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ノクターン

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第一章

                ノクターン
 一人でピアノの演奏会に行った、これは私の趣味で時々していることだ。昔からピアノが好きでその演奏会や発表会には時々足を運んでいる。
 一人の奇麗な人がショパンのノクターンを弾いた時私は思わずうっとりとなった、それでそれから暫くの間は家でもよくこのショパンのノクターンを部屋で聴いていた。けれどその私に妹が言ってきた。
「お姉ちゃんまたショパン聴いてるの」
「ええ、ノクターンをね」
 大学から帰ってアルバイトも終わって晩御飯もお風呂も済ませてパジャマ姿でホットミルクを飲みながら聴いていた、そこに妹が言ってきたのだ。
「聴いてるの」
「最近その曲好きよね」
「いい曲でしょ」
「まあね、私はバラードとかが好きだしね」
「それならこうした曲は好きでしょ」
「ええ、ただ最近のお姉ちゃんはね」
「この曲ばかりっていうのね」
 妹に顔を向けて言った、妹もお風呂から出ていて自分のパジャマを着ていてもう寝る準備に入っている。
「聴いている曲は」
「そうなってるじゃない」
 実際にという返事だった。
「演奏会に行ってから」
「そうよね、けれどね」
「聴きたいのね」
「何かはまったのよ」
 こう妹に答えた。
「もうね」
「そうよね、まあ好きな曲ならね」
「聴いていていいわよね」
「いい曲だしね、ショパンってね」
 妹はこの曲の作曲者のことも話した。
「素晴らしい音楽家よね」
「そうなのよね、奇麗なピアノの曲を沢山残してるのよね」
 このノクターンだけでなくだ、ピアノのモーツァルトとか呼ばれていることは私もよく聞いている。
「天才とも呼ばれてるわね」
「そうみたいね」
「ショパンの他の曲も聴いてるわ」
「ノクターン以外の曲もなのね」
「そうしてるわ、聴いてるとね」
 ショパンの曲をだ。
「落ち着くわ、ゆっくりと寝られるし」
「聴いた後は」
「本当にいいわ、だから今も聴いてね」
「ゆっくり寝るのね」
「そうするわ」
 こう言ってだ、そしてだった。
 この日も聴いた、そして次の日も。暫くはショパンのノクターンばかり聴いていた。 
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