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こんなチートでもありですかい?そうですかい。

作者:わいわい
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第19話。変人の文化祭。

 
前書き
り・・凛ちゃん・・・・って感じ。 

 

ある週の日曜日。

ピンポーン。

「・・・・・・誰?」

いつもの来訪者はアホみたいに呼び鈴を鳴らすので、誰が来たのか若干ビビり気味の凛であった。

「俺だ。士郎だ。」
「あら?士郎君?珍しいのね。」
「今日は練習がないんだ。」

いつもの来訪者アホからは毎週日曜日にも練習があると聞いていたけど、珍しい日もあるものだ。

何となく、貴重な日に感じて家に招きたくなる。

「いらっしゃい。」
「いいのか?」
「ええ。士郎君なら許してあげるわ。」

『許してあげる』の部分でいけない妄想をしてしまう士郎であった。









「・・・・で?」
「お?どうしたん?」
「どうしたの?リン?」
「な!ん!で!あなた達もいるのかしら?」

いつの間にか居て、士郎作の菓子を食べている晋吾とイリヤがいた。

確か玄関では士郎一人だったのに・・

「凛ちゃんあんな。」
「・・・・何よ?」
「今日は日曜日なんや。」
「それは分かるわ。」
「日曜日なのに家でゴロゴロしておるんは、うちにいるヒッキーと同じや。」
「ゴロゴロなんかしてないわよ。それにヒッキーって何よ。」
「ヒッキーってのは引きこもりしてる奴のことや。」
「・・・・引きこもり。嫌な響きね。」
「それを感じるんは、自分が若干引きこもってるのを自覚してる証拠や。」

凛は衝撃を受ける。

「そこでや!出かけるで!!」





そんなこんなでやってきました海浜公園。凛は思った。どうしてこうなった?

「ごめんな。なんか巻きこんじゃって。」
「士郎君。・・・・いいのよ。あいつと関わって何もなかったことはないわ。」

哀愁を漂わせる凛。守ってやりたくなる士郎。後ろでニヤニヤしている晋吾。よくわからないイリヤ。

「それで、どうしてこうなったの?」

なんとなくでついて来てしまったし、拒否できない雰囲気なのでとりあえず理由を聞くことにした凛。

「お?俺がな、バッティングセンター行きたくての。」
「私が水族館に行きたくなったの。」
「それでの、凛ちゃんどうせ家でゴロゴロしてると思うたから。」
「シロウも休みだし一緒に遊びましょ?って」
「・・・・・・そう。」

何故副音声で説明を受けないといけないのだろうか?晋吾とイリヤは嬉しそうにハイタッチしてる。

「一応お昼はお弁当作ってきたから。」
「士郎君が?」
「うん。まぁ、一応。」
「ホント?楽しみだわ。」

恥ずかしそうに頬を掻く士郎。

「体育祭のときのお弁当もおいしかったわ。」
「特別なことした覚えないけど。」
「そんなことないで、ハンバーグのシロちゃん特製ソースはギガうまやったで。」
「へ~。特製ソースだなんて、士郎君凄いのね。」

凛ちゃんに褒められて照れるシロちゃん。可愛いなお前。

「体育祭で思い出したけど、シロウに好きなもの作らせてシンゴばかりずるいわ。」
「別に作らせたわけじゃなか。優しいシロちゃんが、体育祭で激萎えだった俺を元気に出すために作ってくれたんや。」
「今日は姉ちゃんの好きなものもあるから安心してくれ。」
「ホント!?シロウだ~いすき!!」

嬉しそうに士郎の腰にしがみつくイリヤ。

はたから見ると妹にしか見えんな姉ちゃん。





まずは水族館に行くことにした。理由は先に行くことで姉ちゃんが愚図るのを防ぐためである。

「凛ちゃん。水族館といったら何が好き?」
「ん~。水族館行ったことないから分からないわ。」
「マジか。初体験やん。」
「そうね。初体験ね。」
「だってさ、シロちゃん。」
「いや、そこで俺に振られても・・・・」

凛ちゃん始めてか~。俺は水族館っていったらサメとタコだな。

サメは言わずもがな。タコは動き方が面白い。

「シンゴ速く速く!!」

楽しみにしていたイルカのショーの席取りを急かすイリヤ。

「一番前より真ん中ぐらいが全体を見渡せていいやで?」
「一番前がいいの!!」

全く。お子ちゃまやのー。まぁ、来たばかりの頃と比べると大分大人になったか。

まだ駄々はこねるが、思い通りにならなくても癇癪起こさなくなったしな。

「知ってるか姉ちゃん。イルカさんは大きくなるとクジラさんになるんやで?」
「ほんと!?」
「嘘教えないの。」
「いやほんとやって。」

成長的な意味ではないが。

しばらくしてイルカのショーが始まる。まぁ何度も見たことある俺は、時々おおっ凄いじゃんと感心するぐらいだ。

例の如く俺の膝の上に座る姉ちゃんは、キラキラと目を輝かせてイルカのショーに釘つけである。

隣を見ると凛ちゃんも姉ちゃん同様に釘つけである。やるなここのスタッフ。凛ちゃんの感性を震わせたか。

ショーを楽しんだ後、水族館を見て回り、売店でイルカのぬいぐるみを姉ちゃんと凛ちゃんに買った。

俺に肩車されている姉ちゃんははご満悦の様子。でも俺の頭にイルカのぬいぐるみをグイグイ押し付けるのやめい。





海浜公園でシロちゃんの弁当を食べた後、食後の運動も兼ねてバッティングセンターに向かう。

シロちゃんは今日は大会前の休暇日なので、運動はしたくないから見学するとのこと。

我らが凛ちゃんはミニスカでフルスイングしてバカバカと打ちまくっている。

しかし、見えない。あれか、見えるんじゃないかとガン見してくる馬鹿な男どもを捕えるトラップか。孔明の罠だな。

俺はと言うと2回プレイして40球全部ホームランの的に当てて景品全部貰ったらもうやめてくれって言われた。

自分でもやり過ぎを感じてので自重した。

その後は「やあぁ!」とかいいながらバットを振る姉ちゃんを愛でることにした。

可愛らしくバットを振り、当たらないとむーと膨れて当たると満面の笑みを浮かべる。

アレを見ていると姉ちゃんはロリキラーストロングであると感じた。

どんなロリコンでも奥まで浸透!!みたいな

まぁとにかくロリコンじゃなくて良かったと切実に思います。



「今日は遊んだのー」
「そうね。いい休日だったわ。」

凛ちゃんも満足げの様子。姉ちゃんは疲れたのかシロちゃんにおんぶされて寝てしまった。

「明日は学校や~。おっ!そや、そろそろ文化祭の出し物作らなあかんね。」
「あ~、あれね。」

同好会の顧問の先生から、文化祭にモノ作り同好会として出展しようと言われている。

一成は生徒会が忙しい中、暇を見ては木工細工にトライしているようだ。いいね。チャレンジ精神にあふれているよ。

凛ちゃんは見せるのが嫌みたいでこそこそ作っているみたいだ。どうせ当日に見るのにな。

「凛ちゃん何作るか楽しみや~。のぉ?シロちゃん。」
「ああ。凄く楽しみだ。」
「フ・・フンッ!せいぜい楽しみにしてなさい。」

楽しみやわ~。





文化祭当日。俺の日である。

「行くでシロちゃん。はよ!はよせい!!」
「体育祭とは真逆過ぎだろ・・・・」

文化祭は体育祭と違って当日はグダグダできるからいい。

文化祭はね、当日までの準備が大切なんですよ。

だから当日に間に合うまでにこの日はあれやって、次の日はこれをやる。みたいな分担作業ができるから好き。

露店や喫茶店やるとしても、工作側に回れば当日はやらなくていい。みたいなことも多いしな。

まぁ公立中学だから喫茶店的なのは無く、合唱して、ぼけーと弁論大会的なの聞いて、知り合いの絵とか発表を見てハイ終わり。

素晴しい。アァ素晴しきかな文化祭。





現在は弁論大会。大抵の場合、在り来たりなことを言うだけになりがちな弁論大会であるが、今年は違う。

まぁなぜなら凛ちゃんと一成が参加するからなんだが。ハイレベル過ぎて笑える。お前らほんとに中学生か。またファンが増えるね。

合唱はふつーに歌って終了。ちなみに練習の時、合唱部そっちのけでまた凛ちゃんがリーダーシップを取っていた。

舞台での発表が終わり、シロちゃんと校内で展示されている作品を見て回ることに。

まぁ、見てもシロちゃんと凛ちゃんと一成のぐらいなのだが。

シロちゃんの美術のセンスは、まぁ無くはないんじゃん?って具合。しかしそんなの関係ねぇ。

とりあえずシロちゃんブランドはカメラで激写しまくる。

シロちゃんに恥ずかしいから頼むからいい加減にしてやめてくれ。と切実な顔で言われたので30枚ほどで我慢した。

途中で先生たちやPTAの人達とお話してた一成と凛ちゃんに会った。

「おー。御二人さんお疲れ。」
「ホント、オジサマは同じ話を何度もするから疲れるわ。」

疲弊した様子で答える凛ちゃん。どうやらほんとに疲れたらしい。

「そう言えば一成とシロちゃんは始めてか?」
「むっ。そういえばそうだな。」
「えっと、知ってると思うけど、衛宮士郎だ。宜しく。」
「ああ。知ってると思うが、柳洞一成だ。宜しく。」

まぁ、二人とも校内きっての有名人だしね~。

「凛ちゃんたちが何作ったか楽しみや~。」
「え?ニイさん知らないの?」
「おう。凛ちゃん達も俺がなに作ったか知らないで?おもろくするために各自で顧問のセンセー提出することにしたんや。」

凛ちゃんが余りに隠すからみんなが当日まで分からないようにした。その方が凛ちゃんも隠すのに罪悪感を感じないですむしな。

そう言って展示されている教室に入って行った。

「これ、晋吾が作ったのか?」
「おう。そうや。」
「・・・・ラクダよね?」
「おうラクダや。」
「・・・・なんでシンバル持ってるの?」

シンバルを叩くゴリラみたいに座り、シンバルを持つラクダがそこに居た。

「背中の一番上のコブを押すとな。」



シャンシャンシャンシャン



「鳴るんよ。」

満足げな晋吾

「んでな、2つ目のコブを押すとな。」

シャンシャシャシャンシャンシャンシャシャシャンシャン

「リズムが変わるんや。」
「・・・・無駄に凝ってるな。普通におもちゃ売り場にありそうだ。」
「・・・・流石ニイさんと言うべきなのか?」

褒めるべきか呆れるべきか判断に悩む三人。

「一成のはどれなん。」
「これだ。」

一成は木で出来た小さな机やイス、棚などを作ったようだ。

「へ~凄いわね。こんな小さいのにスゴイ細かく作られてるわ。」
「これ、木目とか自分で掘ってある。スゴイな。」

絶賛の嵐である。普段いがみ合っている凛ちゃんですら賞賛している。

おかしいな。俺の時とは大違いだ。

ちなみに俺の感想としては、シルバ○アファミリーみたいだな~。

・・・・今度作って座らせてみるか。

んで

『い・・一成。お前そんな趣味が会ったのか・・。まぁ、気にするな。俺はどんなお前でも受け入れてやるよ』

的なことを言っとけばたぶん一成ももっと友達増えるだろう。

「さて、お待ちかねの凛ちゃんの作品や。」
「・・・・やっぱり見ないって選択肢はないの?」
「ない。」

すっぱり断りを入れる。すぐに見えないのは凛ちゃんは小物系の机に置くタイプじゃないのだろう。

まぁ、途中の感じを見ると大きめのパッチワークなのは分かる。

「おっ、アレや。作 遠坂凛って書いてあるわ。」
「ん~。これは教室かな?」
「ほぉ。これはこれは。」

ニヤニヤし始める一成。

「・・・・凛ちゃん。」
「なっ・・な、何よ。」

頬を赤く染めながらそっぽを向いている凛ちゃん。

俺は、そんな凛ちゃんの手を取り。

「ちょ・・ちょっと!」
「凛ちゃん。ありがとう。そんな風に思ってくれて。ホンマありがとう。」

パッチワークに浮かび上がるのは、長机が一つ、黒いソファにパソコン。そして種類に統一性がない本棚。

そう、それは晋吾が作ったモノ作り同好会の教室。

タイトルは



『放課後の安らぎ』 
 

 
後書き
今回は少しでも『り・・凛ちゃん・・・・』って思ってくれれば満足。

次回は日常ほのぼのから脱却(?)を目指します。

まぁ、だからと言って完全シリアスとかをするわけではなく、今までの
ブゥウン!グシャアア!!
なエス○リボ○グ無双じゃなくて、ちゃんとバトルするよ?ってだけなんだが。

とにかく新章入ります!! 
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