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天体の観測者 - 凍結 -

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破 壊 ☆

 
前書き
お久しぶりです
久しぶりの投稿です
最近は忙しくて、何とか今作を執筆することができました

この『天体の観測者(仮)』も気付けば、既に24話目に突入
これも全て皆さまのお陰です
ありがとうございます
これからも今作をよろしくお願いいたします

ではどうぞ 

 
 迸る閃光。
 世界が長年、追い求めてきた不老不死の研究が成就する瞬間、人槍の邪魔が入った。

 魔法陣に跨り、下着を浮かび上がらせ、魔力を高まらせていた教会の賢者へとエネルギー波が直撃したのである。
 勿論、それを行ったのはウィス、その人。

「いや、ウィスさん!?」

 一誠の苦言にウィスは呆れ顔で首を傾げる。

「今、あの人が一世一代の夢を叶えようとしてましたよね!?」
「そもそも私達があの変態の実験を待つ必要はありますか?」

 前方では教会の賢者は魔力の暴走に苦しんでいる。
 いい気味である。
 ざまぁ。

「いや、確かにそうですけど!?」
「人が勝利を確信した瞬間を台無しにするのは愉しいですね。」
「話を聞いちゃいない!?」
「おいおい、少しは待ってくれてもいいじゃねぇか、ウィス?」
「死にますか、アザゼル?」
「いや、ウィス、少しは話をだな……」
「堕天使の種族をリニューアルすることを検討しましょうか。」
「すみませんでした。」

 恥も外聞も全て投げ捨て、全力の土下座。
 アザゼル、あっけなかった。

 しょうがない。
 あのまま反論していればウィスは本気で実行していたかもしれないのだから。

「もう少し粘ってくださいよ、アザゼル先生!?」
「そもそも盗んだ下着で賢者の石への足掛かりを掴むことに成功などしてしまったら、人類の恥ですよ?」

 それは何とも汚れた実験であろうか。

「例えるならば一誠、貴方が日頃行っていた覗き行為に飽き足らず、女子生徒達の下着を盗み帰った後に、崇高な目的とのたまい、下着を使用することを正当化するようなものです。」
「ぬぐっ……!?いや、でも今はもう俺は覗きはしてませんし……。」

 一誠は弱々しく、目をきょどらせながら精一杯の反論を述べる。
 確かに、もう一誠とあのエロ猿共は学内で覗き行為は行っていない。

 一度、一誠達は学内で覗き行為を行っていた時に捕らえられ、被害者達の前に突き出されたことがある。
 ただその場にはこれまで被害に遭った女子生徒達が全員集められており、袋叩きにされることになった。
 勿論、裏で手を引いていたのはウィスである。

 加えて、ウィスはボロクズの状態と化した一誠達を彼らの両親の前に否定しようのない証拠を見せることで、退学寸前にまで追い込んだ。
 だがそこで終わらせないのがウィスクオリティ。

 一誠達の両親の前に突き出した後は、ウィスは彼らを警察署まで連行し、逮捕寸前まで事を荒立てたのだ。
 そこで漸く彼らは外面もなく泣き出し、被害に出会った女性達に誠意を込めた土下座と謝罪を行うことで、一連の騒動は収束した。

 それ以降、一誠と他のエロ猿は覗き行為に走っていない。
 否、完全にトラウマと化してしまっていた。

「……覗きの前科がある一誠さんが反論しても説得力がありません。」
「グハッ……!?」 

 アーシアの非難めいた視線に貫かれ、一誠は吐血する。
 力無くその場に崩れ落ちた。 

「許さん、許さん、許さんぞ、貴様ァ──!」

「私の長年の崇高なる研究の成就を邪魔しおって!」

 前方では教会の賢者が下着によってコーティングされた化け物へと変貌を遂げていた。
 本当に下着そのものになってしまったのだろうか。
 教会の賢者の姿は無数の下着に埋もれ、伺うことはできない。


なぁにこれぇ


「私の崇高なる研究の歩みは邪魔させんぞぉ──!」

 激怒した奴はその身から気味の悪い光を放出した。
 モヤモヤとその光はリアス達の身に迫り、彼女達の下着を除く衣類の全てを弾き飛ばした。

「な…何よ、これ──!?」
「不味い……!?」
「キャァアア──!?」
「またこのパターン!?」
「このジャージ、高かったのに──!?」
「ン、ンニャ!?ンニャ!?フシャ──!!(小、小猫!?もう、許さん!?ジワリ、ジワリとなぶり殺しにしてやるにゃ!!)」

 文字通り、身ぐるみを剥がされ、リアス達は赤面しながら混乱する。
 それだけに留まらず、リアス達のブラは外され、全裸と呼ぶに相応しい姿にされてしまった。


なぁにそれぇ


 ウィスは呆れ顔で、眼前の光景を傍観する。
 見れば下着が操られているのか、リアス達は此方へと走り寄って来ていた。
 両手は見事、下着にて背後で拘束されている。

 リアス達の女性特有の柔らかさを直に享受したウィスだが、その顔色が変わることはない。
 今なお彼女達の肢体が全身に当たっているが、ウィスが動じることはなかった。

「皆さん、暑苦しいので離れてくれませんか?」
「言うに事欠いてそれ!?」
「……何か、屈辱です。」
「複数の女性から迫られてなお動じないその精神性、私は感動した、ウィスさん!」
「ウィス、照れてくれてもいいじゃないですか!?」
「何か思うことはないのですか、ウィスさん!?」



いやぁ、まあ。別に何も?



 周囲を見れば一誠がアーシアを抑え込み、抱き締めている。
 上空からは木場が強襲を行っていた。

「目が、目がァ──!?」

 だが、木場祐斗、撃沈。

 下着が顔に叩き付けられ、為す術無く墜落していく。
 永らく生きてきたが女性の下着をあんな風に遣うのは初めて見た。

「私を忘れてもらっては困るわ!神の名の下に断罪します!アーメン!」

 擬態の聖剣を振りかざし、イリナは刀身を奴の脳天へと振り下ろすも、失敗。
 下着が散り、ノーダメージであった。

 彼女もリアス達と同じく身ぐるみを剥がされ、否、全裸にされてしまった。
 ここで教会の戦闘服が災いし、公衆の面前で全裸になってしまう。

 本当に下着を履いていなかったようだ。
 何ともまあ、いかがわしい戦闘服だ。

「フハハハハハ!私を止められる者など存在しない!」

 教会の賢者であったモノは高笑いを浮かべ、宙に浮遊している。
 公衆の面前で女性を辱めて、この有り様である。
 どうしようもない。

 次の瞬間、ウィスから放たれた特大の気功波が激突し、粉微塵と化す。
 下着諸共、爆発が起き、教会の賢者は半殺しにされた。
 
 教会の賢者事件、無事収束。










 黒焦げと化した教会の賢者は天界の遣いに連行され、イリナの任務は達成された。
 当人であるイリナは両膝と両腕を地面に付き、項垂れてしまっているが。

「私の、私の……」
「下着ですよね?」

 ウィスは意気消沈し、orzの姿勢で沈んでいる彼女に黒の下着を差し出す。

「一応回収しておきました。」
「……。」

 彼女は何も応えない。

「どうしました?」
「……。」

 怪訝に思い、ウィスは下着を差し出すも、彼女は無視。
 呆然とウィスの顔と下着を見詰めるだけである。

「反応がないですね。もしかしてこれは貴方の下着ではないのですか?」

 リアス達は皆一様に首を横に振り、否定の意を示している。
 ならばやはりこの下着は彼女のものとなるのだが。

「何で……」
「……?」


「何で皆の前で下着を出しちゃうんですか──!?」


「バレちゃったじゃないですか──!?」

 折角、この下着のことを皆に隠してこの任務を受けていたのにやだ──!

 彼女は涙ながらに不運の絶叫を上げる。
 瞳からはポロポロと涙を流し、頬を赤く染めている。
 
 こう、何だろうか。
 今のイリナを見ていると何とも形容し難い感情が浮かび上がってくる。
 普段は天真爛漫で、元気はつらつな少女の涙ぐむ姿は加虐性を強く刺激する。

「勘違いしているようだが、皆知っていたぞ?イリナが下着を探していることくらい?」
「……。」

 ゼノヴィアの援護射撃と見せかけた、止めの一撃。
 その口撃はイリナにクリティカルヒットし、彼女の息の根を止めた。







「……いつか断罪してやるぅぅぅ──!」

 結果、逃走。
 羞恥の余り彼女は逃げ出した。 

「それでは次の目的地へと出向きましょうか。行きますよ、リアス。」
「え、何処に?」

 疑問の声を上げるリアスを他所にウィスは彼女の首根っこを引っ掴み、飛翔する。
 ウィス、何かと冷たい男であった。

 一誠達も同様に、ウィスに連れられる形でその場を後にする。
 怒涛の急展開である。

 次なる目的地は冥界。







▽△▽△▽△▽△







 走る、疾走する。
 脇目も振ることなく彼女は必死に足を動かす。

 背後の悪魔から逃げ切るために。
 今なお奴は此方を殺そうと追跡している。

何故、なんでこんなことに!?

「お遊びは此処までだ、人間。」

 足首に激痛が走り、彼女は崩れ落ち、遂に悪魔にその身を捕らえられる。

「何で、こんなことを……?」
「ふん、いいだろう。冥途の土産に教えてやろう。」




「別に何もない。」
「……!?」




「何か特別な理由があるでも思ったか?」

「思い上がるなよ、人間風情が。」

「貴様の身に宿る強大な力、人間である貴様なんぞには勿体ない。」

「貴様ら人間は我ら力ある悪魔の肥やしになっておればいいのだ。」

「その力、真の魔王である私が使ってやろう。」

「我らの崇高な計画の肥やしになるのだ、死んで本望であろう?」

 何だ、それは。
 ふざけるな、ふざけるな!

 憎々し気に女性は眼前の男を睨み付け、涙を流す。
 こんな下種に、屑に自分の人生を滅茶苦茶にされることが我慢ならなかった。





─なら、貴方も自然の摂理で死ぬのは仕方ありませんね?─





 途端、その悪魔の右腕は完全に消滅し、塵と化す。

「ギ…、グギィャァァアアア───!?」
「醜い悲鳴ですね。」

 奇妙なことに消失した右腕から流血することはなかった。
 空から降り立つはリアスの首根っこを掴んだウィスとその一行。

「き、貴様ァ!?」
「どうも、シャルバ・ベルゼブブさん。」

 現状の理解が追い付かないリアス達を他所に、ウィスは眼前の蠅に語り掛ける。

「貴様ァ、我らの申し出を忘れたのか!?」
「勿論、忘れてなどいませんよ?」

 実はウィスは三大勢力会議での騒動が収束した後、真魔王を名乗る悪魔勢力から勧誘を受けていた。
 旧魔王派に加わり、世を変革しようという申し出、否、幼い神器所有者である少年、少女達を人質に申してきた命令という形であったが。

「本気で私を御し切れると、その気になっていた貴方の姿はお笑いでしたね。」

 ウィスを勧誘した背景にはオーフィスを隷属させようという意図もあったのだろうが、最早そんなことは関係ない。

「人間を好き勝手に弄ぶ愚図の存在、はぐれ悪魔と称した悪魔の犠牲者。」

 シャルバ・ベルゼブブの援護に駆け付けた増援の悪魔をウィスは左手の人差し指と中指を突き出すだけで、爆発四散させる。
 まるでそれは作業、無駄に終わる徒労を早急に終わらせるための作業だ。

「貴方達、悪魔が世界に及ぼしている影響は計り知れません。」

 終いには指を天へと突き上げ、周囲一帯を更地へと変えた。
 ウィスを中心に眩い光が迸り、天へと極光が昇り、シャルバ・ベルゼブブが有する領土が地図から抹消された。
 爆煙が立ち昇り、地平線の彼方まで更地が続いている。

「ですが、私も鬼ではありません。貴方が捕らえた神器所有者達を無傷で解放し、その場で土下座をするならばこの場は見逃しましょう。」

 それを行った張本人は怖ろしいまでに無表情。

「私も砂利と本気で戯れるつもりはありませんからね。」

 歪んだプライドを有しただけの砂利など取るに足らない。
 これがウィスが提示したシャルバ・ベルゼブブにとって最後のチャンス。

「貴様ァッ!」

 だがシャルバ・ベルゼブブは自らそのチャンスを放棄した。 
 どうやら奴の煽り耐性はゼロであったようだ。

「真の魔王の血を継承した私が、こんな所で死ぬわけにはいかんのだ!」

 奴は消滅を免れた左手に魔力を集束させ、ウィスの横で事の成り行きを見据えていたリアスへと振りかぶる。
 ウィスには敵わないと判断した上での行動か、否か。







「人々の献身無くして種の存続も出来ない存在如きが図に乗らないでください。」

 だがウィスが難無く受け止めた。
 シャルバの関節が折れる程の力で捻り、否、容赦無くへし折った。

 トップであるオーフィスが脱退し、残るは烏合の衆に等しい集団の命運は此処まで。
 変革などとのたまい、世界に悪影響を及ぼすこいつらは以前から気に食わなかった。
 そしてこいつらは今回、超えてはならない一線を越えた。
 消すには十分な理由である。

 ウィスは左手の掌をシャルバ・ベルゼブブの顔にかざし、唱える。

 全ての終わりにして、終焉の言葉を。 










「 破 壊 」










 途端、悪魔の左手首より先が砂と化し、身体の全てが砂と化していく。
 シャルバ・ベルゼブブの絶叫が周囲に響き渡り、全てが無へと誘われていく。

 左手から始まり、左肘、左肩、下半身、上半身と続き、為す術無くその身を崩壊させる。
 シャルバ・ベルゼブブの身が崩壊し、精神そのものも、そして魂までもが消滅していく。

 シャルバ・ベルゼブブはこの力がグレモリー家が有する消滅の魔力をとは一線を画するものだと理解してしまった。
 文字通り、次元が違う。
 これは神の権能そのものだ。

 体内のオーフィスから授かった蛇も消え、足元に砂の山を積み上げる。
 天国にも地獄にも行けず、否、この世界から完全に消滅していく。

 傍に佇むリアスは普段とは大きく乖離した今のウィスの姿に驚きを隠せない。
 アザゼルはシャルバの身に起きている事象を理解し、冷や汗が止まらなかった。
 一誠達はシャルバの身に起きていることが出来ずとも、驚愕を禁じ得ない様子だ。

 リアス達、悪魔は今この瞬間、理解せざるを得なかった。
 ウィスにとって悪魔を含めた三大勢力を滅亡させることなど片手間で済んでしまうことを。
 それを行動に移さないのはウィスの情けか、人柄か、それは分からない。

 だがリアスは三大勢力の現状が今後も好転することがなければ、ウィスは将来人外達を滅亡させてしまうのではないかと考えざるを得なかった。
 シャルバの姿は未来の可能性ある一つの冥界の果てだ。
 ウィスは今すぐにでもこの惨状を創り出すことが出来るのだから。 

 確かに、自分はウィスに助けられた。
 だが、それはそれ、これはこれである。 

 ウィスが自分に手を貸してくれたのは気まぐれと、ウィスが善良な存在であったことが大きい。
 朱乃が自身の眷属でなければ関わりを得ることも出来なかったかもしれない。

 リアスは如何に自分が恵まれているのかを実感した。
 不甲斐ない姿を見せてしまえばウィスは即座に自分に見切りをつけてしまうだろう。
 確信にも似た強迫観念がリアスを動かし、彼女に"王"として、"悪魔"として奮い立たせるには眼前の光景は十分であった。
 
 こうして瞬く間にシャルバ・ベルゼブブという"存在"は消滅した。
 時を同じくしてパラレルワールドに存在するシャルバ・ベルゼブブも例外なく消えるのであった。







 この日、冥界に存在するシャルバ・ベルゼブブの領土が消滅した。
 領主であるシャルバ・ベルゼブブの姿も。

 シャルバ・ベルゼブブの領地であった場所は地平線の彼方まで更地が続き、何も遺ってなどいなかった。
 更地と化した広大な大地に残るは砂の山。
 この凄惨な事件が冥界全土を恐怖に陥れるには十分であった

 後日、魔王を含めた冥界の上層部にリアス・グレモリー名義でとある映像が提出された。
 そこに映るはウィスとシャルバ・ベルゼブブの姿。

 今後、世界がウィスをどう捉えるかは不明である。










─リンク100(・・・)%─



─残り0()%─










──□ス□□ □□□□□開□し□す □標 ××□□□□年 □月□日 □世□──
 
 

 
後書き
九死に一生を得ることなく、シャルバさん昇天(笑)
ウィスさん、容赦なんてしません
まあ、ウィスは慈悲深く最後のチャンスを与えたんですけどね
本場のビルス様がHigh School D×D時空の地球に来られたら、即座に『破壊』なんですから……

最近、作者はHigh School DxD Hero OP「SWITCH」にドハマりしてます
素晴らしいopです

あ、勿論、感想と評価もお待ちしております<(_ _)>
評価が上がり、感想も頂ければ執筆意欲が高まるぅ、溢れるぅぅ……!ので 
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