてそんなありがたい話他にないだろう」

「じゃぁそれで」

ん?待てよ?さっきの話って別に束さんとヴィッサリオン達だけで済む話じゃね?

なんで俺が来るまで待ってたんだ…?

「あ、いっ君。三人が勉強頑張ったらご褒美あげたいんだけどいい?」

「ん?別にいいけど」

「じゃ、伝えてくるねー」

この時OKしたのが間違いだったと気づくまで20秒。

束さんが二階に上がって直ぐに階段を降りてくる足音が重なって聞こえた。

「べんきょーがんばったらお兄ちゃんがドレス着てにゃんこになってくれるって本当!?」

「よーし円香。少し落ち着け。そしてそれをいった発情ウサギはどこだ」

「お兄ちゃんのベッドでお兄ちゃんの枕嗅いでる」

「あのエロウサギあとで啼かす」

「一夏おねーちゃん、じょそーしてくれないの…?」

「お兄さんの耳…」

う…ぐ…。コイツらにこんな顔をされたらしない訳にはいかないじゃないか…

「ああ、もう。わかったわかったよ。
じゃぁ束さん呼んでくるから待ってて」

二階の俺の部屋ではベッドの上で束さんがくねくねしてた。

取り敢えずお尻を叩いておく。

パッシィン!

「あひぃん!?」

うわぁ…マジかー。

「い、いっ君。いきなりスパンキングは…」

パッシィン!

「あひっ!?」

「なーんでアイツ等のご褒美が俺の猫化と女装なんですかねぇ?」

「えーっと……私が見たかったから?」

「………………」

「あっちょ、黙らないでいっ君。顔怖いよ?」

『橙。星空ドレス、俺にアジャスト』

『りょーかーい』

着ていた服が光となり、代わりの服がその下で量子展開される。

シンプルなデザインの黒いワンピース。

だが、その表面には星が瞬く。

まるで星空のように。

んで、その格好で手だけISを展開して後ろから束さんの頭を掴む。

ギチギチギチギチギチギチ……

「いだいいだい!?何すんのさいっ君!?」

「おら。星空ドレス着てやったぞ見れるもんなら見てみろや」

「え!?本当!?」

ギチギチギチギチ……

「ぴぎゃぁぁぁぁっ!?」

「ほらほらー。一夏くんの女装だぞー。
見たいんじゃなかったのー?」

「見たいですっ!」

キュィィ… という音が聞こえた。

どうやらイノセントを起動したらしい。

だが無駄だ。

『イザナギ。命令だ。カンファレンスから出るな』

『是』

今の俺は吸血鬼。

情報生命体である吸血鬼はクオリアを通さない限り、姿を捉える事は不可能。

鏡やカメラにはクオリアがない。

故に吸血鬼はそれらでは姿を捉えられない。

ISの場合フラクトライトがあるから無論クオリアを持ち吸血鬼の姿を捉えられる。

だがそれはISのクオリアを通す場合のみだ。

ただ機械としてのISでは吸血鬼は捉えられない。

つまり……

「あっるぇ!?いっ君が写ってない!?」

「無駄だよ。ハイパーセンサーじゃ吸血鬼は捉えられない」

「え…何故こんな所でそんなセリフを…
そう言うのは普通バトル中に」

「バトルチュウダヨ」

ギチギチギチギチ……

「はいっ!バトル中ですっ!もう許していっ君!」

ここら辺でいいか。

ペイっと束さんをベッドに投げる。

「ふぉぉ…束さんのくればぁなぶれいんが…」

展開していた物を戻す。

ドレスは…このままでいいか。

面倒だし、そろそろ開き直ってしまおう。

「でもいっくんのぷりちぃでびゅぅてぃなドレスを見れて私まんぞく…」

「あっそ。下降りるよ」

「うん。わかった」

side out








side in

若とがプロフェッサー・タバネを連れて戻ってきた。

「おお、似合うじゃないの若」

「似合わない訳ないだろ。俺だぞ」

とナルシストな事を言ってるが事実似合っている。

病的に白い肌とそれを引き立てる黒いドレス。

とても惹かれてしまう。

フィーネが居なければ間違いを犯していてもおかしくはない。

可憐で、美しく、妖艶。

その小さな体躯には同性とわかっていても引き寄せられる。

あの満月のような瞳に、吸い寄せられる…

魔性、というのだろうか…。

「若、ずっとそれでいたらどうだい?」

「それは勘弁してくれフィーネ」

娘達を見るとぽかんとしていた。

リムもエレンもお嬢も若に見とれていた。

「よう。お前らの希望通り、着てやったぞ」

若がその場でくるりと回った。

ワンピースの裾がふわっと広がる。

あしらわれた星々が流星のように軌跡を成す。

一回転丁度でピタリと止まった後、一礼。

どこで覚えたのやらそこいらの貴族子女よりも様になっている。

「『わたくし織斑一夏と申します。
お見知りおきを、皆様』」

普段より高めの、というか地声で挨拶をする若。

何時もは作っている低めの声ではない。

「どうだ?様になってるだろ?」

と低めの声を作って言った。

「ますたーが壊れた…」

「一夏様は開き直っただけじゃないの?」

「吸血鬼のチャームも無しにあんだけできるたぁ、驚いたな」

気づけば背後に若のファミリア達が立っていた。

「なんだ?俺が開き直ったのがそんなにおかしいか?」

「だってますたーこの前駿河が持ってきた服をきなかったじゃん」

「あれは…まぁ」

と若が言葉を濁す。

スルガ……一時期若をつけていた女だ。

たしか今は姫の管理下にあるはずだが…

「俺は勝手に着せられるのがやなの」

「ふーん……じゃぁこんどいっ君に着せたい服を持ってくるよ」

「あっそ」

その後詳しい話しを詰め、明日から娘達はプロフェッサー・タバネに勉強を教えてもらう事になった。

side out







一夏が星空ドレスを着た翌日。

織斑家のリビングにて。

「ねぇ、三人とも。いっ君と同じタイミングで高校行っちゃわない?」

「「「できるの?」」」

「ふははは!この束さんに不可能はないんだよ!」

「じゃぁお兄ちゃんをやっつけるのは?」

「あ、ごめんそれは無理」

束が懐から錠剤を取り出した。

「これは背が伸びやすくなるお薬。いっ君には絶対にナイショね?」

こくん、と三人が頷く。

「勉強会の時に毎回飲んでもらうよ。
そうすれば、二年半で背が低めの高校生くらいにはなれるはずだよ」

「本当、ですか?」

「うん!気功もあるから更に伸びるかもね」

「お兄さんを抱っこできますか?」

「余裕だよ!気功があるから筋力もね!
あと毎日豆乳のんでもらうよ!」

「「「とーにゅー?」」」

「たんぱく質が多いし女性ホルモンに似た性質の大豆イソフラボンが多く含まれてるからね」

「「「???」」」

「要するにおっぱいが大きくなりやすくなるよ」

「「「!」」」

束の甘言に対して、三人は錠剤を受けとるという事で返答した。

「あ、豆乳注ぐからちょっと待ってて」

束は買い物袋から豆乳を出して、量子展開したコップに注いだ。

「さぁ!ぐぐっとやっちゃって!」

豆乳をあおる三人を見る束の口元は、企むようにつり上がっていた。














一週間と少し経って。

シルヴヴァインのオフィスにて。

<数日若を見ていてわかったが、若は『かわいい』服でなく『美しい』服なら着るらしい。
『星空のドレス』や『蒼穹のドレス』は着てくれるが先日娘が頼んでいたメイド服は着なかった>

ヴィッサリオンはペンを置き、伸びをした。

「これでよし…」

「おやアンタ、何を書いているんだい?」

「ブリュンヒルデから頼まれた若の観察日記」

「………………………………そうかい」

フィーネはヴィッサリオンを一瞥して出ていった。

「解せぬ」

きっとここに一夏がいれば『解せ』と言っただろう。

「ま、いいか…」

ヴィッサリオンが時計を見ると、娘達が帰ってくる時間だった。

その日ヴィッサリオンが帰って来た娘達から受け取った写真には、羞恥で顔を赤くしたネコミミメイドが写っていたとか写ってなかったとか…
 
 

 
後書き
三人娘が一夏を呼ぶとき。
円香の場合「お兄ちゃん」
リムの場合「お兄さん」
エレンの場合「一夏おねーちゃん」

次回からは千冬編! のはず。 
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