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ギャルの恋

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第一章

                ギャルの恋
 一見すると極めて派手で遊んでいる様に見える。
 壬生友紀は濃いメイクにブレスレットやイヤリング、ネックレスで飾っていて着崩したブラウスにネクタイ、ブレザーの着方にだった。スカートは短くしていて靴下も派手な色だ。髪の毛もブロンドにして伸ばして自分でセットしている。
 その外見はどう見ても派手で遊んでいてだ、学校でもよく彼女をよく知らない者からは遊び人に見えた。
 しかしだ、友紀は親しい友人達には密かにこう告白していた。
「実はあーしキスもね」
「えっ、まだ?」
「キスもまだって?」
「それマジ?」
「マジもマジなの」
 本当にというのだ。
「これがね」
「意外っつーか何つーか」
「友紀がキスもまだって」
「そこまでの処女ってね」
「マジ有り得ないっていうか」
 友人達は友紀に戸惑いつつ言うばかりだった。
「あたし達も遊んでるって思ってたけど」
「違うのね」
「それどころか正反対で」
「キスもしてないっていうの」
「っていうか男の子と付き合ったことないし」
 友紀自身はさらに話した。
「一度もね」
「高一になって?」
「それでもなの」
「中学の時とかも付き合ったことなくて」
「勿論小学生の時も」
「そうなの、男の子と付き合うとか」
 さらに言う友紀だった。
「あーし縁なかったしね」
「じゃあ合コン来る?」
「今度あたし達合コンするけど」
「そっちに来る?」
「そこで彼氏見付ける?」
「そうしよっかとも思うけど」
 友人達の誘いにだ、友紀は考える顔になって言葉を返した。
「あーし何かこうね、純愛っていうか」
「そうした恋愛したいの」
「友紀としては」
「そうなの」
「そう、何かこうね」
 こう友人達に話すのだった。
「純愛したいっていうか」
「じゃあコクられたらそこから」
「高校生らしい恋愛するの?」
「そうしたいの」
「そう考えてるけど何か有り得ないと思われてる?」
 友紀は周囲の自分への評価を知っている、それで言うのだった。
「あーしにそれは」
「ああ、それあるね」
「そだね」
「友紀ってその外見だからね」
「滅茶派手だから」
「もうまんまギャルだから」
 友人達も否定せずに言う、彼女達の中で話しつつ。尚今彼女達は部活のバレーボール部の部室の中で話している、既に着替え終わって体操服と半ズボンからブレザーとスカートになっている。尚友紀は運動の時はアクセサリーは危ないので全部真面目に外している。
 その部室の中でだ、友人達は友紀にさらに言った。
「もうマジでね」
「友紀に純愛ってね」
「マジ有り得なくね?ってね」
「皆思ってるわよ」
「そうよね、けれどね」
 それがというのだ。
「あーし的にはなのよ」
「純愛していっていうのね」
「そうしたいって」
「そうなの」
 また言うのだった。 
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