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麗しのヴァンパイア

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第五十話

                第五十話  どうしたらいいのか
 梨花の指摘を受けて華奈子は考える顔になった、そうしてこう梨花に言った。
「それはね」
「難しい問題よね」
「ええ、サックスはね」
 クラウンでそれが吹ける娘はというのだ。
「あたしだけよね」
「華奈子ちゃんが一番上手よね」
「それであたしがメインで歌うと」
「サックスがね」
 サックス担当の華奈子がメインヴォーカルになると、というのだ。
「いなくなるでしょ」
「そうよね」
「そこをどうするかよ」
「それが問題よね」
「本当にどうしようかしら」
 梨花は他のメンバーに問うた。
「このことは」
「私がサックス吹こうかしら」
 美奈子がここで言った。
「そうしようかしら」
「いえ、美奈子ちゃんはサックスの経験少ないというか」 
 赤音がその美奈子に言った。
「ないでしょ」
「練習すれば」
「フルートがおろそかになるから」
 このことを言う赤音だった。
「だからね」
「それはしない方がいいの」
「それぞれの楽器の技術をよくしていった方がいいでしょ」
 これが赤音の考えでそれで今も美奈子に言うのだ。
「だからね」
「ここはなの」
「ええ、私達全員がね」
「それぞれの楽器に専念すべきなのね」
「そうした方がいいでしょ」
「私もそう思うわ」
 美樹は赤音の言葉に同意して頷いた。
「美奈子ちゃんはサックスもするんじゃなくてね」
「フルートに専念すべきね」
「ええ、私達もそれぞれの楽器に専念してね」
 そうしてというのだ。
「やっていくべきよ」
「そうなのね」
「とはいってもこの歌詞と曲の感じやとな」
 亜美が言うことはというと。
「確かに華奈子ちゃんの歌とサックス合うで」
「そうね。それじゃあここは分ける?」
 こう言ったのは春奈だった。
「そうする?」
「分けるって?」
 六人は春奈の言葉に一斉に顔を向けた、そこに答えがあると直感で感じたからだ。


第五十話   完


               2018・5・9 
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