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ドリトル先生と奇麗な薔薇園

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第五幕その三

「植物園自体の宣伝は凄いよ」
「あっ、そうなんだ」
「植物園は宣伝しているんだ」
「そうなの」
「うん、宣伝していてね」
 そしてというのです。
「この薔薇園もだよ」
「宣伝しているんだ」
「それじゃあだね」
「この薔薇園にも」
「ちゃんとなんだ」
「カップルが来るんだ」
「そうだと思うよ、薔薇園だってね」
 ここもというのです。
「カップルが来るよ、こんなに奇麗で」
 それでというのです。
「しかもね」
「しかも?」
「しかもっていうと」
「他の場所もあるから」
 植物園にはというのです。
「皆来るよ」
「そうなんだね」
「じゃあ学園の学生さん達がね」
「今日も来るんだね」
「そうするのね」
「もう放課後なんてね」
 この時間になると、というのです。
「一杯来るよ」
「学生さん達がね」
「大学生の子も高校生の子も」
「中学生の子も来るね」
「カップルで」
「そうなるよ、だから僕達はね」
 先生達はといいますと。
「今日は放課後の時間に行ったらね」
「ちょっとお邪魔?」
「そうだっていうの」
「カップルで来る子達の」
「そうなるだろうね」
 笑って言うのでした。
「だから今楽しもうね」
「そういうことね」
「お友達で来る人達はそうして」
「夕方はね」
「カップルの子達に譲るのね」
「青春と恋愛を楽しんでもらおう」
 その両方をというのです。
「是非ね」
「うん、じゃあね」
「若い人達にはその時間に楽しんでもらって」
「先生はその時間は学問ね」
「そちらを楽しむんだね」
「そのつもりだよ、まあ僕が皆と一緒に来る以外にここに来ることはないね」
 確信を以て言う先生でした。
「それはね」
「ないっていうんだ」
「トミーや王子達もいるけれど」
「つまりお友達以外とここに来ることはない」
「そう言うんだ」
「そうだよ、僕がデートなんて」
 まさにそれはというのです。
「何よりも縁がないよ」
「そう思ってるからね」
「先生は先生なのよね」
「だから人間は外見じゃないでしょ」
「そうでしょ」
「いや、そうだよ」
 ご自身ではこう言い続けるし思い続ける先生でした。
「僕はね」
「どうだか」
「そこはわからないわよ」
「身近なことはね」
「実際は」
「わかるよ、しかしね」
 ここでまた言った先生でした。 
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