とある3年4組の卑怯者
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165 漂流
前書き
どうしても喧嘩の展開って文章が長くなってしまうな・・・。
「僕達もこのままじゃいけない・・・!助けなきゃ!!」
たかしは全身が痛むものの、そんな事を気にしている場合ではないと思い、必死で走り出した。
「や、やめろーーー!!!」
熊谷は藤木のスケート靴を川に捨てようとした。
(あの靴を捨てられたら藤木君は大会に行けなくなる!!)
たかしは藤木の靴を捨てる熊谷を止めようとするも間に合わない。
「ベスっ!!止めてっ!!!」
城ヶ崎は必死でベスに熊谷を抑えるよう頼んだ。ベスは「ワン!」と吠えて熊谷に飛びかかった。
「またこのクソ犬かよ!」
熊谷は藤木のスケート靴でベスを殴る。タロも熊谷に吠えた。
「やめろ、また犬をいじめて!」
たかしは熊谷のもとへ近づくが、その時一人の女子が飛び出し、熊谷から藤木の靴を取り上げた。
「堀さん!?」
藤木は堀が入ってきたので驚いた。
「はい、藤木君の靴・・・」
「てめえ!ふざけやがって!堀便所があ!!」
しかし、熊谷はベスに押さえつけられたままだった。堀は靴を藤木に返した。
「ありがとう、堀さん・・・」
しかし、みどりとみきえを片付けた小倉が堀の後頭部を蹴り付けた。
「ウエッ、調子乗んな、堀便所!!」
小倉が堀を踏み潰そうと飛び乗る。しかし、たかしが後ろから小倉に頭突きした。
「ウエッ、てめえまだやんのか!?」
小倉がたかしに振り向き、たかしを殴ろうとする。しかし、藤木と堀が二人がかりで小倉を羽交い締めにした。
「ウエッ、こいつら!!」
「やめろ、僕の友達に手を出すな!!」
「うるせえんだよ!おめえら死ねばいいのに!!」
小倉が全力で自分にしがみつく藤木と堀を離そうとする。再起したみどりとみきえは小倉に近づこうとし、さらに同じく上がって来た城ヶ崎も現れた。
「あ、君、大丈夫なの!?」
みきえが城ヶ崎に尋ねた。
「私は大丈夫よっ・・・!」
「あ、貴方は確か・・・」
みどりは城ヶ崎の顔を見て思い出した。しかし、その時、「キャン!」という悲鳴が聞こえた。熊谷がベスを引き離し、タロの首根っこを掴んだ。
「おい、テメエら、今すぐ小倉を離さねえとこいつら殺すぞ!」
「タ、タロ!」
たかしは熊谷に近づこうとした。
「おっと、それ以上近づいたらこいつを川に投げるぞ!」
「ちょっとっ、あんたっ、人の犬をそんな扱い方していいと思ってるのっ!?」
「じゃあ、テメエの犬も投げ捨ててやるよ!」
「ふ、ふざけないでください!」
「ふざけてんのはテメエだよ!おい、堀便所、電信柱!小倉を離さねえとこの犬どうなっても知らねえぞ!」
「なんだよ、電信柱って!それに堀さんの事をそんな風に呼んで!君達は卑怯者だ!!」
藤木は小倉と熊谷に自分の汚名を浴びせた。
「あ!?てめえ!ふざけんじゃねえぞ!こいつらが悪い。俺たちは悪くない」
熊谷は丁寧に説明するように言った。
「何言ってんのよっ!あんた達が道路の真ん中でキャッチボールしてるからでしょっ!こっちは下手したら当たりそうになったのよっ!!」
「は!?俺達のボールをテメエの犬が加えるとか汚え事したのが行けねえんだよ!ウエッ!!」
「そんなの洗えばいいじゃん!!」
「は!?じゃあ、テメエが洗え!」
熊谷はボールを見つけて拾うと、みきえやみどり、城ヶ崎がいる位置に投げつけた。そしてみどりの頭に当たる。
「ウエッヘッヘッヘ!!」
「ぶはははは!!」
みどりにボールがぶつかった事に小倉と熊谷は爆笑した。
「あんた・・・!!」
みきえは熊谷に近づこうとした。
「あ、近づいたな!」
熊谷はタロを川へと思い切り投げ飛ばした。
「タ、タローーー!!!」
たかしは叫んだ。タロは川に入った。
「ナイススロー、熊谷!!」
「熊谷、小倉・・・!!」
堀は二人を呼び捨てした。そして掴んでいる小倉から手を離すと、小倉の頬を平手打ちした。ベスが熊谷の手首に噛みついた。そして堀は熊谷の所へかい、彼にも思い切り平手打ちした。
「タロ、タローーー!!」
たかしは川に溺れているタロを追いかけた。その時、堀も河川敷へと降り、マフラーとコートを脱ぎ捨て、さらにその下に着ていたカーディガンも脱いで川へと飛び込んだ。川は冷たいが堀はタロの元へ近づこうと必死に泳いだ。
「堀さーん!!」
「こずえ!!」
藤木もみきえもみどりも堀を心配した。小倉がしがみついている藤木を振り払った。
「ウエッ、テメエもぶっ飛ばしてやるぜ!!」
小倉が藤木を蹴り飛ばした。
「藤木っ!!」
城ヶ崎が近づくも、藤木は止めた。
「ぼ、僕の事はどうでもいい!!とにかく堀さんを追いかけてくれ!!」
「え、でも藤木さんを見捨てるなんてできません!」
「堀さんがどうなってもいいのかい!?」
「ウエッ、何ごちゃごちゃ言ってやがる、電信柱!!」
小倉は藤木を蹴った。その時、警察官が二名現れた。ベスが熊谷の手首を離し、助けを求めた。
「君達、そんなところで何喧嘩しているんだ!?」
「ゲッ!警察だ!」
「おっ、お巡りさんっ、この二人が道路の真ん中でキャッチボールしていてっ、私達にボールが当たりそうになってっ、それで私の犬が加えたら汚いって文句言ってっ、それで私達に暴力ふるってっ、友達の犬を川に投げ捨てたんですっ!」
「なんだって!?」
「だからこいつらが悪いんですよ!!」
「だからって道路の真ん中でキャッチボールしてしかも人の犬を川に捨てるなんてやっていいのか!?」
「う・・・」
「君達、どこの学校かね!?」
「この方達は江尻小学校です!そして私もで、このお二方は・・・」
「僕とこの子は入江小学校です!」
藤木がみどりの説明に付け足した。
「そうか、君達、ちょっと交番に来なさい!」
「わ、私達は流された友達の犬を探さないとっ!」
「わかった。君達は行っていいよ」
「急ごう、城ヶ崎さん!西村君やタロも大変だ!」
「そ、そうねっ!!」
藤木は城ヶ崎、みどり、みきえ、そしてベスと共にたかしと流されたタロや、タロを助けようとした堀を追いかけた。
後書き
次回:「暖炉」
タロを助けようと堀は川を流れる、たかし、城ヶ崎、みきえ、みどり、そして藤木。堀を助けるのは巴川を掃除していたある人物だった。そして堀が助けられ、堀が城ヶ崎の家へと連れて行く時、城ヶ崎とみどりがお互いの顔を合わせるが・・・!?。
一度消えた恋が蘇る時、物語は始まる・・・!!
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