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仮面ライダーエグゼイド バグ技 仮面ライダープロット

作者:紡ぐ風
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第10話「それぞれのpray」

「デルタドロスの動きは無いようだな。」
ベッドで寝ているプロットは残るバグスターの動向を確認しベッドに座る。
「黎斗、俺のバグスターについてわかったことがある。」
プロットが言うと永夢達も集まる。
「まず、黎斗達も戦ったから解っていると思うが、奴らにはガシャットによる医療戦闘を遮断するシステムが組み込まれているが、俺達のドーズフロップシステムを搭載することで医療戦闘を可能に出来る。」
「それがどうかしたんですか?」
「話を聞け小僧。本題はここからだ。何故ガシャットの力が通用しなかったのか。理由は奴らの肉体構造に秘密があった。本来バグスターは個々のウイルスが纏まることで一つの肉体となり、そのウイルスデータを培養して強化と増殖をしている。だが、奴らを構成しているウイルスは一つ。即ち、単細胞で肉体を構成している変異個体だ。故に、ウイルスの培養、増殖が行えない一代限りの劣化遺伝子だ。」
「なるほどな。道理でプロットのバグスターで被害者が出ていないわけだ。」
「大我、どういうこと?」
「グラファイトの時もそうだったが、バグスターが倒してもレベルアップして現れる理由はウイルスが培養と増殖を繰り返し、その過程で倒された時の状況を親株から受け継ぐから撃破に合わせたレベルアップが起きる。それから、グラファイトがプロトガシャットを奪って使った時、奴はプロトドラゴナイトハンターZのウイルスを散布して小規模のパンデミックに近いことをした。だが、プロットに感染しているバグスターは倒されればレベルアップもしない。それになにより、あのバグスターによる感染被害の例が一切ない。つまり、あのバグスターは一度倒せばそれで終わりってことだ。」
「つまり、めっちゃ強いけど、ライダークロニクルに参加しているバグスターみたいに、湧き潰しをする必要がない、中ボスみたいなもの?」
「お前に分かりやすく言うとそうだ。」
大我の考察に対して医学知識のないニコは質問し、大我は説明する。
「流石です。やはり花家先生は凄い方だ。」
プロットは望む答えを出してくれた大我に頷く。
「やめろ。それより、デンジャラスフロンティアの調整はまだか?」
「今ドラゴナイトハンターZにインストールしている最中です。」
「そうか。終わったら教えてくれ。」
大我は病室から出て行く。
「悪いが、俺も席を外させてもらう。」
飛彩も追うように出て行く。
「なあ、黎斗」
「新檀黎斗だ!」
「どうしてバグスターにプログラムとはいえ感情を、心を与えたんだ?」
「どうしてそんなことを?」
「俺は、死にかけの人間にバグスターの肉体を与えることには反対する気は無い。データとしての保管も。」
「あなたは、なんてことを言うんですか…ここは病院なんですよ!命の保管なんて、出来る訳無いじゃないですか。それは、翔平さんを亡くした卓弥さんなら解っているはずです。」
「煩いな、粋がるなよ小僧。んな奇麗事を言うなよ。」
「奇麗事じゃない。あなたは命が大切じゃないのですか。命の保管なんて、間違っています。」
「なら、今の医療の半分以上を否定することになるな。」
「どうしてですか!」
「一部の大病院では仮死状態の冷凍保存が行われている。それは何故か。今の医療で治せない病、損傷を未来に託す為だ。それに、肉体の一部保存なら、臓器提供で保管されている臓器、死んだ胎児から切除して培養されて保管されている卵細胞、胎内受精が不可能であることを理由に作られる試験管ベビー、一部の男性が行っている精細胞の冷凍保存。それらとバグスターを利用した肉体のデータ保存。一体何が違うんだ?」
「ですが、やっぱり間違っています。黎斗さんは、自分の母親を危険な実験の被害者にしたんですよ。それが、本当に正しいのですか?」
「それ、本気で言っているのか?世界で初のワクチンは母親が自分の息子に打ち込んで作られた。それに、その桜子さんも、お前達医師が見殺しにしようとした命だ。違うか?」
「見殺しだなんて…当時のドクター達は必死に医療活動を行っていました。そのデータも残っています。」
「なら何故、余命宣告をした。結局、自分達で救えないから見捨てて、見殺しにしようとしたではないか!」
プロットが怒りを露わにすると、
「…もう、やめて下さい、先輩。私はただ、私の才能の為に一番手近にいた被験体を選んだだけです。」
「…悪かったな、黎斗。見当違いな考察を、お前の考えのように並べて。」
「私も席を外させてもらう。」
黎斗はドレミファビートの筐体に入る。
「ニコちゃんゴメン、僕も外の空気を吸ってくる。」
永夢は苛つくように出て行く。
「なんか、聴いちゃいけないことは聴いちゃった気がする。」
「気にするな。それより、敵の心配する余裕があるのか?このウイルスが全て消えれば、俺は再びお前達ライドプレーヤーを狙う。」
「負けねえし。私には大我が着いているし。」
「お前は、いい医師に巡り逢えたな。翔平も、あの次期院長が担当医にならなければ、きっと未来も変わっていただろうな…」
「でも、だからって何で無関係な私達を狙うわけ?別に、その友達を殺した奴を倒せば、それで終わりじゃん。」
「…そのライドプレーヤーが、既にバグスターによって消されていてもか?」
「えっ?」
「あの屑達は翔平のことを邪魔だと言って瀕死にして、自分達はバグスターとの戦闘でそのまま消滅。衛生省がまともに動かないのは職員だった俺がよく解っている。そうなれば、自らの手でバグスターと、ライドプレーヤーを滅ぼさないと、翔平の無念を晴らせない。」
「それを敵に言っちゃうんだ?」
「まあ、お前は俺達が無名の頃から買ってくれていた客だったからな。ファンサービスみたいなものだ。」
「あっそ。じゃあさ、ファンサービスの一環で、このパッケージにサイン頂戴。」
ニコはデッドリィトゥルースをプロットに渡す。
「何のつもりだ?」
「あんたのゲーム、結構シナリオもゲームシステムも凝っていて楽しかったから、ファンになったの。まさか命を狙われるなんて思っていなかったけど。」
「でもどうしてデッドリィトゥルースなんだ?初めて出したジョーカーズストライクや現在新作のパーフェクトスナイパーなら解るが。」
「あんた達、デッドリィトゥルースのゲームエリアを隠れ処にしていたでしょ?だから。」
「何でそう思うんだ?」
「だって、今まで作っているゲームで基地に出来そうな場所ってこれしかないし。」
「よく解ったな、天才ゲーマーN。これは俺達のゲームで楽しんでくれているサービスだ。」
プロットはサインを書いてニコに返す。
「ありがと。あんた達のこと、あいつらに黙っといてあげる。」
ニコは走りながら出て行った。
「…さて、ダーティネスはあいつらでは倒せない。仕方がない。ライダークロニクルを終わらせることが出来なかったが、最終段階に入るしかないか…」
プロットはダーティネスリバースを見ながら呟いた。

その頃、幻夢コーポレーションの社長室では、正宗がプロトガシャットを眺めていた。
「ライダークロニクルの流れは順調だな。だが、彼らの力を甘く見ない方がいい。それならば、彼を私の右腕に付ける以外ないか。」
正宗はプロトタドルクエストを見ながら言う。
「黎斗…いや、あれはもう私の息子ではない。あれは死を司るゲーム、デンジャラスゾンビだ。そうでなければ桜子を殺すような真似はしない。」
正宗はガシャットをしまう。
「この中にはタドルファンタジーの恋人、バンバンシューティングの友人、そして爆走バイク。彼の力も、いずれ必要になるか…彼らの運命は私の手でジャッジする。」
正宗はプロト爆走バイクを握りしめる。
「安心してほしい、桜子。君を苦しめる事も悲しませることも私はしない。私が生きている限り。絶対に。」
正宗はプロトドレミファビートを撫でながら呟いた。

時を同じく飛彩と大我はプロットのことで話していた。
「あのバグスターのウイルスはお前のお得意の切除では倒せない。」
「だが、お前の攻撃では致命傷を与えられない。」
「そうなれば、答えは一つだな。」
「チーム医療か。だがどうやって!俺達のガシャットのデータを纏める手段は無い。」
「だからあいつが頑張っているんだろう。デンジャラスフロンティアのバグスターをぶっ潰す為にドラゴナイトハンターZのガシャットにデータをインストールしているんだ。待つしかないだろう。」
飛彩と大我は別れる。

数時間が経ちデンジャラスフロンティアのデータ搭載が完了し、ライダー達は集められる。
「ついに完成したんですか。」
「ああ。細かい微調整もばっちりだ。」
レイズは永夢にドラゴナイトハンターZを渡す。
「使用する際にはそのガシャット一本で変身してくれれば問題はない。それから、各ライダーガシャットに入れたドーズフロップのデータを削除するから貸して欲しい。この手段は一時的な応急処置のようなものだから、いつどんな誤作動が起きるかわからない。」
永夢はレイズからガシャットの説明を受けて起動し、4人プレイモードに切り替える。。
「それでは、ゲームエリアに転送する。」
レイズは永夢達をデンジャラスフロンティアのゲームエリアに転送する。
「さて、ガシャットからドーズフロップのデータを上手く破棄出来るかが腕の見せ所だが…」
「データの完全除去は不可能だ。それこそ、ガシャットを破壊しない限りには。」
「ああ。だから、データの初期化と構造の異なる複数のロック。その上でデータを削除する。」
「まあ、黎斗には意味が無いだろうが。」
「それでも、しないよりはマシだ。」
「それもそうだな。任せたぞレイズ。助六、悪いがなんか甘いものを買ってきてくれ。」
プロットが助六に買い物代を渡すと、
「私が行ってくる。あんた達はここに隠れていな。衛生省の指名手配を受けているでしょ。」
助六が渡された買い物代をニコがかっ攫い買い物に向かった。
「大丈夫だろうか…」
「…まあ、どうにかなるだろう。」
レイズ達は呆れ、レイズはガシャットの内部データの削除を始めた。
go to next game.

次回、仮面ライダープロット
現れる巨竜、デルタドロス。エグゼイド達の運命は─次回『史上最大のhunting』
 
 

 
後書き
たまには珍しく一切戦わない話でしたがいかがでしょうか。次回からは戦いのラッシュです。それでは、次回をお楽しみに。 
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